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2017/06/27

「旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒」を読んだ

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『旅に出る ゴトゴト揺られて本と酒/椎名誠著(ちくま文庫)』を読みました。
これは2001年に本の雑誌社から刊行されたものを2014年に文庫化したものです。

だから文自体は10年以上前のもので、椎名さんの文体も勢いがあるし、しかも余裕がある。
全体にはゆったりと流れるように書かれていて、読んでいるこちらも楽しみながらゆっくりと読めました。

「めざせ ウ・リーグ」の話も過去に何度か出て来たことがありましたが、椎名さん、そして椎名さんの仲間達らしい楽しいスポーツと活動のお話でした。
つまり ウ→漁師の使う漁網についてる“浮き球”のこと、それを使って三角ベース・・懐かしい(^^;)・・で野球をやったらあまりにも面白いので、やがて全国を回って戦いを繰り広げるというものです。

子供の頃、草野球をやって、しかもメンバーが足りずに三角ベースでやっていたあのワクワクする気持ちを思い起こさせてくれました。

また、椎名さんがいつも書くキャンプでの話。
寝袋で寝るときの心地よさを書いてあって、個人用テントの中をきちんと片付け、防寒用の薄いマットを敷き、エアマットをその上に置く。
それから羽毛の寝袋をひろげ、何かを丸めて適当な枕を作り、喉が渇いたときのために傍らに水筒を置き、ヘッドランプを頭にくくりつける。

・・もうここらへんでなんだか“いい感じ”でしょ?!d(^_^o)
でもって、そのヘッドランプの明かりの中に文庫本をひろげるときの心地よさ・・って書いてあって、私としてはこういう文に“うっとり”してしまうんですよね(*^_^*)

そばではさきほどまでひとしきり話をしていた焚き火の爆ぜる音がする。
テントの生地を通して、その炎がゆれているのがわかる・・。うう、たまらん。

本を読むのに疲れたら、ヘッドランプを消していつでもそのまま睡り込んでいくことが出来るのだ・・そうか、そうか、そりゃいいっ!!こういうのがうらやましいのです、私…σ(^_^;)

とにかく、そんな椎名さんの羨ましくも、楽しく、そして時にはいつものように椎名さんが、なんだこれは!と怒るようなエピソードまで、たくさん掲載されています。
楽しく読んでください、ビールでも飲みながら(^-^)/☆


【Now Playing】 深層深入り 虎ノ門ニュース / 青山繁晴 ( YouTube )

2017/06/25

「この日のビートルズ」を読みました

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『この日のビートルズ/上林格著(朝日文庫)』を読みました。
この本は、朝日新聞デジタルサイト「どらく」で連載された「この日のビートルズ」を再構成したものだそうです。

第一印象は、とても真面目にビートルズ現役時代の大きな出来事を丹念に拾って丁寧に真面目に書いている、という感じです。

私とは年代的に近い著者のビートルズ経験は、かなり似たものを感じます。
ということは、実際にビートルズを体験(ほとんど後追い体験)したときには、ネットも無く、情報もめっちゃ少なく、関連書籍に書かれていることも今にしてみるとかなり誇張したものや憶測が多いということになります。

また、ビートルズに対するいわれの無いバッシングのようなものも多分経験されていると思います。ツェッペリンなどのハードロック系や、プログレ系のファンなどからもひどいことを言われた世代です。

そんな辛い体験を経た後には、インターネットが普及し、ビートルズファンであることを堂々と言える時代がやって来て、関連書籍も次々と出版され、新たな事実や、謎であったエピソードなども解明され、さらにレコーディング時の細かい逸話なども徐々に明らかになってきて、やっと“我が世の春”を経験するわけです、私達後追い第一世代。

そんなことで、ビートルズの節目の出来事について著者はとても丁寧に書き、まとめています。
既に知っていることも多いのですが、それにしてもこれだけのことをまとめ上げるのはたいしたものだと思いました。
私にとってもビートルズ現役時代のエピソードを復習することが出来ましたし、ちらほらと私の知らなかった話題も見受けられ、それも楽しく読むことが出来ました。

デッカのオーディションから、最後のフォトセッションまで、感慨深いものがありました。
ビートルズファンで、もう一度彼らの現役時代を“悪口”やメンバーの誰かに“偏った”記述などを抜きにして真摯に振り返りたい人にはおすすめです。

彼らのその時々の気持ちが伝わってくるような本でした。


【Now Playing】 You've Got To Hide Your Love Away / The Beatles ( Rock )

2017/06/17

『酒談義』・・読んだ

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『酒談義/吉田健一著(中公文庫)』という本を読みました。
著者は吉田茂元首相の長男で、英仏にわたる翻訳、文芸批評、小説も書き、多彩な文筆活動をされていた方だったのだそうです。
そして、この本を読むと、吉田健一さんの人生は酒とともにあった、・・そんなふうに感じました。

私が読む“酒関係”の本(^_^;)は、たいてい、地方の風景や、人々、そして地元のおいしい肴などと共に酒が語られるものばかりですが(それが正道ですものね)、この本の内容は吉田さんが酒そのものを語り、酒と自分をどう対峙させるか、酒とは何なのだ、美味しい酒をそのまま風呂にして浸かりたい・・など、真っ正面から取り組みすぎてどこか幽玄の世界にまで入り込んでしまったような、そんな本でした。

主に日本酒について書かれていますが、ワインやシェリー酒、ウイスキー、ブランデーなどについてもふれられています。
それらについていわゆる肴というか、相性の良いものも書かれてはいるのですが、酒(日本酒)については、そもそも肴なしで酒そのものを感じつつ、あっちの世界に行ってしまうのが一番だ・・的な書かれ方がされているのです。
私は、まだそういう境地に到達していない・・いかないと思う・・ (・_・;

酒は飲むほどに人の身体だけでなく、何か心のひだに染み渡り、やがては人生の隙間にじわりと染み込んでくる、そんなものなんじゃないかと私は最近思い始めています。
だから、酒が飲めない人も多く有ると思いますが、人にとっては人生、家族とともに自分にとっての大切な“友”のような存在かもしれないと、そう感じているのです。“下戸”の方、意味がわからないと思いますが、ごめんなさい。

今まで読んできた“酒”の本とはちょっとちがうこの「酒談義」、酒とともに人生がある・・(゚ー゚*)。oOと思っているあなたには“いい本”かもしれません。


【Now Playing】 ナイツのちゃきちゃき大放送 / ナイツ ( TBSラジオ )

2017/06/10

「ひかりの魔女」を読んだ

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『ひかりの魔女/山本甲士著(双葉文庫)』を読みました。
山本さんの作品は、読む度に心の中にほのかな火が灯る感覚をおぼえます。
人の心を信用しない、無視する、自分だけよければいいのだ・・そんな人ばかりの世の中で、山本さんの書く物語は自分が小さかった頃にいた周囲の人たち、町の人たちの様子を彷彿とさせてくれます。

今回はおばあちゃんとその孫が主人公ですが、おばあちゃんと一緒に暮らしていた長男が事故で亡くなり、次男家族宅に身を寄せ、父母・長男・長女の家族の中におばあちゃんが入ってきます。
遠慮がちに見えたおばあちゃんですが、浪人中の孫と、かつて書道を教えていたことのある生徒であった人たちのところに挨拶に回ります。

そこで孫の男性は、おばあちゃんのなんでもないような心遣いがかつての生徒達の心をつかみ、やがてその周囲の状況をどんどん良くしていく様子に気づきます。

そして、おばあちゃんが来るまでは最悪の状態だった四人家族がおばあちゃんのさりげない“魔法”によって家族の繋がりを取り戻し、輝きはじめるのでした。

おばあちゃんがつくるごく普通の和食は、家族やおばあちゃんのかつての生徒達(おばあちゃん信者?)を幸せにしていきます。
山本さんのお話に必ずといっていいほど登場する心を込めてつくった食事は、“心の繋がり”のキーワードなんだな、と思いました。

いつも私を夢中にさせ、幸せにしてくれる山本さんの作品。
今回も幸せ気分で読めました。
途中で何度も泣いてしまいました。人が人を思い、家族同士が何かのきっかけでより深い思いを共有する、・・ささいなことですが、今の世の中ですっかり遠ざかり、忘れかけている気持ちを呼び覚ましてくれるのです。

以前、山本さんの作品「わらの人」の読後感を書いたときだったか、著者の山本甲士さんご本人からこのブログにコメントをいただいたことがありました。
とてもうれしかったし、山本さんご自身のあたたかさも感じました。

また山本さんの作品を読んだら感想を書きますねd(^_^o)


【Now Playing】 She's Leaving Home / The Beatles ( Rock )

2017/06/04

「三省堂国語辞典のひみつ」を読んだ

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『三省堂国語辞典のひみつ/飯間浩明著(新潮文庫)』という本を読みました。
著者は国語辞典編纂者で、三省堂国語辞典の編集委員です。

私が現在主に使っている国語辞典は、同じ三省堂の「新明解国語辞典」ですが、今回この本を読んで“新明解”と“三国”と呼ばれる三省堂国語辞典のあり方っていうか、編纂の仕方が大きく異なっているということを初めて知りました。

“三国”は現代語の用例を採集するということを熱心にやり、まさに現代に使われている語を、この本にも書かれている“ストンと落ちる”形で読者に提供しているというのが最大の特徴であることがわかりました。
今までノーマークでした。
今度本屋さんに行ったら「三省堂国語辞典」、じっくり見てみようと思いました。

たとえば、「ふつう」という言葉が、今では“ほめ言葉”になっているという部分まで取り上げているのが“三国”です。
「ふつうに可愛い」とか「ふつうにおいしい」っていうのは「だれが見ても」・・という意味で現在使われています。・・私はまだ納得できないので、そんな使い方はしませんが。

世間ではめっちゃ嫌われている「させていただく」についても、著者は完全否定していません。でも、気にする人が多いので、著者自身は使わないとおっしゃっていますが。
私も、使うのがおかしいと感じるシーンもあると思いますが、完全にその使用を否定するものではありません。前後の関係から使うこともあります。

上記のような話、それから現代語の採集にあたっては、著者は図書館、テレビ、インターネットにとどまらず、実際に街に出て使われているシーンを丹念に拾っています。
さらに実証するために、物の仕組みを知ろうとライターを分解したりする著者の様子なども書かれていましたが、これもまた面白かった。

この本を読んでいて、私も言葉についてちょっと考えてみました。

いまだ私が使おうとしない言葉は以下のとおり。

〇リア充  〇はんぱない 〇カッけー 〇何気に

自分の体の中には上記の言葉はまったく染みとおっていないので使うことはありません。
たぶん今後も使わないと思います、死ぬまで。

あと、今、気になる言葉。

<印象操作>

・・・某首相が答弁のたびに相手に反論させぬように使っているようですが、こんな言葉あったかね?!
都合のいい、逃げ言葉としか“印象”に残りません。残念。


<〇〇となってございます。>

・・・国の役人が答弁のときに、「おたずねの数値は昨年度は〇〇〇となってございます。」と答えるのを頻繁に聞きます。ふだんこんな言葉の使い回しはないですよね。
これは都道府県の職員あたりにも拡がっているようですが、さすが市町村職員で使っている人を見聞きしたことはありません。
これも使うことは一生ないだろうな。

というわけで、自分が気になる言葉にまで話が拡がってしまいましたが、今回ご紹介した本もなかなか面白いですよ、ぜひ!d(^_^o)


【Now Playing】 深層深入り 虎ノ門ニュース / 武田邦彦・須田慎一郎 ( YouTube )

2017/06/01

「壇蜜日記2」を読んだ

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『壇蜜日記2/壇蜜著(文春文庫)』を読みました。
壇蜜日記第一弾はすでにこのブログでご紹介していますので、ご覧いただく際はカテゴリー「書籍・雑誌」で検索してみてください。

第一弾では人気の勢いに乗ってブイブイ言わせていたような記憶があるのですが、この壇蜜日記2では、その後のかなりな“バッシング”があったのか、その影響を感じました。
ようするに、壇蜜さん、自分を卑下していて、存在すること自体を否定するような輩の罵詈讒謗にだいぶ疲弊している様子がうかがわれるのです。

私が持っている壇蜜さんの印象というのは、世の動き、人の思惑(特にバカでスケベな男)、自分を利用している人が裏で考えていることなどを敏感に察知し、自らの容貌を適切かつ賢く利用して、ある意味自分の中にある考えを密かに実行している人・・というものでした。
要するに“頭がいい”って、思っていました。

でも、この壇蜜日記2を読むと、そんな壇蜜さんも、特に仕事で絡んでくるような人の中に“ゲス”な人たちが多く、しかも次から次へと壇蜜さんに謂われのない“言い掛かり”をつけてくるので、だいぶ弱っているような感じを受けました。

最終的には「自分というものは、こういうものだ、こういう生き方をしているのだ」という姿勢で、しかも怠惰な感じの私生活も垣間見えるような日記となっていて、壇蜜さんの中にある“芯”のようなものはしっかりとして、揺るぎないものになっていた、と思いました。

できれば、ここから巻き返して、「壇蜜日記3」を出してもらい、大反撃してもらいたいものだと思いました、正直d(^_^o)

壇蜜さんを好奇の眼差しで見たり、下心丸出しに近づいてくる男、&壇蜜さんを表面だけで判断して蔑む女性などに対して、斜めから見ていたと思われるテレビ等の露出が多くなってきた頃の壇蜜さん、もう一度あんな感じで“ギャフン”と言わせる文章を書いてもらえたら、と思いました。

いや、ひょっとしたら今までと異なる視点で、しかも今までいたところとは異なる場所に自分を移して生きて行くのが壇蜜さんなのかもしれません。

そんな期待もしつつ、それでもこの本は面白く、しかも文章は“ウマい”!
独特の感覚とキレと、ふっと緩くなる感じ、勉強させてもらいました。
いい本でした。


【Now Playing】 深層深入り 虎ノ門ニュース / 有本香・小川榮太郞 ( YouTube )

2017/05/30

太田和彦さんの「みんな酒場で大きくなった」を読んだ

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『みんな酒場で大きくなった/太田和彦著(河出文庫)』を読みました。
最近じゃ、“居酒屋”と聞いただけで太田さんの顔が浮かんでくる(*^_^*)のですが、この本は太田さんが親しくしている人と居酒屋に出掛け、その人との「酒談義」に花を咲かせるというものです。おもしろくないはずがない!d(^_^o)

登場するのは角野卓造さん、川上弘美さん、東海林さだおさん、椎名誠さん他、太田さんと渡り合うに十分なお歴々です。

角野卓造さんの地方での居酒屋探訪の仕方も一家言有り、太田さんと東西居酒屋番付をつくろうという話になったときにも互いに譲りません。いきなり冒頭から見どころあったなぁ(゚ー゚*)。oO

また私がものすごく好きな小説「先生の鞄」を書いた川上弘美さん。
あの小説に出てくる居酒屋は、なんというか人生で出会いたい“なんでもないけど、でも心安らぐ居酒屋”で、その作者が太田さんの著書を参考に居酒屋を巡っている話には、そうかそうか、と膝を打ちました。

椎名誠さんとは、太田さんはとても長い付き合いですが、二人の心通い合う“いい話”には、ほんとうにしみじみとしてしまいました。
椎名さんも太田さんも私の“大好物”ですから…(^_^;)

何人かの方が太田さんに尋ねていたのは、「どうやって居酒屋でひとり居ることができるのか」「どういう風情でそこに居ればよいのか」ということでした。
皆さん、常連がいる店に入っていって、“よそ者”扱いされるのがこわい、と口を揃えておっしゃいます。・・私も…σ(^_^;)

でも、常連らしい客が見ているのは入ったときの一瞬だけ、あとは気にもしていないし、お店の人も“ちゃんと勘定払うか”だけが心配なので、そんなに意識することはない、などと太田さんは言うのですが、・・難しいですよねぇ・・居酒屋ひとりデビュー。

椅子の腰掛け方や、盃の持ち方、酒の飲み方、飲んだ後の味わう様子などもレクチャーしちゃう大サービスの太田さんですが、それがまたおもしろく、ここで書いちゃうと本が売れなくなってしまうので、あとは読んでからのお楽しみ(^-^)/☆

こんなに楽しい“酒場本”には滅多にお目にかかれませんよ。
ぶっちぎりのおすすめ本です。


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 遠藤ふき子 ( NHK-AM )

2017/05/29

出口治明さんの「働き方の教科書」を読んだ

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『「働き方」の教科書/出口治明著(新潮文庫)』という本を読みました。
私はこの方を存知上げませんでしたが、“49歳で左遷され、60歳で起業した人生の達人”という出口さん、ものすごい勢いで人生を疾走する、そんな人としての印象を受けました。

京大法学部を出たが、司法試験に落ち、何をしているのかもよくわからない生命保険会社に入る出口さん。
そこで会社で得た仕事のノウハウについて、“目からウロコ”的なものを紹介してくれるのですが、でもそれだけではありません。

人の運命なんて出口さんのように思い描いていたコースを外れることがほとんど、でもそこからものの考え方、人生の考え方、自分の気持ちの持って生き方、それらをどうするかが大事なのだ、というようなことが前半に書かれています。

特に仕事一筋、仕事が人生、仕事が自分そのもの、・・そんな考え方をしていると若い人は今後の人生の道筋を見失うよ・・というアドバイスというか示唆的なことも書かれていました。
仕事をしている時間とその他生活している時間を単純に計算すると、仕事をしている時間は3割にも満たない。
なのにその仕事を全てと考えてしまうのではなく、他の部分、生活し、食事をしたり、家族・彼女・彼などと過す時間、それを大切に、そして仕事はわずか3割程度だと思うと、そんなに思い詰めて仕事をする必要がなくなる、とおっしゃっています。

・・もっと若いときにこの本に書かれているようなことを知りたかった・・…σ(^_^;)と思いました。

そして後半は、50代を境に人生をもう一度考えてリスタートできるのでは、ということも書かれていました。
このあたりになると、ズンズン前に進む出口さんの考え方と自分の考え方に隔たりが出てくるのですが、でも基本的に何かスイッチを切ってしまって、惰性というか残り火というか、細々と人生後半を生きて行くようなことを今現在の自分は望んでいないので、そこでは共感できるものが大いにありました。

ラストでふれている今後の世界の状況、そして日本はどうなっていくのか、という部分では、ある意味楽観的な観測をしているように感じましたが、でも力があって、自分の考える方向に向かって生きて行く出口さんがそう考え、突き進んで行く姿には爽やかな迫力があります。

読んでよかった、明るく、前向きで気持ちに“張り”が出てくるような本でした。


【Now Playing】 ニュース / NHK ( FMラジオ )

2017/05/23

森茉莉の「紅茶と薔薇の日々」を読んだ

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『紅茶と薔薇の日々/森茉莉著・早川茉莉篇(ちくま文庫)』を読みました。
森茉莉さんはもちろん森鴎外の娘です。

ステェキ、ロオスト・ビイフ、サラドゥ、スゥプ、シチュウ、チョコレエト・・出てくる洋食その他の呼称もこんな感じで、昭和の洋食の雰囲気漂うその感じを味わうだけでも十分価値のある本です。

あまりの“最強・箱入り娘”ぶりに唖然としますが、いや・なに・・読んでいくうちに“慣れて”きます(^^;)

少女の頃の朝起きて学校に行くまでもすべて使用人にやってもらっている姿は、こりゃいつの時代だと思ってしまいますが、結婚してからも超然とした森茉莉ぶりに、逆に惚れ惚れとしてしまうのでした。

父親である鴎外の溺愛ぶりも“親ばか”を遙かに超え、想像を絶するものがありますし、森茉莉さんが父、鴎外の思い出について語る部分も“自慢たっぷり”(^_^;)ですが、それに辟易としないのがこれまた不思議なのでありました。

自分で一種の性格だと思うと書かれていますが、「二十五になっても三十になっても、四十になっても、永遠に情緒の世界の中では少女的情緒のまま残っていて、今でも誰かを一寸いいと思うときには、少女の心境である」と・・。

「自分では幼児的性格だと思っている。少女的情緒というよりは幼児的情緒で、何かものが解るという方面では大分おとなになっていて、だから頭でっかちで・・」とも綴っていて、それがまたこの人の魅力なんでしょう、私は恐れ入りました(*^_^*)

ただひとつ理解不能だったのは、森茉莉さんも変だと言っていますが、鴎外は葬式まんじゅうを貰うと、それを一口くらいに切り、ごはんの上に載せ、上から煎茶をかけて、お茶漬けにして食べていたという・・( ̄O ̄;)お話。

これだけは、想定外のショックを与えてくれました…σ(^_^;)


【Now Playing】 Harbour Lights / 青江三奈 ( Jazz )

2017/05/17

小沢昭一さんの対談集「日々談笑」を読んだ

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『日々談笑 -小沢昭一対談集-/小沢昭一著(ちくま文庫)』を読みました。
あの小沢さんが柳家小三治、井上ひさし、関敬録、佐野洋子、小宮悦子、阿川佐和子、立木義浩・・などの人達と行う対談集です。

網野善彦氏との対談では、「毒の花妖しく咲かせる芸、終わりました」として、かつての裏社会を感じさせるというか何か世の中の影の部分・・毒みたいなものを含んだ印象のある芸能人らしい芸能人は美空ひばり、藤山寛美さんの二大巨星の死によって、完全に今の世からは消滅してしまったという話が書かれていて、それには大きくうなずいてしまいました。

小沢さんは日本全国、あるいは世界にも目を向けて地方に残存している“芸能”について研究されていて、「芸」というものが人々にとってどういう存在として営まれてきたのか、そして今後の世の中で芸能がどういう形で生き残っていくのか・・そんなことを問うているのですが、網野さんと対談は私もとても興味深く読むことができました。

関敬六さん、井上ひさしさんとの同時対談では、あの渥美清さんの浅草時代について振り返っています。
私達が「寅さん」で馴染んでいる渥美さんとは全く異なる芸人としての渥美さんの凄まじくも謎の多い姿が語られていて、これも実に重い話でした、必見です。

また、佐野洋子さんとの「猫」についての対談では、「猫がいることによって家が生きている」という、猫好きの私にとってまさに“膝を打つ”ような発言が飛び出し、「そうだそうだ、そのとおりだなぁ」と思ったのでした。

猫がいることによって“家が生きている状態になる”、そして家族の間に猫がいることによって家族の絆のようなものが深まっていく・・実感です。

その他、楽しくも懐かしく、意義深くもある話題が満載の対談集でした。
ブックオフで廉価で購入した本でしたが、とてもいいものでした。
本屋さんで見かけたら、ぜひ手に取って頁をめくってみて!


【Now Playing】 深層深入り 虎ノ門ニュース / 半井小絵、上念司 ( YouTube )

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