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2018/09/15

映画「グッイバイ・ゴダール!」を見た

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【※このブログでの文は、8月頭からしばらく続いたブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

映画『グッバイ・ゴダール! Le Redoutable /2017年・フランス 監督:ミシェル・アザナヴィシウス 出演:ルイ・ガレル、マテイシー・マーティン 原作:「それからの彼女」アンヌ・ヴィアゼムスキー著』を見ました。

この映画の原作は、女優で作家、ゴダールの妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説で、19才でパリに住む哲学科の学生であったアンヌの恋人となった映画監督・・奇才のジャン・リュック・ゴダールとの日々が描かれていました。

世界中から注目され、しかも1968年の五月革命の真っ只中での毎日。
ゴダールを演じたルイ・ガレルは、天才であるが、アンヌといるときはなんだか我儘で偏屈で、自分で自分を孤独に追い込んでいくような男。
・・憎めない、チャーミングな男、とアンヌには感じるかもしれないけれど、まあ、普通の人間にとっては“近づきたくない”いや~な男だと思いました。

自分勝手で、人のことなどまったく眼中にないようなゴダールの、でも“天才”の不思議な魅力と、初体験ばかりの毎日にアンヌ(役:ステイシー・マーティン)はどっぷりとつかっていました。


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アンヌ役のステイシー・マーティンの美しさと可愛さは特筆ものですが、私も彼女の魅力に“虜”になるくらい魅せられました。
このステイシー・マーティンと、ゴダールを演じたルイ・ガレルの主演コンビは絶妙で、二人が演じたゴダールとアンヌの1968年当時の様子が見事に描かれていました。

ゴダールの映画って、私、恥ずかしながら、ローリング・ストーンズが出ていた「ワン・プラス・ワン」くらいしか見たことがないのです。でも、あの映画もストーンズの「悪魔を憐れむ歌」の収録風景が延々と流れているだけで、さらに全くわけのわからない理解不能のシーンもあって、奇才と言えば奇才なんだろうけど、わけわかんない人だ、くらいにしか思っていませんでした。

で、この映画を見たら、5月革命の頃には、もう完全にわけわからん人になっていたようです。こんな人とちょっとでも一緒にいたくない!(*^_^*)

映像はいかにも60年代ぽく、魅力的、さらにステイシー・マーティン、ルイ・ガレルともに普通に“素っ裸”のシーンではほんとうに何にも隠さず、見えちゃってましたが、大丈夫なんですね、今の日本はずいぶんと寛容になったものだ。R指定でもないよねぇ、“まる見せ”なんですけど・・( ̄O ̄;)

映画としては、意外といっては何ですが、面白くみちゃいました。
フランス映画って、こういう面白くなさそで、なんだか面白いもの、多いような気がします。

2018/09/13

映画「輝ける人生 FINDING YOUR FEET 」を見ました

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【※このブログでの文は、8月頭からのブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

映画『輝ける人生 FINDING YOUR FEET /2017年・英国 監督:リチャード・ロンクレイン 出演:イメルダ・スタウントン、ティモシー・スポール、セリア・イムリー』を見ました。

いつものことながら、私が見ようとする映画のほとんどはメジャーな映画館、シネコンなどではやっておらず、この映画も日本中で10館のみ上映のようです。

この映画には若い人は出て来ません(^_^;)。いちばん若くったって50代後半くらいか。
でもね、それがこの映画を唯一無二のものにしている。ロンドンとローマを舞台に味わい深い作品になっていました。


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主人公の女性は、警察で立派?!なお仕事を勤め上げ、女王様から称号を貰えるような立場になったご主人に添い遂げ、孫もできて、あとは悠々自適な夫婦の生活が待っているかと思っていたら、その受章の記念パーティーの日に夫の5年間に渡る浮気発覚の現場に遭遇!
立派なお屋敷の家を飛び出し、長年疎遠にしていた姉の家に転げ込みます。

今まで身分、立場、プライドなどで武装していたかのような生活をしていた主人公は、自由奔放な姉の生き方に驚き、ショックを受けっ放しの経験をするのですが、若い頃、結婚のために捨てたダンサーの夢を老人達のダンス・サークルのような場所でもう一度みることになります。それまでの紆余曲折も非常におもしろいっ!d(^_^o)

その様子がネットに流れ、話題となり、ローマに行って大きな舞台で老人達がダンスを披露するというクライマックスに突入するのですが、さらに主人公には新しいロマンスが芽生え、そして姉の身に起こることで物語りはより人生の深い部分に入って行って・・、あとは映画を見て感じて、泣いて、ください。いい映画でした。


【Now Playing】 Sonia / Sonny Clark Trio ( Jazz )

2018/09/10

話題になっている(アップ時には過去のことになってるかも・・)「カメラを止めるな」を見てきた

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【※このブログでの文は、8月頭からのブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

『カメラを止めるな(ONE CUT OF THE DEAD)/2017年・日本 監督・脚本・編集:上田慎一郎 出演:濱津隆之 真魚 しゅはまはるみ 長屋和彰 細井学 市原洋 山﨑俊太郎 大沢真一郎 竹原芳子 浅森咲希奈 吉田美紀 合田純奈 秋山ゆずき』を見てきました。・・このブログがアップされる頃にはちょっと古い話になっているかもしれませんが・・。

口コミで噂が広まり、やがて話題となり、上映館がどんどん増え、ニュースにもなるような映画となっている状況ですが、あまり期待はせずに見たのです。でも、“期待して見に行って丁度いい”くらいの面白さでした。
文句の付けようがないですよd(^_^o)

最初の約30分強のB級ホラー(その度合いも、三流じゃなくて、五流くらいのホラー映画となっております(^_^;))を見事に耐え抜いておけば、あとは坂道を転げ落ちるようにその後は展開し、館内はあちこちから“どよめき”“苦笑”“爆笑”“感嘆”などの声が上がり、客席の共有感は滅多にないものとなります。

ネタばれも、このブログがアップされる頃にはネット上に出ているでしょうが、まだ見ていない人のために書きません。

スマートフォンのニュースのようなサイトで、この映画が“パクり”だというような声が上がっているとの情報も入ってきましたが、私にはその真偽がわかりませんので、ここではそのままにしておきます。

ただ、まるまる何かストーリーをいただいているようなものでなければ、この映画のアイデアは、今まで他の映画や、舞台などでも度々見かけた“からくり”だと思います。
“からくり”そのものをパクりだと主張しているのであれば、それはちょっと違うと思いましたが、それも詳しくわからないのでここでは、この程度の書きぶりにしておきます。

編集的な上手さも感じたし、出演者のキャラクターも面白い、何よりもずるずると引き摺るようなところもなくてスピーディーな展開が、この映画の面白さを際立たせていたように思いました。

楽しめました。私には高得点でした!

2018/09/09

映画「英国総督 最後の家」を見た

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【※このブログでの文は、8月頭からのブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

映画『英国総督 最後の家(Viceroy's House)/2017年・英国 監督:グリンダ・チャーダ キャスト:ヒュー・ボネビル、ジリアン・アンターソン、マニシュ・ダヤル、フマー・クレイシー、マイケル・ガンボン』を見ました。映画を見たのも久しぶりでした。

1947年、国力が疲弊してきた英国が植民地インドを去る決定時の物語。
主権譲渡を最大の目的にやってきた新総督のマウントバッテン卿とその妻、娘。
首都デリーの壮麗な総督邸のシーンに圧倒されながら映画は始まりました。

邸宅には500人の使用人がいて、そこでは、独立後に統一インドを望む国民会議派と、分離してパキスタンを建国したいムスリム連盟によって、連日連夜論議が闘わされていました。その様子だけでも見ているこちらはジリジリとして息詰まるようなシーンの連続でした。

さらにそこでは、新総督のもとで働くインド人青年ジートと令嬢の秘書アーリアが互いに惹かれあっていて、信仰が違う上に、アーリアには幼いときに決められた婚約者もいる。
そんなヒューマンなドラマもあり、途中からは涙がこぼれ、「こんな映画だったのか」と意外な展開に驚きました。

インド独立の最中、混迷を深め、暴動もいたるところで起こっている激動の歴史的な姿が映像として描かれ、心揺さぶられる映画でした。

そしてマウントバッテン卿が艱難辛苦を乗り越え、導き出した方向も、実は裏でもっと大きなものが動いていたという衝撃の事実も盛り込まれていたため、こちらの衝撃も大きかった。


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さらにさらに、グリンダ・チャーダ監督はある日、マウントバッテン卿の甥の息子にあたるチャールズ皇太子に出会い、彼に大叔父様についての映画を制作中だと話す。

チャールズ皇太子は「マウントバッテン卿の個人秘書を務めていたナレーンダル・スィンフが書いた『The Shadow of the Great Game』という本を、ぜひ読むべきだ、“本当は何が起きていたか”が分かります」と語る。

その数日後には、偶然が起きる。
チャーダ監督が新作映画の宣伝中に会いに来た俳優志望の若者、それがなんとナレーンダル・スィンフの息子だったという。
「あなたが分離独立についての映画を制作中である記事を読みました。父の本をぜひ読んでいただきたいのです」と語り、チャールズ皇太子から薦められたものと同じ本を提示する。
・・数年後、彼はこの映画に、父と同じくマウントバッテン卿の個人秘書役で出演することとなる・・という強烈エピソード付きです。

最初は華麗で華やか、そして苦悩が続き、光が見えたと思ったら、強烈などんでん返し、人類は、人間は何故こんなことを繰り返しているのか、と重いテーマを突きつけられる作品でしたが、映画として素晴らしいものだと感じました。
見る価値のあるものでした。

2018/07/16

映画「終わった人」を見てきました。

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映画『終わった人/2018年・日本 監督:中田秀夫 出演:舘 ひろし、黒木 瞳、広末涼子、臼田あさ美、今井 翼 原作:内館牧子「終わった人」(講談社刊)』を見てきました。

公開前に、この映画に出演している黒木瞳さんの早朝のラジオ番組で、黒木さんが、同じく出演している舘ひろしさん、広末涼子さんを呼んでインタビューしていたのを聞いて、気になっていたのです。

で、ちょっと時間が出来たので見てきました。


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タイトルの「終わった人」というのは、主演の舘ひろしさん演ずる主人公が退職を迎え、ようするにサラリーマン生活が“終わった”人という意です。
高校時代はラグビー部のキャプテンで、東大に進学し、一流銀行に就職したが、出世争いには敗れ、出向先の会社で退職を迎えた舘さん。
インタビューでもおっしゃられていましたが、わざと胴回りに肉布団のようなものを入れ、太り気味で気力の失せた様子を演じられていました。
・・私も自分のことを考え、ちょっと胸の中に暗雲が垂れ込めました。

舘さんの奥さん役である黒木さんは、美容院に勤め、コツコツとお金も貯め、自分の店を持とうというところまできている。つまり、夫がリタイアする時期には自分の方向性をすでに見出している状況です。


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その後の舘さんは、無気力の状態から大学院に行こうと決心し、そのためにカルチャーセンターに通う。
そこで受付をやっている文学好きな広末涼子さんと知り合う、・・そして「恋」のようなものをしてしまう。

なもんで、ジムで体を鍛えはじめ、広末さんと食事をしようとしたり、ジムで知り合ったIT企業の社長から会社の顧問に迎えられ、仕事を再開したり、そしてその社長が急死し、なんていう巡り合わせか社長になってしまい・・その後は大変な展開に・・。

監督の意図とは異なるのかもしれませんが、私は“仕事に生きること”しか人生に無い人の悲哀を感じました。
舘さんが頑張ろうとすればするほど、奥さんの黒木さんは呆れる。
そして、舘さんは空回りする。
それは仕事をすることで、自分を確立するというタイプの人には、「何故仕事をするのか」「自分にとって仕事の中にある意味は何?」という感覚が抜けているんじゃないか、と思ったのです。・・たぶん監督の意図するところはもっと角度が違うんだろうと思うけど。


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ラストが近づくにつれ、舘さん、黒木さん夫婦の人生模様がしみじみと浮き上がるように見えてきます。とどめは、二人の長女を演じた臼田あさ美さんの別れをすすめる叫ぶような言葉でした。

そして二人が選んだ道は・・。
映画を見てね(*^_^*)

見ているうちに舘さん、そして舘さん夫婦を自分の今の状況になぞらえることしばし、でした。
哀しくなったり、心の中にざわざわとするものを何度も感じたりしました。

形としては「コメディ映画」なんでしょうけれど、でも残るものは深く大きいものでした。
舘さんと黒木さんという人生の、そして役者としての“荒波”を乗り越えてきた二人が演じたからこそのものだったかもしれません。

まだ上映されていますので、定年間近、あるいは、今、仕事人生の岐路に立っているような人、または夫婦間で何らかの問題を抱えている人に見てもらいたいと思った映画でした。


【Now Playing】 須田慎一郎のニュースアウトサイダー / 猪瀬直樹、蜷川有紀 ( Podcast )

2018/07/03

笑点の顔だった歌丸さん

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噺家の桂歌丸さんが亡くなったと昨日知りました。
今朝の新聞でも大きく紙面を割いて歌丸さんの最後まで高座にかけた落語への情熱についての記事が載っていました。

最後の笑点レギュラー出演をされたあとに、一度国立演芸場のチケットを取って歌丸さんの噺を聞こうとしたことがあったのですが、その時は体調をくずされ、中止になってしまいました。とうとう、“生”で歌丸さんの高座に接することができなかったのが残念です。

笑点という番組に限っても、歌丸さんは長くレギュラーをつとめられ、古くは亡くなられた三遊亭小円遊師匠との罵倒合戦や、それに続くこちらも亡くなられた先代の円楽さんとのやり取りも可笑しかった(^o^)

司会となってからの歌丸さんの絶妙な進行も印象に残っています。
立派な噺家でした。

ちょうど先週末に久しぶりに今度の休みに寄席に行ってみようということになったところでした。

噺家は、それこそ高座に上がると小道具はせいぜい扇子と手ぬぐいくらいで、様々な噺をたった一人で語り、色々な登場人物も全部一人で演じます。

演者でもあり、脚色・演出も自分、時には新作の場合は脚本家でもある。
演目によっては、歌も唄い、おどりも踊る。
観客の様子を見て、即座に演目を変えたり、話っぷりも変化させ、挙げ句に“下げ”まで変えることもある。
まくら(話の本編が始まる前にお客さんを暖める軽い話題)も巧妙に出し入れする。
素晴らしい仕事であると共に、こんなスリリングな商売も無いでしょう。

それを寄席に出掛けて、楽しむ“幸せ”がまさに“寄席の醍醐味”です。
若手もベテランも出てくるかと思いますが、楽しんで来ようと思います。
歌丸さんもそんな寄席の様子、空から楽しそうに見てくれているのかもしれません。

2018/05/26

映画「男と女、モントーク岬で」を見てきた

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映画『男と女、モントーク岬で(Return to Montauk)/2017年 アイルランド、ドイツ、フランス 監督:フォルカー・シュレンドルフ 出演:ステラン・スカルスガルド、ニーナ・ホス』を見てきました。

「ブリキの太鼓」などで知られるドイツの名匠フォルカー・シュレンドルフが手がけた大人のラブストーリー・・ってことになっているとのことで、リラックスモードから、やや緊張モードで映画館へ。

過去の実らなかった恋の想い出を新作の小説として書き上げ、プロモーションのためニューヨークを訪れた作家のマックス(ステラン・スカルスガルド)は、何年もパトロンをしてくれている謎の男性から、かつての恋人レベッカ(ニーナ・ホス)の情報を得てしまい、衝動にかられ、強引に再会。

そのレベッカとの再開は硬直した緊張感あるものだったが、策を弄して再々会。
レベッカは、別れた後に何があったのかを一切語ろうとはしないが、やがてマックスがニューヨークを去る日が近づき、帰国の3日前にレベッカからモントーク岬への旅に誘われる。そこは恋人だった二人が訪れた思い出の場所。


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映像の画質もなんというか、大人の落ち着いた物語にふさわしいトーン、さらにモントーク岬に向かう二人(特にニーナ・ホス)のなんとも趣味の良い感じ(衣服やクルマなどの持ち物についても)がまた渋い大人の雰囲気を醸し出していて、そんな二人が過去の恋を掘り起こすような旅をして、また海や海辺のホテルでのシーンなど、なんだか大人心をくすぐられるのです。・・子供はお呼びじゃない映画でした。

二人は確かめ合うように互いを求めたのですが、でも恋の再燃というふうにはならなかった。
レベッカがマックスと別れたあとに付き合った男性との突然の別れが、レベッカの心の奥底に大きな傷をつけていたこと、そしてその内容にマックスは衝撃を受けるのですが、それは映画を見ていろいろ感じてください。

見ていて、男と女の「恋」に対する心の持ち様が異なるものだなって、あらためて感じました。
男は“自分の戻ってくるところ”を恋の相手に求めますが、女はいつも、いつでも自分に恋し、愛してくれる男を求めている・・。
そんな気がしました。

男が見ると、ちょっと心が薄ら寒い感じがするかもしれないし、女性が見れば、「そうなの、女ってものはそういうもの」って感じるのかもしれない映画でした。


【Now Playing】 Yeah ! / Horace Silver Quintet ( Jazz )

2018/05/14

映画「大英博物館プレゼンツ 北斎」を見た

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映画『大英博物館プレゼンツ 北斎(British Museum presents: Hokusai)/2017年 イギリス 監督:パトリシア・ウィートレイ 提供:大英博物館 ナレーション:アンディ・サーキス 出演:デイヴィッド・ホックニー、ティム・クラーク他』を見てきました。

この映画は、世界的に著名な「葛飾北斎(1760-1849)」をイギリスで初めて取り上げた展覧会について、それを映画で見ることができるドキュメンタリーとしてまとめられた作品です。

特にイギリス人芸術家・デイヴィッド・ホックニー、北斎研究者・ロジャー・キース、大英博物館「北斎」キュレーター・ティム・クラーク三人を中心にして北斎を“愛をもって”掘り下げていく内容は、日本人にも知らないことが多く、夢中になって見てしまいました。

また、それぞれにテーマを持った展示コーナーごとに様々な側面を見せてくれる北斎の作品に光をあて、情熱を燃やして、影響を受けてきた学者たちやアーティストたちが協力して解説を飛び越えて、北斎への思いの丈を語るシーンは圧巻です。

美術史学者のアンドリュー・グラハム・ディクソン、陶芸の現代作家グレイソン・ペリーらアーティストたちを迎えた上記のシーンは、この映画を見ている人にとって、まさに解説付きの美術館探訪というしつらえです。

北斎は、歳を経れば経るほど良い作品が描けると語っていて、「110歳まで生きることができれば、その作品の線一本、点のひとつまでに生命を宿らせることができる」と晩年、最後の最後まで信じていたようです。

最晩年の遺作と言える作品は真っ白な富士に上空に雲かと思うと龍が天に昇っていく様子を描いた掛け軸で、それも紹介されていましたが、北斎研究者・ロジャー・キースは、「90歳で亡くなる直前にそれは達成されていた」と声を上げ涙を流しました。
・・私も泣いてしまった。

晩年の娘と暮らしながら描いていた時期の作品は初めて見るものでしたが、たしかにそれまでの傑作と呼ばれるものからも、その世界は脱していて、すごいとしか言いようのないものでした。

また、自然と人と、それらが一体となって営まれるこの世界の様子を描く富嶽三十六景など誰もが知っている作品についても、とことん、素晴らしい解説付きで堪能できました。
単なる美術展の紹介作品的な映画ではなく、この映画自体が北斎への限りない憧憬に満ちあふれています。

北斎への理解が今までよりもずっと深まった、良い作品でした。


【Now Playing】 I'll Remember April / Sonny Clark ( Jazz )

2018/05/07

連休最終日、映画「ザ・スクエア」を見てきました

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映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域(THE SQUARE)/2017年 スウェーデン、ドイツ、フランス、デンマーク合作 監督:リューベン・オストルンド 出演:クレス・バング』を見てきました。

主演のクレス・バング演じる現代美術館のキュレーター、クリスティアン、見た目は洗練されたファッション、バツイチで二人の可愛い娘がいて、格好良く、人生順調・・って感じ。


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次の展覧会では、この映画のタイトルにもなっている「ザ・スクエア」といういかにも現代的な展示で、地面に正方形の描いただけのものを発表!

そのスクエア(正方形)の中では【すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる】という【思いやりの聖域】をテーマにした参加型アートだという・・。

現代社会に蔓延るエゴイズムや貧富の格差に一石を投じる狙いがあったのですが・・。

ちょっと“いけ好かない”感じのPR会社が、画期的なプロモーションだとぬかして作品のコンセプトを皮肉にひっくり返したようなメッセージをSNS上に流し、わざと炎上させる手法で世間を非難の渦に持って行くのでした。

目論見は成功したかに見えたが、世間の怒りは主人公・クリスティアンの予想を頭上はるかに超えて、彼の社会的地位を脅かし、やがては辞任に追い込まれる・・。
なんだか救いようがないのですが、携帯とサイフを騙されて盗まれ、なんともひどい方法で取り返し、解決したかに見えたが、さらに関係ない家族にひどい迷惑をかけ、泥沼のようなところに吸い込まれていく。


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記者の女性と寝たら摩訶不思議な関係に引き摺りこまれたり、とにかく出てくるエピソードがそれぞれに魚の骨が喉に何本もつかえたような微妙に厭な状態になり、どれもさっぱりとは解決しない。

全部中途半端な状態で・・なんか、モヤモヤが残ったまま、映画、終わっちゃうんですよ(^_^;)

副題みたいなところに「正義という名の落とし穴」「理想どおりに生きることの難しさ」なんて書いてありましたが、まさにそんな感じ。


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みているこちらは、こんなこと生きていると何度もあるよ、でもドラマみたいに解決はしないよなぁ、いつも中途半端で心の中になにか“とげ”のようなものが残りっぱなし、みたいになるんだよなぁ、トラウマになっちゃうよ。
と本気で思いました。

見ているこちらがハラハラというよりか、どうしようって「あぶらあせ」をかくような気持ちになるのです。試されているみたいでした。

そんな胃にも悪い(^^;)映画ですが、映画ファンには面白いと思いました。
二時間半近い長丁場ですが、水分の取り過ぎに気をつけて劇場に足をお運びください。


【Now Playing】 Rubber Soul / Herbie Hancock ( Jazz )

2018/05/03

映画「ロンドン、人生はじめます」を見てきました

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映画『ロンドン、人生はじめます(Hampstead)/ 2017年イギリス 監督:ジョエル・ホプキンス 出演:ダイアン・キートン、ブレンダン・グリーソン』を見てきました。
行くと言ったら、あわてて予告編を調べ、妻もついてきました(^_^;)

ロンドンのハムステッドの高級マンションで暮らす未亡人のエミリー(ダイアン・キートン)。
夫亡きあと悠々自適の暮らしをしているのかと思いきや、その夫の死後に発覚した浮気や借金、減っていく貯金などの問題を抱え、それらを棚送りにしているだけでなく、さらに上辺ばかりのご近所づきあいが非常に重荷・・。
息子は海外勤務に行ってしまうと相談してきて、上記のことなどを含め、様々な問題に直面、もう後には一歩も退けない状態です。

そんなある日、屋根裏部屋で双眼鏡を使い、森の様子を見ていると、その森で自然に囲まれ手作りの小屋で暮らすドナルド(ブレンダン・グリーソン)を発見。


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トラブルになりそうになっていたので警察を呼んでしまい、そこから本人に会いに行き、不思議なつき合いが始まるのでした。

池で釣ってきた魚で森の庭・ディナー、気ままな読書、自作の小屋はなんだか中に入るとちょっと素敵。

野菜などを庭でつくり、余計な物を持たず幸福に暮らすドナルドは、ちょっとばかり頑固だけど心優しいのです。

次第にドナルドに惹かれていくエミリーですが、ドナルドは、開発業者から立ち退きの裁判に訴えられ、さあどうなる、ドナルドとエミリーのちょっとした恋心・・・ってな話です。

予告編でもおもしろそうと(妻もそう思ったらしい)思いましたが、予想どおりの面白さでした。


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金銭問題をいろいろと抱えた主演のダイアン・キートンに言い寄ってくる会計士の焦りすぎで少し“ドジ”ぶりなエピソードが爆笑なことも手伝って、そして周囲の一見お上品そうなマダムたちのおせっかいなどもストーリーに豊かさを加え、さらにイギリスの風景の美しい映像もあり、素晴らしい映画になっていました。
連休の一日、こんな映画で楽しく過すのもいいものでした。
“おすすめ”印です(^-^)/☆


【Now Playing】 ビギン・アゲイン / ピアノ・ガイズ ( Instrumental )

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