「おじさんはどう生きるか/松任谷正隆」を読みました。
『おじさんはどう生きるか/松任谷正隆著(中公文庫)』を読みました。
2021年に中央公論社から刊行されたもので、2024年文庫化にあたり二編の書き下ろしエッセイとジェーン・スーさんとの対談も追加収録されています。
以前にも(今年の4月)松任谷さんの著書(クルマに関する本)をこのブログでご紹介しました。
そのときにも感じましたが、松任谷さんのエッセイは読む人を“ググっと”惹き付けます。
松任谷さんはジェーン・スーさんとの対談でも言われていましたが、1951年生まれの人とは思えないような若い感覚が目立つのですが、でも時々親の教えから来たのか、とても古風な考え方が見え隠れするときもあります。
実際に読んでみると、松任谷さんのエッセイはその両面がうまくミックスされていて、面白さがより濃くなっていく感じでした。
女性に対して過敏なまでに神経を使うかと思うと、けっこう奥さんのユーミンには横暴な時もある。
友達や周囲の人についても、同様に神経質な部分と大胆なところもあるのです。
それに育ちの良さも手伝ってか、ご本人が意識せずとも“オシャレ”なセンスが随所でキラリと光るのでした。
数十年ぶりにバンドを組んでアルバムを作る話題もありましたが、まさにかつてバンドマンだった人の感覚が見事に書かれていて、その文章力にも驚き、私自身もこのブログなど色々書いているので勉強になりました。
舞台の演出や、脚本を書いたり、プロデュースをしたり、音楽を作り、自らも演奏する中で若い人達との出逢いの機会も多く、そこで時代とのギャップをうまく調整しているのではないかと思いました。
自分の古いことに固執するクセ反省する機会にもなりました。
面白く“目から鱗が落ちる”ような感覚になった本でした。
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