「東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ/遙洋子」を読んだ。
『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ/遙洋子著(ちくま文庫)』という本を読みました。
著者、遙洋子さんを私は存知上げておりませんでしたが、タレントとして関西で活躍されていた方のようです。
このブックオフで手に入れた本、いきなりタイトルがすごいことになっています。
上野千鶴子さんはあの東大入学式での有名な祝辞で私も存知上げておりましたが、あの祝辞をテレビ等で見て、いちいち頷きました。これだけ本音でものを言える人がいるのか、と思いました。
そして、それを批判する人がいたことも覚えています。
ジェンダー研究という新しい分野で“闘って”きた上野さんに「ケンカ」を教わるという面白いタイトルとなっていますが、「あとがき」を読んで、この本の内容はもともと上野教授から夏休みのレポートとして提出を求められたものであったことを知りました。
こんな過激で、正直で、読物としても面白い本が出来上がったのは、上野さんの怪物のような怖ろしい講義をしていることもありますし、著者のすべてをさらけ出したかのような智に対する、そして勉強に対する貪欲で、臆病で、がむしゃらな人間性にあるのだと思いました。
上野さんの講義の様子は、この本を読んでいるだけでも怖ろしくて私は教室にも入れないような気になりました。
でも、遙さん以外の東大生達の様々な生態も描かれていて、講義中のバトルのようなものにドキドキ、わくわくもしたのでした。
なぜ人は勉強するのか、なぜ人は人としてここに存在し、何を求めているのか、人はどうやってこの人生を生き抜いていくのか、歩いていくのか、などと私の勉強不向きな脳も考えさせられることになりました。
前のめりにぶっ倒れながらもどっこい生きて行く、勉強していく遙さんの姿勢に圧倒されつつ読了いたしました。
疲れたけど、その疲れは心地良かった。
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