フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

2023/09/26

嵐山光三郎さんの「文人悪妻」を読みました。

20230926_arashiyama_kouzaburou_001

『文人悪妻/嵐山光三郎著(新潮文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
この本は2007年にマガジンハウス社から「人妻魂」として刊行されたものの改題で、2012年に文庫化されたものです。

改題されたタイトルは「文人悪妻」となっていますが、出てくる妻たちは文人の妻だけでなく、世に知れた“有名人妻”たちも取り上げられています。

いろいろな“悪妻”が登場しますが(悪妻じゃない人も何人もいました)、花柳界出身者からお嬢様、華族出身、さまざまな「妻」たちの一生が描かれていました。

男を渡り歩く妻、淋しい美貌妻、不倫を重ねる妻、浪費がとまらない妻・・などなど^_^;さまざまな女性の生涯を垣間見ることができました。

それにつけても“文人”だなんて言って、夫の方の文学者を中心とした“男ども”も、“碌なもんじゃない”輩ばかりで、呆れる人ばかりでした。

あの有名な文人の話ももちろん載っていました。
奥さんの妹さんに手をつけ、さらに奥さんを後輩の文人に“譲渡”し( ゚Д゚)、それを公に文書にして掲載するなどという・・強烈な話もありました。

心中を迫る妻もいました。
相手は、問題もなく過ごしていた文人の男性でしたが、愛しているのならできる・・という迫り方に押されて、本当に心中してしまう話もありました。

夫と一緒に自らの愛人を二人家に入れ、共同生活をし、夫には指一本触れさせない“あの妻”の話も書かれていましたが、凄まじ過ぎて読んでいるこちらが疲労感でいっぱいです・・。

酒ばかり呑んで、旅に出ては歌を詠み、年に数度帰宅してはそこでまた呑み、当然の早死にした夫の遺体を前にしてコップ一杯の酒をとりよせ、唇をしめし、子供たちにもそれをならわせ、順次並んで供養し、“末期(まつご)の酒”とした話もありました。

さらに棺の中に酒をなみなみとついだ盃をいれて
「これを唇のそばに置きます。ご安心なさって、お静かに悠々と」と語りかけた・・という・・。

この強い妻は、夫の死後(このとき妻四十一歳)強い意志で歌づくりに精進していき、その活躍は夫が没してからが旺盛だったようで、八十歳で亡くなっています。

こんな話が満載のこの本、我々凡人には参考にもならないと思いきや、いやいや事の大小はあれ、どの夫婦にも潜在している問題があるのでは、と考えながら読了いたしました。
私の妻は「悪妻」でしょうか、「良妻」でしょうか(^^;)

 

2023/09/25

佐倉市立美術館で開催されていた企画展「IMAGINARIUM」を見てきました。

Junaida_20230924_01

《Junaida》さんという「Michi」「の」「怪物園」「街どろぼう」などの近年立て続けに出版した絵本が話題の画家の企画展を見に、佐倉市立美術館まで出掛けました。

長女がファンで、妻も気になっていたということで、「じゃ、私も」と、三人で見に行きました。
そして行ってよかった(#^.^#)素晴らしい絵の数々(400点超の出展数)に時間がいくらあっても足りないくらいでした。

佐倉市立美術館には初めて行ったのですが、展示の仕方がとても工夫されていて驚きました。
怪物たちが夜中に群衆移動していく絵を壁一面の動画投影で表現している部屋があったり、ジュナイダさんが描いたものを実物で表現した本棚が展示されていたり、テントのように暗幕を利用して同室内に別の雰囲気の展示スペースが存在していたり、と見ているこちらが飽きるということがありませんでした。

 

 

Junaida_20230924_02

私は長女におしえてもらうまで、このジュナイダさんという作家を知りませんでしたが、いっぺんに好きになりました。

不思議でメルヘンチックな画風であるが、ちょっと怖い感じ。
また、この世から逸脱したような奇怪な様子、楽しそうだけど奇妙な家々やそこに住む人間とその他怪しい生物たち。

楽しめました。二時間ほど見ていました。

 

 

Junaida_20230924_03

あとで聞いたら二作品以上を同時に撮影するなら写真撮影可だったのだそうです。
知らなかったので写真は撮りませんでしたが、チラシと当日買ったポストカードの写真を掲載しておきます。

また自分にとって新しい作家の作品を知り、とてもうれしい気持ちで美術館を出ました。
帰りに近くの食堂で昼食を摂ったのですが、そこもよかった(*^^*)、その様子はインスタグラムで・・。

 

2023/07/05

「造形あそび4人展」に出かけた。

20230702_zoukei_4nin_001

『造形あそび4人展・街角ギャラリーどち』に妻と出かけました。
場所は千葉市中央区汐見丘町16-13タリアセン汐見1Fにある「ギャラリーどち」です。

この企画展示に参加している南隆一先生は私の中学時代の担任で美術の先生。
何年か前におしえていただいてからは、毎年出かけています。

南先生の展示も最近はモーターを使って作品が回転したりしていて(^.^)いつもその“アグレッシブさ”に驚きます。今回はガラス絵についても四角に切ったりする以外にスパっと鋭角的に切ったものがあったりして、“進化”は止まりません。

 

 

20230702_zoukei_4nin_002
あれっ?!と気になったのは、実際に使われた“ちびた鉛筆”を並べて展示されていたもの。
ほんとうにめっちゃ短いのですが、使い込まれた感じと、ナイフできれいに削られた先端がなんだか面白く、見入っちゃいました。
20230702_zoukei_4nin_003
その他、材料不明?!?!というか奇想天外というか、不思議なオブジェと絵画が混在しているような作品、これも面白い(^_^)
20230702_zoukei_4nin_004
私たちが出かけたのは、初日の人が集まり始めたところで、大勢の人でにぎわっていました。
南先生のあいかわらずのお元気な様子にもホッとしました。
最近、ガラスを切っているときに怪我をされたり、ちょっと体調をくずされたりしたのを耳にしていたので心配していたのです。
20230702_zoukei_4nin_005
毎年、この「造形あそび展」にくると新鮮な驚きと、作者の方々の意欲を感じ、こちらもエネルギーを充填できるような気がしています。
20230702_zoukei_4nin_006
来てよかった(#^.^#)
7月8日(土)まで、11:00~17:00(※最終日は16:00まで)開催されています。

2023/06/23

桂文珍さんの「落語的学問のすすめ PARTⅡ」という本を読みました。

20230622_katsura_bunchin_001

『落語的学問のすすめ PARTⅡ/桂文珍著(新潮文庫)』という本をブックオフで見つけ、読んでみました。
平成2年に刊行されたものの文庫化で、実に33年前の本です。

文珍さんに関西大学から声が掛かり、講師として講義を行っていたときの文字起こし本です。
パート2となっていますので、パート1も当然あったのだと思いますが、ブックオフの棚にはこれしか無かったのでこの一冊を購入いたしました。

関西大学の生徒に落語とはどんなものだという話を時代的にも遡って語り、この頃文珍さんは40歳の誕生日が来たという話をされているので、とても若い!なので、落語の効果音に三味線などの旧来のものからシンセサイザーを使っていたことが書かれていました。

時代は冨田勲さんがシンセサイザー(※ピンクノイズとホワイトノイズをミックスして音を自分で作るアナログシンセサイザー時代)を使った音楽で世界的に話題になっていた頃です。そのことも講義の中でお話しされていました。

ハーモナイザーや、エミュレーターなども併せて使っていたようで、今なら数万円から数千円で出来ることを、アメリカから機器を買い数千万円かけて落語をやっていたようです。
すごい人だなと思いました。
ついでに男はクルマなどの“機械”的なものが好きなのですが、文珍さんは飛行機の操縦免許までこの頃取得しています。
何かに夢中になると一気にいってしまうタイプの人のようです。・・私もそのような側面が少しありますが・・。

講義中、話題はあちこちにどんどん“すっ飛んで”いきますが、ちゃんと最後には話が元のところに戻ってくるのです。
しかもなぜ話題が関係無いところに飛んでしまったかが、わかるように組立られています。
アドリブ的な話ばかりなのに、頭の中で数十分の話の構成が話しているのと同時に組み立てられていることに驚愕しました。

ものすごい頭の回転の早さ、そしてどんどんギャグに結びつけていくところ、さらにその話の中に人生の機微というか、生きていく上で大事なことなどが散りばめられていることに、ただただ感心し、驚いたのでした。

文珍さんの落語は数十年前に大阪に行った時にグランド花月で聞いたきりです。
そのときは結局落語としては語らず、まだ世間的には話がもれていないが、さんまさんが結婚する・・と、観客がどよめくような話をされていました。
その数日後に大竹しのぶさんと結婚したのですが、けっこう話しちゃうものなんだと思いました。こわいものなんて無い頃だったのかもしれません。

一件、のんびりしているような雰囲気の師匠ですが、ピリッと辛口な講義、楽しく読めました。

 

2023/06/17

横芝光町のギャラリー『笑虎』が閉められることになった。

20230612_syouko_001
私の中学時代の担任で美術の先生「南隆一先生」から電話があり、先生も三十年に渡り年末に個展を行っていた会場である横芝光町にある『ギャラリー笑虎』がこの6月26日で閉じられることになった・・とのことでした。

20230612_syouko_002

私も三十代半ばに先生と再会し、その後は長い付き合いになる中で、このギャラリー笑虎は思い出がたくさんあります。
先生の毎年少しずつ変化する作品にふれるのがとても楽しみだったし、この長屋門型の古い日本家屋のギャラリーを建てた棟梁が自分の建てたこの場所でハーモニカ・コンサートを開いたこともありました。

ハーモニカ・コンサートの最中に大きな地震があり、観客は騒然となりましたが、棟梁から「ジタバタしなくていい、俺が建てた家だ。びくともしない!」との言葉に皆、笑顔になったあの瞬間も思い出しました。

 

 

20230612_syouko_003
先生の教え子であり、私の中学の一年後輩にあたる古今亭菊輔師匠の落語会もギャラリーで行われたことがありました。
爆笑の会場に私もいましたが、後輩なのに貫禄ある堂々とした噺家ぶりに感動したことも思い出します。

20230612_syouko_004

最近では、私がこの笑虎に出掛けた際に、なぜか閉まっていてその日は定休日の旨貼り紙がしてあり、中を覗いてみても明かりもついていなかった。
しかし、そのあと別の場所で先生に会い、「おかしい、今日は開いているはずだ」と電話すると、私が行った時間には開いていてもちろん明かりもついて、お客さんもいた・・という恐怖の出来事もありました。

実は今回、訪れるのも最後になってしまうだろうと、カメラを持ってきてギャラリーを撮影しておこうと思ったのですが、カメラはどうやっても作動せず、やっと動き始めたかと思うと絶対にピントを合わさせない・・という事象が発生しました。
今回掲載している写真はその後仕方なくスマートフォンで撮ったものなのです。スマートフォンは動いた・・。

たくさんの思い出のある、いい会場でした。
あのハーモニカの棟梁が建てた立派な長屋門型のギャラリーは、やってきた人達の記憶にずっと残ると思います。

 

2023/06/16

「わしの眼は十年先が見える -大原孫三郎の生涯-/城山三郎」を読みました。

20230616_shiroyama_saburo_001

『わしの眼は十年先が見える -大原孫三郎の生涯-/城山三郎著(新潮文庫)』を読みました。

これもいつもどおりブックオフで手に入れました。
タイトルにある大原孫三郎という名を見て、あの大原美術館の・・と思いました。
大原美術館には二度ほど行ったことがあるのですが、公のものではないのに、あのコレクションの充実ぶり、素晴らしさには驚いたものでした。

その大原美術館を設立した大原孫三郎という人について書かれたものでしたが、いやもう疲れました、読んでいるだけで。

大地主で小作人を多くかかえる家に育ち、東京に勉学のために行っても、その育ちと財力に目をつけられ、悪い友達?にいいように金をせびられ、大変なことになったり、家に連れ帰られても思想、宗教関係、志を持って孤児を何百人もかかえる人などに関わり、お金はジャブジャブ出ていくのです・・。

それでも地方の一紡績会社を有数の大企業に成長させたり、社会思想の研究機関を設立したり、地元倉敷に東洋一を目指す総合病院を建てたり、いわずと知れた世界に誇る美術の殿堂「大原美術館」を設立したりと、まったくもって休むことも、ひるむこともなく突き進む人物であったことがわかりました。

ずうっと夢を見続ける人ってたくさんいるかもしれませんが、この人は“度を越えて”夢の中に生きているという印象でした。
社会的存在であること、社会的良心を持つことが人生であり、それをゴールとして突っ走った人であった・・と思いました。
次々と艱難辛苦が襲いかかりますが、それを苦労だなどとも感じていないようでした。
だから、読んでいるこちらが“疲労困憊”してしまう(^^;)のでした。

一気呵成で怒涛の人生を感じつつ読了いたしましたが、こういう人ってもう日本には現れないだろうな、と思いました。
志のある人というか、志が低すぎるお金持ちばかりの世の中になり、社会には希望というものが見えません。

政治家でなくとも、立派な志の人、私の残りの人生で見ることができるのだろうか、と思ったのでした。

 

2023/06/06

横尾忠則さんの「死なないつもり」を読みました。

20230606_yokoo_tadanori_001

『死なないつもり/横尾忠則著(ポプラ新書)』を読みました。
いつもどおりにブックオフで見つけ、格安購入、2016年刊行の本なので横尾さん80歳の時のものです。

齢を重ねた横尾さんですが、突発性難聴になったり、身体のあちこちが痛かったり、しんどかったりするのは80歳ともなれば当然のことであると思います。
でも、それを“受け入れ”て、戦ったり、克服しようとしたりせずに、そんな状態で何か新しいことができるかも・・という、いわば自然体なのが横尾さんの生き方だと思いました。

「完璧をめざすのではなく、あえて未完にする。未完は明日に続くものだから。」

という言葉も、そうか、そう考えれば「できなかった・・」と悔やむこともないんだな、と思いました。

「美術鑑賞に知識も決まりもありません。夕焼けを眺めるように しばらく絵の前に立って、胸を開けばいいのです。」

これは、私が美術館やいろいろな個展などに出掛けたときにいつもそうしていることでした。
展示されている絵そのものをろくに見ずに、添えられている説明文を熱心に読んでいる人が美術館に出掛けるとよくいますが、まず真っ先に絵の前に立ち、自分が何を感じるかがたいせつだ、といつも思います。

「一日のうちで何もしない無為な時間をどれだけ持てるか。ムダを悪徳と思うような現代において、これは大変に贅沢な過ごし方だと思います。」

いまや「コスパ」から「タイパ(タイム・フォー・パフォーマンス?!)」だなんて言って、ぼんやりする時間などをムダだと思う人がいるようです。もっと人生楽しく、豊かに過ごした方がいいよって、いつも思います。

「病気や怪我は、変化を巻き起こす風のようなもの。その変化を面白がることで、僕はなんとか生き延びています。」

これは、私も今まで生きてきた中で何度も倒れたり、入院したりしていますが、そのたびに身体にも心にも変化が起きて、ある意味“あきらめる”ことによって別の道を見出したり、人生への考え方そのものが変わったことがありました。
病気や怪我をしたことによるマイナス面をいつまでも引きずるよりも、その後の状態で何ができるかを考えた方がよいのだ、とその都度思いました。

横尾忠則さんの動向はいまだ気になります。
ご自身のTwitterや、著書、作品などに今後もふれていきたいと思いました。

 

2023/05/30

美輪明宏さんの「世なおしトークあれこれ」を読みました。

20230530_miwa_akihiro_001

『世なおしトークあれこれ/美輪明宏著(PARCO出版)』という本をブックオフで見つけ、ちょっと気になったので読んでみました。2007年発行日となっていますので、かれこれ16年前のものです。

あの美輪明宏さんが『オーラの泉』などのテレビ番組に出て、テレビでの露出も多かった頃に出た本だと思われます。

古い本ですが、今でも私が共感できることが書かれていました。

「日本のオッサンには文化がない」という発言です。

物欲、名誉欲、性欲、食欲を四本立てで生息し、利便性、機能性、経済性の三本柱で突っ張ってきた・・だから文化などはどこかに“置きっ放し”というか、眼中になかったのだと思います。

美術館、図書館、劇場、コンサートホールなどは、世界どこの国でも客の割合は男女半々だが、日本は八割から九割が女性、あるいは若者だけとなっている、とおっしゃっています。

男どもはどこへ行くのか、ゴルフ場、スポーツランドか飲み屋、風俗関係・・。
政財官界、マスメディアも含め、デスク以上が行くところは、料亭や高級クラブ、自分の商売には何の益にもならず、役立つ情報も得られない。
でもって、一般大衆から遊離したところにしか行けない。
現場の若い社員の情報には耳も貸さない。
自分の一週間の仕事のローテーションをこなすだけで精いっぱい、ビジネス関連の本以外は読書もしない。
劇場、音楽界、美術館など、一生に一回か二回行けば良い方・・。
テレビもニュースかスポーツ番組以外見もしない。
世の中がどう動いているかわからない。
ハードの時代はすでに終わり、ソフトの時代に突入しているのに気がつきもしない。

すごいです。ふだんから美輪さんが思っていることなので、矢継ぎ早に一気に書かれていました。

私が仕事をずっとしてきた中で、美輪さんが示した上記の“オッサン”以外にあたるであろう上司はせいぜい一人か二人でした。

地元の美術館から「田中一村」の企画展があるので、東京でのPRをする部署である私の職場に招待券が届き、それを各都市に持って行ってお知らせ方々配布するということがありました。
ついては、うちの部署からどなたか一度ご覧においでいただけるとありがたい、という話になり、いつも“つるんで”いる私の上司と部下が二人で出掛けていきました。

すでにNHKの「日曜美術館」などでも紹介され、話題を呼んでいた企画展でした。

帰ってきた二人に私が興奮して、「どうでしたか、一村の作品」と聞いたら・・

「ただ絵が飾ってあるだけだった」「何が面白いのかわからない」「見に行くやつの気が知れない」「5分で見てきた」・・だと・・。

美輪さんのいう典型的なバカ“オッサン”です。

どんなに早足で見てもあれだけの作品群は1時間では見切れないのに・・5分だと。
美術館内をジョギングしてきたのでしょう。

わるいけど、こんな人間の下で働いているのか俺は・・、とがっかりしたのでした。

そういえば、この上司、私の文書に対して「日本語が間違っている」と修正させようとしたことがありました。
私は、「いえ、私の使い方が正しい使い方です。辞書を確認してからおっしゃってください」というと、辞書を見て・・「あれ?最近意味が変わったらしい」だって。「前からずっとそうです」と思わず言っちゃいました。

中学生でも使わない間違った日本語を使っているその上司に「ちなみに毎月どのくらい本を読まれているのですか」と聞いたら「二年から三~四年に一冊、ビジネス書を読んでいるぞ」と自慢気でした。
「そうですか、私はだいたい月十冊くらいです」と言ったら、異星人を見るような目で見ていましたっけ。

話題がなんだか逸れましたが、ようするにそういうオッサンの文化への無理解がやがて日本の様々なことの衰退に繋がっていくのだ、ということが書かれた本だったのでした。

 

2023/04/21

「死の向こうへ/横尾忠則」を読みました。

20230421_yokoo_tadanori_001

『死の向こうへ/横尾忠則著(PHP研究所)』という本を読みました。
ブックオフで見つけました。わずか200円。この横尾さんの“摩訶不思議”な体験などが綴られた本がわずか200円・・。

1998年発行のものでした。横尾忠則さん62歳の頃。

もう、次から次へと横尾さんの「霊体験」が書かれているのですが、それはさかのぼって2歳の頃母親に背負われていた頃から死を意識していたと書かれている。

父や母の死を二人が元気な頃から意識し、自分の死についても幼い頃から意識していたことがわかりました。

三島由紀夫との死の三日前のやり取り、谷内六郎、柴田錬三郎との別れなども書かれていて、横尾さんはその都度、さまざまな不思議体験をしています。

一番強烈だったのは、瀬戸内寂聴さんが平家のことを書くことになり、源平の合戦のあった屋島に登ろうと、妻と共に寂聴さんに付いて行く横尾さんの話。

事前に寂聴さんのお姉さんの営む仏壇屋に寄ると、寂聴さんからそこにあった般若心経の経本をポケットに入れてもらう。

横尾さんがその夜ホテルに泊まると、階上からもの凄い数の馬と人間が何やら時の声を上げながら頭上をけたたましく駆けて行く・・。
あわてて、寂聴さんからもらった経本を手に取り般若心経を唱える。
奥さんがホテルの人に聞くと、このホテルの場所は源平の合戦のあった一の谷であったとのこと。

さらに、帰京するとレコード会社から仕事が来て、アルバムジャケットのデザインをしてくれとのことであったが、そのアルバムのテーマが偶然にも「平家物語」であったという・・。

さらにさらに、そのディレクターが持ってきたデモ・テープには平家の鎮魂歌が入っていたのだが、終曲には横尾さんが一の谷のホテルで聞いたあの合戦シーンの音声が挿入されていて、横尾さん唖然っ!!

さらにエンディングには、“般若心経”が逆回しになって収められていたのだそうです。

瀬戸内さんとの屋島の取材、般若心経をもらったこと、ホテルでの夜の合戦の音、ホテルの場所が合戦の場であったこと、アルバムデザインの仕事が平家物語であったこと、レコードには合戦シーンと般若心経の音声が収められていたこと。
・・すべてがシンクロしていて、私もこの部分で一番驚いたのでした。

横尾さんは、死を待ち遠しく思ったり、逆に恐れたり、自分の作品の中で死を表現したりと、「死」というものがいつも頭の中に渦巻いているようでした。

上記エピソード以外にも、不思議な出来事がたくさん書かれていました。
このところ不思議・恐怖体験が続いている私には共感することだらけの本でした。

 

2023/04/17

『あさひの芸術祭 #あさげー』に出掛けました。

20230416_minami_koten_001

昨日、体調もまあまあだったので、旭市で4月1日~5月7日の土日祝日に開催されている表題の『あさひの芸術祭 #あさげー』に出掛けました。

ざっとチラシを見渡しただけでも、旭市内17か所でさまざまなアーティストがそれぞれの作品を展示していて、スタンプラリー形式で多くの人が会場を巡っていました。

 

 

20230416_minami_koten_002
とりあえず、私は中学時代の担任で美術の先生が「さわやかホール」という場所で『南展』を開催しておりましたので、そこに出掛けました。
20230416_minami_koten_003
今回は、ふだん福祉関係の施設の講堂として使われているホールが会場となっており、いつもとは異なる余裕ある展示でした。
20230416_minami_koten_004
今までの個展でも展示されていた作品もありましたが、これだけ一同に先生の作品が並ぶと壮観でしたし、とても楽しかった(#^.^#)
20230416_minami_koten_005

ゆっくりとお茶などを飲みつつ先生とのお話も出来て愉快なひと時でした。

また、会場を訪れる親子連れなどは、大きな模造紙の巻紙にどんどん絵を描いたり、石に彩色して作品を作ったり、会場のあちこちで笑い声が聞こえるなど、今までとは異なった“盛り上がり”を感じました。

 

 

20230416_minami_koten_006
ゴールデンウイークまでやっているので、旭市近郊の方にもぜひスタンプラリーをしながら行かれることをおすすめいたします。

より以前の記事一覧

2023年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

最近のトラックバック