「とにかく散歩いたしましょう/小川洋子」を読みました。
『とにかく散歩いたしましょう/小川洋子著(文春文庫)』を古本で読みました。
毎日新聞に2008年~2012年にかけて連載された「楽あれば苦あり」を改題して2012年に単行本となったものの、さらに文庫化(2015年)されたものです。
新聞に連載されたエッセイということですが、話題と視点はものすごい広がりで、著者・小川洋子さんの興味の対象、発想の奇想天外さにも驚きました。
あまりにもその範囲が広いので、私にはついていけない話題も多く、読むのに難儀したエピソードもありました。
私が面白いと思ったのは、かつて学生時代など過去に読んだ本のストーリーが、大人になって読んでみると“まったく記憶と違っていた”という話でした。
そうかもしれない・・。
人の死などの辛い結末だと思っていた物語が案外ハッピーエンドだったり、こいつは悪いヤツだったという記憶のある登場人物がそうではなかったりすることが私にもあります。
いったいどういう思い込みなんだと思いますが、長い年月を経るうちにどんどん記憶は歪められてしまうようです。
このブログでも、自分の記憶にある小中学生時代の出来事などを書くと、「それはあんたの記憶違いだ」という指摘を受けることが時々あります。
えっ、そんなはずはないと、資料等にあたってみると、私の記憶違いだということが判明します ^_^; ・・・そんなもんなんですね。
傾向として、良い記憶は美化され、悪い記憶はより強化されているようです。
これは私の人格的なものによるものか、それとも人は皆そんなことなのか・・謎は解かないでおきましょう。
読みやすそうで、意外とついていけない話題のあった「とにかく散歩いたしましょう」という本でした。
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