「車のある風景/松任谷正隆」を読みました。
『車のある風景/松任谷正隆著(JAFMateBooks)』という本を読みました。
これも珍しく新刊です。
「JAF Mate」に掲載された松任谷さんのクルマに関する文(2018年~2023年)をまとめたものでした。
松任谷さんと言えば、カーグラフィックTVで進行役をされていることで私も知る“クルマ好き”です。
この本の中に書かれている文章は、どれもこれもクルマ好きがかつて通ってきた道が描かれているように思いました。
つまり・・けっこう運転が未熟で恥ずかしかった頃の話や、最初にクルマを手に入れたときのワクワク感や、カッコつけて失敗した話、同じくクルマ好きな友人や知人とのエピソードなどが書かれていて、まあ飽きることはありません。
奥さんの荒井由美さんと結婚する前にドライブした話なども載っていましたが、まあ失敗の連続というか、すでにユーミンは当時もう売れっ子だったであろうに、その失敗談があまりにも私たちと変わらないもので、とても身近に感じるとともに、正隆さんはけっこう我儘で気が短く、しかも道がよくわからない土地に行った時などに「ええい、ままよ」と“一か八か”みたいなことをする人だとわかって・・想像と全然ちがう人だった、と驚きました。
一番すごい失敗談は、まだお二人が結婚する前、当時は「納豆スパゲティ」というものが渋谷の「壁の穴」で出始めて、ユーミンが納豆とスパゲティをタッパに分けて持ってきて、二人でクルマを停められるところまで行き、真っ暗なところで混ぜようとして落としてしまい・・センターコンソールとシートの間に納豆がぬるぬると流れ込んでしまった話。
少しは手ですくい取ったが、クルマの中の匂いは強烈で窓を開けて走ってもたまらないものだったという・・(^^;)・・えっ、あのユーミンが!と思うような話まで書かれていました。
クルマに関しては、やはり外車の話が中心となっていましたが、登場人物の中には、亡くなった高橋幸宏さんもいて、松任谷さんとの仲がいいんだか、悪いんだかわからない、エピソードも書かれていました。高橋さんのちょっとスカした、そしてオシャレな感じが伝わる面白い話でした。
というわけで、300頁近いものでしたが、あっという間に読み終えました。
クルマ好きには“おやつ”代わりにおいしい本でした。
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