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2024/11/30

「寿司屋のかみさんお客様控帳/佐川芳枝」を読みました。

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『寿司屋のかみさんお客様控帳/佐川芳枝著(講談社文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
このブログでも、著者、佐川さんの“寿司屋のおかみさん本”を過去に何冊もご紹介しましたが、この本は佐川さんの「名登利寿司」で出している寿司やつまみなどの料理だけでなく、やって来るお客さんたちについて焦点を合わせて書かれているものでした。

1999年に刊行され、2002年文庫化に際し加筆し、新たに二編を書き下ろしたものです。

名登利寿司を訪れる様々な男女の話も面白く、別れたり、夫が亡くなったり、男女二人の間に生まれた赤ちゃんがやがて高校生になって店を訪ねてきたり、大将と女将さんが男女の仲の行方にやきもきしたり、おめでたい結果に心から喜んだり・・と、そこに登場する人物達の描写は小説家でも“タジタジ”になるくらいの上手さです。

今までに読んだ本でもそうでしたが、“脱帽”です。
そしてそのエピソード中に出てくるお寿司の描写も実に美味しそうだし、眼前に浮かび上がってくるくらいの書きぶりで、参考にしようにもあまりの上手さに手も足も出ないくらいのもので、女将さんの文章力に惚れ惚れするばかりでした。

そして、この本最大のクライマックスは、当時の首相、橋本龍太郎氏が女将さんの本を読み、読者カードを書いてくれたものが女将さんの手もとに届き、「これは“いたずら”?それても本当に本人?」と疑問を持ったところに連絡が来て、現役の首相が名登利寿司を訪ねて来て、夫人と食事するということになる部分でした。

その話題でも、首相や夫人、周囲の人達の当時の様子が実に豊かに表現されていて、舌を巻きました。そして首相は“舌鼓を打つ”というお話 (#^.^#)

一般市民が知る橋本首相とは異なる、人間味あふれ、心遣いが見事な様子が描かれていましたが、それは丸ごと事実が書かれているのだと思いました。

私が東京勤務だった頃、仕事で自民党本部の議員でなく、職員の人達と付き合う機会がありましたが、お話を聞いていると、橋本首相を思い出し、「あの人は立派だった。人情もあった。恩を忘れない人だった。男気があった。関わる人達を大切にする人だった。」という話をたくさん聞きました。

きっとその一端が名登利寿司を訪れたときにも表れたのではないかと思います。

さらにこの本には、その後首相を退陣した後にも、夫人、娘さんと現れて名登利寿司で食事をする続編も加えられていました。

時には哀しい話もありましたが、いい話ばかり、いい人物ばかりが登場するというような心温まる本でした。
私も泣いたり、笑ったり、感心したりしながら読み終えました。
素敵な本でした。

 

俳句を詠んでみる_0288【 行く秋 三百句まで あと十二句 】

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今年の三月から生まれて初めて俳句を読み始め、あれから九箇月・・。

【 行く秋 三百句まで あと十二句 】

《背景》季語:行く秋[晩秋]
今年二月に夏井いつき先生の「市原市民会館・句会ライブ」で、生まれて初めて句を詠み、ビギナーズ・ラックで同行の妻もびっくりの優勝。
「これからもずっと詠んで」の先生の言葉に忠実に三月から句を詠み続け、今日までに二百八十八句詠みました。
もう俳句は自分の生活の一部となりました。
あと十二句で三百句。
自分でも信じられないことですが、俳句は人生のアルバムになりつつあります。
今年中に三百句詠もうと思います。

 

2024/11/29

俳句を詠んでみる_0287【 黄落の 麻賀多神社(まかたさま) 光溢れる 】

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妻と初めて訪れた佐倉市の麻賀多神社の境内に入って一句詠みました。

【 黄落の 麻賀多神社(まかたさま) 光溢れる 】

《背景》季語:黄落[秋]
佐倉市にある麻賀多神社に妻とお参りした。
麻賀多神社は、佐倉市内に十一社、酒々井町に二社、成田市に二社、冨里市に二社、八千代市に一社の全十八社を数え、この地域のみに存在するという。
1050年程前に完成した書物「延喜式」にも社名の記載があり、古くから『まかたさま』と親しまれてきたとのこと。
黄落が美しく、境内は光が溢れていた。

 

 

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2024/11/28

俳句を詠んでみる_0286【 冬晴(ふゆばれ) 手に缶コーヒー 暖を取る 】

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冬の日に外に出て缶コーヒーで暖まるという句です。

【 冬晴(ふゆばれ) 手に缶コーヒー 暖を取る 】

《背景》季語:冬晴[冬]
冬晴の日、散歩中に自動販売機を見つけ、思わず「あたたかぁ~い」と赤く書かれた値段の付いた缶コーヒーのボタンを押す。
手に取り、右・左と交互に缶を“アチチ”と転がして暖を取る様子を詠んだ。

 

2024/11/27

「暗がりで本を読む/徳永圭子」を読みました。

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『暗がりで本を読む/徳永圭子著(本の雑誌社)』を古本で見つけ、読んでみました。

2020年発行のこの本は、書店に勤務し、雑誌や新聞で書評・コラムを連載している著者の初の著書となるものだそうです。
それにしては、この本の文は実に“手練れ”というか、上手いと感じました。

書店員で、ふだんから色々な本を読み、かつ、敏感に世の中の“本事情”というものを知り尽くしている人だからこその文なのだろうと思いました。

この本に掲載されている文を読むと、まだ「本屋大賞」ができる前のものがありました。
読んでいると、著者はその創設にあたっても関わっていたようで、本に対する並々ならぬ愛情というか、情熱も感じました。

今や、書店は減少の一途をたどり、本屋が一軒もない市町村が珍しくはない状況ということで、この本に書かれていて、著者が関わっている本屋でのイベントのようなものは、著者のような書店員さんがいないと成り立たないのだろうとも思いましたし、今後も続けていただきたいものだと思いました。

著者宛に閉店することになった珈琲店から葉書が届き、「どんな夜でも、すっと本の世界に入っていくお姿が好きでした。たくさんの時間を過ごしてくださりありがとうございました。」
と書かれていたとのこと。

いい話です。
まさに本好きならではの珈琲店での居方、過ごし方だったのでしょう。

本屋開店の際に関わった書店は、その後の成長も気にかかるということで、定跡を外さず、旬を逃さない棚作りには正解はなく、その店が出来た過程も覚えているということも書かれていました。

本屋さんの視点から見た書店について、そして、おすすめしたい本などもたくさん載っていました。
本好きのための良い本でした。

 

俳句を詠んでみる_0285【 着ぶくれて 六人座りの 長座席 】

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電車通勤していた頃を思い出し、冬の着ぶくれ時の座席について詠みました。

【 着ぶくれて 六人座りの 長座席 】

《背景》季語:着ぶくれ[冬]
通勤に電車を利用していた頃。
いよいよ寒くなり、皆、ダウンや厚めのセーターなどを身に着けるようになると、電車の7人掛けの座席が6人座りになっていることがあった。
着ぶくれで一人分あぶれていた様子を詠みました。

 

2024/11/26

俳句を詠んでみる_0284【 黄落(こうらく)の銀座通りに フリマ立つ 】

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銀杏色づく銀座通りに出掛けて一句詠みました。

【 黄落(こうらく)の銀座通りに フリマ立つ 】

《背景》季語:黄落[秋]
映画を見に行く途中、千葉の銀座通りを抜けようとしたら銀杏並木が色づく中、フリーマーケットが開かれていた。
思わぬにぎやかさに映画を見る前の心がわくわくした。

 

 

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2024/11/25

「運を天に任すなんて 人間・中山素平/城山三郎」を読みました。

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『運を天に任すなんて 人間・中山素平/城山三郎著(新潮文庫)』を読みました。
2001年に光文社文庫におさめられた「運を天に任すなんて 素描・中山素平」を改題して2003年に新潮文庫として発行されたものです。

「財界の鞍馬天狗」「日本の羅針盤」などという異名をもった中山素平の日本経済復興を語る上で欠かせない銀行マンとしての生き方を描いたものとなっていました。

時代としては戦時下も含まれ、主人公の中山素平は、シンガポールという当時日本軍の最前線に近い占領地への海外派遣も経験し、そのときのことも書かれていました。

海運業界の再編などをした中山ですが、戦地でも自らの考え方、物事の進め方は曲げることなく、その大変な様子も書かれていて、今のこの時代にこんな人は一人もいないと思いました。

戦後もGHQの興銀無用論を突っぱね、興銀中興の祖となり、山一証券への日銀特融、八幡・富士製鉄の合併、などの難事解決にあたって名を馳せたのですが、著者城山さんの緻密な取材がものを言ってスリリングな展開でした。

辛辣な発言、粘り強い交渉と根回しが印象に残り、さらに中山自身の“人物としての魅力”を強く感じました。

読んでいるうちに、近年、この“人物”を感じる人がいなくなったとつくづく実感しました。
先ごろの選挙などでも、実に底の浅い、自分だけ良ければ、当選できればよいのだという印象しか感じない人達、どんな手段を使ってでも人の上に立とうとする人達、・・これは日本国内だけではなく、世界的に自分さえよければ、自国さえよければという人達ばかりという気がします。

城山さんが取材して描いてこられた様々な人物の評伝を読むにつけ、上記のようなことをいつも思うのです。

城山さんの著書、まだまだ何冊もストックがあるので、また読みましたら感想をアップいたします。

 

映画「ゴンドラ(GONDOLA)」を見て来ました。

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映画『ゴンドラ(GONDOLA)/2023年 ドイツ・ジョージア 監督・脚本:ファイト・ヘルマー 出演:ニニ・ソセリア、マチルド・イルマン』を見て来ました。

実に奇想天外というか、夢を見ているような不思議な映画でした。

ジョージア南部小コーカサス山脈の西にあるフロという小さな村に実在するゴンドラが撮影に使われているとのことで、ソ連時代に作られた古いものだそうです。

ものすごいレトロ感(*^-^*)の可愛いいゴンドラは現在は観光客も訪れるものだそうです。
それを使っての摩訶不思議な映画・・。

まず、セリフがありません。
それだけでも驚きですが、内容は二台のゴンドラにはイヴァとニノという二人の女性乗務員が乗っていて、毎回上り下りのすれ違いをするわけですが、簡単にいうとそれだけの話です。

 

 

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すれ違う度に、お互いが楽器を奏でたり、水鉄砲で撃ち合ったり、ちょっとあやしく制服を“はだけ”たり、ゴンドラ自体を加工して、船になったり、火を噴くロケットになったり、色々な国や職業のコスプレをしたり、すれ違う相手にお弁当を作ってあげたり、車椅子のおじいさんをワイヤーでゴンドラに吊るしてあげて空中散歩をさせたり、さらに眼下の住民たちにいろいろそのゴンドラ運行中にパフォーマンス的なことをして交流のようなものまでしたり・・。

それがどうした、ということなのですが、なんだかわけがわからないけど妙に面白く“ハマって”しまうという、なさそうでなさそうな ^_^; 映画といえばよいのでしょうか。

映画好きな人じゃなきゃ見ないでしょうね。

私にはとても魅力的で面白い映画でした。
ちょっと変な人におすすめします。自覚のある方はどうぞ。

 

俳句を詠んでみる_0283【 春待月 鳥居に 来年の干支 】

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神社の入口に、もう来年の干支の飾りを準備しているのを見つけ、一句詠みました。

【 春待月 鳥居に 来年の干支 】

《背景》季語:春待月[冬]
妻と外に出た機会に大きな神社に寄ってみた。
鳥居には、来年の干支を象った大きな飾りの準備がもう始まっていた。
新春を待つ“春待月”だなと感じた。

 

 

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2024/11/24

俳句を詠んでみる_0282【 北風(きた) 吹く街を 映画館へと急ぐ 】

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寒くなってきた街を足早に急ぐ様子、詠んでみました。

【 北風(きた) 吹く街を 映画館へと急ぐ 】

《背景》季語:北風(きた)[冬]
前日からテレビなどで「明日は寒くなりますよ」と報じられ、予報どおり寒く風も吹いていた。
その中を街に出掛け、予定していた映画を見に行った。
街を歩きながら今年の冬を初めて感じた。

 

2024/11/23

映画「チネチッタで会いましょう」を見ました。

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映画『チネチッタで会いましょう(IL SOL DELL'AVVENIRE)/2023年 イタリア・フランス 監督:ナンニ・モレッティ 出演:ナンニ・モレッティ、マルゲリータ・ブイ、シルヴィオ・オルランド、バルボラ・ボブローヴァ、マチュー・アマルリック』を見て来ました。

2023年カンヌ国際映画コンペティション部門に8作品連続上映というナンニ・モレッティ監督の最新作、とチラシに書かれていて、映画にはあまり詳しくない私が見に行きました。

 

 

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さすが“詳しくない”私 ^_^; には、フェリーニやキェシロフスキ、スコセッシなどへのオマージュを交えながら、ところどころに自己の過去作品を引用している・・というのが、ごめんなさいわかりませんでした。

というわけで、何をこんなに浮かれているんだ、とか、なんでこんなに茫然としているんだこの監督、ということになってしまい、映画ファンにはよくわかる面白い部分がわかりませんで、たいへん申し訳ないことになりました。

 

 

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チネチッタ撮影所で新作の撮影が始まるところから映画は始まりますが、完璧だと思っていた映画監督人生が、実はそう思っていたのは監督本人だけという皮肉さを自ら表現している自虐的でもある映画、撮影は次から次へと災難に襲われてうまく進まず、妻には突然別れを告げられ、娘は自分と同じような年齢のボーイフレンドを紹介してくるし、プロデューサーは詐欺師とわかったりで、散々な人生模様です。
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半分理解できて、もう半分はちょっとマニアックな映画ファンでないとわからない部分もあり、よくわからないところもありました。

映画好きの人には映画館で見るべき豊かな映像がふんだんにあるいい映画だと思いました。

 

俳句を詠んでみる_0281【 十一月 案内届く うれしさ 】

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郵便受けの中に葉書を見つけ、個展などのお誘いかな?とうれしくなる様子を詠みました。

【 十一月 案内届く うれしさ 】

《背景》季語:十一月[冬]
朝から寒くなってきて、心の中もうすら寒く感じていると、ポストに葉書が。
個展やイベントのご本人からの案内が届き、楽しみが出来たとうれしくなる。
残念ながら、中学時代の美術の先生のお誘いには急病で行けなくなりましたが、今はなんとかほかにも届いているお誘いに行けるよう、自宅療養しているところです。

 

2024/11/22

俳句を詠んでみる_0280【 冬の夜 バス停へ LED灯す 】

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夜のバス停へ家族の迎えに出るときに詠みました。

【 冬の夜 バス停へ LED灯す 】

《背景》季語:冬の夜[冬]
ますます寒さが増してきた夜に、残業帰りの家族を迎えにバス停に向かう。
LEDライトの電池が切れていないか確かめてから玄関を出る。

 

2024/11/21

「パオロ・マッツァリーノの日本史漫談」を読みました。

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『パオロ・マッツァリーノの日本史漫談/パオロ・マッツァリーノ著(二見書房)』という本を古本で見つけ、一度も読んだことのない著者の本を読んでみました。

いつ発行したものかも本自体には記されていませんでしたが、どうやら調べてみると2011年ではないかと思われます。
著者経歴にある大学は実在せず、この「パオロ・マッツァリーノ」という名前も、イタリア生まれと本人が書いていますが、国籍もなんだかあやしい感じ・・ちょっと何者かがわかりません。
何者かがわからないにもかかわらず、この本、この文章、この考え方はどうにもこうにも魅力的でした。

日本人の名前(氏ではなく、名の方です)について、その変遷を遡って色々な文献を徹底的に調べて意外な結果を発表したり、よく芸能人などが結婚発表時につかう「笑いの絶えない家庭にしたい」という言葉に疑問を持ち、いったい何時、誰が言いだしたのかを調べたり、どうでもよさそうだけど、でも興味を持ってしまうような事案について、データを検証し尽くして結論を導き出す・・という手法がとても面白く、食い入るように読んでしまいました。

漫画家に対して、その出版元というか、編集者から「先生にはげましのお便りをだそう」という、私が子供の頃から馴染みある少年誌などの巻末にあった文についても、「先生」という言葉の使い方や、“はげまし”という・・“感想”ではない言い方についてもふれていて、それは今まで私もなんとなくひっかかっていたことでした。

イタリア生まれで、現在は千葉県民、イタリアン大学日本文化研究科卒という存在しない大学を経歴で名乗っているのもあやしいし、日本人だよなあきっと・・という不信感もありましたが、でも、朝日・読売の一般人では利用できないデータベースを使って調べた情報はとても詳細で驚くべき調査力でもありました。

奇妙だが説得力あるこの本、今までに読んだことのない「文化史」という括りだけではない世界が見えてくる本でした。

面白かった。

 

俳句を詠んでみる_0279【 不作の我が家に 柿届くよろこび 】

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柿って、豊作の翌年は不作なことが多いのです。
そんな時に柿をいただいて一句詠みました。

【 不作の我が家に 柿届くよろこび 】

《背景》季語:柿[秋]
昨年の我が家は柿が豊作で、あちこち配ることも出来たが、今年は不作。
そんな時に叔母からの柿が届いた。
柿好きの私には毎日の楽しみが出来た。

 

2024/11/20

映画「対外秘」を見ました。

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映画『対外秘(THE DEVIL'S DEAL)/2023年 韓国 監督:イ・ウォンテ 出演:チョ・ジヌン、イ・ソンミン、キム・ムヨル』を見ました。

見たというか・・実は上映スケジュールを間違えて出掛けてしまい、まだ自分の見たかった映画は週末からの上映で、たまたまこれを見ることになってしまったのです。
本来なら、このような暴力的な映画は見ないのですが・・。

 

 

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それでもこの映画の出来上がりには驚きました。
ストーリー展開は早く、しかも見ているこちらの想像を超えて、言ったらなんですが物語は“悪い方に、悪い方に”と進んでいくのです ^_^;

役者の演技も上手いし、ロケーションや舞台セットもいい。

ひと言でいうと「権力闘争」が描かれた映画ですが、次から次へとトランプのカードがひっくり返るように表裏が逆転し、命を賭けた地獄のシーソーゲームのような展開でした。

見ているこちらの予測をはるかに超えた“予測不能”な胃が痛くなるような悪のサスペンス・・。

 

 

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とにかく、主人公はじめ出てくる人は皆権力と金の虜となって、“いい人”なんてどこにもいない物語です。
こういうの・・私は本来見ないのですが、もう間違えて来ちゃったものはしようがない(^_^;)

私の中にあるささやかな正義感なぞぶっ飛ばして、さっきまでの味方が今では殺人対象となります。
「あんまりだ」という言葉はこの映画には要りません。
「あんまり」な事ばかりで物語は進み、「あんまり」な、正義なんて何処にもないお話でした。

 

 

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権力闘争の仕方や、選挙にまつわる不正行為、裏切り、土地や都市計画などに絡む阿漕な金儲けの話など、社会の裏側で展開される“大人”の世界は、正義や真実、愛などが立ち入る隙もありませんでした。

ものすごく悪辣で厭な設えの映画ですが、それでも魅力ある、しかも良く出来た、力作であると思いました。
普段だったらおすすめしないけど、これは“薦めざるを得ない”映画でした。

 

「野郎どもと女たち/村松友視」を読みました。

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『野郎どもと女たち/村松友視著(集英社文庫)』を古本で読みました。
1984年刊行されたものの文庫化で1988年に発行されたものです。
だから村松さんご本人もまだ四十代半ばです。

「私、プロレスの味方です」でプロレスのブーム的な人気を盛り上げ、「時代屋の女房」で直木賞を取り、まさに絶好調の頃のようです。

アントニオ猪木についてはもちろんですが、キオスクのおばさんについて、紅白歌合戦について、当時、「下町の玉三郎」と呼ばれていた梅沢富美男さんについてなど、ふつうの人はそんな“深読み”というか、斜めから見たような考え方はしないよ、というような文章の展開は、今読んでも斬新ですが、当時は如何ばかりかと思いました。

村松さんが仲良くしていた人たちの名前が何人も挙がっていましたが、篠原勝之、赤瀬川源平、糸井重里、南伸坊、小林薫ら、当時はけっこうマニアックというか、それぞれがそれぞれにその世界で独自の展開をされていた方々ばかりです。

その頃のけっこう“自由な雰囲気”が読んでいて感じられました。
あの頃は上記の人たちが載っている面白い雑誌も何冊もあったような記憶があります。

芥川賞作家の赤瀬川源平(尾辻克彦)さんは、ニセ札作りの裁判なんかもやっていて、その独自路線は“筋金入り”でした。

そんな中、村松さんは直木賞受賞後に仕事が猛烈に忙しくなり、しかもテレビ他色々なところに呼ばれる機会も多くなり、読んでいるだけで殺人的なスケジュールの只中にいたようです。

もの凄い数の原稿を書き上げる中でも村松さん独特の視線は健在で、時代的なことでコンプライアンス上無理のある文もありましたが、今でも刺激を受けるような“尖った”本でした。

 

俳句を詠んでみる_0278【 漸寒(ややさむ)に もらった薬切り分ける 】

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病気への対応が医者に行き、なんとかなりそうで、もらってきた薬を日毎に切り分けているときに一句詠みました。

【 漸寒(ややさむ)に もらった薬切り分ける 】

≪背景≫季語:漸寒[晩秋]
病に倒れ、検査し、かかりつけの先生からいただいたいつくもの薬を、ハサミで一つ一つに切り分け、朝昼晩のケースに収めた。
これから最低一ヶ月はその薬を規則正しく飲み、覚悟して生活せねばと、寒さを感じながら思った。

 

2024/11/19

「うたの徒行/外塚喬」を読みました。

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『うたの徒行/外塚喬著(六花書林)』という本を古本で見つけ読みました。
著者、殿塚 喬(とのつか たかし)氏は、歌人で月刊短歌誌「遡日」を創刊、歌集も多く出されています。
第44回現代短歌大賞も受賞されていて、エッセイ集も出されています。

この本は、上記「遡日」連載のエッセイをまとめたものとなっていました。
2023年に刊行されています。

初めてこの著者のエッセイ集を読みましたが、実に自然体で書かれていて、読み易く、身近で趣味的な硯の話や切手蒐集の話、カレーライスの話などの他、高齢化社会について、無形文化遺産についてなどの著者の物事の考え方、ほかにも難読漢字や出会いのあった歌人の思い出などについても書かれていました。

どの項も、もったいないくらいの面白い話、思わず頷いてしまうような話が満載でした。

しかも、様々な作家の短歌がその項目に因んでいくつも掲載されていて、短歌の魅力にも触れることが出来ました。
今、私は俳句を日々詠んでいますが、短歌に踏み出しそうな感じなんです。
でも、考え方、つくり方は、かなり異なるように思います。
もうちょっと短歌についての本を読んでから挑戦したいと思っています。

著者、外塚さんは1944年生まれ。
この本の中で運転免許証の返納をされたり、外塚さんの師匠が亡くなられて師匠が遺した書籍類の整理をされたり、それに伴い自分も所有している文献類をどうするか考え始めたり、さらに進んで終活についてもふれていました。

やがて私にもその問題は発生するわけで・・少しずつ準備しておいた方がいいのか・・などと考えてしまいました。

最後まで面白く読みました。
短歌本、また買ってみようと思います。

 

俳句を詠んでみる_0277【 秋思 命の危うさ 儚さ 知る 】

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命が消えるか、残るかは紙一重の世界と感じたことを詠んだ。

【 秋思 命の危うさ 儚さ 知る 】

《背景》季語:秋思:[秋]
やっと回復への道が見えかけてきて、今回の体調不良の際に感じた命についての実感を詠んだ。
生きることと、死んでしまうことは、ほんの一瞬のことで左右すると感じた。
生きているのは奇跡の連なりだと思い、一句詠んだ。

 

2024/11/18

「トゲトゲの気持ち/阿川佐和子」を読みました。

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体調不良で倒れる前に読み、感想を書いていたものをアップいたします。

『トゲトゲの気持ち/阿川佐和子著(中公文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。

この本は、1998年から2003年まで『婦人公論』に連載された巻頭エッセイから抜粋してまとめられたものでした。
2003年に刊行され、文庫は2006年に発行されています。

まだまだ若い頃の阿川さんが登場するわけですが、婦人公論への連載ということで、忍び寄る“老い”の兆しについて多く書かれていました。
読者や周囲の人は共感してくれると思いきや、お肌の手入や、服装、忘れる約束などについて「阿川、それでいいのか」という声多し(^_^;)という結果となっておりました。

健康の不安を抱え、胃カメラを飲むことになり、その心配を周囲の人に言うと「そんなの毎年やってるよ、なんてことない」という反応。
でも、胃カメラで大きなものが見つからなかったけど、血液などの検査数値に疑問が残り、さらなる未知の検査をすることになって、ますます不安に・・などという話もありました。

ブラジャーは三週間付けていて、二つのものをローテーションしているという衝撃発言の回は、読者、周囲の人、友人から仰天の反応が有り、よわる阿川さん。
ほとんどの人が“ドン引き”だったという。

私がいつも気になるのは「言葉」に関すること。
テレビ番組の関係者からスケジュールについて「じゃ、二十五日“的”にはダメということですね」と言われ、日付に「的」をつけるのかと思う阿川さん。私も同感でした。

「阿川さん的にいかがでしょう。番組的にはこのように考えているのですが」っていう例も紹介されていました。

私も職場の上司が「的」ばかりつけて、困っていたら、「お前は“的”をつけないのか。日本語が間違っている」と言われたことがありました。
「申し訳ないけど、それは出来ない。日本語としておかしい」と返事をしたら「最近は日本語が変化しているのか」と言っていました。
「変化した言葉を使っているのはお前だっ!」と言いたかった。

脱線いたしましたが、阿川さんの本、楽しく読みました。

 

俳句を詠んでみる_0276【 夜寒 スマホで医者の予約 震える 】

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先週のこと、具合が悪く、早く医者にいかねばとスマホで予約しようとするが、手が震える。

【 夜寒 スマホで医者の予約 震える 】

《背景》季語:夜寒:[晩秋]
急な病にあわて、今時のこと、ネット予約になっている医院への予約をスマートフォンから行ったが、夜の寒さのせいだけでなく、手が震えてしまい、思うように操作が出来ない。

 

2024/11/17

俳句を詠んでみる_0275【 短景 病に臥し 音が無くなる 】

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体調が急変し、倒れてしまったときに、自分でドキッとした。
いつも聞いている音が聞こえなくなっていた。

【 短景 病に臥し 音が無くなる 】

《背景》季語:短景[冬]
突然の病に慌てて気が気ではない状態になった。
気づくといつも聞こえている音も聞こえないほど動転していた。
自分だけ別の世界にいるような気がした。

 

「けさの一句/村上護」を読みました。

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先週、日曜日に具合の悪くなる前に読み、感想を書いておいたものをアップいたします。

『けさの一句/村上護(信濃毎日新聞社)』という本を読みました。
古本で見つけ、一年365日分の句が選ばれて、そこに著者の実に心ある解説が付されています。
パラパラっと見て、これは面白そうだし、自分が句を詠むときの参考になると思い手に入れました。

著者、村上護氏は1972年に評伝「放浪の俳人山頭火」がベストセラーになり、のちに「坂口安吾」や「中原中也」「尾崎放哉」の評伝も書かれています。
著名俳人との対談も多く、俳句文学賞の選考委員なども務められています。

この本で選ばれている句は、実に古典的なものから、金子兜太さんの無季の句、味わい深い句、先鋭的で驚くような句まで実にバラエティーに富んでいました。

子と母と麦の月夜のねむい径(みち) 長谷川素逝
という句は、麦畑での取り入れシーズンに長雨などもあり、急ぎ取り入れせねばと日が暮れてしまい、母子が帰っていく様子が詠まれていて、私も幼いときのこのような記憶が残っていて、とてもいい句で“ジン”としてしまいました。

考える時はひらがなさくらんぼ 飯島ユキ
何か考える時って、私も<ひらがな>というか、大和ことばが頭の中にあります。
それと“さくらんぼ”が実にいい感じに詠まれていて、いいなあと思いました。

井戸の暗さにわが顔を見出す 尾崎放哉
これも小さい頃に井戸をのぞきこんだ時、実際に経験したことで、臨場感がありました。

短夜も病めば無明の長夜とも 早崎明
まさに実感です。病気で悩みの底にあるときには夜は・・長い。

天災と戦争とテロ夏荒ぶ 小檜山繁子
・・今の世の中ですね。いうことなし。

旧姓に振り向く笑窪秋麗 源鬼彦
旧姓が持つその人のある時代が声をかけられたことによって浮かび上がるような句、なかなか気づかないことだと思い、良い句だと思いました。
今、選択的夫婦別姓が話題になっている時だからこそ、またこの句がキラッと光ったような気がします。
それにしても、本当にやる気があるのか「選択的夫婦別姓」・・議員の先生の真意は全く見えない。

以上、この本を読んでみて、感じたこと、気になった句を挙げてみました。
とてもいい本で、今後の参考になります。

 

2024/11/16

俳句を詠んでみる_0274【 冬の星 暗闇から 死神の手 】

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先週、日曜日に突然体調を大きく崩しました。
坂道を下るように具合が悪くなって行き、もの凄い不安に襲われました。
そのときのことを詠みました。

【 冬の星 暗闇から 死神の手 】

《背景》季語:冬の星[冬]
元気にしているときは、頭の片隅の“心配度”は10%くらいです。
でも健康、体調というものは一瞬にして一夜にして突然変調を来します。
不安が全身を覆い、悪いことを考える。
そんな状態を詠みました。

 

一週間お休みしましたが、再開します。

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このあいだの日曜日に大きく体調を崩し、一時はあぶない感じになりましたが、なんとか医者に行き、検査をし、再度診察に行き、薬をいただき、本調子からは程遠いのですが、動き出しました。
既に詠んであった俳句や、その他以前に撮っておいた写真、読後感原稿などのストックがありますので、それらを載せつつ体調と相談しながら復活しようと思っています。
できれば今日中に何かストックしてあるものをアップしようと思います。
あたたかいお言葉をかけていただいた方、ありがとうございました。
やっと灯りが見えてきたところです。

2024/11/10

しばらくお休みします。

すいません、突然体調を崩しました。
ブログの更新、しばらくお休みいたします。

2024/11/09

かつての仕事仲間と神社に健康を祈りに行きました。

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かつての職場で一緒に数年仕事をし、それからはずっと職場が一緒になることはありませんでしたが、でも連絡を取り合って時々は会い、色々話をする、後輩といえども、もはや友人の彼と神社にお参りに行きました。

彼が新人で職場に入って来たときの日々の指導、助言をするいわゆる“メンター”だった私ですが、今や人間的には彼の方がじっくりとものを考えることのできる立派な大人という感じがします。
すっかり立派になりました。

 

 

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前回、会った時に彼の健康診断で見つかった病気の話になり、再検査の結果などを聞くことになったのです。

結果は、大きな心配はないようだということで少し安心しました。

ということで、二人で私がパワースポットだと思っているいすみ市にある「国吉神社」へ健康を祈りに出掛けました。

 

 

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「厄除玉」という丸い焼き物の穴に息を吹きかけ、厄災を移し、厄割石に投げ、その厄除玉が割れることで厄を落とすというこの神社独特の厄除けもやって、歴史ある御神木にも触れて来ました。

もちろん日本でここだけという出雲大社と日御碕神社が出雲以外に存在する社にもお参りして、清々しい気持ちになりました。

私のような者に声をかけてくれるのもうれしいのですが、彼と彼の奥さんのために私の出来る限りのことをしようといつも思っています。

朝早くから出掛けたのですが、いい一日になりました。

 

2024/11/08

俳句を詠んでみる_0273【 肌寒に 次の干支の 守り探す 】

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来年は「巳年」、もう境内の店にはそれに因んだお守りが出ていた。

【 肌寒に 次の干支の 守り探す 】

《背景》季語:肌寒[晩秋]
笠森観音入口にある熊野神社に出掛けました。
和歌山熊野神社巡りの前に無事の旅をここで祈ってから出掛けたので、無事帰宅のお礼参りでした。
笠森の境内の店には、来年の干支に因んだお守りなどが並んでいて、12月29日までに飾るのが良いのだと店主から教わり、夫婦でそれぞれに気に入ったものを買いました。
私が選んだのは、玉を持った可愛い蛇でした。

 

 

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2024/11/07

俳句を詠んでみる_0272【 行く秋や ホテルの階下 稲荷在り 】

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銀座のホテルに入って行く階段の踊り場あたりの下に「熊谷稲荷神社」を見つけた。
その様子を見て詠みました。

【 行く秋や ホテルの階下 稲荷在り 】

《背景》季語:行く秋[秋]
銀座八丁神社めぐりで出会った都会ならではの神社「熊谷稲荷神社」。
ホテルミュッセ名鉄脇・・というか、ホテルの階段の下に八百年の歴史ある鎮守が存在していた。
街の人からもたいせつにされているのが、お参りした時に声を掛けてもらい、よくわかった。

 

 

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「とかくこの世はダメとムダ/山本夏彦」を読みました。

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『とかくこの世はダメとムダ/山本夏彦著(講談社)』を古本で見つけ、読みました。

2010年発行の本ですが、著者の山本夏彦さんが亡くなられてから8年経ち、息子の伊吾氏が新聞や雑誌などに発表された文章の中から単行本に収録されぬまま埋もれていた46編を選んで一冊にしたものです。

埋もれていたとは思えぬ“山本夏彦節”満載の本でした。
久しぶりに山本さんの文章を読んで、“言いにくい”ことを何度も何度でも繰り返し言う山本夏彦コラムの真骨頂を見た気がしました。

山本さんの最も勢いのあった頃から時代は変わり、政治の状況は当時の自民党を叩く新聞他のメディアは今や逆、政権、自民党にベッタリのテレビやコメンテーター、そして当時は無かったネットを通じてのネトウヨの跋扈。

でも、根本は山本さんが言っていたことから変わってはいないのです。
大勢の人に“ウケる”安全なニュース記事や批評などが横行し、それを皆自分で考えてもいないのに、自分が考えたものだと思い込み、一般大衆も大きな声で叫ぶ。攻守逆転しているものの、その構造は変わっていない・・そう思いました。

人は電気を引かなければならないから発電所をつくろうとして「なぜ」と問われると、夜を明るくして働くためと答える。
「夜も働くのか」と問えば、働くばかりではない遊ぶためでもあると答える。
夜は暗いもので眠るときだと言っても理解はされず、江戸時代までは眠っていた私達はそれまですぐれて文化的な時代を過ごしていた、ましてや二百なん十年も戦争のない時代を過ごした・・と山本さんが言えば、人力車の時代に返るのか、テレビを去れと言うのかと気色ばむ人がいる。

もう途中下車はできない。
自動車、電気、コンピューターの極は原水爆で、出来ない昔にかえれないものの随一で、邪悪なものを征伐するには更に進んだ邪悪なものに待つよりほかはないと渋々思うのだという。
大なり小なり私もその気分はわかる。なんだかすっきりしないがわかる。
それが山本夏彦の文でした。

当時の山本さんが書いていることに、「私達が目にする文、言葉は売買された挙句に目に入っているものだ」ということ。
印刷された言葉はもとより、しゃべった言葉にまで支払がある・・とすれば、それは値を付けた者が商売になると踏んだものだということ。

言葉は売買されて久しく、「われわれは商品でない言葉を読む機会をまったく持たない」という山本さんの言葉は、当時も今もその内容は異なれど、事情は同じである。

そんなことを何度も何度も繰り返し書く山本さんの文を久しぶりに読んだのでした。

 

2024/11/06

俳句を詠んでみる_0271【 さやけし 銀座天空 朝日稲荷 】

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銀座の寺社はビルの屋上にあるものがいくつも。
大広朝日ビル屋上に上がって詠んだ句です。

【 さやけし 銀座天空 朝日稲荷 】

《背景》季語:さやけし[秋]
銀座八丁神社めぐりのマップには「天空グループ」として紹介されていた朝日稲荷神社。
ビルの屋上、空に近い場所から銀座を鎮守しています。
大広朝日ビルの屋上に立ち、さわやかな気持ちで詠みました。

 

 

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※通常時は、上記掲載写真のように、地上の通りに面してお参りできる祠が用意されていて、そちらで参拝するようです。

2024/11/05

俳句を詠んでみる_0270【 秋の日 宝童(ほうどう)稲荷 人挙(ひとこぞ)る 】

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銀座の住人、近隣の人たちに愛されている神社に出逢い、一句詠みました。

【 秋の日 宝童(ほうどう)稲荷 人挙(ひとこぞ)る 】

《背景》季語:秋の日[秋]
妻と出掛けた銀座八丁神社めぐり。
天賞堂裏の宝童稲荷小路にある宝童(ほうどう)稲荷神社は、良縁や健やかな子供の成長にご利益ありと伝わる地元の人達に愛されている神社でした。
小路のにぎわいに私達夫婦も心躍りました。

 

 

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2024/11/04

俳句を詠んでみる_0269【 暮の秋 火伏の稲荷 朝参り 】

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銀座散歩で寺社を巡る企画に行って、銀座の稲荷神社は“火伏”の意味合いを持っているものが多いと教わる機会がありました。

【 暮の秋 火伏の稲荷 朝参り 】

《背景》季語:暮の秋[晩秋]
「銀座八丁神社めぐり」で妻とお参りした銀座“三原小路”にある『あづま稲荷神社』。
銀座の稲荷神社は地域を守る、特に火災を防ぐことに主願をおいたものが多くあると聞いた。
そのひとつである『あづま稲荷神社』に詣でて詠みました。

 

 

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2024/11/03

「おじさんはどう生きるか/松任谷正隆」を読みました。

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『おじさんはどう生きるか/松任谷正隆著(中公文庫)』を読みました。
2021年に中央公論社から刊行されたもので、2024年文庫化にあたり二編の書き下ろしエッセイとジェーン・スーさんとの対談も追加収録されています。

以前にも(今年の4月)松任谷さんの著書(クルマに関する本)をこのブログでご紹介しました。
そのときにも感じましたが、松任谷さんのエッセイは読む人を“ググっと”惹き付けます。

松任谷さんはジェーン・スーさんとの対談でも言われていましたが、1951年生まれの人とは思えないような若い感覚が目立つのですが、でも時々親の教えから来たのか、とても古風な考え方が見え隠れするときもあります。

実際に読んでみると、松任谷さんのエッセイはその両面がうまくミックスされていて、面白さがより濃くなっていく感じでした。

女性に対して過敏なまでに神経を使うかと思うと、けっこう奥さんのユーミンには横暴な時もある。
友達や周囲の人についても、同様に神経質な部分と大胆なところもあるのです。
それに育ちの良さも手伝ってか、ご本人が意識せずとも“オシャレ”なセンスが随所でキラリと光るのでした。

数十年ぶりにバンドを組んでアルバムを作る話題もありましたが、まさにかつてバンドマンだった人の感覚が見事に書かれていて、その文章力にも驚き、私自身もこのブログなど色々書いているので勉強になりました。

舞台の演出や、脚本を書いたり、プロデュースをしたり、音楽を作り、自らも演奏する中で若い人達との出逢いの機会も多く、そこで時代とのギャップをうまく調整しているのではないかと思いました。

自分の古いことに固執するクセ反省する機会にもなりました。
面白く“目から鱗が落ちる”ような感覚になった本でした。

 

俳句を詠んでみる_0268【 秋雨 ビルの隙間に 銀座稲荷 】

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銀座には様々なところに色々な神社があると聞いていましたが、ここはその中でも“とびきり”なお稲荷さまでした。

【 秋雨 ビルの隙間に 銀座稲荷 】

≪背景≫季語:秋雨[秋]
先日、「銀座八丁神社めぐり2024 わたしの銀座さんぽ」という企画があるのを知り、妻と銀座に出掛けました。
「豊岩稲荷神社」は、ビルとビルの狭い隙間をつたうように進んで行くと、ひっそりと存在していました。
でも、この日は銀座の神社めぐりで多くの人が訪れ、少しうれしそうに感じました。

 

 

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