「マスクは踊る/東海林さだお」を読みました。
『マスクは踊る/東海林さだお著(文藝春秋)』という本を古本で読みました。
古本といっても、今回は2021年発行のもので、内容はコロナ禍直前からコロナ禍真っ只中くらいの頃のものとなっていました。
私が気になったところとしては、「ズルの時代 ~“恥”がなくなった~」という章でした。
日本人は今や「うまく立ち回る」ことばかり考えるようになっている、というのです。
かつては「恥の文化の国」であったということは、私も学生時代によく聞きました。
恥をかくくらいなら腹かっ切って・・という人さえいそうな時代でした。
そして今、急に「恥OK」の国になったと東海林さん、おっしゃいます。
この本が書かれていた頃は、まさに『忖度』という言葉がキーワード的に大きな話題となっておりました。
忖度は、みんなうっかり見逃しているが、“ズル”の一種だというわけです。
ズルもズル、大ズル、巧妙なズル、遠大なズルだと強調されています。
忖度は一見ズルに見えないが、忖度を「おべっか」という言葉に置き換えてみると、その実態が明らかになるのだというのです。
「忖度」本来の意味には、上品な意味も含まれていたが、昨今は「忖度=おべっか」となっている。
「森友学園疑惑」のとき、財務省元理財局長の国会での数々の証言、あれはすべて首相に対してのおべっかだった!これで「忖度=おべっか」の図式に納得がいくのではないか、とおっしゃっています。
納得しましたよ・・・が、時すでに遅しです・・真面目に仕事をしていた人が亡くなってしまいました・・・。
今回の東海林さんの本は、コロナ禍真っ只中ということもあって、鬱屈した著者の心の叫びのように割と政治的な発言が多くありました。
こんな東海林さんの本もなかなか力強くていいと思いました。
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