フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

2024/09/29

映画「Hit Man・ヒットマン」を見ました。

20240928_hit_man_001

映画『ヒットマン(Hit Man)/2023年 アメリカ 監督:リチャード・リンクレイター 脚本:リチャード・リンクレイター&グレン・パウエル 出演:グレン・パウエル、アドリナ・アルホナ』を見ました。

千葉劇場で見てきたのですが、とても面白い映画でした。

グレン・パウエル演じる主人公は、大学で哲学と心理学を教える傍ら、偽の殺し屋に扮し依頼殺人の「おとり捜査」に協力し、次々と依頼人を逮捕へと導き、それなりの成果を挙げていました。

そこに夫との生活に疲れ・傷つき、追い詰められた女性(アドリナ・アルホナ)が依頼人として現れ、殺し屋に扮する主人公はモラルに反し、超えてはいけない領域に踏み込み、殺人依頼を断り、夫と別居し新しい生活を見つけろとアドバイスしてしまいます。

 

 

20240928_hit_man_002

その後はその女性と恋をし、愛し合うことになってしまいます。

主人公は大学の講義のときにニーチェの言葉を生徒に示します。
「最大の成果や喜びを得る秘訣は、人生を危険にさらすこと」・・これを地で行ってしまうことになるのでした。

 

 

20240928_hit_man_003

前半から後半に入るところまでは、コメディタッチで笑いも多く、主人公のやさしい先生と無理をして殺し屋を演じる姿に「面白いなぁ~」と楽しく見ていたのですが・・。

後半途中から事態は急転し、主人公も恋仲になった女性もピンチの連続となります。
いったいどうなってしまうのか、と心臓ドキドキ状態になりました。

 

 

20240928_hit_man_004

この映画の見どころは、まさにこの急転直下なストーリーだと思いました。

ラストも意外といえば意外なもので、是非とも見ていただきたい映画、かなりな“おすすめ”映画でした。

 

2024/09/24

「恋愛作法/宇野千代」を読みました。

20240924_uno_chiyo_001

『恋愛作法 -愛についての448断章-/宇野千代著(集英社文庫)』を古本で見つけ、読んでみました。

宇野千代さんというと、真っ先に思い浮かぶのが『愛欲』という言葉です。
その宇野さんがなんと愛について448もの断章をここに示しているわけです。

恋の不可解、愛の不思議や愛の礼儀、恋の作法・・などいくつかの章立てがされていて、宇野さんの豊富?!な経験を踏まえた実例と考え方などが書かれていました。

いましたが、途中でもう「ご馳走さま」になりました。
もう、いいっ!勘弁してくれ、という感じになりました^_^;

出張の時に夫が駅まで送ってくれて、うれしくて泣いているのに、行った先で男と知り合い、そのまま帰らないとか、昔のことで教師同士の恋愛がご法度だった時に“きれいな男”だからと深い仲になり、宇野さんは教師を辞めさせられ、男の方は遠くの学校に飛ばされ、男からは「もう一切手紙でもなんでも連絡しないでくれ、仕事を失ってしまう」と手紙をもらうと列車に乗り、夜遅くその男の所まで行き、「来ないでくれ」と言われて拒絶されて泣きわめき、走り出し、追って来た男性が追いつくとそのまま崖下に落ち、落ちた瞬間恋が醒めてしまう・・という経験が書かれていたり。

たまたますれ違った画家に声を掛けられ、そのまま着の身着のままでその男と一緒に暮らしだす・・など、私にはもうついていくことが出来ませんでした。

ある意味“天才”です。
愛に生き、恋に生き、男に生き、自分の思うところに真っ直ぐな人なのです。

男に女ができたら、すぐにあきらめて、新しい自分の人生や恋を見つけ出そうとする。
だから、愛についての文は冴えわたるのですよね、そんな人でなきゃ愛欲の物語なんて中途半端になってしまうのでしょう。

最近では村山由香さんに少し同じようなにおいを感じます。
“打算”が無いのです。
愛欲一直線です。

小説としては面白いが、個人的にそのようなことが起こることを想像すると身震いしてしまいます。

あまりの愛欲ボリュームに圧倒され、読み終えました。
もう一か月くらいは愛欲の話題はいらない感じです。

 

2024/09/23

映画「エターナル・メモリー」を見てきました。

20240923_eternal_memory_001

映画『エターナル・メモリー(The Eternal Memory)/2023年 チリ 監督:マイテ・アルペルディ 出演:パウリア・ウルティア、アウグスト・ゴンゴラ』を見てきました。

チリの映画は初めて見たと思います。

著名なジャーナリストである夫のアウグスト・ゴンゴラと、国民的女優であり、チリで最初の文化大臣となった妻のパウリナ・ウルティアのドキュメンタリー映画です。

20年に渡り深い愛情で結ばれていた二人が、自然に囲まれた古い家をリフォームして暮らし、読書や散策などを愉しみ、日々を暮らしている・・。

そんな“あたたか”で“平和”な日々に突然、夫のアウグストがアルツハイマーを患い、記憶を少しずつ失っていくのです。
失われていく記憶には、最愛の妻、パウリナの記憶も。

この困難に直面した夫婦でしたが、妻が夫との生活を慈しみ、全面的に夫を支えていく現実に起こったストーリーでした。

 

 

20240923_eternal_memory_002

夫が奥さんのことを誰だかわからなくなっているシーン、過去の友人の死を泣きながら思い出すシーン、かつての自分がやってきたことを思い起こし愉快に誇らしくなるシーン、コロナ禍で人と会えず、家にずっと居る時に独りになってしまった、自分の書いた本が何処かに行ってしまうなどと幻覚のような症状を起こすシーンなどがあり、それをとてもやさしく、丁寧に話して説明しながら諭していく奥さん・・見ていて何度も泣いてしまいました。

二人で公園のようなところの木々の中を散策するシーンでは、夫から「私が死ぬまで一緒にいてほしい」という言葉が出て、二人が抱き合うところではもう涙が止まりませんでした。

今、私が求めているものは、こういう丁寧に作られた、人間らしい映画です。
暴力や、破壊、恨みつらみ、なんてもっとも私がいらないものです。

とてもいい映画でした。

 

俳句を詠んでみる_0232【 猫じゃらし もてあそばれる 恋心 】

20240923_nekojyarashi_001

「季語の花図鑑」で秋の季語を見ていたら、狗尾草(えのころぐさ)という名の草花が載っていて、写真を見ると“猫じゃらし”だった。
季語としても「猫じゃらし」が傍題として掲載されていたので、猫じゃらしの季語を用いて一句詠みました。

【 猫じゃらし もてあそばれる 恋心 】

《背景》季語:猫じゃらし[秋]
男と女の間には、どちらかが主導権を握っているということが多々あると思う。
主導権を奪われた方は、猫じゃらしで弄ばれる猫のようになってしまう。
“にしおかすみこ”風に言うと・・・「アタシだよっ!」・・ってことで、私自身が猫じゃらしで相手をもてあそんだことは・・・一度も無い。

 

2024/09/10

俳句を詠んでみる_0219【 あの女の南瓜 くやしいけど 煮る 】

20240910_pumpkin_001

ラジオ深夜便を聞き、その内容を妻に伝えたらそこから受けた印象で句を作ってきて、私がさらにそれをわかりやすくした、という句です(^_^;)

【 あの女の南瓜 くやしいけど 煮る 】

《背景》季語:南瓜[秋]
ラジオ深夜便のコーナーで、誰かに宛てて書いた手紙を番組で読むコーナーがありました。
老齢(77歳とのこと)を迎えた女性からのものが読まれました。
夫は自分とは別の女性と数十年前に婚約していたが、船員だったため、国外に居る期間が長く、日本に寄港する時には、その港に会いに来てもらうことになると言ったら、相手の女性は一人では行けないと言い、女性側の家族にも反対され破談に。
しかし、今になってその女性が知人を介して家に南瓜を届けてきたという話でした。
現在の奥さんは「この互いに人生の残り時間少ない時期に、あなたは今何をしようというのか。どういうことか。」という手紙を、そのかつての婚約者の女性に対して書いたというわけです。
その話を妻にしたら、その南瓜事件について怒りのこもった句を作ってきたので、私が他人の手紙で関係ないのにかつての婚約者である女性に対し怒っている妻の意を汲み、句になるように修正してみました。

※後日談
気になってNHK「らじるらじる」の“聞き逃し放送”で聞き直してみました。
深夜に寝ぼけていたのでしょう、人づてに届いた野菜は『ほうれん草』でした( ゚Д゚)
何たる勘違い!
かぼちゃで句まで詠んじゃった。
でも、かぼちゃの方がなんだか話として面白いような気がしました。

 

2024/07/28

俳句を詠んでみる_0175【 あの夏の 高校生が 妻となる 】

20240728_office_002
今までの句に詠まれた人で、どの人が奥さんですか。という質問をいただきました。
どの人かを説明していると長くなるので、あらたに一句詠みました。

20240728_office_001

【 あの夏の 高校生が 妻となる 】

《背景》季語:夏[夏]
27才の時、人事異動で新設の事務所に動いた。
従業員も多く、それをまとめるのは大変で、忙しい内に同僚の女性職員が病に倒れた。
その時、アルバイトに来てもらったのが、休み期間に入っていた女子高生だった。
いつも笑顔で挨拶もきちんと出来、事務所の皆にチーズケーキを焼いてきてくれたりもした。
仕事も真面目で、返事もはきはきとしていた。
女性として意識することなど頭の片隅にも無かったが、その子が進学し、卒業し、就職し、その後私の妻となった。

 

2024/07/23

「いちげんさん/デビット・ゾペティ」を読みました。

20240723_ichigensan_001

『いちげんさん/デビット・ゾペティ著(集英社文庫)』を読みました。
古本屋で手に取り、「これは何かありそう」と思い、購入しました。

この作品は、1996年に第20回すばる文学賞を受賞しています。
著者は1962年スイス、ジュネーブ生まれとなっていて、同志社大学を卒業され、その後テレビ局で記者兼ディレクターとして活躍されていると記されていました。

古本屋で棚から取り出し、チラッと見ただけで文章に独特の“みずみずしさ”を感じました。それがこの本を読もうとしたきっかけです。

この小説は著者ゾペティさんの経験も生かされていたのでしょうか、京都に下宿する外国籍の留学生のお話しでした。
そして、大学にアルバイトの依頼に来ていた母娘に興味を持ち、その家にアルバイトに行くことになるのですが、娘は成人していて家に居り、盲目なのです。
その盲目の女性に本を読んでさしあげるというお仕事。

最初のうちはたどたどしい日本語で色々な本を読むのですが、そのうち娘とも心が通じ合い、本を読むだけでなく、カラオケに行ったり、その外国籍の主人公が好きな中華料理屋にチャンポンや餃子を食べに出掛けたり、公園や文学記念館のようなところも訪ねます。

銭湯にまで女性は興味を持ち、連れて行くことになったりもします。

二人の交流の様子はもちろんストーリーの中心となっていますが、主人公の留学生が京都で経験する外国人への対応に疎外感を感じたり、ひょんなことからヤクザの親分さんへの取材を手伝うことになり、逆にそこには外国人としての区別がなく疎外感が無かったりして、その心模様の描き方も新鮮でした。

ドキドキするような留学生と盲目の女性との付き合い方、性愛の描写もありますが、不思議とドロドロしたものはなく、美しく感じ、こういう真っ直ぐな、そして潔い文章表現には今までほとんど出会ったことがありませんでした。

ストーリーもひねくれたようなところも無く、最後には何か心に染み渡るようなものがありました。

最初の“勘”は当たっていたようです。
心に残る良い小説でした。

 

俳句を詠んでみる_0170【 月涼し ナイフで切る泡 ビアホール 】

20240723_ginza_lion_001
初めて銀座のビアホールに行ったときを思い出して詠みました。

20240723_ginza_lion_003

【 月涼し ナイフで切る泡 ビアホール 】

《背景》季語:月涼し[夏]
二十代半ば、宴会以外に外でお酒を飲むなんてどうしたらよいのかわからなかった。
そんな時、付き合うようになった彼女は行動派。
仕事が終わって会ったら、そのまま電車に乗って「銀座に行こう」。
連れて行ってくれたのは「銀座ライオン」という老舗のビアホール。
重厚な煉瓦の内装、照明、絵画。
驚いて見ていると、サーバーから注がれたビールの泡をスパッとナイフで切って、そのジョッキが運ばれてきた。
勤務終了から一時間ちょっとで“大人”に変身しました。

 

 

20240723_ginza_lion_002

2024/07/16

俳句を詠んでみる_0163【 夏の夕 階下のクラリネット聴く 】

20240716_ongakushitsu_001

中学の頃の放課後の様子を詠みました。

【 夏の夕 階下のクラリネット聴く 】

《背景》季語:夏の夕[夏]
中学生の頃の放課後。
彼女は吹奏楽部でクラリネットを担当し、部室に練習に。
私はその音楽室の窓を階下に見る生徒会室で、彼女の練習の様子を見ながら、クラリネットの音を探し、その音色に耳を澄ましていた。

 

2024/07/07

俳句を詠んでみる_0154【 淡い恋 メロディの持つ 金魚鉢 】

20240707_melody_005
昔見た映画を想い出して一句詠みました。
20240707_melody_001

【 淡い恋 メロディの持つ 金魚鉢 】

《背景》季語:金魚鉢[夏]
高一の時だったか、体育館で卒業生のための映画会があり、全校で見たのが「小さな恋のメロディ」だった。
たぶん数年前に日本で公開されたもので、当時中学の同級の女の子達は主人公の二人の(たぶん設定は中学生くらい)淡い恋の様子に夢中になっていたみたいだった。
私は初めてその高一の時に見たが、まるで自分が中学生の時の様子がそのまま描かれていると思うくらいにドキドキしてキュンとなる内容だった。
記憶が定かではないが、ビージーズの美しい歌声とともに主人公の女の子、メロディ(トレイシー・ハイド)が金魚売りから金魚を買い、途中、街中の水飲み場のようなところに水を溜め、金魚を泳がせる夢のように美しく可愛いシーンがあったように思う。
その時にメロディが金魚を買ってうれしそうに走る様子を詠んだ。
実際は「鉢」は持っていなかったのかも、ビニール袋だったのかもと思い、調べてみたら写真のように“取っ手”のついた瓶のような金魚鉢だった。

 

より以前の記事一覧

2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

最近のトラックバック