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2024/01/31

向田邦子さんの妹、和子さんがまとめた「向田邦子の恋文」を読みました。

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『向田邦子の恋文/向田和子(新潮社)』という本を古本で見つけ、読んでみました。

これは飛行機事故で亡くなった向田邦子さんの妹、和子さんがまとめた本なのですが、第一部と第二部に分かれていて、一部は亡くなられた邦子さんのマンションを整理していたときに見つけた茶封筒(和子さんの上のお姉さん「迪子」さんが発見した)が、何やら“わけあり”で、死後二十年間、封を開けられずにいたものを開け、それを活字化したものです。

茶封筒の中に入っていたのは、N氏というカメラマンに宛てた邦子さんの手紙五通、電報一通、N氏から邦子さんへの手紙三通、N氏の日記(大学ノート一冊)、N氏の手帳二冊でした。

そこには、向田邦子さんとN氏の日々日常のやり取りが書かれていました。
二人はある意味枯れたような大人の関係であるかのような文のやり取りをしていますが、向田さんが“ありのままの自分”をさらけ出している感があります。

甘えたり、ちょっと拗ねてみせたり、愚痴をこぼしたり、細やかな心遣いを見せたり、そしてユーモアもまじえてのやり取りが、まさにそのままの状態で書かれていました。

驚くことにN氏の日記、最後に書いた翌日にN氏は亡くなっています。
後半、妹の和子さんが書いている部分で、それはN氏自ら命を絶ったのだと知り、さらに驚きました。

また、今から思い起こせばと和子さんが書かれていた、“K氏が亡くなったことを知った直後”であろう向田さんが一度も見せたことのない茫然自失とした様子なども書かれていました。

この本からは、第一部の方では、向田さんのひとりの女性として生きている姿が描かれ、初めて知ったその姿に作家、脚本家としての姿以外のものを目の当たりにしました。
ある意味とっても衝撃的。

そして、第二部では和子さんはじめ、向田さんが亡くなられたあとのお母さんを含めた家族の様子、さらに家族が大好きだった向田さん、自分を粉にしてでも母を助け、父の面目を思い、兄弟・姉妹を身をもって支えていた姿が感じられました。

今まで読んだ向田邦子さん関係の本で、一番衝撃が走った本でした。
たいせつにして、またいつか頁をめくってみたいと思います。

 

2024/01/07

映画「ポトフ 美食家と料理人」を見て来ました。

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映画『ポトフ 美食家と料理人(The Pot-au-Feu)/2023年 フランス 監督・脚本・脚色:トラン・アン・ユン 料理監修:ピエール・ガニェール 出演:ジュリエット・ビノシュ、ブノワ・マジメル』を見て来ました。

上映前に予告編やチラシを見てとても気になっていた作品で、妻も同様だったので二人で見て来ました。

時代は19世紀末のフランス。
森の中に佇む美しいシャトーに暮らす有名な美食家ドダンと天才料理人ウージェニーが、究極のメニューを次々と創り出す様子が描かれています。

 

 

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二人は深い絆と信頼で固く結びついていて、互いに尊敬もしている。

ウージェニーは、確固たる料理人として自立していて、ドダンからのプロポーズを断り続けてそれなりの年齢に達しています。

二人の料理への情熱は高まるばかりですが、愛の行方もどうなるのか・・と料理と愛の交錯がとても美しい映像と共に描かれていました。

とにかく映像に関しては、私が今まで見た映画の中でも“屈指”と言えるくらい美しいものでした。
屋外、自然の中での多くの人を集めた食事シーンなどはあまりにも美しくて声が出てしまうくらい。

さらに料理するシーンについては、カット割りがほとんどなく、“長回し”でしかも手の動き、身のこなし、息をのむような指示の仕方、料理が出来上がっていく様子、完成される料理があまりにも巧みなカメラワークと見事に美しい映像で撮られていて、これ以上の料理映画なんてあるだろうか、と思いました。

ただ料理とその調理する様子を見るだけでも満足してしまうような映画でしたが、そこに美食家と料理人の愛とその行方が重なって、極上のフランス映画になっていました。
驚きました。

 

2023/12/20

映画「きっと、それは愛じゃない」を見てきました。

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映画『きっと、それは愛じゃない(WHAT'S LOVE TO DO WITH IT ?)/2022年 英国 監督:シェカール・カプール 脚本:ジェミマ・カーン 出演:リリー・ジェームズ、シャザド・ラティフ、エマ・トンプソン、シャバナ・アズミ、サジャル・アリー』を見てまいりました。

こういう良さそうな映画は、相変わらず千葉劇場での上映です。
主人公の女性は、ドキュメンタリー監督として頑張っている。でも、私生活ではダメ男ばかりを好きになり、恋の連敗中・・。

久しぶりに再会した実家のお隣さんの男性は幼馴染。

男性はパキスタンからの移住者で、映画はそのお隣さんの家で豪華絢爛なインド映画のようなダンスが繰り広げられる(極彩色の衣装や照明がすごく、ゴージャスでこれだけ見ても驚くようなシーンだった)ところから始まりますが、幼馴染の男性は、「これから親が選んだ相手と見合いして結婚するのだ」と主人公の女性に話をしてびっくり、今の時代にそんなことが・・と。

 

 

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そして主人公のドキュメンタリー監督の女性は、その幼馴染の男性が見合いをし、結婚するまでの軌跡を次回作として追いかけることを決め、男性にいやいや承諾させる。

ドキュメンタリー手法で取材を続ける主人公と幼馴染(互いのファーストキスの相手だった)は、激しく揺れ動く心模様を見せ、見ているこちらも「いったいどうなるんだろう」とハラハラ・ドキドキな展開。

やがて幼馴染の男性は見合いをし、結婚も決まり、結婚式にも主人公の女性は取材に行く。

見合いの相手の女性の心模様も複雑だし、パキスタン人の男性の家族それぞれの実際の心の中も見えてきて、この映画は単なる恋愛と宗教的戒律や人種の問題を表面的になぞるようなものではなくて、現代の世界で起こっている「愛と結婚」の問題に迫る、心に深く響くようなものとなっていました。

私も見終えて、これは多くの人におすすめしたい作品だと感じました。

映像的にも素晴らしいし、主役お二人の男女の演技も、それを囲む脇役陣の演技もとても良かった。
今年も最後の最後にきて、良い作品とめぐり逢いました。

 

2023/10/13

「抱擁/北方謙三」を読みました。

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『抱擁 -北方謙三 恋愛小説集-/北方謙三著(徳間文庫)』という本をブックオフで見つけ、読んでみました。
この作品は、文庫オリジナル版で、2001年に発行されたものです。

二十年以上前の本ということもあるし、著者・北方さんの年代的なこともありますが、この恋愛小説集(北方さんが恋愛小説・・・)、携帯電話・スマートフォンの類は小説中に出て来ません。女性をクルマに乗せて音楽を聞くときは「ミュージックテープ」と書かれていますが、カセットテープを掛けているのだと思います。

出てくる音楽もコルトレーンや、その他シャンソン、私もよくわからない外国の民族音楽のようなもので、それも北方さんが表現するハードボイルド?な恋愛にピタリとハマっているように感じました。

登場するお酒(ワイン、ウィスキー、カクテルなど)も、実際に色々なお酒を飲んできた人にしか書けないものでした。

登場する女性の多くは、私が生まれてから一度も会ったことのないような、“いい女”で、独自の恋愛観を持ち、男との関係は“駆け引き”がその中心にあり、どっちが振ったのか、振られたのかわからないような“大人の関係”が描かれていました。

ホテル、レストラン、バーなども実に“絵になる”描写で書かれ、マスターなども一筋縄ではいかない人物でした。

特定の女性とは、どんな美女でもせいぜい1~2年しか付き合わなくて、いつどうやって別れるかが、男としての“見せどころ”なのですが、実は女に手玉に取られているんじゃないかというお話も多かった。

北方謙三さんの持つ“カッコいい男”がそれぞれの短編小説の中で、それぞれの恋愛関係と別れを演じているような感覚で読みました。

このシチュエーションを今の世の中の状況では書くことは出来ないでしょう。
すべてスマホの中で男と女の関係は“ケリ”がついてしまい、海に行ったり、洋服を買いに行ったり、お酒を飲みながらの会話など、こんなに濃密に時間の経過が描かれるということはないんじゃないかと思われます。

いい時代の、いい男と女の物語を夢の世界のように読み終えました。

 

2023/09/26

嵐山光三郎さんの「文人悪妻」を読みました。

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『文人悪妻/嵐山光三郎著(新潮文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。
この本は2007年にマガジンハウス社から「人妻魂」として刊行されたものの改題で、2012年に文庫化されたものです。

改題されたタイトルは「文人悪妻」となっていますが、出てくる妻たちは文人の妻だけでなく、世に知れた“有名人妻”たちも取り上げられています。

いろいろな“悪妻”が登場しますが(悪妻じゃない人も何人もいました)、花柳界出身者からお嬢様、華族出身、さまざまな「妻」たちの一生が描かれていました。

男を渡り歩く妻、淋しい美貌妻、不倫を重ねる妻、浪費がとまらない妻・・などなど^_^;さまざまな女性の生涯を垣間見ることができました。

それにつけても“文人”だなんて言って、夫の方の文学者を中心とした“男ども”も、“碌なもんじゃない”輩ばかりで、呆れる人ばかりでした。

あの有名な文人の話ももちろん載っていました。
奥さんの妹さんに手をつけ、さらに奥さんを後輩の文人に“譲渡”し( ゚Д゚)、それを公に文書にして掲載するなどという・・強烈な話もありました。

心中を迫る妻もいました。
相手は、問題もなく過ごしていた文人の男性でしたが、愛しているのならできる・・という迫り方に押されて、本当に心中してしまう話もありました。

夫と一緒に自らの愛人を二人家に入れ、共同生活をし、夫には指一本触れさせない“あの妻”の話も書かれていましたが、凄まじ過ぎて読んでいるこちらが疲労感でいっぱいです・・。

酒ばかり呑んで、旅に出ては歌を詠み、年に数度帰宅してはそこでまた呑み、当然の早死にした夫の遺体を前にしてコップ一杯の酒をとりよせ、唇をしめし、子供たちにもそれをならわせ、順次並んで供養し、“末期(まつご)の酒”とした話もありました。

さらに棺の中に酒をなみなみとついだ盃をいれて
「これを唇のそばに置きます。ご安心なさって、お静かに悠々と」と語りかけた・・という・・。

この強い妻は、夫の死後(このとき妻四十一歳)強い意志で歌づくりに精進していき、その活躍は夫が没してからが旺盛だったようで、八十歳で亡くなっています。

こんな話が満載のこの本、我々凡人には参考にもならないと思いきや、いやいや事の大小はあれ、どの夫婦にも潜在している問題があるのでは、と考えながら読了いたしました。
私の妻は「悪妻」でしょうか、「良妻」でしょうか(^^;)

 

2023/09/05

吉行淳之介と開高健の対談形式本「街に顔があった頃」を読みました。

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『街に顔があった頃 浅草・銀座・新宿/吉行淳之介・開高健(新潮文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。

古い本です。昭和60年4月に刊行されたものです。
大正13年生まれと昭和5年生まれの作家同士の対談、浅草・銀座・新宿という地域を中心に広がっていくわけですが、実は“ほぼ”猥談と言っていいお話しばかりです。

浅草などだけでなく、外国での体験談なども入っていて、この時代だから許されたのだろうと思いました。
これが印刷物となって発行されていたことに驚くのですが、でもかなり貴重な昭和二十年代の世相、風俗の資料ともなると思いました。

奥さんがこれを読んだらいったいどうなるの?!とも思いましたが、・・きっともう呆れていて読むこともなかったのかもしれません。

しかも、女性との奇天烈な体験談だけではありません、そういう趣味はないといいながら、男性とのある種の体験談もお二人とも書かれていました。
もうそういうことに対する興味関心は底なし状態であったのだろうと推察いたしました。
今の世の中で、そんな男は“絶滅”したと思われます。夫婦でも友達みたいにしたり、恋人でも“何もしない”関係なんて今どきよくある話なんじゃないかと思います。

残念ながら、対談の内容はここに書くことは出来ませんが、読んでみると当時の“プロ”の人たちとの会話やその場での存在の仕方、行為そのものについての様子が垣間見えるし、市井の人たちの夫婦の“いとなみ”の変わった嗜好などについても初めて聞くようなことが書かれていました。
一度読んで驚いてみるのもいいかもしれません(^-^;

 

2023/06/20

映画「青いカフタンの仕立て屋」を見ました。

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映画『青いカフタンの仕立て屋(The Blue Caftan)/2022年 フランス、モロッコ、ベルギー、デンマーク 監督・脚本:マリヤム・トゥザニ 出演:ルブナ・アザバル、サーレフ・バクリ、アイユーブ・ミシウィ』を見ました。

モロッコ、サレの旧市街、海沿いの町にある小さな工房でカフタンと呼ばれる結婚式やフォーマルな席に欠かせない、コードや飾りボタンなどで華やかに刺繍された伝統衣装をつくる職人と、その奥さん、若い弟子のお話しでした。

舞台となっているモロッコの首都ラバトと川一本隔てた古都、サレ。コーランが響く旧市街の市場や大衆浴場、カフェ、食卓に上がるタジン料理などの映像を見ているだけで素顔のモロッコを感じました。

また、色とりどりの滑らかなシルク地に刺繍を施す繊細な手仕事のクローズアップ、伝統工芸の美しさと、登場人物三人の“不思議”だけど濃厚な時間がこの映画の見どころでした。

 

 

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主人公の職人ハリムは、夫を誰よりも理解して支えてくれる妻ミナと暮らしていますが、ミナは病に侵され、余命わずかとなってしまいます。
妻をいたわり、最後の時間を大事にするのですが、実はハリムは男性を愛することもあり、弟子として入ってきた若い職人ユーセフとの関係もだんだんとわかってくるのです。

でも、「愛したい人を愛し、自分らしく生きる」という愛の物語になっていき、三人はミナの病状もあり、やがては一緒に住むことになり・・そこからはこの不思議な愛の物語をぜひ映画館で見ていただきたいと思いました。

上映時間は二時間もあり、ヘヴィーなシーンもけっこうあるので、精神的にもちょっと強いものが必要かもしれませんが、「愛する人にありのままの自分を受け入れてもらう」という美しいテーマが貫かれていて、良い映画だと感じました。
カンヌ映画祭や、アカデミー賞などでも部門賞を受賞しているとのことで、LGBTQ+に関連する法律を通したばかりの日本の議員さんたちにも見てもらいたいと思いました。
あの後退に後退を重ねて出来た法案に賛成した議員さんたちには理解不能なんじゃないかな・・。

ラストシーンは胸に沁みました。多くの人に見てほしいと思いました。

 

2023/06/18

「アガワ流 生きるピント」を読みました。

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『アガワ流 生きるピント/阿川佐和子著(文藝春秋)』という本を読みました。
ブックオフで古本として購入、2021年発行のものですから比較的最近の本です。

内容は、仕事、恋愛、家族、生活について読者からの悩み事を人生相談的に阿川さんがお答えするというものです。
もちろん阿川さんが答えるのですから、ラジオなどでやっている「テレフォン人生相談」のような弁護士さんやその他専門の先生方がお答えする回答とは異なって、阿川さんの人生経験からくる独自の不思議な説得力ある回答が返ってくるのでした。

読んでみて、意外と阿川さんの回答は“実戦的”だと感じました(^^;)

妙に相談者に対してやさしい声も掛けないし、自分が若い頃はこうだった、とか、厳しい結果を覚悟しつつこうしてみなさい、だとか、けっこう私も参考になりました(^_^;)

家族が認知症になったりだとか、介護が必要になったときなどの実際に直面する実例なども挙げられていて、かなりその部分などは真剣に読ませてもらいました。私にもいつ直面する事態かもしれない。

あと、話はちょっと逸れますが、今のマイナンバーカードの不具合というか、事故というか、不祥事というか、こういう事態のとき、上に立つ人の姿勢はこうでなきゃいけない・・ということも、かつていろいろなリーダーと言われる人達にインタビューした経験から書かれていた部分があって、私もそのとおりだと思った部分がありました。

かつてパナソニックで、石油温風器による事故が起きた際の当時の社長のとった態度、行動について書かれていたのです。

すべての商品コマーシャルを中断させて、ユーザーに回収を促す告知CMに切り替えた。
そしてその実行が速かった!
「すべて回収するまで通常のコマーシャルは出しません」という決断をよくぞなさったと感動した阿川さん。

社長の中村氏にインタビューすると、「誰でも失敗するんです。大事なのは失敗したあとの処置。そこで躊躇したらダメですね」とおっしゃったとのこと。
どこぞのデジタル大臣に聞かせてやりたい。

「社内外のコンセンサスを取ってからとか、マスコミに漏れないようにしばらく伏せておこうなどと、姑息なことは考えない。まっすぐに堂々と即座に立ち向かう。トップは誰もが肝に銘じておくべき覚悟だと思います。勇気がいりますけどね。」

「システムの信頼になんの揺らぎもない」だとか「ヒューマンエラーによるもので心配ない」だとか言っている人がいますよねぇ、上記の社長さんの言葉、よく噛みしめて、自分の拙い行動に照らし合わせてみるといいと思いますよ。

というわけで、ちょっと脱線しましたが、阿川さんの人生相談本、興味深く、そして楽しく読ませていただきました。
よい本でした。

 

2023/06/01

映画「パリ タクシー」を見て来ました。

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映画『パリ タクシー(Une belle course)/2022年 フランス 監督・脚本:クリスチャン・カリオン 出演:リーヌ・ルノー、ダニー・ブーン、アリス・イザーズ』を見て来ました。

これから見る人は“ネタばれ”があるので映画を見てからこの先を読んでください。

パリの街を走るタクシーの運転手(ダニー・ブーン)に依頼があり、92歳のマダム(リーヌ・ルノー)が一人で暮らすことが出来なくなり、施設に連れて行くことになるところから物語は始まりました。

 

 

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マダムはタクシーに乗ると、ゆっくりと今までの人生を振り返り、思い出し、運転手に話しかけます。

「ちょっと寄り道してほしい」ということで、マダムのパリでの思い出の地を巡ることになります。

初めてキスをした時の甘い経験や、結婚してからの夫の暴力に苦しむ話(回想シーンはアリス・イザーズが演じる※美人です!)、自分や子供への暴力に耐えかねて夫にとんでもない仕返しをして裁判で有罪となり・・・などと運転手のダニー・ブーンも想像出来ないようなことが次々と語られます。

最初は無愛想だったダニー演じる運転手も、心を開き、打ち解けて様々な思い出の地を二人で訪ねて施設に着いたときには日付も変わってしまうのでした。
ダニー・ブーンも自ら妻との出会いから今までのこと、現在の生活の苦しさなどを心を許して語り出しました。

二人のタクシーの中での会話は実に奥深く、示唆に富み、人生の辛さ、苦しさ、愛の尊さ、人としてのよろこび、などが語られます。様々な回想シーンと共に。

 

 

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もうラストの驚きの展開が始まり、どんどんシーンが進んでいくうちに一緒に見ていた妻も、私も涙が出てきて、それをハンカチで抑えながらラストを迎えました。

とてもいい映画でした。
あちこちで泣いている人がいました。
今回も見てよかったと思える映画でした。ものすごくおすすめです。

 

2023/05/14

「夫婦という他人/下重暁子」を読みました。

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『夫婦という他人/下重暁子著(講談社+α新書)』を読みました。
いつものとおりブックオフにて安価購入(#^.^#)
読書人の雑誌「本」2017~2018年に掲載されたエッセイ「その結婚、続けますか?」を書籍化し、2018年に刊行されたものです。

下重さんの著書については、このブログでも何冊か既に読後感を書いていますが、私も自分の年齢が上がれば上がるほどその内容が身に染みてまいります(^-^;
今回は、『夫婦』という人類が永年にわたり形成してしてきた形態について、いつもどおり“ガツン”と書かれています。

全編に渡り、下重さんのどちらかと言えば現在社会一般で維持されている「夫婦」という形態に疑問を投げかけている考え方が綴られているのですが、その中で私が気になった部分をご紹介します。

「結婚生活の悲劇は、相手に期待しすぎるから起きる」

というものです。

下重さんは、人に期待しない・・を基本にしています。
家族、親や子や夫・妻も自分と違う人なのだ、と考え(私も近年このような考え方が強くなっています)、期待したら裏切られるのは当たり前で、いちいち傷ついていたのでは身が持たない・・と。

思いがけず向こうが何かをしてくれると、期待していないだけに余計嬉しい・・とも(^-^)・・そうかもしれない。

後半に入ってくると、夫婦でも互いに異性の別の人といろいろな関係を持ってもいいんじゃないか、とか、夫婦という形態の間で子供が出来なくてもそれはいいのではないか、とか、子供を育てる形態についても新たな考え方を書かれていました。

今のこの時代、様々な考え方、生き方、人との関係の持ち方、異性との関係の持ち方、あるいは同性でも同様のことが考えられるし、下重さんがここで書かれていることに時代が追いついてきた感があります。

LGBT関連の法案が与野党で揉めていて、「差別は許されない」を「不当な差別はあってはならない」に変更しようとする議員などには考えも及ばない下重さんの考え方が書かれていました。
きっと、変更しようとする議員さん、「あってはならないことが起こってしまいました」という対応で差別をしても逃げてしまいたいんだろうというのが見え見えです。

そんなことがいっぱい書かれていた本ですが、NHK入局当時の一年先輩の野際陽子さんとの想い出なども書かれていました。
初めて知ることがたくさん書かれていて、驚いたり、なんだかしみじみとしたりもしました。

下重さんのかなり“力強い”語調にあふれた本、読み応えがありました。

 

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