「逆境を乗り越える技術/佐藤優・石川知裕」を読みました。
『逆境を乗り越える技術/佐藤優×石川知裕(ワニブックスPLUS新書)』を読みました。
古本で見つけましたが、十年近く前の本です。
著者というか、この本は佐藤優氏と石川知裕氏の対談形式で構成されているのですが、このお二人はともに過去、東京地検特捜部に逮捕され、有罪判決を受けた外交官と衆議院議員としてご存知かと思います。
佐藤氏の逮捕から判決までのことについてはご本人が書かれた本があります。
さらに石川氏については今回ご紹介しているこの本に当時の様子なども語られています。
その経緯については、あの当時の騒ぎから徐々に様々な事実が語られていますので、ここでは触れません。
私が気になったのは、タイトルにあるように「逆境を乗り越える」にはどうすればいいのか、という部分で、そこが読みたくて手に入れたのです。
佐藤氏も石川氏も、東京地検特捜部の目的の“本丸”は、お二方の上にいる鈴木宗男氏であり、小沢一郎氏でした。
“ハナ”から「国策捜査」として進められたものであり、有罪は動くことのないものとして二人は逮捕され、鈴木宗夫氏は逮捕されましたが、小沢一郎氏については当時の石川氏の状況を見た佐藤優氏から石川氏への経験に基づくアドバイス(取り調べ時の様子をIC録音して証拠として後に提出する)が生きて、石川氏の逮捕のみという結果になりました。
この本で、佐藤氏が何度も言っているのですが、最初から決められた結果は、個人対組織としての戦いになるので、覆ることはないというものでした。
自分として納得がいかない、そして事実は異なる、正義を貫きたい・・などと思っても決められた結果は動かないので覚悟して、一定のところで自分の今後について考え、捲土重来を期すなどとは考えず、目標をもっと下のところに置いて生きていくのがいいのだ、と書かれていました。
意外な展開でしたが、でもそれが現実であり、真実なんじゃないかと思いました。
私も仕事上で、あるいは職場の人間関係で、問題が発生した時に明らかに相手方に非があったとしても、それは相手が組織であれば、もう勝ち目はほぼ無いので、自分の身の振り方を考えておいた方が良いのです。
そういうことが書かれていました。
なんだがっかり・・と思うなかれ、仕事や人生ってそういうものだと、私もわかったのはつい最近ですが、そういうものでした、結果として。
生きてきて、特に仕事上で相手方に大きな「瑕疵」「非」があったうえで自分が責めを負い、逆境に立ったことが何度かありました。
結論としては、相手が組織であれば個人的に争って勝っても、結果的に組織が動き出してこちらが負けるという形になる・・のでした。
一度だけ、「死なばもろとも」という大反撃を行ったことがありましたが、双方“痛み分け”という結果がせいぜいでした。
そんなこんなを思い出しつつ読了。
人生の辛酸をしみじみと感じたのでした。
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