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2024/07/05

「わたしの週末なごみ旅/岸本葉子」を読みました。

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『わたしの週末なごみ旅/岸本葉子著(河出文庫)』を古本で手に入れ、読みました。
2008年「ちょっと古びたものが好き」と2009年「週末ゆる散歩」の二冊の単行本について加筆修正し、写真を再構成したものとなっています。
2012年に初版発行されています。

最近、岸本さんの著書については何冊かご紹介していますが、この本は俳句についてのものではなく、主に骨董、アンティークなどで普段づかいできるようなものを岸本さんの思いのこもった解説で紹介している前半部分と、後半は柴又や谷中などを岸本さんが散歩して、独特の視線からその愉しみを書かれている、という構成になっていました。

前半のティーカップやその他器などを旅先の骨董品店に出向いて探す様子などは、著者のわくわくする気持ちや、その器がいつ頃のもので、どういう人が使っていたものか、などに思いをはせている様子が手に取るようにわかり、私も以前骨董市などに出かけていたのでとても面白く読みました。

高価なものや、貴重なものを求めるのでなく、自分の生活の中で“よろこび”と共に使っていくことのできるものを求めている著者の気持ちがよくわかりました。
掲載されていた写真を見ても、「なるほどねぇ」という感じ(#^.^#)

そして、後半はお馴染みの柴又や、谷中方面などにも出かけています。
あの有名な「夕やけだんだん」にも出かけていて、私も行ったあの観光地でもない、でも人が集まり、なんだかいい気分で歩き、コロッケを買ってビールを飲んだりするような雰囲気のところを紹介されていて、こういう散歩・・いいなと思いました。

読み終えて、骨董についても、以前のように骨董市などを探して出かけたくなりましたし、また東京の下町などをゆっくりと散歩してみることも復活させたいと思いました。
コロナ禍で、すっかりご無沙汰になっていました。

岸本さんの著書については、まだ俳句についてのものをストックしているので、また読みましたらご紹介いたします。

 

俳句を詠んでみる_0152【 林道で 淹れる珈琲 夏の雲 】

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二十代の頃はけっこう海に山に出かけていたことを思い出し、一句詠んでみました。
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【 林道で 淹れる珈琲 夏の雲 】

《背景》季語:夏の雲[夏]
二十代前半、就職してジープ型の軽自動車、2サイクルエンジンのジムニーを買い、アウトドアに出掛けるようになった。
仲良くしていた女性が「面白そうだから連れて行け」と言うので、房総半島の内房から外房へ抜けることの出来る嶺岡林道を選んだ。
途中、山の高いところで、コールマンのバーナーを使い珈琲を淹れてその女生と飲んだ味は、空気の爽やかさと雲の高さも手伝ってこのうえもなく美味しかった。
今でもあの空の青さと真っ白い雲の光景が目に浮かぶ。

 

 

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2024/06/30

「ダンディー・トーク/徳大寺有恒」を読みました。

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『ダンディー・トーク/徳大寺有恒著(みずうみ書房)』という本を古本で手に入れ、読みました。
著者、徳大寺有恒さんは、「間違いだらけのクルマ選び」という本で有名になられたことをご存知の方も多いと思います。
私はそのほかに、TVKのテレビ番組「新車情報’〇〇」に亡くなられた三本和彦さんと出演されていたことをよく覚えています。
そして徳大寺さんも10年前に亡くなられた・・。

もう、この時代にクルマのことを“ああだこうだ”とこだわり、メーカーに対しても歯に衣着せぬ意見・提言する人なんていなくなっちゃった気がします。
徳大寺さんのそんな気骨のあるクルマに対する厳しい指摘、現行車に対しても聞いてみたかったものだと思います。

で、この本ですが、クルマに対するダンディズムについても、もちろん書かれていましたし、かなりマニアックというか、自腹でクルマを50台も買って乗っていたたげのことはある・・という徳大寺さんのクルマに対するダンディズムが語られていて、もう「ははぁ~っ」とひれ伏すばかりでした。
私のような凡人はただただ感心し、驚くばかりのお言葉ばかりでした。

そして、服、靴、鞄、万年筆など、徳大寺さんが「俺はこう考えているからこういうものを持っている」ということがわかりやすく書かれていて、それを貫くにはほとんど入ったお金はそのままクルマやその他男のアイテムとして遣われていくことになり、家計は大変だったろう・・などと一般人の私は思うのですが、「それがダンディーじゃない」ということになるのでした。

女性に対しても“金のかかる”“一筋縄ではいかない”人と付き合うのが男なのだ・・というふうに私は解釈いたしましたが、徳大寺さん向かうところ敵なしという感じ・・少しは無理しているのでしょうが・・。

クルマの運転の仕方や、女性との付き合い方についても、けっこう細かくアドバイスされていて、もし若いときに私がこの本を読んでしまったら、今頃“ヤバいヤツ”になっていたことでしょう(^_^;)

この本を読んでの結論、徳大寺さんは“ヤバい雰囲気”を漂わせている“やせ我慢”のやさしくてカッコいい男ということになりました。
こういう人・・なかなかいません。日本に残存している方は、北方謙三さんくらいか。

 

2024/05/21

「本は眺めたり触ったりが楽しい/青山南」を読みました。

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『本は眺めたり触ったりが楽しい/青山南著(ちくま文庫)』という本を読みました。
近年の私にしては珍しく新刊本です ^^;

著者、青山さんの文は、若い頃「本の雑誌」でよく拝見していましたが、実に読みやすい文体で心地よく読みました。

本の内容はというと、「本を読む」ってことはどういうことを言うんだろう・・というもので、それを自由に考えていくという、今まであったかな?という本でした。

タイトルにもあるとおり、本は眺めたり、触ったりするだけでもいいのだとも書かれていて、私もそう思います。
中に書かれていましたが、本を片手に散歩する、読まなくてもそれだけでもいい(^_^;)という極端なことでも、それでも私もいいと思う。

図書館に行き、たくさんの本が並んでいるのを見に行くだけの人の話も書かれていましたが、それもよし!だと思いました ^_^;

読んでいて、「ドッグイヤー」とよく言いますが、気になったところの角を折っている本を古本で手に入れることもあります。
古本として手に入れたときは少しがっかりしますが・・(それを全部元に戻さないと読む気にならないのです、私)、でもそんな本を手にして、前の所有者が何を気にかけていたかがわかったりするのも読書のひとつの楽しみであるのかもしれません。

誰かの言葉を引用していましたが、そんなドッグイヤーのことを「おできの跡」みたいだなんて表現して、次に読む人がちょっと気味悪がる気持ちもわかります。

また、二葉亭四迷が欧文の特色は「声を出して読むと抑揚が整うている」という言葉も取り上げられていました。
日本人としては、だれよりも早くそれを察知したらしいです。

翻訳に意欲を燃やしていた四迷は、「外国文を翻訳しようとするからには、必ずやその文調をも移さねばならぬ」として、「原文の音調を呑み込んで、それを移す」ためにカンマやピリオドの数も原文のままにして、語数も原文と同じくし、大変な苦労をした話も書かれていました。

初めて聞く話でしたが、とても感心し、興味深く思いました。

また、日本ではあまりないと思いますが、欧米では「朗読会」がけっこう盛んに催されているという話も書かれていて、「行ってみたいなぁ」と思いました。
その本の内容が自分が黙読しただけではわからなかったところについて気づくかもしれないと思いました。

本を読むということ自体について色々考えたりして、しかも著者自身が楽しんでいる本、面白く読みました。

 

2024/05/09

俳句を詠んでみる_0094【 蕎麦 古本 珈琲で 秋過ごす 】

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休日の夫婦楽しみのトライアングルを詠んでみました。

【 蕎麦 古本 珈琲で 秋過ごす 】

《背景》季語:秋[秋]
妻とクルマで出掛け、蕎麦屋で腹ごしらえしてから古本探し。
仕上げに珈琲を飲んで休日を過ごした。
「この“トライアングル”はいいよね」と二人で笑った。
秋にはますますこのトライアングルの行き来が増すだろうと話した。

 

2024/04/29

俳句を詠んでみる_0080【 朝涼(あさすず)に 釣糸垂れる 少年期 】

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小学生の頃、休日の朝早くにフナ釣りに行った思い出を句にしました。

【 朝涼(あさすず)に 釣糸垂れる 少年期 】

《背景》季語:朝涼[夏]
少年期、夏の朝、まだちょっと涼しさを感じる早朝から家を出て近くの池に向かう。
池に着くと、もう大人の先客がいる。
先を越されたと思いながら、前夜に準備した釣り竿にエサをつけて投げ入れる。
日曜日、休みの朝のわくわくとするひとときだった。

 

2024/04/23

俳句を詠んでみる_0071【 木の撥(ばち)で シンバル叩く音 冷たし 】

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また楽器のことで一句、高校生の頃を思い出して詠みました。

【 木の撥(ばち)で シンバル叩く音 冷たし 】

《背景》季語:冷たし[冬]
高校の頃からバンドを作り、楽器はドラムだった。
冬の寒い部屋での練習、木製スティックのチップ(先の丸くなっている部分)が金属製のシンバルに当たる音は、木と金属のぶつかるカツーン・カツーンという、叩いている者だけが聞くことの出来る冷たい音だった。

 

2024/04/18

俳句を詠んでみる_0060【 風涼し シーグラス求め 保田の浜 】

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ある日知ったシーグラスの存在、家族で海に探しに出たときの一句。

【 風涼し シーグラス求め 保田の浜 】

《背景》季語:風涼し[夏]
ビンなどのガラスの破片が波に洗われ、角が取れ、素朴な宝石のような輝きを持つものになって海岸に流れ着くシーグラス。
器に入れてもきれいだが、それを使ってちょっとした芸術的な作品にもなる。
妻、長女と鋸南町の保田海岸に出掛けた。
暑い日だったが、海からの風は一瞬暑さを忘れるような爽快感がある。
家族三人、色とりどりのシーグラスを集めた。

 

 

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2024/03/01

夏井先生の「句会ライブ」優勝賞品でいただいた『2024年版 夏井いつきの365日季語手帳』を読みました。

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『2024年版 夏井いつきの365日季語手帳/夏井いつき著(レゾンクリエイト)』を読みました。
すでにご紹介いたしましたが、2月24日に市原市民会館で開かれたテレビ番組・プレバト俳句コーナーでお馴染みの夏井いつき先生の「句会ライブ」で私が優勝したときの賞品としていただいたご著書です。

一年365日それぞれに季語を付して、さまざまな方の句を紹介し(梅沢富雄さんのものもありました)、先生から発想のヒントも随所に書かれている本でした。

・・で、私、決心いたしました。

俳句をこれから毎日とは言わずとも、一週間に一~二句くらいは詠んでみようと(^_^;)

先だっての句会ライブで書いた俳句が私の人生最初の俳句でした。
思わぬビギナーズラックで優勝という信じられないものを得ましたが、今まで何度も書いてみようと思いつつ、やってみると何も思いつかない ^_^; ということで、あきらめていたものの、あの日になんとか書くことが出来たので、せっかくだから俳句を継続的に詠んでみようと“大決心”いたしました(*^^*)

いただいたこの本、今まで私がまったく知らなかった季語が満載でした。
そして、初めて経験する俳句を読むことによる“痺れるような感覚”、下手くそでもいいから私も何か書いてみたいと思ったのです。

そして、季語やその他俳句知識に乏しい私なので、写真にあるような「俳句歳時記」と「言葉の歳時記」という本も手に入れてみました。

とりあえず、一週間に一句はなんとか詠んでみたいと思っています。

今、すこし“ワクワク”しているところです!

 

2023/10/08

角田光代さんの「よなかの散歩」を読んだ。

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『よなかの散歩/角田光代著(新潮文庫)』という本を古本で見つけ、読んでみました。
この本は、2011年に株式会社オレンジページより刊行されたものの文庫化本です。

角田さんの、なんというか“開けっぴろげ”な書きぶりが一番の魅力となっている本だと思いました。
自分が四十代になろうというのに、二十代の女性のファッションを見て、自分も着てみたいとお店に行き、買おうとする、あるいは買ってしまう。
自分の年齢にふと気づいて三十代向けの売り場に行くが、それでもなんだか不相応に感じてそれ以上の年代の売り場に目を向けるが、自分はまだまだそんな歳だとは感じない・・と思い、そんな売り場は避けてしまう。

飲みに行けば、記憶が無くなるほど飲み、それについても正直に書いてしまう(^_^;)

三十代になるまでは、かなりな偏食で、魚は食べないし、野菜などについても強烈な好き嫌いがあったことがわかりましたが、でも突然それをやめて色々食べ始め、自分でも工夫して料理を始める・・極端な変わり目に読んでいて驚きました。

気に入ったシャツなどは十二年も着倒し、襟が黄ばんでも、ボタンが取れたままになってもずうっと着ている、そんな性格もわかりました。

お金が貯まると聞いて家計簿を付け始めるが、「飲み代五千円くらい」などと段々大雑把になり、一日の集計もしなくなるが、それでもずっと書き続けている。
結局、ごまかしだらけの、ただのメモになるのだが、誰と何処で何を食べたかだけは毎日書いているので五年、十年と時が経つとおもしろく興味深くなるという・・わかるような気がする。

ボクシングジムにも何年も通うが、試合はしないのだと言うと皆が不思議がる。
でも、目標がない、まるでない、ただはじめてしまっただけ!という。
目標がないから向上心もなく、努力もせず、だけどそんなだから長続きがするというのです。

私もつい最近、手指を動かすのはいいことなんじゃないかと思い、ハードオフというリサイクルショップでエレキギターを買ってまいりました。
本来はドラムを叩いていたのですが、もう家の中にセットを組むスペースはなく、練習なんて出来ない、そこで過去にコードを“じゃら~ん”と鳴らす程度だったギターを自分のものとして手に入れ、少しやってみようと思ったのです。
そして角田さんを“見習って”(^^;)目標を置かず、時々手に取って、ちょびっとさわってみる程度のことをしようと思っています。
「〇〇という曲を完コピしよう」などという高い目標は定めません!やれることだけ少しやる、これで行こうと思います。

色々書きましたが、角田さんの日常のおもしろさを綴ったエッセイ、楽しめました。

 

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