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2019/04/09

「懲りない男と反省しない女/渡辺淳一」を読んだ

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『懲りない男と反省しない女/渡辺淳一著(中公文庫)』を読みました。
2005年に中央公論社から刊行されたものの文庫本で、文庫化は2007年です。
またまた例によってブックオフで108円。

この本は、あの「失楽園」や「愛の流刑地」でおなじみの渡辺淳一先生が、わけありな女性二人との対談(問答?)を男女の問題に限って繰り広げるという、渡辺先生が完全に主導権を握っている様子がよくわかる(^_^;)形式で進められています。

渡辺先生、「男は浮気して当たり前」「結婚したら奥さんには飽きるからセックスレスなんて多くの夫婦がそうだ」「家に帰って妻からいろいろな話をされても困るし、一人でぼぉっとしていたい」・・などなど言いたい放題です。

女性側二人も黙っちゃあいませんが、悉く論破され、男っていうものは、結局常に新鮮な感覚でセックスできる女性を追い求めているという“理不尽”な渡辺説に“呆れかえり”“諦め”にも似た様子を対談相手の女性二人が見せ始めます。

ちょっと古い時期の本だから、ここまであからさまに渡辺先生はおっしゃっているが、でも、今や先生のおっしゃるような男ばかりではない世の中になってきつつあるんじゃないか、などとも読んでいて思いました。

男は仕事だけが、そしてその仕事上で得た地位や権力が自分を表現できる唯一のものだから、出世のためには、どんな卑怯で姑息な手段もいとわない、そしてそれが男の人生そのものである・・というようなことをおっしゃっています。

今の私には、上記のような思いは、『ゼロ』となっております。
長いこと生きてきて、仕事も様々なものをやってきて、自分にとって大切なものはまったく別のところにあるのだ、と、気づいているのが、今の私です。

男は、仕事上の戦いは、かつての武士の合戦のようなものであり、ライバルなどには、生物として殺すことはありませんが、仕事上の世界では抹殺しようとする人が大勢います。
二度と浮かび上がれないようにとどめをさしている人を何人も見かけました。
そうした争いをしている人、・・ご苦労様です。

もう、あなたはまっとうな人からはリタイアした後、誰にも相手にされないのですよ。
よかったね、一生掛けて誰にも相手にされないようなひどい人になれました。

と・・話がずれましたが、渡辺先生のお言葉は、ある意味世の中の真実を突いています。
そんなものだ、とも別の側面から私も思いました。

長い男女の歴史から得られた、男女相互が永遠に理解できない世界観について、明快に書かれた本だということは確かでした。

2019/04/07

映画「リヴァプール、最後の恋」を見ました。

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映画『リヴァプール、最後の恋(Film Stars Don't Die in Liverpool)/2017年 イギリス 監督:ポール・マクギガン 原作者:ピーター・ターナー 脚本:マット・グリーンハルシュ 出演:アネット・ベニング(グロリア・グレアム)、ジェイミー・ベル(ピーター・ターナー)』を見ました。

ピーター・ターナーが1987年に発表した同名の回顧録を映画化したものだそうです。

『悪人と美女』(1952)でオスカー助演女優賞に輝いた往年の大女優グロリア・グレアム(1923-1981)の奔放な人生の終末を映画化していて、若手舞台俳優のピーター(ジェイミー・ベル)との最後の恋が激しく、そして哀しく、リヴァプールを舞台に描かれていました。

往年のオスカー女優であるグロリア・グレアム(アネット・ベニング)の最後の恋の相手は、若手舞台俳優で50代と20代という年齢差がありますが、かつての美人度をむんむんとさせ、しかも可愛らしさも感じさせる主人公の女優の恋愛は、この映画を見ただけでも“恋愛”の[深さ]を感じさせます。

病に倒れ、最晩年を若手舞台俳優の実家リヴァプールで過すグロリア・グレアムですが、その舞台俳優の両親もかつてのグロリア・グレアムの熱心なファンで、温かく見守るのです。

二人が好き合ったところなどはアメリカでの派手なシーンや、溌剌とした様子が描かれているだけに、リヴァプールでの病床シーンは余計に哀しくなります。

 

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実物のグレアムのオスカー受賞時のフィルムなども流れますが、それがまた悲しみを深くしました。

女にとって人生の中での恋愛が占める比率の高さ、大事さ、男にとってどんな女性が生涯を掛けるほどの大切な人になるのか、など・・考えさせられことが多く、しみじみとしてしまいました。

結局、恋愛って、女にも男にも、ものすごく重要だ・・って、当たり前だけどふだんあまり考えないことがクローズアップされて、私も様々な想いに駆られました。

・・大人の映画だね。

2019/03/17

「つやのよる/井上荒野」を読みました。

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『つやのよる/井上荒野著(新潮文庫)』を読みました。

つや(艶)という名の女性がいて、亡くなるまでの間に様々な人(男)と繋がり、そこにはそれぞれの男と女の修羅場があり、女の情念がなまめかしく醸し出され、輝いたり、静かに事態を見つめるようにじっとして少しばかり蠢いたりしている。

いやもう、一筋縄ではいかない男と女の物語でした。
読んでいるこっちの方がどうにかなってしまうくらいの内容で、読むにはエネルギーが要りました。

七つの章から成っているこの小説は、艶という女性と、艶に関わりを持った男女の歪んだような、闇のようなものが見え隠れし、読み手のこちらは、そこに踏み込んでいくようにしていかないと、この物語の面白さにたどり着かない、そんな感じでした。

艶は、浮気、不倫、ストーカー、略奪・・などなど(^_^;)まさに女性の敵、社会の敵のような女性でしたが、だからこその、男を惹きつける魅力があったのだと思います。

でもね、読んでいて思ったんだけど、艶と関わりを持ち、迷惑千万な思いをさせられた人達がそれぞれの章で次々と現われてきて、その人達もやはり“闇”を抱えているのです。
そしてその闇は、結局私も、世間の人達も多かれ少なかれ抱えているものなのですよね。

だから引き込まれてしまうのです、この物語に。

ヤバい人、ワケの分からない人がたくさん登場しますが、よくよく考えてみると自分の人生の中で出会ったことがあるような記憶が呼び起こされます。
そんな人達との関わりの中でそれぞれの人生がある。

生きて行く中で出会う様々な人達や、出来事は、薬味・スパイスのように私達の人生に陰影や味わいをつけてくれます。
そんな中で今も生きている自分を見つけました。

ご興味がありましたら、ぜひ・・。

2018/12/08

映画「彼が愛したケーキ職人」を見てきました

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映画『彼が愛したケーキ職人(The Cakemaker)/2017年 イスラエル・ドイツ 監督:オフィル・ラウル・ガレイツァ 出演:ティム・カルクオフ、ラサ・アドラー、ロイ・ミラー、ゾハル・シュトラウス』を見てきました。

これはベルリンとエルサレムが舞台になっている映画で、ベルリンのカフェでケーキ職人として働く主人公トーマス(ティム・カルクオフ)とイスラエルから出張でやってきて、なじみ客となったオーレン(ロイ・ミラー)の男性同士が恋人関係に発展していくところから始まります。
ここからいきなり「どうなっちゃうんだろう」という気持ちがモヤモヤとした感覚で出てくるのですが、先行きがまったく想像できない状態。

しかもなじみ客で恋人となった男性オーレンには“妻子”がいるからもうたいへん! ( ̄O ̄;)

片方には妻子がありながら、この二人の男性はオーレンが仕事でベルリンに滞在する限られた時間に愛し合います。


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オーレンから「また一ヶ月後に」と言われたまま、連絡が途絶えてしまい、実は交通事故で亡くなっていたことが判明。
オーレンの妻はエルサレムで休業していたカフェを再開させますが、女手ひとつで息子を育てる多忙なところに客として「夫の恋人」!!であったトーマスが職探しをしていると登場!!!

ああ、もう、大変なことです (・_・;


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オーレンの妻アナト(サラ・アドラー)は、トーマスを戸惑いながらも雇うこととなり・・アナトは気づいておりませんが夫の恋人とカフェの仕事をすることになり、トーマスの作るクッキーやケーキは大好評で店はうまく回り出します。

そして妻アナトと、雇われ職人でアナトの夫の恋人トーマスは次第に距離を縮めていって・・。


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舞台となっているエルサレムでは、宗教的に制約や束縛のようなものも絡んできて、仕事の上でも人間関係的にも障害、苦労が伴い、この二人の関係にさらに影を落とします。

男性同士の恋人関係、妻と夫との愛、仕事の上でも頼りになり次第に深まる元恋人の妻との恋・・非常にややこしい・・。

この映画の主人公はケーキ職人のトーマスと、トーマスの恋人(男性)の元妻アナトですが、二人は互いに惹かれ、でもアナトからの愛情と、トーマスがアナトに感じているものは、かつて自分が愛した男がいつくしみ、ふれていた女性とのなんとも言いがたい感覚が感じられ、見ているこちらも今まで感じたことのない不思議な感情がふつふつとわいてきました。

男女にとらわれない、人と人の愛とはなんだろう?という映画自体は地味だが、内容は深く濃い作品、見ている間も終わったあとも、ずっと考えてしまいました。


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2018/10/30

映画「ライ麦畑で出会ったら」を見た

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映画『ライ麦畑で出会ったら(Coming Through The Rye)/2015年・アメリカ 監督:ジェームズ・サドウィズ 出演:アレックス・ウルフ、ステファニア・オーウェン、クリス・クーパー』を見ました。

サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を読み、その不朽の名作に心を奪われ、不器用にも真っ直ぐ生きて行こうとする主人公の高校生が、馴染めない高校生活から飛び出し、「ライ麦畑でつかまえて」を演劇化しようとする物語です。

そして舞台化のため、作者のサリンジャーの許可を得ようとして、連絡を取ろうとするものの、まったくたどり着かない。
ついには隠遁生活をするサリンジャーの居場所を求めて、演劇サークルで出会った少女と、サリンジャー探しの旅に出るのでした。


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主人公とその少女の淡い恋愛のような感覚の距離感も初々しいし、サリンジャーを求めて旅に出た場所の自然の景色もあまりにも美しい。
まるで自分が青春の旅に彼女と出かけたような感覚になりました。
いいおじさんなのに、あの高校生の頃のみずみずしい感覚が呼び戻されてきたのでした・・ちと恥ずかしい・・(^_^;)

何とか、どうにか出会えたサリンジャーの“つっぱね方”も強烈だったし、演劇化後に再度サリンジャーに会いに行ったときにも厳しい態度で接せられることになるのですが、それでも、その裏にある何か人間的なものがひしひしと感じられて、ますます“青春時代的”に胸がキュンとなりました。

日本の若い人達がこの映画を果たして見るのかはわかりませんが(たぶん見ないと思う)、でも、青春時代の大事な何かが全面的に表現されているこの映画は、ピュアで、美しいものでした。

おじさんでもいい、おばさんでもいい!ぜひ見て、若い頃に感じた人として大切なものをもう一度感じてほしい・・なんて思う作品でした。

2018/10/14

映画「エンジェル、見えない恋人」を見ました

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映画『エンジェル、見えない恋人(Mon Ange)/2016年 ベルギー/フランス語 監督・脚本:ハリー・クレフェン 出演:フルール・ジフリエ、マヤ・ドリー、エリナ・レーヴェンソン』を見てきました。

何とも不思議な映画。
お母さんが赤ちゃんを出産するところから始まるのですが、その赤ちゃんは姿が見えない・・透明なんです。
森の中の建物で、その子を育て、やがて隣のお屋敷に越して来た人がいるのですが、そこの可愛い女の子は盲目。


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見えない男の子に対し、怖がられるから近づいてはいけないとお母さんが諭すのですが、ブランコに乗っている盲目の少女に近づく透明な男の子。

盲目の少女は、気配や匂いなどで気づき、見えないとは知らず友達になります。
二人は段々、年齢を重ね、少女は美少女になります。
そして、二人には恋の予感が・・。

やがて少女には、手術により目が治る可能性が出て来たとのことで、病院に向かい、しばらくは会えないが互いに待っているとの約束をして・・、でも少女が大人になって帰ってくるほど時は流れてしまいます。


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さあ、そのあとの二人はどんなことになるのか!
少女が見えないことによって成立していた男性の存在はどうなるのか、互いにどういう感情、感覚をもって接するのか、それともそれら全てが崩壊するのか。

“生真面目”な人が突っ込もうとすれば、全編“突っ込みどころ”満載で、透明な男性がどうやって生きて行くのか、とか、母親が亡くなってしまってからどうやって食べていたのか、とか、服無しでうろつくなんて考えられないし、風邪ひいちゃうよ、とか、少女に家族がいる様子がまったく見られないだとか・・考えてしまうとまったく成り立たない物語です。

でも、これは「寓話」であり「ファンタジー」であり、美しい「詩」の世界なんだと思いました。
だから、その美しくも残酷な少年、少女の純愛を見守りつつ、私達がふだん感じている男女間の恋愛って、そもそもなんだろう・・なんて考えることにもなってしまうのです。

“生真面目くん”“生真面目さん”にはおすすめしませんが、少年・少女だった頃のあのふわふわと漂うような恋愛感情や、相手を想い、せつない気持ちに夜も眠れなかったことのあるあなたには、少し古いが“胸キュン”な映画です。見た方がいい。


【Now Playing】 Everything I Love / New York Quartet ( Jazz )

2018/09/26

「お気は確か?」恋する女への忠言・・を読んだ

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『お気は確か? 恋する女への忠言/ゴマブッ子著(宝島社文庫)』を読みました。
またまた例によってブックオフで108円d(^_^o)

2012年発行となっていますので、6年ほど前の本。
著者は、人気の辛口ブログを書いていた「ゲイブロガー・ゴマブッ子」さん。
私はこのブログを知りませんで、この本で初めて知った次第です。

相談形式で進められるこの本は、読んでいくと、相談してくる多くの女子は、このゴマブッ子さんに“叱られたい”そして、“罵倒されたい”ような人が多い(^_^;)

そうだねぇ、ここで相談している女子は、我儘か、めっちゃ自信が無いか、または自分で自分がやっていることを客観視できない、そんな人がほとんどでした。

相談者は皆、思いっきりゴマブッ子さんにガツンとお叱りを受けるパターンが多いのですが、皆、それを聞いて喜んでいるようです。
そういうことってありますよね(^^;)現代は、親にもなかなか叱ってもらうことができない世の中だし・・。

“愛が重い女”の章では、「私と彼氏の年表」を作り、それを数ヶ月刻みで彼に会う度に渡す女が登場します( ̄O ̄;)

しかも、「あそこではこうして欲しかった」などと、“ダメ出し”まで書き込んであるということで、“いなさそうで、いそうな女”だと思いました。やだねぇ、自分の彼女だったら人生真っ暗です。

もちろん、ゴマブッ子さんは「お気は確か?」と突っ込みを入れていますが、いやはやこんな相談者ばかり。

相談の中には、新しい彼女が出来ると「しばらく距離をおきたい」なんて言って別の女に走り、それが破局すると「やっぱり会いたい」なんてメールを送ってくる男も登場しました。

男も女も、皆、ゴマブッ子さんの餌食となっていくわけですが、「好きになってしまうと、わかっちゃいるけど愚かな行為をする」、そんな女の“性”についてもよくわかるゴマブッ子さんの人情味ある、そして同情するような回答編もあり、それはそれで面白く読めました(*^_^*)

愚かな男と愚かな女の物語を味わってみたい方はどうぞ読んでみてください。
あら・・これって自分と同じじゃん!ってこともありますよ、あなたも人間だもの。

2018/09/07

「墨東綺譚/永井荷風」を読んだ

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【※このブログでの文は、8月頭からのブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

『墨東綺譚/永井荷風著(角川文庫)』を読みました。
“墨東”の「墨」の文字の表記は、このブログで表示されているものと異なるのですが、PCでインターネット上で見るためには簡単な“当字”を入れました。

この本は、荷風が近所から聞こえる「ラディオ(※文中にこう表現している)」のうるさい音に辟易して夕刻から夜にかけて東京の町を歩き、たまたま知り合った「お雪」という女性と奇妙な関係になり、遊里にいるその女性「お雪」に逢いに“行きがてら”の道中、街並み、世間の様子などを表現豊かな文にしたものです。

当時の人々の服装や、町の様子、世間の“流行り”、5.15事件当時の銀座などの実際の様子も書かれていました。
それが実に意外。
昭和ひとケタからふたケタに入る頃が描かれているのですが、銀座に柳の苗が植えられ、朱骨の行灯が設置されたところで、「田舎芝居のようになってしまった」と嘆いているのです、荷風さん。
何年か前に、銀座の柳を復活させようだとか、永く保存しようなどという銀座っ子の人たちが話題になったことこがありましたが、当時はそんなだったようです。

しかも、「震災(※関東大震災のことでしょう)のあとには、九州や大阪から人が出て来て、一本裏通りでは、そんな人たちが「ふぐ」の店を出したり、路上に出て食べるような店を出してしまったとも嘆いています。

路上で水着を着て客寄せをしたり、そうまでしなくも、お客を誘うような女性が店頭にいるのはどんなもんだろうと言っていたりします。

でも、遊里にいるお雪には、度々に逢いに行く荷風先生(この本の中ではとある作家として描かれているが)。
女と男の“機微”にもふれて、この本、いい味だしていました。

とにかく、初めて聞く表現が80%以上を占めていると感じた永井荷風のこの著書。
昭和初期の東京の様子などがフィルムを見ているかのように眼前に浮かびます。
リアルなタイムスリップ感があり、希少感もある面白い本でした。

2018/08/30

「本当にあった幸せな気持ちになる50の物語」を読んだ

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【※このブログでの文は、8月中、ブログ休止中にデジタルでメモしておいたものをアップするものです。なので、現在とタイミング的にマッチしないものもアップされるかもしれませんが、あらかじめご了承ください。】

『本当にあった幸せな気持ちになる50の物語/西沢泰生著(王様文庫)』という本を読みました。
著者は子供の頃から読書好き、そして数々のクイズ番組などに出演して優勝したりしています。
就職後は、社内報の編集を担当し、さらにこの本の中でもエピソードが登場しますが、社長秘書も経験しています。

とにかく“本当にあった、いい話”を丹念に拾い集め、紹介してくれる本で、たぶん私達が日常生活してれば社会生活や、テレビ、本の中で出会えるような“小さないい話”なのです。でも、それを「いい話だ、覚えておこう」とは普通の人には思えないような些細なことが多いのです。
そういうことを、心に留め、記録し、こうして本にまでもってきている作者が持ち合わせている“人間力”に驚くのです。

“小さなこと”のエピソードのひとつをご紹介すると、1956(昭和31)年、日本初の南極観測隊の話。
1年以上の長い時間を南極で過す隊員にとっての支えは家族からの電報。
それも当時は技術上の問題から一文字が高額なので、短い電文でなければならないとのこと。

そこで・・たった3文字のメッセージが隊員たちの心に響き、それを見て嗚咽した隊員もいたという・・3文字。

『ア・ナ・タ』だったそうです。あなたのあとにいろいろな言葉が想像されます。
私も、名打文だと思いました。

でも、後日談で、隊員の奥さんは「飲み過ぎないようにしてね!」という意味を込めてのものだったとのこと(^^;)
それもそれでいい話です。

その後お酒を飲み過ぎて夫が失敗した話をもれ聞いた奥さん、今度は
『プンプン』・・(*^_^*)という電報を送ってきたとのこと。

なんだかいい話。

こんな話をいろいろなシチュエーションから集めたこの本、面白かった。

2018/07/16

映画「終わった人」を見てきました。

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映画『終わった人/2018年・日本 監督:中田秀夫 出演:舘 ひろし、黒木 瞳、広末涼子、臼田あさ美、今井 翼 原作:内館牧子「終わった人」(講談社刊)』を見てきました。

公開前に、この映画に出演している黒木瞳さんの早朝のラジオ番組で、黒木さんが、同じく出演している舘ひろしさん、広末涼子さんを呼んでインタビューしていたのを聞いて、気になっていたのです。

で、ちょっと時間が出来たので見てきました。


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タイトルの「終わった人」というのは、主演の舘ひろしさん演ずる主人公が退職を迎え、ようするにサラリーマン生活が“終わった”人という意です。
高校時代はラグビー部のキャプテンで、東大に進学し、一流銀行に就職したが、出世争いには敗れ、出向先の会社で退職を迎えた舘さん。
インタビューでもおっしゃられていましたが、わざと胴回りに肉布団のようなものを入れ、太り気味で気力の失せた様子を演じられていました。
・・私も自分のことを考え、ちょっと胸の中に暗雲が垂れ込めました。

舘さんの奥さん役である黒木さんは、美容院に勤め、コツコツとお金も貯め、自分の店を持とうというところまできている。つまり、夫がリタイアする時期には自分の方向性をすでに見出している状況です。


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その後の舘さんは、無気力の状態から大学院に行こうと決心し、そのためにカルチャーセンターに通う。
そこで受付をやっている文学好きな広末涼子さんと知り合う、・・そして「恋」のようなものをしてしまう。

なもんで、ジムで体を鍛えはじめ、広末さんと食事をしようとしたり、ジムで知り合ったIT企業の社長から会社の顧問に迎えられ、仕事を再開したり、そしてその社長が急死し、なんていう巡り合わせか社長になってしまい・・その後は大変な展開に・・。

監督の意図とは異なるのかもしれませんが、私は“仕事に生きること”しか人生に無い人の悲哀を感じました。
舘さんが頑張ろうとすればするほど、奥さんの黒木さんは呆れる。
そして、舘さんは空回りする。
それは仕事をすることで、自分を確立するというタイプの人には、「何故仕事をするのか」「自分にとって仕事の中にある意味は何?」という感覚が抜けているんじゃないか、と思ったのです。・・たぶん監督の意図するところはもっと角度が違うんだろうと思うけど。


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ラストが近づくにつれ、舘さん、黒木さん夫婦の人生模様がしみじみと浮き上がるように見えてきます。とどめは、二人の長女を演じた臼田あさ美さんの別れをすすめる叫ぶような言葉でした。

そして二人が選んだ道は・・。
映画を見てね(*^_^*)

見ているうちに舘さん、そして舘さん夫婦を自分の今の状況になぞらえることしばし、でした。
哀しくなったり、心の中にざわざわとするものを何度も感じたりしました。

形としては「コメディ映画」なんでしょうけれど、でも残るものは深く大きいものでした。
舘さんと黒木さんという人生の、そして役者としての“荒波”を乗り越えてきた二人が演じたからこそのものだったかもしれません。

まだ上映されていますので、定年間近、あるいは、今、仕事人生の岐路に立っているような人、または夫婦間で何らかの問題を抱えている人に見てもらいたいと思った映画でした。


【Now Playing】 須田慎一郎のニュースアウトサイダー / 猪瀬直樹、蜷川有紀 ( Podcast )

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