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2022/05/28

映画「瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと」を見て来ました。

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映画『瀬戸内寂聴 99年生きて思うこと/2022年 日本 監督:中村裕 出演:瀬戸内寂聴』を見て来ました。

今年5月に満100歳を迎えるはずだった寂聴さん。その寂聴さんに17年間密着して取材した監督の中村裕氏、100歳の記念に寂聴さんと一緒に完成した映画を見ると二人で話していたのですが、「生誕100年記念」の映画ということになりました。

寂聴さんの法話は有名ですが、もちろんそのシーンも出てきはするものの、寂聴さんの日常の姿、発言、身体上の変化など様々な瀬戸内寂聴さんを見ることが出来ました。

法話の方では、私、不覚にも何度も涙を流してしまいました。

東日本大震災で消防団員の夫を亡くした奥さんが「毎日泣いて暮らしている。夫がいなくて私はどうして生きていったらいいのか」と涙ながらに寂聴さんに訴えると、寂聴さんは壇上から降りて行ってその人の手を握り、だんなさんは今あなたと一緒に来ていますよと強く握ると、その奥さんの腕にはだんなさんの形見の腕時計がされていて、皆んな涙ながらに見ていると、「大丈夫、あなたも死ぬんだから、あっちで会える。だんなさんはいつもあなたのことをそばで見ているのよ」と励まし、“あなたも死ぬんだから”のところでは会場は泣き笑いになりました。

また、若い女性が「もう生きていけない。私は尼になりたい。」というと、「あんた、尼だけにはなっちゃだめ!それは最悪の仕事。」なんて言って、その女性の肩を強く叩いて「だいじょうぶ、きょう、ここまで来たんだからやれる、生きていける」と励まし、ここでも「尼だけはなっちゃだめ」のところでしんみりとしていた会場は爆笑(^_^;)

 

 

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また監督との会話の中で、「恋愛は雷に打たれるのと一緒。どこが好きだとかそんなことじゃない。突然雷に打たれたように恋に落ちる。でも、本を読むよりも何よりも、それがその人の人生に大きな影響を与え、勉強になる。」という発言をされていました。
・・恥ずかしながら、ものすごくよくわかりました。

「あの男(女)は、ろくでもない人間だ、やめなさいと言われても、妻子がいるのだと言われても雷に打たれるのと同じなんだからどうしようもない。」・・そうだと思います。
なんだか知らないけど、週刊誌などを見て人の不倫に激怒したりしている人って、結局今まで本当に人を好きになったことがないのだと、私は思います。

寂聴さんの「晩節なんか汚したっていい。好きに行動すればいいの。」という言葉も“寂聴さんらしい”と思いました。

映画の中で、子どものようになったり、真剣に自らの考えを話したり、お酒を飲んでゴキゲンになったり、“えんえん”泣いたりする姿も見られましたが、そのまんまの瀬戸内寂聴さんの姿を見ることができるこの映画、とてもいいものでした。
“大おすすめ”です。

 

2022/05/18

半年ぶりに映画を見て来ました『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』

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去年の12月に見て以来、半年ぶりに映画『マイ・ニューヨーク・ダイアリー(My New York Diary)/2020年 アイルランド・カナダ合作 監督・脚本:フィリップ・ファラルドー 出演:マーガレット・クアリー、シガニー・ウィーバー、ダグラス・ブース、プライアン・F・オバーン、セオドア・ペレリン』を千葉劇場で見てまいりました。

今年に入ってコロナ感染が再拡大し始めたので、警戒し、六ヶ月の間様子見をしていました。

主人公を演じるマーガレット・クアリーは、ニューヨークで作家としての仕事を夢見ていたのですが、まずは就職先としてJ.D.サリンジャーの出版エージェンシーに入るところから物語は始まります。時代は1995年。

映画の中でも出て来ますが、オフィスではやっとコンピューターが使われ始めた頃で、ニューヨークの雰囲気も、職場の1920年代のような雰囲気もとてもいいのです。
これを見るだけでも、なんだか“いい時代”の“いい様子”を見ることが出来て、うれしくなってしまいました。

 

 

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厳しい老舗出版エージェンシーでの仕事、そしてさらに厳しい上司を演じるシガニー・ウィーバーの演技も見どころのひとつでした。
ビジネスとしてきっちりと線を引き、作品の内容に重きを置く主人公に指導していくのですが、でもプライベートでは、とても繊細で人間的な弱さも見せるシガニー・ウィーバーの役どころは、まさに演技力がものを言って、主人公との素晴らしい人間関係も見せてくれました。

また、主人公のマーガレット・クアリーは、声や、背中だけしか見えてこないサリンジャーとのやり取りや、恋人や友人との関係などを経て、自分を見つめ直していきます。
その過程もうまく描かれていましたし、彼女の演技も魅力あるものでした。
ラストの自分のやりたいことへの決断の表情もとてもよかった。

さらに、職場の人達や恋人、友人など、脇役陣の絶妙の演技も光るものがあり、いい映画になっていました。

久しぶりの映画復帰、いい作品から再開できてよかった・・と、今しみじみ感じているところです。

 

2022/01/29

矢川澄子さんの「妹たちへ」というエッセイ集を読みました。

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『矢川澄子ベスト・エッセイ 妹たちへ/矢川澄子著 早川茉莉編(ちくま文庫)』という本を読みました。

著者、矢川さんは1930~2002年、東京生まれで作家・詩人・翻訳家。
仏文学者作家の澁澤龍彦氏と結婚、仕事の協力者として活躍したが、その後離婚されています。そのことも、このエッセイ集には書かれていました。

失礼ながら、私は矢川さんのことを存知上げず、たまたま書店でこの本を見つけ、購入いたしました。なんか、ただ事じゃない雰囲気を醸し出している本だったのです。

読んで見て、たしかに“ただ事”じゃありませんでした(^_^;)

ものすごく繊細で、透明感があり、孤高のひと、みたいなところがありつつ、物怖じせず、信ずることに従い突き進んでいくようなところもあり、男に対して神秘的、性的な部分を感じさせつつも、ある意味とてもあっさりと、バッサリとした感覚も持っている・・魅力的でもあり、不思議な人でした。

後半に矢川さんと付き合いのあった森鴎外の娘、森茉莉さんとのエピソードも登場しましたが、なんだか森茉莉さんに似ているというか、“孤高”な感じが互いに呼び寄せるようなものがあったんじゃないか、などと思いました。

初めて「男」を経験したときのことも書かれていましたが、翌日の入浴中のことが書かれていて、生々しいがとてもセンシティブな表現に、新鮮な驚きを感じました。

ベスト・エッセイとして編集されているものなので、文学に関することから、日常生活のこと、食べ物のこと、自分と関わった人たちのことなど、“ネタ”は満載です。
四百数十頁もある本ですが、濃密で読み応えのあるものでした。

 

2021/11/13

瀬戸内寂聴さんの訃報に接し、知ったこと

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瀬戸内寂聴さんが亡くなられたと、最初にラジオの速報で知りました。
清水ミチコさんの番組中で、清水さんもよくモノマネをされていました。清水さんも驚いていた・・。
写真は、私が気になった新聞記事などをスクラップしているノートです。

テレビなどのニュースで詳しく瀬戸内さんの作品や、活動などについてふれていましたので、それについてはここでは書きませんが、新聞を読んでいて気になった記事がありました。

それは、作家の井上荒野さんのお父さん(井上光晴氏)が、かつて寂聴さんの恋人だったと井上さんが振り返っている記事でした。
そのことをモチーフに、井上さんは『あちらにいる鬼』という小説も書かれています。
この十一月に文庫化され、今後映画にもなるとのことです。

井上さんが高校生だった頃に、調布の井上宅に寂聴さんが来たというのです。
1978年、寂聴さんが出家して五年後のことです。

そして井上光晴さんが亡くなられてからも、その妻と娘である井上荒野さんの交流が続いていたというのです・・ (・_・;

ある男の愛人と、その男の妻と娘が交流するなんて・・。

荒野さんによれば、「彼女の人間的魅力がその大きな理由」だというのです。

荒野さんのお母さんも「大らかで率直で、無邪気で軽妙なひと」「太陽みたいな人」と表現していたようです。夫の愛人ですよ!( ̄O ̄;)

荒野さん自身も寂聴さんと会ったあとは、「自分の真ん中に大きな、風通しの良い穴が穿(うが)たれて、その穴のせいで自分が一回り大きくなったような気がした」と、おっしゃっています。

守る必要のないルールや誰が決めたのかわからない「ふつう」という観念に私達はとらわれているけれど、寂聴さんの心はそれらからことごとく自由になろうとしていた・・・私もそんな気がする(゚ー゚*)。oO

荒野さんが「歴代の恋人の中で、父は何番目くらいですか」と寂聴さんに聞いたことがあるそうです。

そしたら・・

「みーんな、つまんない男だったわ!」・・だって(^_^;)

たまたま先週寂聴さんとドナルド・キーンさんの対談本をブックオフで買ったところでした。まったくの偶然ですが、今読みかけの本を読み終えたらこの本を読んで、またここに感想を揚げたいと思います。

寂聴さんのご冥福をお祈りいたします。

 

2021/11/03

「男と女・・・/亀山早苗」を読みました。

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『男と女・・・ セックスをめぐる五つの心理/亀山早苗著(中公文庫)』を読みました。

亀山さんは、おもに女性の生き方をテーマに恋愛、結婚、性の問題に取り組んでいるフリーライターです。
このブログでも亀山さんの著書について、過去2014年6月に「結婚しても恋人でいたいなら」と、今年8月に「人はなぜ不倫をするのか」を取り上げました。

実はそのときのアクセス数はかなり良かったのでした。
で、今回ブックオフにて見つけたこの本をまた読んでみての読後感です。

この本では、インタビューをかなりの数で、しかも深く行っていて、主に「夫婦」が登場しますが、「恋人」関係の人達もいて、それぞれの性的な嗜好や、特に女性について今だ残る性に関する固定観念にふれていました。これは従来からある社会的な制約、理解がこの今の時代でも影響しているのだなと感じました。

読んでいて、世の中ほんとうにいろいろな「性」に関する“歓び”のパターンがあるものだと思いました。・・けっこう想像を絶した。

また、夫がいる女性の「彼とは恋愛、夫とは夫婦愛というふうに考えたいんです」っていうインタビューでの言葉も印象に残りました。
・・あのね、私も読んでいて考えたのですが、この複雑化した人間関係、夫婦関係、男女関係が渦巻く社会で“有り”なのかもしれないと思ったのです。

一般的に女性は複数の男性を愛せないんじゃないか、という固定観念があるかと思いますが、状況に応じて相手を選択し、「この人もあの人も好き」ということが有り得るんじゃないかと・・。

もうひとつ気になった部分がありました。

人はいつの間にか抜け目がなくなって、男女関係についても「メリット・デメリット」を考え過ぎるようになってしまったのではないか、と書かれていた部分です。

著者は、「ひょっとしたら男女の本質は“一緒に堕ちていく”ことにあるのではないか」と言っています。

“一緒に堕ちてもいい”と思えるような関係、そんな相手にめぐりあえる幸せを私達は忘れているのではないか・・というわけです。

そんなふうに思えるほど“惚れ込んだ”ことが・・ありますか?!
お前はどうだっ??て・・。

・・どうでしょう・・…σ(^_^;)

 

2021/10/09

【ティファニーの婚姻届/過去に会った人、過去にあった出来事について振り返る №60】

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過去に会った人、あった出来事についての回顧文シリーズ。
前回に続いて、以前の戸籍届出窓口のある職場でのお話です。

前回が離婚届の話だったので、今回はめでたく婚姻届の話(*^_^*)
仲良くくっつきながらやって来たカップル、「婚姻届かな?」と思っていると、あれ?緑色っぽい届書・・離婚?!

「お願いしまぁ~す」と出されたのは、とても珍しいタイプの婚姻届。
通常、離婚届は緑色なので勘違いしてしまったのですが、これは「緑」ではなく、『ティファニー・ブルー』'(*゚▽゚*)'

記載されている事項が通常の婚姻届と同様であれば、受付は可能なのでOKだったのですが、いやもう“スペシャル”な感じが届書から発散されているような感じでした(^_^;)

あとで調べてみたら、ティファニーで結婚指輪などを購入すると、たぶんその金額によって今回出された婚姻届以外にも附属のキットのようなものが付いたものが貰えるようです。
婚姻届のタイプも様々あるようです。・・これも“お買い上げいただいた金額による”のでしょう。

さらに検索していたら、メルカリやその他オークションサイトでは、このティファニーの婚姻届が売りに出されていました。キットが附属しているものも出ていましたが、かなりの高額!それだったらティファニーで指輪を買っちゃった方がいいかも・・などと思いました。

その他ウェディング雑誌などでも、今は可愛い婚姻届が附録になっているようで、それらを提出する方々も多くなってきました。
副本を二人で保管できるようになっていて、そちらの届書には二人の写真も貼り付けられるようになっていました。

私の感想 → よろこび過ぎじゃね?!

窓で審査、受付が終わると、二人からカメラやスマートフォンを渡され、窓口側から二人が婚姻届を持っている写真を撮ってほしいということも数多く経験しました。
・・どうかお幸せに! がんばってね。 これから大変だよ(^_^;)

ということで、今回は婚姻届の窓口のお話でした。

 

2021/08/14

「人はなぜ不倫をするのか/亀山早苗」を読みました。

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『人はなぜ不倫をするのか/亀山早苗著(SB新書)』という本を読みました。
これは、フリーライターの著者、亀山早苗さんが、タイトルにある《不倫》について、行動遺伝学、動物行動学、昆虫学、ジェンダー研究、宗教学、性科学、心理学、脳研究のそれぞれ学者にインタビューしながら考えていくものでした。

この本の帯にも書かれているのですが、驚くべきというか、興味深いのは、どの学者も「不倫」を否定している人はひとりもいないのです。

動物学的にも、昆虫学的にもそれはなんとなくわかりそうですが、宗教学者もそう言っていて、そもそも現在ヨーロッパや、アメリカでも宗教から離脱する人の数がかなりの数にのぼっているようです。

宗教的な、戒律的な縛りからは人々はどんどん解放されているというのが現状みたいです。

じゃ、日本人はどうなのかっていうと、それこそ江戸時代まではむしろ性は解放されていて、お祭りの夜は誰といろんな関係(^^;)になってもよいだとか、夜這いの習慣もあちこちであったり、もっと昔は貴族だって、かなり男女とも自由で奔放な関係性が当たり前に存在していたようです。

それが、現在、実態はどういうことになっているかとは別に、芸能人が不倫報道されたときのバッシングはただ事ではありません。
そんなに叩いてどうするの、と思いますが、この本でもそれが取り上げられていた部分がありました。
学者の意見は・・「うらやましいんじゃないですか?!」(^_^;)ということでした。

そうかもしれないです。
だって、よその夫婦のことじゃないですか。
本人やその周囲の家族などが大騒ぎするならわかるけど、部外者がなぜそんなに怒っているのか、私には不明です。ほんとうは“うらやましい”んじゃないかというのは正解かもしれないです。
怒りまくっている部外者の一般の人、自分の夫婦仲はどうなっているのか、人もうらやむいい夫婦なんでしょうかね(^_^)

とにかくいろいろな学者がその立場から意見を述べているのですが、結局のところ、男は自分の子孫をどんどんつくりたいから、あちこちに手を出したい、女は、少しでもいい遺伝子を残したいから妥協で結婚した男…σ(^_^;)のほかに、別の“いい遺伝子”を残したい、また究極的には、人という種を残していきたいから繁殖はもっとも大事ということで、それらを総合的に考えれば「不倫」という人間が後付けで考え出した規律のようなものなど、ほとんど意味をなさない・・とうことなのです。
元も子もない話ですけど(^_^;)

「おひとりさまの最期」の著書などで有名なジェンダー研究の上野千鶴子さんも登場しますが、あの人らしい強烈なひと言も載っていました。

『人はなぜ不倫をしないのかのほうが不思議です。その前段階として、人はなぜ結婚という守れない約束をするのか、がもっと不思議』

・・これに尽きると思いますd( ̄  ̄)

 

2021/06/01

小林聡美さんの「ていだん」を読みました。

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『ていだん/小林聡美(中公文庫)』を読みました。

鼎談(ていだん)って、三人が向かい合って話をすることだったんですね。いい歳こいて「鼎談」って、単に複数人で話をすることだと、ずっと勘違いしていました。
恥ずかしながら、今回のこの本を読んで初めて知ったのです…σ(^_^;)またひとつ大人の階段を上がりました。まだまだいっぱい“階段”が潜在しそうです。

というわけで、俳優の小林聡美さんが井上陽水さんから川上未映子さん、群ようこさん、酒井順子さん、柳家小三治さん、江戸家小猫さん、大貫妙子さん・・まだまだほかにもたくさんの方達と興味深い話をされているというものです。

笑ったのは、『芸は身を助けるか?』というテーマの鼎談の中で、小林さんが柳家小三治さんに向かって「結婚も、芸ですかね?」と、たずねるところです(^^;)

小三治さんは、「今、飲みかけたコーヒーを置いちゃったよ。ウーン・・・。ズバリ言いましょう。結婚も芸でしょうね!」っていうところです(*^_^*)

すかさず酒井順子さんが、「挫折することもあり・・。」と、見事な突っ込みd( ̄  ̄)

小三治さん「いや、その芸に挫折したという事実は、その後の生き方次第で、どれぐらい芸になるかわからないよね。」

小林さん「続けて行くのも芸なのかもしれませんしね。」

この話芸こそ名人芸かもしれません(^_^)

私自身の“結婚芸”は、・・・大道芸みたいなものでしょうか。ひとさまには、楽しく見せ、実は裏での芸道は非常に厳しいという・・(>_<)

長塚圭史さん、西加奈子さんとの鼎談では、ずっとスマホで何かを忙しく見ている人についてふれています。

バーチャルでいいもの見ても、実際、生じゃないと伝わらないものもある、という話になって行きます。

若者は一回、生のものを目の当たりにする緊張感を味わったほうがいい。そしたらネットの前にだら~っと座って軽々しく人の悪口なんか書けなくなると思いますよ・・と、結んでいます。

私も舞台での芝居、ミュージカル、ショーなどをたくさん見てきたのですが、まったくの同感です。
パソコン、テレビ、スマートフォンの画面を見てわかるものじゃあないんです。まぁ言ったってわかんないだろうけど。

ふたつばかり、エピソードをご紹介しましたが、小林さんがリードしていくこの「ていだん」は、実に面白くて、300ページを超える本なのですが、ほんとにあっという間に読み終えました。
いい本でした。


【Now Playing】 By Jupiter / Dave Brubeck ( Jazz )

 

2021/05/16

柴田錬三郎さんの「わが青春無頼帖」を読みました。

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『わが青春無頼帖 -増補版-/柴田錬三郎著(中公文庫)』を読みました。
もともとの文が書かれたのは1960年代のものです。

私は柴田さんの著書を読んだことがなく、昔、テレビでクイズの回答者として出演されていて、とても人間味のある語り口調や、ウイットに富んだ回答が印象に残っています。
あのとき、かなりのおじいちゃんに見えたのですが、そんな歳ではなかったようです。

人生の年輪が表われていたんだな、と、この「青春無頼」な告白を読んだあとで思うことになりました。

戦時に、輸送船の備砲小隊付きの衛生兵として乗船し、その際に魚雷の攻撃に遭って沈没。
バシー海峡を泳ぎ、駆逐艦に救い上げられ命を取り留める話は、その惨状とは裏腹に、夢の中にでもいるような虚無状態であったと書かれていました。
後の「眠狂四郎」に通じるのか・・と思ってしまいましたが、「そんなインタビューでの質問をよく受ける」とご本人が書かれていました。

終戦後の柴田さんの作家生活というか、カストリ誌への原稿書きや、少年少女向けの原稿書きなどで食いつなぎ、そんな中で様々な人と出会い、様々な人が死に、様々な女性と“さまざまな関係”( ̄O ̄;)になり・・というところが柴田さん独特の筆致で書かれていて、こんな凄まじい生き方(次々に現われる女性と関係を結び、さらにその女性がどういう人生になっていったかの描写も凄い)をした人が、私がテレビで見た、あんな穏やかな表情をしていたのだ、と驚きました。

柴田さんの無頼帖のあとには、無頼帖に書かれていた事実そのものと言ってもいい私小説が数編付け加えられていて、そちらは小説仕立てになっているので、余計ドキドキするようなシーンばかりでした。

随筆含め、最初から最後まで読んでいるこちらが、時代もずいぶん違うのに、あっという間に引っ張り込まれるような感覚でのめり込みながら読みました。
すごい迫力の本でした。

 

【Now Playing】 Honeysuckle Rose / Mark Murphy ( Jazz Vocals )

2021/04/24

「眠れないほどおもしろい やばい文豪/板野博行」を読んだ。

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『眠れないほどおもしろい やばい文豪/板野博行著(王様文庫)』を読みました。

“やばい文豪”・・、すでにこのブログでは、太宰治に関する井伏鱒二の「太宰治」、河出文庫の小山清・編の「太宰治の手紙 -返事は必ず要りません-」などの書籍について読後感を書いておりますが、太宰も“やばい文豪”でしたが、他の文豪も負けてはおりません(^_^;)・・ろくなやつがいませんでした・・。

たとえば、谷崎潤一郎は、妻・千代の妹、三千子と関係を持ってしまう。
二人目の妻はアイドル並みの可愛らしさだったが、たちまち捨ててしまう。
三人目の妻、松子は旧家の御寮人さん。“W不倫”の末に結婚しています。
で、松子とその姉妹をモデルに日本版「若草物語」ともいえる「細雪」を書いています。

それでね、谷崎が最初の妻、千代の妹に手を出し、夫婦仲が悪くなり、友人の作家、佐藤春夫が千代をなぐさめているうち、春夫と千代は“相思相愛”に。
でもって、谷崎は春夫に妻を“譲る”!!ことにして、春夫と約束し、「譲り状」を書きます( ̄O ̄;)

しかし、谷崎が義妹に“フラれる”と、妻を譲るのが惜しくなり、直前にその約束を反故 に(・_・;

それから五年後、二人は和解し、千代さんを佐藤春夫が譲り受けるのでした(^_^;)・・どうなってんの!

ほとんどこの本で紹介している誰もが知っている文豪の皆様、全員、どうしようもない人のオンパレードですが、もうひとり、ここで紹介しておきましょうd(^_^o)

岡本かの子。

夫とともに愛人と同居し、その男との間に子供二人をもうける。
その愛人は、かの子の元を去って間もなく死亡。
二人目の愛人はマネージャー兼家事手伝いで、のちに島根県知事になったとのこと。
三人目の愛人はエリート医師。
かの子と愛人二人と夫と長男(なんと、あの岡本太郎です)、五人が同じ屋根の下で暮らしていたという・・。

でもって、夫の稼いだお金で、五人全員ヨーロッパ外遊(^_^;)
若いツバメと旅行中に倒れ、夫と愛人の看病の甲斐なく死亡。

なんだそうですよ…(^_^;)

その他にも、名だたる文豪が続々登場d(^_^o)

島崎藤村などは、貧乏のどん底の中、三女、二女、長女の順で栄養失調で子を失い、妻も死亡してしまいます。
男手一つで残る四人の子供を育てるのは無理と、次兄の次女(ようするに姪です)に頼んで子供の世話をしてもらいましたが・・。

藤村は、その十九歳の姪に手をつけ、妊娠させてしまいます。
そしてヨーロッパに姪っ子とお腹の子を捨てて逃亡します・・最低です。

こんな人ばっかりで、呆れましたが、そんな人達だから常人では描けぬ作品を書いたのかもしれません。

これでもほんの“一部”ですので、気になる方は、ぜひともこの本を読んで、「愕然」としてください…(^_^;)ひざをついてガクッと倒れそうになりますよ、私がなったから間違いない。

 

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