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2024/06/23

『「むなしさ」の味わい方/きたやまおさむ』新刊を読みました。

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『「むなしさ」の味わい方/きたやまおさむ著(岩波新書)』を読みました。
浜美枝さんのラジオ番組にきたやまさんが出演され、この本のお話しをされていたのを聞いて読んでみたくなりました。

今年2024年1月に初版発行で、すでに4月の時点で第4刷発行となっていました。
「むなしさ」を感じている人が多いんじゃないか、と思いました。

最初の方では、今の世の中、人は、「間」をなくすことに汲々としているということが書かれていました。
「間」をなくすことに“もってこい”なのは、“常にスマホを見ていること”だとも。
もうどんな時でもスマホを見ている人だらけな世の中だと私も日々感じます。

「むなしさ」に慣れていない現代社会では突然襲ってくる「むなしさ」に圧倒されがちで、それに耐えられない、そして隙間を埋めて常にスマホを見ていれば紛らわせるかの如く前かがみでスマホの世界に没入しています。

でも、きたやまさんは、「むなしさ」を感じ、味わうということは大切なことで、それにより人生に深みがでてくるのではという趣旨のことを書かれていました。

一面、相手の反応に敏感でありながら、若い人のリアルなコミュニケーションは、多くの言葉を発するにもかかわらず、相手の話は聞いていない。
一緒の場にいるのに相互のコミュニケーションに取り組むことをほとんどせず、スマホに向き合っているのでは、とおっしゃっていて私も同感です。

本の大半は、学術的な考察がなされていて、難しい表現で私には書けませんが、ようするに困ったこと、心配ごと、困難、トラブルなどさまざまなものを心のプールというか、「沼」のようなスペースを持ち、いったんそこに溜めておくことが出来れば、今の人達が陥っている「厭なこと、困りごとなどをどんどん捨て去り」そして「間」が出来て、その「間」を必死に埋めようとまたスマホに“かかり切り”になる悪循環を断てるのではないか、そんなことが書かれていたと私は感じました。

沼には、自己の厭な部分、陰の部分なども泥のように溜まり、臭いますが、でもそういう心の沼は必要なのだとおっしゃっています。

探していたものは見つからず、築いたものは壊れるし、人に対する期待は裏切られる、そして「むなしさ」が生じて自分のやってきたことや自分の存在に意味も価値もなかったのではないか、という気持ちになるのが人。

でも、その「むなしさ」は、かけがえのない「私」が見つかるという確かな事実があるという・・そういう考えが、今までの多くの意見や、私の考え方にもほとんど無かったことだと思いました。

いろいろなものを失い、幻滅が繰り返されてきたけど、そう感じてきた「私」自身は失われることなく、いまここに“生き続けている”・・そんな考え方がうまく出来ていたら・・と今更ながら思いました。

最後に、「あの素晴らしい愛をもう一度」を共作した加藤和彦さんのことも書かれていました。
「あのとき同じ花を見て美しいと言った二人」は、きたやまさんと加藤さんだったのだと書かれていました。
もちろん、男女の愛のことを歌っていたと思っていましたが、でもそれは男と男の間でも様々なすれ違いがあって別れていくのだ、とあらためて思いました。

音楽で通じ合ったお二人が、再会してまたあの歌をステージで歌いましたが、それはあの最初のヒットから後の二人を歌っていたのですよね。

自死した加藤さんとの「あの素晴らしい愛」は再生することはありません。
取り返しのつかない喪失は味わうしかないとおっしゃっていました。
ぽっかりあいた心の穴だと。

 

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