「微視的(ちまちま)お宝鑑定団/東海林さだお」という本を読みました。
『微視的(ちまちま)お宝鑑定団/東海林さだお著(文春文庫)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
初出は「オール読物」2006年5月号、2007年8月号~2009年4月号で、『男の分別学』として単行本が2009年に出ています。
この本はその文庫化で、2012年に発行となっています。
なので、18年~19年前の東海林さんの文です。
東海林さんが台所用品で一般人は手に入れないような物について魅せられる話から書かれていました。
たとえば湯豆腐セット。普通の家庭では小鍋があればそれで十分ですが、あえて火鉢のような形をしていて、銅釜が入っているような凝ったものを買い、実際にはほとんど眺めて喜ぶ・・というような東海林さん独特の趣味的境地が説明されていました。
他にもラーメン屋さんなどが麺の湯切りをするあの金属の網のようなものに縦の柄がついているものにも魅力を感じ、実際に使ってみたら台所がビショビショになったなんて話も書かれていました。・・もうこの辺でわけがわからなくなる(^_^;)
お酒を燗する「ちろり」と呼ばれる錫製の入れ物も手に入れていますが、燗つけ器や、おでんの船に入れたりするもので、これもほとんど鑑賞用かと思われます。
マニアックではあるが、その境地はちょっと理解できない感じなのが東海林さんらしいところです。
また、全長が2キロメートルもある戸越銀座商店街に行って、いろいろなお店を探訪したりもしています。
ここでは、商店街の魅力を余すところなく“東海林節”で紹介していて、東海林さだおの真骨頂が示されています。読み応えあり!とにかく目の付け所が私たち凡人とは違うっ!
あの清貧電鉄「銚子電鉄」に乗って、旅にでる(距離はめっちゃ短いが)エピソードも書かれていましたが、ついでにヒゲタ醤油の工場まで行って工場見学もしたりしています。
とにかく行動力がすごいっ!考える前に足が向いてしまい、グイグイ入り込んで行きます。
ここいら辺が常人とは違うのです。
さまざまな微視的(ちまちま)探訪というか、鑑定団ぽい行動をしている様子が面白く、一気に読んでしまいました。
東海林さだお、おそるべし・・。
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