「東京いいまち 一泊旅行/池内紀」を読みました。
『東京いいまち 一泊旅行/池内紀著(光文社新書)』を読みました。
初出は「小説宝石」に2009年9月から19回にわたって連載されたもので、一部2012年に「東京人増刊葛飾区を楽しむ本」からも加筆修正されたものが加えられています。
この本自体は2012年に初版が発行されています。
著者、池内紀さんはドイツ文学者で、エッセイスト。大学でドイツ語の教師もされた方。
私にとっては、十年以上も前になりますが、NHKのFM放送で「日曜喫茶室」という番組があり、その番組に“ご常連”としてよく出演され、とても穏やかで、優しく、柔らかい話し方が印象的な、とても素敵な老紳士という印象が残っています。
さて、今回のこの本では、池内さんは東京の郊外に住んでいるのにもかかわらず、東京に一泊して“いいまち”を巡るという手法で様々な町を探索されています。
読んでいるうちに、「なるほどね」と思いました。
泊まってしまえば、目的地の朝の様子から見ること、感じることができるのです。
同じ東京だからといって、自宅から出掛ければ、目的地に到着するのは昼前ということになると思います。
そこからの様子と、早起きしてみた現地の様子は自ずと変わったものになるのではないでしょうか。
品川、上野、十条、王子、赤坂、築地明石町、牛込界隈、神田・日本橋などあちこち巡る池内さん、深い知識と、人に対するやさしい眼差しが文に表れていて、読んでいるこちらものんびりと散策を楽しむような気持ちになりました。
その町がある土地の形状や、そもそもの成り立ち、歴史的な建物、神社・仏閣、店など、東京の楽しみ方ってこういうのも“あり”だと思いつつ読みました。
特に上野、赤坂、千住、丸の内、青梅、神田・日本橋などは、今まで行ったことのある所でも別の視線で見て、楽しめるような気がしました。
この本片手に、年内から来年に掛けて、少し歩いてみようと思います。
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