フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

2024/11/30

「寿司屋のかみさんお客様控帳/佐川芳枝」を読みました。

20241130_sagawa_yoshie_001

『寿司屋のかみさんお客様控帳/佐川芳枝著(講談社文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
このブログでも、著者、佐川さんの“寿司屋のおかみさん本”を過去に何冊もご紹介しましたが、この本は佐川さんの「名登利寿司」で出している寿司やつまみなどの料理だけでなく、やって来るお客さんたちについて焦点を合わせて書かれているものでした。

1999年に刊行され、2002年文庫化に際し加筆し、新たに二編を書き下ろしたものです。

名登利寿司を訪れる様々な男女の話も面白く、別れたり、夫が亡くなったり、男女二人の間に生まれた赤ちゃんがやがて高校生になって店を訪ねてきたり、大将と女将さんが男女の仲の行方にやきもきしたり、おめでたい結果に心から喜んだり・・と、そこに登場する人物達の描写は小説家でも“タジタジ”になるくらいの上手さです。

今までに読んだ本でもそうでしたが、“脱帽”です。
そしてそのエピソード中に出てくるお寿司の描写も実に美味しそうだし、眼前に浮かび上がってくるくらいの書きぶりで、参考にしようにもあまりの上手さに手も足も出ないくらいのもので、女将さんの文章力に惚れ惚れするばかりでした。

そして、この本最大のクライマックスは、当時の首相、橋本龍太郎氏が女将さんの本を読み、読者カードを書いてくれたものが女将さんの手もとに届き、「これは“いたずら”?それても本当に本人?」と疑問を持ったところに連絡が来て、現役の首相が名登利寿司を訪ねて来て、夫人と食事するということになる部分でした。

その話題でも、首相や夫人、周囲の人達の当時の様子が実に豊かに表現されていて、舌を巻きました。そして首相は“舌鼓を打つ”というお話 (#^.^#)

一般市民が知る橋本首相とは異なる、人間味あふれ、心遣いが見事な様子が描かれていましたが、それは丸ごと事実が書かれているのだと思いました。

私が東京勤務だった頃、仕事で自民党本部の議員でなく、職員の人達と付き合う機会がありましたが、お話を聞いていると、橋本首相を思い出し、「あの人は立派だった。人情もあった。恩を忘れない人だった。男気があった。関わる人達を大切にする人だった。」という話をたくさん聞きました。

きっとその一端が名登利寿司を訪れたときにも表れたのではないかと思います。

さらにこの本には、その後首相を退陣した後にも、夫人、娘さんと現れて名登利寿司で食事をする続編も加えられていました。

時には哀しい話もありましたが、いい話ばかり、いい人物ばかりが登場するというような心温まる本でした。
私も泣いたり、笑ったり、感心したりしながら読み終えました。
素敵な本でした。

 

2024/11/21

俳句を詠んでみる_0279【 不作の我が家に 柿届くよろこび 】

20241115_persimmon_001

柿って、豊作の翌年は不作なことが多いのです。
そんな時に柿をいただいて一句詠みました。

【 不作の我が家に 柿届くよろこび 】

《背景》季語:柿[秋]
昨年の我が家は柿が豊作で、あちこち配ることも出来たが、今年は不作。
そんな時に叔母からの柿が届いた。
柿好きの私には毎日の楽しみが出来た。

 

2024/10/30

俳句を詠んでみる_0266【 無花果(いちじく)の ジャム溶けて 朝が始まる 】

20241030_ichijiku_001

庭に植えたイチジクの木に実が生り、そのジャムを食べて一句詠みました。

【 無花果(いちじく)の ジャム溶けて 朝が始まる 】

《背景》季語:無花果[晩秋]
小さな棒のような状態で買ってきた無花果の木。
あっという間に大きくなり、実を付けました。
その実を煮て、ジャムとコンポートの間くらいの状態にしたものを朝のヨーグルトにのせるのがここ最近の朝の食卓。
ヨーグルトに溶けた無花果に朝の始まりを感じます。

 

2024/10/23

俳句を詠んでみる_0260【 スーパーで 腸(わた)抜きの 初秋刀魚 買う 】

20241023_sanma_002

夕べの食卓にのぼった初秋刀魚で一句詠みました。

【 スーパーで 腸(わた)抜きの 初秋刀魚 買う 】

《背景》季語:初秋刀魚[秋]
夕飯の食卓に初秋刀魚。
今年は去年より豊漁とのこと。
大きさも今年の方が大きい。
食べてみると「あれ?ワタがない」。
「最初からワタは抜いて売ってるんだよね、今のスーパー」と妻。
ははあ、時代はそんな感じなんだ。

 

 

20241023_sanma_001

2024/10/21

俳句を詠んでみる_0258【 秋の朝 おにぎり 三種 旅に出る 】

20241021_onigiri_001

旅に出た日の朝、新幹線内で食べるおにぎりで一句詠みました。

【 秋の朝 おにぎり 三種 旅に出る 】

《背景》季語:秋の朝[秋]
妻と計画し、熊野の旅に出たが、初日、東京駅の売店でおにぎりを買い、集合場所に向かった。
けっこう“凝った”ものがあって、ウキウキ気分で二人、三種ずつ選んだ。
その時のわくわくする旅の前の気持ちを詠んだ。

 

 

20241021_onigiri_002

2024/10/06

「納豆に砂糖を入れますか?/野瀬泰申」を読みました。

20241006_nose_yasunobu_001

『納豆に砂糖を入れますか? -ニッポン食文化の境界線- /野瀬泰申著(新潮文庫)』という本を読みました。

以前、このブログで同じ著者の「天ぷらにソースをかけますか?」という本をご紹介したことがあるのですが、その続編にあたるものとなっていました。
この文庫本は2013年発行となっています。

さて、タイトルにもなっている「納豆に砂糖をいれるのか」という問題ですが、そもそも私には“納豆に砂糖を入れる”と、どんな味になるのか、まったく想像も出来ず、そんな人いるのかよ、と思いましたが・・・いるんですよねぇ(#^.^#)

地域としては、「入れる派」は北海道、東北地方に多いようです。「なかには入れる人もいる」というのは関東・中部地方あたりに“ぼちぼち”見ることが出来ます。

「そんなこととんでもない派」は、関西・中国・四国・九州にかなり多く、広島と九州の一部には意外と砂糖を入れる派も散見されています。

砂糖は味を甘くするよりも、納豆のねばりを強くし、糸を多く引かせる目的の方が主となっているように読めました。
前回の「天ぷらにソース?」と同様、とても珍しいことではないことがわかりました。

その他には、「メンチ」と「ミンチ」の呼び方について(*^^*)
私は関東で圧倒的な「メンチ」に耳馴染みがありますが、関西方面では「ミンチに決まっとるじゃろが!」派が優勢です(^_^;)

この本のアンケート結果では、関西にミンチ派が集結しているようでした。

さらにコロッケには何をかけるか?という・・私にとっては「中濃ソースでしょ、もちろん」という結果が予想されましたが、いやいや醤油や、ウスターソース、とんかつソース、何もかけるかそんなもん・・という(^^;)回答もあり、混沌としておりました。
実におもしろいっ!(*^^*)

飴を「飴ちゃん」と呼ぶか否かとか、居酒屋などに行って最初に出てくるのは「突き出し」と言うか「お通し」というか・・という問題もありました。
比較的関西が「突き出し派」で、要りもしないのに突き出される感覚があるのでは、という推測も出ていました。

ご飯に味噌汁をかけて食べるのは、行儀が悪いのか否か、というのもありましたが、それと同系統の郷土料理も有ったりして、難しい問題となっていました。
私としては、自分の小さい頃、ちょっと貧しくておかずもあまり無いのでそうしているのではないかと勝手に想像して、つらい気持ちになり、自分は食べるということはほとんどありませんでした。

・・・などなど、食文化的にも興味深い問題を今回も著者は、楽しそうに探っていました。
とても面白い着眼点で、私も楽しく読めました。

 

俳句を詠んでみる_0243【 秋立つ 花巻そばの香 馨しく 】

20241004_hanamaki_soba_002

今年は暑くて冷たい蕎麦を食べる期間が長かったのですが、涼しくなってきて温かい蕎麦を食べてみた、そのときに詠んでみました。

【 秋立つ 花巻そばの香 馨しく 】

《背景》季語:秋立つ[秋]
秋になり、ちょっと涼しくなってきて、温かい蕎麦が食べたくなった。
大きな海苔が入る“花巻そば”。
湯気とともに香ばしい海苔の香が立ちのぼってくる。

 

2024/09/09

俳句を詠んでみる_0218【 葡萄狩のバスに妻を送る朝 】

20240909_miyage_001

昨日、妻がシャインマスカット狩りツアーに出かけました。
朝から送って行って一句詠みました。

【 葡萄狩のバスに妻を送る朝 】

《背景》季語:葡萄狩[秋]
妻がたのしみにしていた、甲府へのシャインマスカット狩り。
長男が幼稚園の頃からのママ友とうれしそうに出かけて行きました。
早起きしてクルマで送り、私一人となったクルマで、今帰宅中です。

 

2024/08/31

俳句を詠んでみる_0209【 目玉焼き ひとつ つけちゃう 夏の昼 】

20240831_potato_onion_other_001

家族にお昼ごはんをつくって、いきおいがつき目玉焼きをつけた・・という句を詠みました。

【 目玉焼き ひとつ つけちゃう 夏の昼 】

《背景》季語:夏の昼[夏]
テレビ番組「プレバト」で、小中学生名人とプレバト出演者が『たまご』のお題で俳句バトルしているのを見て、私も『たまご』で一句詠んでみました。
夏の休日、家族全員が揃ったお昼。
「よし、オレがつくろう」と、いただきもののジャガイモと玉ネギ、ベーコンでシチューのランチを作りました。
最後に「ようし、おまけに目玉焼きひとつつけちゃおう」と、ご飯の上に乗せました。
そんな様子の句です。

 

2024/08/25

俳句を詠んでみる_0203【 ソーダ水 ズズッと ストロー 音立て 】

20240825_soda_002

夏はソーダ水ということで、飲んだ時の様子を詠みました。

【 ソーダ水 ズズッと ストロー 音立て 】

《背景》季語:ソーダ水[夏]
喫茶店でソーダ水などを飲むと、暑さのせいか一気にゴクゴクと飲んでしまい「ズズッ」と最後に音を立ててしまう、よくあることを詠んでみました。

 

 

20240825_soda_001

より以前の記事一覧

2024年12月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック