フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

2018/07/16

映画「終わった人」を見てきました。

20180716_owatta_hito001

映画『終わった人/2018年・日本 監督:中田秀夫 出演:舘 ひろし、黒木 瞳、広末涼子、臼田あさ美、今井 翼 原作:内館牧子「終わった人」(講談社刊)』を見てきました。

公開前に、この映画に出演している黒木瞳さんの早朝のラジオ番組で、黒木さんが、同じく出演している舘ひろしさん、広末涼子さんを呼んでインタビューしていたのを聞いて、気になっていたのです。

で、ちょっと時間が出来たので見てきました。


20180716_owatta_hito002

タイトルの「終わった人」というのは、主演の舘ひろしさん演ずる主人公が退職を迎え、ようするにサラリーマン生活が“終わった”人という意です。
高校時代はラグビー部のキャプテンで、東大に進学し、一流銀行に就職したが、出世争いには敗れ、出向先の会社で退職を迎えた舘さん。
インタビューでもおっしゃられていましたが、わざと胴回りに肉布団のようなものを入れ、太り気味で気力の失せた様子を演じられていました。
・・私も自分のことを考え、ちょっと胸の中に暗雲が垂れ込めました。

舘さんの奥さん役である黒木さんは、美容院に勤め、コツコツとお金も貯め、自分の店を持とうというところまできている。つまり、夫がリタイアする時期には自分の方向性をすでに見出している状況です。


20180716_owatta_hito003

その後の舘さんは、無気力の状態から大学院に行こうと決心し、そのためにカルチャーセンターに通う。
そこで受付をやっている文学好きな広末涼子さんと知り合う、・・そして「恋」のようなものをしてしまう。

なもんで、ジムで体を鍛えはじめ、広末さんと食事をしようとしたり、ジムで知り合ったIT企業の社長から会社の顧問に迎えられ、仕事を再開したり、そしてその社長が急死し、なんていう巡り合わせか社長になってしまい・・その後は大変な展開に・・。

監督の意図とは異なるのかもしれませんが、私は“仕事に生きること”しか人生に無い人の悲哀を感じました。
舘さんが頑張ろうとすればするほど、奥さんの黒木さんは呆れる。
そして、舘さんは空回りする。
それは仕事をすることで、自分を確立するというタイプの人には、「何故仕事をするのか」「自分にとって仕事の中にある意味は何?」という感覚が抜けているんじゃないか、と思ったのです。・・たぶん監督の意図するところはもっと角度が違うんだろうと思うけど。


20180716_owatta_hito004

ラストが近づくにつれ、舘さん、黒木さん夫婦の人生模様がしみじみと浮き上がるように見えてきます。とどめは、二人の長女を演じた臼田あさ美さんの別れをすすめる叫ぶような言葉でした。

そして二人が選んだ道は・・。
映画を見てね(*^_^*)

見ているうちに舘さん、そして舘さん夫婦を自分の今の状況になぞらえることしばし、でした。
哀しくなったり、心の中にざわざわとするものを何度も感じたりしました。

形としては「コメディ映画」なんでしょうけれど、でも残るものは深く大きいものでした。
舘さんと黒木さんという人生の、そして役者としての“荒波”を乗り越えてきた二人が演じたからこそのものだったかもしれません。

まだ上映されていますので、定年間近、あるいは、今、仕事人生の岐路に立っているような人、または夫婦間で何らかの問題を抱えている人に見てもらいたいと思った映画でした。


【Now Playing】 須田慎一郎のニュースアウトサイダー / 猪瀬直樹、蜷川有紀 ( Podcast )

2018/07/03

笑点の顔だった歌丸さん

20180703_newspaper001

噺家の桂歌丸さんが亡くなったと昨日知りました。
今朝の新聞でも大きく紙面を割いて歌丸さんの最後まで高座にかけた落語への情熱についての記事が載っていました。

最後の笑点レギュラー出演をされたあとに、一度国立演芸場のチケットを取って歌丸さんの噺を聞こうとしたことがあったのですが、その時は体調をくずされ、中止になってしまいました。とうとう、“生”で歌丸さんの高座に接することができなかったのが残念です。

笑点という番組に限っても、歌丸さんは長くレギュラーをつとめられ、古くは亡くなられた三遊亭小円遊師匠との罵倒合戦や、それに続くこちらも亡くなられた先代の円楽さんとのやり取りも可笑しかった(^o^)

司会となってからの歌丸さんの絶妙な進行も印象に残っています。
立派な噺家でした。

ちょうど先週末に久しぶりに今度の休みに寄席に行ってみようということになったところでした。

噺家は、それこそ高座に上がると小道具はせいぜい扇子と手ぬぐいくらいで、様々な噺をたった一人で語り、色々な登場人物も全部一人で演じます。

演者でもあり、脚色・演出も自分、時には新作の場合は脚本家でもある。
演目によっては、歌も唄い、おどりも踊る。
観客の様子を見て、即座に演目を変えたり、話っぷりも変化させ、挙げ句に“下げ”まで変えることもある。
まくら(話の本編が始まる前にお客さんを暖める軽い話題)も巧妙に出し入れする。
素晴らしい仕事であると共に、こんなスリリングな商売も無いでしょう。

それを寄席に出掛けて、楽しむ“幸せ”がまさに“寄席の醍醐味”です。
若手もベテランも出てくるかと思いますが、楽しんで来ようと思います。
歌丸さんもそんな寄席の様子、空から楽しそうに見てくれているのかもしれません。

2018/05/26

映画「男と女、モントーク岬で」を見てきた

20180526_return_to_motauk001

映画『男と女、モントーク岬で(Return to Montauk)/2017年 アイルランド、ドイツ、フランス 監督:フォルカー・シュレンドルフ 出演:ステラン・スカルスガルド、ニーナ・ホス』を見てきました。

「ブリキの太鼓」などで知られるドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフが手がけた大人のラブストーリー・・ってことになっているとのことで、リラックスモードから、やや緊張モードで映画館へ。

過去の実らなかった恋の想い出を新作の小説として書き上げ、プロモーションのためニューヨークを訪れた作家のマックス(ステラン・スカルスガルド)は、何年もパトロンをしてくれている謎の男性から、かつての恋人レベッカ(ニーナ・ホス)の情報を得てしまい、衝動にかられ、強引に再会。

そのレベッカとの再開は硬直した緊張感あるものだったが、策を弄して再々会。
レベッカは、別れた後に何があったのかを一切語ろうとはしないが、やがてマックスがニューヨークを去る日が近づき、帰国の3日前にレベッカからモントーク岬への旅に誘われる。そこは恋人だった二人が訪れた思い出の場所。


20180526_return_to_motauk002

映像の画質もなんというか、大人の落ち着いた物語にふさわしいトーン、さらにモントーク岬に向かう二人(特にニーナ・ホス)のなんとも趣味の良い感じ(衣服やクルマなどの持ち物についても)がまた渋い大人の雰囲気を醸し出していて、そんな二人が過去の恋を掘り起こすような旅をして、また海や海辺のホテルでのシーンなど、なんだか大人心をくすぐられるのです。・・子供はお呼びじゃない映画でした。

二人は確かめ合うように互いを求めたのですが、でも恋の再燃というふうにはならなかった。
レベッカがマックスと別れたあとに付き合った男性との突然の別れが、レベッカの心の奥底に大きな傷をつけていたこと、そしてその内容にマックスは衝撃を受けるのですが、それは映画を見ていろいろ感じてください。

見ていて、男と女の「恋」に対する心の持ち様が異なるものだなって、あらためて感じました。
男は“自分の戻ってくるところ”を恋の相手に求めますが、女はいつも、いつでも自分に恋し、愛してくれる男を求めている・・。
そんな気がしました。

男が見ると、ちょっと心が薄ら寒い感じがするかもしれないし、女性が見れば、「そうなの、女ってものはそういうもの」って感じるのかもしれない映画でした。


【Now Playing】 Yeah ! / Horace Silver Quintet ( Jazz )

2018/05/14

映画「大英博物館プレゼンツ 北斎」を見た

20180514_hokusai001

映画『大英博物館プレゼンツ 北斎(British Museum presents: Hokusai)/2017年 イギリス 監督:パトリシア・ウィートレイ 提供:大英博物館 ナレーション:アンディ・サーキス 出演:デイヴィッド・ホックニー、ティム・クラーク他』を見てきました。

この映画は、世界的に著名な「葛飾北斎(1760-1849)」をイギリスで初めて取り上げた展覧会について、それを映画で見ることができるドキュメンタリーとしてまとめられた作品です。

特にイギリス人芸術家・デイヴィッド・ホックニー、北斎研究者・ロジャー・キース、大英博物館「北斎」キュレーター・ティム・クラーク三人を中心にして北斎を“愛をもって”掘り下げていく内容は、日本人にも知らないことが多く、夢中になって見てしまいました。

また、それぞれにテーマを持った展示コーナーごとに様々な側面を見せてくれる北斎の作品に光をあて、情熱を燃やして、影響を受けてきた学者たちやアーティストたちが協力して解説を飛び越えて、北斎への思いの丈を語るシーンは圧巻です。

美術史学者のアンドリュー・グラハム・ディクソン、陶芸の現代作家グレイソン・ペリーらアーティストたちを迎えた上記のシーンは、この映画を見ている人にとって、まさに解説付きの美術館探訪というしつらえです。

北斎は、歳を経れば経るほど良い作品が描けると語っていて、「110歳まで生きることができれば、その作品の線一本、点のひとつまでに生命を宿らせることができる」と晩年、最後の最後まで信じていたようです。

最晩年の遺作と言える作品は真っ白な富士に上空に雲かと思うと龍が天に昇っていく様子を描いた掛け軸で、それも紹介されていましたが、北斎研究者・ロジャー・キースは、「90歳で亡くなる直前にそれは達成されていた」と声を上げ涙を流しました。
・・私も泣いてしまった。

晩年の娘と暮らしながら描いていた時期の作品は初めて見るものでしたが、たしかにそれまでの傑作と呼ばれるものからも、その世界は脱していて、すごいとしか言いようのないものでした。

また、自然と人と、それらが一体となって営まれるこの世界の様子を描く富嶽三十六景など誰もが知っている作品についても、とことん、素晴らしい解説付きで堪能できました。
単なる美術展の紹介作品的な映画ではなく、この映画自体が北斎への限りない憧憬に満ちあふれています。

北斎への理解が今までよりもずっと深まった、良い作品でした。


【Now Playing】 I'll Remember April / Sonny Clark ( Jazz )

2018/05/07

連休最終日、映画「ザ・スクエア」を見てきました

20180506_the_square001

映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域(THE SQUARE)/2017年 スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク合作 監督:リューベン・オストルンド 出演:クレス・バング』を見てきました。

主演のクレス・バング演じる現代美術館のキュレーター、クリスティアン、見た目は洗練されたファッション、バツイチで二人の可愛い娘がいて、格好良く、人生順調・・って感じ。


20180506_the_square003

次の展覧会では、この映画のタイトルにもなっている「ザ・スクエア」といういかにも現代的な展示で、地面に正方形の描いただけのものを発表!

そのスクエア(正方形)の中では【すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる】という【思いやりの聖域】をテーマにした参加型アートだという・・。

現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあったのですが・・。

ちょっと“いけ好かない”感じのPR会社が、画期的なプロモーションだとぬかして作品のコンセプトを皮肉にひっくり返したようなメッセージをSNS上に流し、わざと炎上させる手法で世間を非難の渦に持って行くのでした。

目論見は成功したかに見えたが、世間の怒りは主人公・クリスティアンの予想を頭上はるかに超えて、彼の社会的地位を脅かし、やがては辞任に追い込まれる・・。
なんだか救いようがないのですが、携帯とサイフを騙されて盗まれ、なんともひどい方法で取り返し、解決したかに見えたが、さらに関係ない家族にひどい迷惑をかけ、泥沼のようなところに吸い込まれていく。


20180506_the_square002

記者の女性と寝たら摩訶不思議な関係に引き摺りこまれたり、とにかく出てくるエピソードがそれぞれに魚の骨が喉に何本もつかえたような微妙に厭な状態になり、どれもさっぱりとは解決しない。

全部中途半端な状態で・・なんか、モヤモヤが残ったまま、映画、終わっちゃうんですよ(^_^;)

副題みたいなところに「正義という名の落とし穴」「理想どおりに生きることの難しさ」なんて書いてありましたが、まさにそんな感じ。


20180506_the_square004

みているこちらは、こんなこと生きていると何度もあるよ、でもドラマみたいに解決はしないよなぁ、いつも中途半端で心の中になにか“とげ”のようなものが残りっぱなし、みたいになるんだよなぁ、トラウマになっちゃうよ。
と本気で思いました。

見ているこちらがハラハラというよりか、どうしようって「あぶらあせ」をかくような気持ちになるのです。試されているみたいでした。

そんな胃にも悪い(^^;)映画ですが、映画ファンには面白いと思いました。
二時間半近い長丁場ですが、水分の取り過ぎに気をつけて劇場に足をお運びください。


【Now Playing】 Rubber Soul / Herbie Hancock ( Jazz )

2018/05/03

映画「ロンドン、人生はじめます」を見てきました

20180503_hampstead001

映画『ロンドン、人生はじめます(Hampstead)/ 2017年イギリス 監督:ジョエル・ホプキンス 出演:ダイアン・キートン、ブレンダン・グリーソン』を見てきました。
行くと言ったら、あわてて予告編を調べ、妻もついてきました(^_^;)

ロンドンのハムステッドの高級マンションで暮らす未亡人のエミリー(ダイアン・キートン)。
夫亡きあと悠々自適の暮らしをしているのかと思いきや、その夫の死後に発覚した浮気や借金、減っていく貯金などの問題を抱え、それらを棚送りにしているだけでなく、さらに上辺ばかりのご近所づきあいが非常に重荷・・。
息子は海外勤務に行ってしまうと相談してきて、上記のことなどを含め、様々な問題に直面、もう後には一歩も退けない状態です。

そんなある日、屋根裏部屋で双眼鏡を使い、森の様子を見ていると、その森で自然に囲まれ手作りの小屋で暮らすドナルド(ブレンダン・グリーソン)を発見。


20180503_hampstead003

トラブルになりそうになっていたので警察を呼んでしまい、そこから本人に会いに行き、不思議なつき合いが始まるのでした。

池で釣ってきた魚で森の庭・ディナー、気ままな読書、自作の小屋はなんだか中に入るとちょっと素敵。

野菜などを庭でつくり、余計な物を持たず幸福に暮らすドナルドは、ちょっとばかり頑固だけど心優しいのです。

次第にドナルドに惹かれていくエミリーですが、ドナルドは、開発業者から立ち退きの裁判に訴えられ、さあどうなる、ドナルドとエミリーのちょっとした恋心・・・ってな話です。

予告編でもおもしろそうと(妻もそう思ったらしい)思いましたが、予想どおりの面白さでした。


20180503_hampstead002

金銭問題をいろいろと抱えた主演のダイアン・キートンに言い寄ってくる会計士の焦りすぎで少し“ドジ”ぶりなエピソードが爆笑なことも手伝って、そして周囲の一見お上品そうなマダムたちのおせっかいなどもストーリーに豊かさを加え、さらにイギリスの風景の美しい映像もあり、素晴らしい映画になっていました。
連休の一日、こんな映画で楽しく過すのもいいものでした。
“おすすめ”印です(^-^)/☆


【Now Playing】 ビギン・アゲイン / ピアノ・ガイズ ( Instrumental )

2018/04/07

映画「ペンタゴン・ペーパーズ」を見てきました

20180407_the_post01

映画『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書(THE POST)/2017年・米国 監督:スティーヴン・スピルバーグ 出演:メリル・ストリープ、トム・ハンクス』を見てきました。

1971年、反戦運動が盛り上がりを見せていたアメリカはベトナム戦争の真っ最中。
ニューヨーク・タイムズが政府の極秘文書の存在を暴き、そのライバル紙である「ワシントン・ポスト」もキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らが極秘文書にたどり着き、報道の自由を求めて立ち上がるか、それとも政府の圧力に屈するかの狭間で苦悶します。

“都合の悪すぎる”事実が書かれた文書をひた隠しにしようとする政府からの圧力は想像を絶するものだったのだと思いますが、それに対して一歩も引かない姿勢で挑むジャーナリスト達の“命懸け”とも言える駆け引きが描かれたもので、事実に基づき、当時の様子が再現されているので、インターネットやSNSなども登場せず、新聞を活字で組んでいる様子などは迫力がありました。
そして、政府と真っ向から一騎打ちする最終決断を下し、電話で印刷の「GO」を指示した瞬間、輪転機が回り出す映像も凄かった。


20180407_the_post02

極秘文書が新聞に載ってしまうと、記事の差し止めを巡って米国政府と新聞社の法廷闘争に進展。
最高裁にまで行ってしまった判決の行方を電話を受けた女性が新聞社の皆に受話器を持ちながら伝えるシーンもドキドキするものでした。

報道は国・政府のためにあるのではなく、国民のためにある・・映画の中でもそんな言葉が印象に残りましたが、報道するにもそれを記録した文書が残されていてこそのものです。
最近日本でも国の役人による文書改竄が問題になっていますが、それこそ都合のいいように“お直し”された文書だけを残しておくなんて国そのものの崩壊への道だと思います。

改竄している人達の頭の中には国民のことなど片隅にもないのだと、あらためて思いました。
“自分”と“組織”のことばかり・・。
そんな人達がこの映画を見たら何と思うのか・・何にも感じないというか「理解出来ない」のでしょうね。


【Now Playing】 Freddie Freeloader / Miles Davis ( Jazz )

2018/04/01

映画「ウィンストン・チャーチル」を見てきました

20180331_darkest_hour03

映画『ウィンストン・チャーチル(DARKEST HOUR)/2017年・英国 監督:ジョー・ライト 出演:ゲイリー・オールドマン、クリスティン・スコット・トーマス、リリー・ジェームズ、スティーヴン・ディレン、ロナルド・ピックアップ、ベン・メンデルソーン』を見てきました。

ゲイリー・オールドマンが、アカデミー・主演男優賞、日本人の辻一弘氏がメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞して話題になった作品で、私がそんなメジャーな映画を見るのは珍しい(^^;)のですが、なんと千葉劇場で上映です、さすが“目利き”の千葉劇場!「いい作品はここでやってる」ってことですd(^_^o)

主演のゲイリー・オールドマンの特殊メイクアップによる変貌はすごいものがありますが、この役への入れ込み方も並々ならぬものを感じました。
映画を見ていて、これはその当時のフィルムじゃないか、なんて錯覚を起こすくらい・・。


20180331_darkest_hour02

単に史実に基づいた映画ではなくて、政治家として、英国の首相として、そして人間として、男としてのチャーチルが濃密に描かれていました。
それを“助けている”のが、チャーチルの妻・クレメンティーンを演じたクリスティン・スコットトーマスと、チャーチルの言葉をタイプライターで起こしていく秘書役・エリザベス・レイトン役のリリー・ジェームズでした。

クリスティン・スコットトーマスは、チャーチルの“脆さ”や“子供っぽさ”を際立たせ、リリー・ジェームズは、チャーチルが“ぐいぐい”と自らの信じるところを突き進む様子を際立たせていました。
この二人の配置が絶妙でした。


20180331_darkest_hour01

ストーリーは怒濤の展開で、息を呑んでいる間に終わってしまったような感じ。
ドイツがヨーロッパを席捲し、どんどん侵攻し、英国の喉元に切っ先を突きつけていた、わずか27日間の出来事ですが、中身は“濃いっ!”。

チャーチルと英国の苦悩、人間味あふれるチャーチルの魅力ある人間像、そして雄弁で全身から言葉で訴えかけるチャーチルが重厚に撮られていて、いやもう堪能いたしましたよ。

そして今だからこそ感じる「政治家の言葉」っていうものがいかに大事か。
さらに、この映画にはチャーチルの戦時内閣閣議の議事録が数十年の時を経て解禁となり、そこに書かれた貴重な事実がもとになっています。

文章となっている記録がいかに大切か。どっかの理財局の方々に見てもらいたい。

また当時、チャーチルが書き、演説した三本のスピーチがもとにもなっているのですが、人々の心を揺すぶってくるようなこの演説をどっかの政治家にも聞いてもらいたい。

衣裳やセットの凄さも特筆ものです。
“見た方がいい”って強くおすすめしたい映画でした。


【Now Playing】 プレシャスサンデー / 笹川友里 ( TBSラジオ )

2018/03/26

映画「フェリーニに恋して」を見てきました

20180325_fellini01

映画『フェリーニに恋して(In Search of Fellini)/2016年・アメリカ 監督:タロン・レクストン 出演:クセニア・ソロ、マリア・ベロ、メアリー・リン・ライスカブ』を見てきました。

主人公のルーシー(クセニア・ソロ)は、母親のクレア(マリア・ベロ)に世の中の悪い物事全てから隔離されるように育てられ、20歳を迎えたのに男の子とキスをしたこともなく、仕事に就いたこともなく、友達をつくったこともない。

母親に突然余命宣告がされたのを察知した主人公ルーシーは大人の階段昇るべく仕事の面接に出掛けるが、結果は最悪。
でも、落胆しているときに手渡されたチラシ「フェリーニ映画祭」にひかれ、その場所(怪しく不思議な劇場)に行き、イタリアの偉大な映画監督・フェデリコ・フェリーニの奇怪で素晴らしい映画にひかれます。


20180325_fellini02

で、唐突だが、フェリーニに会いにイタリア各地を巡る旅に出ます。

ここからがこの映画の摩訶不思議な世界に突入するのですが、まるでフェリーニの映画そのものの世界に迷い込んだようなファンタジー、悪夢、そしてフェリーニの映画の登場人物にまで出会ってしまいます・・。


20180325_fellini03

絵描きの美しい青年に偶然出会い、恋をして、ロマンチックなシーンもありますが、怪しくてちょっと現実とは思えないパーティーに連れ込まれたり、乱暴されそうになったり、そんな中で母親の死の足音が聞こえ始め、母の妹ケリー(メアリー・リン・ライスカブ)が必死に面倒を見ている様子と主人公のフェリーニとの出会いの旅が同時進行していきます。
その様子もフラッシュバックするフェリーニの映画シーンと絡んできて、映画の中も、見ているこちらも混沌としてきます。


20180325_fellini04

ストーリーも、出てくる場面も、あまりにも現実離れしていて、イタリアに向かうところからがそもそも幻想なんじゃないか、などと思い始め、混乱する私。

最後にフェリーニと会うことができるのですが、それはフェリーニが亡くなる前日・・そんなことあるか、と思わせることは、やはり全てが幻想だったのか、などとさらに混乱してしまったのでした。


20180325_fellini05

映像も、風景・建物も、衣裳もセットも全てが美しく幻想的で、映画ファンを魅了してくれますが、主人公を演じたクセニア・ソロの可愛らしくも美しく、透き通るような透明感あふれる人物像にも魅了されました。
なんて素敵な女性なのでしょう。
実年齢はこの映画の設定よりもたぶん10歳も上らしいのですが、そんなこと全然感じませんでした。

とにかく、ワンシーン、ワンシーン、ガツンとやられる刺激的で幻想的な映画でした。
映画好きの方にはおすすめですよ。


【Now Playing】 She's A Rainbow / The Rolling Stones ( Rock )

2018/02/26

映画「グレイテスト・ショーマン」を見ました

20180225_greatest_showman01

映画『グレイテスト・ショーマン(THE GREATEST SHOWMAN)/2017年 アメリカ 監督:マイケル・グレイシー 出演:ヒュー・ジャックマン、ミシェル・ウィリアムズ、ザック・エフロン、ゼンデイヤ、レベッカ・ファーガソン』を見ました。

これは、先日、妻と長女が二人で見てきて“おすすめ”されたものです。
で、実際に見て、素晴らしい映画でした。

主演のヒュー・ジャックマンが19世紀アメリカの実在の興行師P・T・バーナムの半生をミュージカルで演じ、描いたものでした。

まずは劇中のミュージカル・ナンバーが素晴らしく、「ラ・ラ・ランド」を手掛けたベンジ・パセック&ジャスティン・ポールが担当しているとのことで、サウンドトラック・アルバムが全米1位を獲得したというのもうなずける素敵なナンバーが目白押しでした。


20180225_greatest_showman02

ヒュー・ジャックマン演じる主人公は、貧しい家に生まれ育ち、幼なじみの名家の令嬢と反対を乗り越えて結婚。
二人の子供をもうけ、妻子の幸せのため、チャレンジングな“賭け”ともいえるショー・ビジネスの世界に足を踏み入れます。

そして人種、肌の色、性向、その他さまざまな個性を持ちながら人々から好奇の目や、蔑みの眼差しを受け、日陰の身に生きてきた人たちを集め、見たこともないショーを作り上げます。
大成功するのですが、そんな変人・奇人のような人を集めたサーカス状の団体を快く思わない人達からの軋轢もあり、ヒュー・ジャックマンの行く先には大波乱が待ち受けています。

また、上流階級への憧れからアプローチを始める主人公には、大きな落とし穴が待ち受けていました。
それが最愛の妻子を失うようなことにもつながり・・。

ストーリー的にも面白いのですが、圧倒的なのはミュージカル・ナンバーとミュージカル・シーンです。

CGの動物達や、たぶんその他考えられないシーンもCGを取り入れていたのだと思いますが、成功物語と転落物語、そして愛の物語、また主人公の元に集まってきた様々な人達の仲間・友情意識の物語と相俟ったミュージカル・シーンは格別のものがありました。

もう一度見たいっ!!そう思わせる快作でした。


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 工藤三郎 ( NHK-AM )

より以前の記事一覧

2018年7月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック