椎名誠さんの「単細胞にも意地がある」を読みました。
『 ~ナマコのからえばり10~ 単細胞にも意地がある/椎名誠著(毎日新聞社)』を古本で手に入れ、読んでみました。
「サンデー毎日」の2014年4月6日号から11月16日号にに連載されたものをまとめたものです。
これでも“かれこれ”10年も前のものになります。
椎名さんは今まで幾多の危険な旅を含めた外国への旅をしてきましたが、この本を読むと、そろそろそんな旅も難しくなってきた・・というようなことを書いていて、今までの仲間と一緒に“雑魚釣り”に出かけたりしていた、強行・怒涛の酒飲みツアーみたいなものについても考えはじめているのが感じられました。・・身体の心配もしている。
この頃は、まだ北海道に別荘を持っていて、そのことを書いたりしているし、武蔵野に三階建ての住居があり、そこでの執筆の様子も書かれています。
後に、その別荘も住居も処分することになるのですが。
書かれている内容は、それこそアイスランドの旅の話もあれば、自宅のネズミ退治の話もあったり、かつて煙草を吸っていた時代の世相にふれたり、日本じゃ当たり前のことが外国では理解不能なことであったりすることなどについても書かれています。
でも、この時期そろそろ身体のことが気になりだしている椎名さん、人間ドックに行ったときのことも書いています。
まだその結果については悪いところは無さそうですが、でも私もそうですが、とても気になりだす年齢ってやはりあります。
椎名さんの心配が少し見え隠れしているように感じました。
政治家になりたがる人についても書かれていたし、カネと政治家のことについても憤りと不可思議な部分を感じつつ書かれていて、今現在の政治家について書いているのかと思うくらいの書きぶりでした。
つまり、あの頃からあまり政治家の様子は変わっていないのだな、と思いました。
いつもながら椎名さんが元気にあちこち飛び回り、ガシガシと文を書き、あっちに行っては笑い、こっちに行っては食いまくり、呑みまくり、そっちに出掛けては怒りにふるえる、という内容の本、面白く読ませてもらいました。
まだまだストックがある椎名さんの本、また読んだらご紹介します。
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