「いろんな気持ちが本当の気持ち/長嶋有」を読みました。
『いろんな気持ちが本当の気持ち/長嶋有著(ちくま文庫)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
2005年に筑摩書房から刊行されたものに書き下ろしを追加し、文庫化されたものです。
著者長嶋有さんは文学界新人賞、芥川賞、大江健三郎賞を受賞されている方ですが、私はこのエッセイが長嶋有さん初体験となりました。
たしかに面白い話が次々と出てくる。
笑ってしまう話も多い。
そんなことまで気にするの、という話もあったし、ずいぶんと“奥手な人”だなと思うようなエピソードもありました。
でも、私とは年代が異なるせいなのか、方向が25度くらい“ズレて”いる感じがして、読んでいるうちにその“回りくどさ”についていけなくなり、疲労感が増してまいりました。
「レ・ミゼラブル」はそのとおり「レ」と「ミゼラブル」を離して発声しないと納得できない話、「ボ・ガンボス」は「ボ」と「ガンボス」をきちんと離して発声しないと気が済まない・・という話などにはなんだか体を“かきむしりたく”なりました。
著者は、友達からも「そこまで区切っていう人はじめてみた」と笑われたと書いていますが、話的にこれが面白いのかというと、わざわざ書くほどではないと思ってしまうのです。
私の感性が追いついていないのか、とも思いましたが。
歯の噛み合わせも悪いし、歯に物が挟まりやすい、虫歯も多い、歯ブラシやフロスだとかモンダミンなどとっかえひっかえする気力もないので、「最近入れ歯に憧れている」という話も・・話的には面白そうな展開だとは思いつつ、・・どうでもいいな、と思ってしまいました。
要するに「面白がる対象」が単に私と微妙に合わないだけなのだと思います。
読んでいる日の体調や、自分の機嫌も関係すると思うので、またいつか読んでみるとかなり面白い本かもしれません。
今回は現状の読後感で書いてみました。
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