「老人をなめるな/下重暁子」を読みました。
『老人をなめるな/下重暁子著(幻冬舎新書)』を読みました。
2022年第一刷発行のもので、割と近年の本です。
このブログでも何度も下重さんの著書をご紹介していますが、いつも気風よく、はっきりと言いたいことを書かれているのが気持ち良いのです。
特に「老人」というものをひとつの枠に“あてはめる”ような世相というか、世間の状況については厳しい言葉が飛びます。
スマートフォンばかり見ている人達を見て、「スマホ代わりに年寄りの知恵を活用せよ」とおっしゃっていますが、データの中に答えがあると思っている人は多いと思います。
知恵、知識の奥行きというものをもっと活用すれば、要するに年寄りの知恵は様々な経験から出てくるもので、侮れないのだ、というわけです。
そう思います。
最近じゃ、本も読まない人がいるので歴史から得る知識などというものからも遠ざかっている人がたくさんいると思うのです。
つまり「読書で得られる知恵も高齢者の知恵に匹敵する」ということだと思います。
もうひとつ、『「断捨離」や「終活」に踊らされるな』ということ。
上記、断捨離や終活はしきりにテレビや雑誌その他で言われていますが、それをして心も身体も自由になる・・のでしょうか。
私の中学時代の担任の先生とも時々「終活」の話をするのですが、先生の周囲でそれを始めた人たちは“ぬけがら”のようになってしまうか、身体の具合が急に悪くなったりしている人が多いというのです。
そりゃあそうだよ、もう身の回りに自分を支えてくれた過去の痕跡を無くして、あとはこの世から居なくなればいいのだというところまで準備してしまったら、ふつうの人は気力が衰えてしまうような気がするのです。
“生き生き”と終活している人もいますが、それはそれで、そのこと自体が目標になって気力が充実しているのかもしれません。
でも、そんな人には、今度は信託財産を管理しましょうと金融機関が乗り出してきて、そこで利益を出そうと待ち構えている。
テレビその他で終活を声高に言うのは、そんなところからお金が出ていてビジネスになっているのではないでしょうか。
ということで、この本のタイトル「老人をなめるな」は正しくも決意あらたにしなければならないことだと思い、読了いたしました。
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