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2023/11/12

下重暁子さんの「自分勝手で生きなさい」を読みました。

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『自分勝手で生きなさい/下重暁子著(マガジンハウス)』を読みました。
古本で手に入れたのですが、2020年第一刷発行となっています。

読んでいくと、著者、下重さんが執筆されている時期は、まさにコロナ禍“真っ只中”で、コロナワクチンもまだできていない頃でした。

つまり、人々がコロナを怖れ、街にあまり人がいなくなり、仕事もリモートで行うようなことが多くなってきた時期です。

そんな時だからこその下重さんの「自分勝手」理論が生きてくるという形で書かれていました。

当時、私も、私の周囲も、そして世間の様子も、政府や指導者などに「こういう風にしろと決めてくれ」というような意見が多かったと思います。
決めてくれたらそれに従うから・・みたいな考え方がかなり中心的なものでした。

でも、下重さんは「このコロナ禍で生活形態、仕事の進め方などが様々な変化をみせている、そのような時に今までのやり方を見直して、チャンスだから“自分勝手”な生き方を探ってみてはどうかと主張されています。

政府などが指針を示しても、それはあくまでも指針で、そこから自分なりの考えで動いてみたらどうかというわけです。

“まわりに流されず”、ある意味「わがままを貫く」、そんな個々の生き方、生活の仕方、仕事の進め方があってもいい、というのです。
たしかに、あの頃の混乱の中で今までと異なることを試行する中で「これはこれでいいじゃないか」と思うこともありましたし、今までの固まってしまった考え方をもっと柔軟なものにしてもいいんじゃないのか、と思うことが私にもありました。

大事なことは、様々な困難を伴う環境が突然やってきても、それは「自分のやり方、生き方」があれば、ある程度自信をもってやっていけるんじゃないかというお話です。
私はかなり納得してしまいました。

人はどう思うだろうか、とか、世間的にこれはどうもいかん、などという考え方を優先していると、人生そんなことばかりにとらわれて、つまらないものになってしまうかもしれません。

自分なりの生活の仕方、趣味の持ち方、考え方などが例示されていて、ワクチンも出来、コロナ禍がある程度落ち着いた今読んでも実に興味深いものでした。
けっこう“心の支え”になるような本だと思いました。

 

2023/10/09

中島らもさんの「ビジネス・ナンセンス事典」を読みました。

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『ビジネス・ナンセンス事典/中島らも著(講談社)』を、これまた古本で見つけて読んでみました。
1993年に発行されたものです。

この本の内容は、中島さんが若い頃、印刷会社に入って営業で苦労した話がほとんどで、その後CF制作の仕事に就いてからの苦労話も入っていましたが、サラリーマンとして生きていくためには「こんなこともしなくてはならない」というような笑えないけど笑っちゃうような話が満載でした。

営業で飛び込んだ会社にいた意地悪でいやぁな感じの人の描写などは、仕事をしていれば必ず出会う、思わず“あの人のことだ”と叫びたくなるような見事なもので、皆苦労しているな・・と自分のことも思い出したりして、苦い思い出がよみがえりました。

中島さんは、そんないやなサラリーマン生活を何年か過ごしたわけですが、そのくぐり抜け方がウマいというか、達観しているというか、なんとか“のらりくらり”と切り抜けています。

世の中、あまりに深刻に考え込み(私のことか^^;)日々苦しみながら仕事人生を歩む人が多いわけですが、もっと早くにこの本を読んでいれば、別の視点を持つことが出来て、案外うまく立ち回れたかもしれません。

イヤな人と、愚かな人、意地悪な人や怠け者、お調子者にエリート気取りの男など、まるで図鑑のように様々な人物パターンが提示されていて、そんな人達の中でどう生きていくか、中島さんがどう立ち回ったかが面白可笑しく書かれていました。

今になってやっと私もわかってきたことです。
人は皆、人生も終盤に入って、やっと少しずつ色々な不条理についてわかってくるものだと感じました。

 

2023/05/23

「新聞記者 司馬遼太郎/産経新聞社(著)」という本を読みました。

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『新聞記者 司馬遼太郎/産経新聞社・著(扶桑社・発売)』という本を読みました。
司馬さんが、かつて新聞記者であったということは知っていましたが、どんな状況下で、どういう仕事をしてきたのか、約15年ほどあったその期間の司馬さんについて書かれた文献などにもふれてこなかったので、興味深く読みました。

そしてこの本は、司馬さんが戦後の混乱期に新興の新世界新聞や新日本新聞という今はもうない新聞社を経て、やがて産経新聞社に入り記者生活をしていた頃のことが書かれています。

記者というと、駆け出しの頃は事件を担当し、警察署などを回るのですが、司馬さんは宗教・大学などを担当していたそうです。
それも産経新聞時代から京都にいたので、西本願寺、東本願寺などを中心とした宗教関係の人たちや、京都大学周辺の学問・研究などの関係にも人脈が広がっています。

しかも、寺院や大学内に出来た記者クラブなどに出入りし、その間、多くの本も読めたし、研究することも出来たようです。
知識の塊のような司馬さんの話が何よりも面白い、というのが当時を覚えている人たちの記憶に残っていて、有名な作家などにも「その話をそのまま小説にしたらいいものになる。」などとアドバイスを受けたりしています。

また、その時代に司馬さんが“記者としてのあり方”を説いてくれた先輩二人に出会い、その考え方はずっと司馬さんの心の中にあったということもわかりました。

《新聞記者は、その無名性と新聞の公共性を武器に権力や権威の中枢に容易に接近して取材できる。そこで得られる情報の機密性、意外性は一般人の及ぶところではない。》

司馬さんの直木賞作品「梟の城」の主人公である忍者の行動は、そっくり新聞記者のそれではないかと思われると書かれていました。

出世も求めず、特ダネを取っても無名性の中にただ存在し、記者としての人生を淡々と生きる先輩を最後まで心から尊敬していた様子も書かれていました。

さらにエピソードとして大御所の作家が連載小説の原稿が間に合わず、連載が“落ち”そうになったときに、記者であった司馬さんが空いてしまった一回分をその作家がいかにも書きそうな書きぶりとストーリーで書いてしまい、そのまま載せてしまったエピソードも書かれていました。

その大御所作家が「著者病気のため」などと書かれて空白となった連載スペースを見ようと新聞を広げると、なぜか小説の続きが載っている。しかも面白い。

ということで、その作家は怒らず、「これはいったい誰が書いてくれたのだ」という話になり、司馬さんの筆力に驚いてしまったということです。

などなど、いろいろな話題と共に司馬さんの新聞記者時代のことを書いたこの本、面白く読みました。

 

2023/05/20

「何をしてもうまくいく人のシンプルな習慣/ジム・ドノヴァン」という本を読みました。

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『何をしてもうまくいく人のシンプルな習慣/ジム・ドノヴァン著 弓場隆訳(ディスカヴァー携書)』という本を読みました。

いつもならあまりこのような本は手に取らないのですが、ポジティブに考える方法や、立ち直る力を身につける、などの章立てや項目が気にかかりブックオフ去り際にこの一冊を加えました。

私にとってはちょっとショッキングなLineを受け取った直後にお店に入ったので、そのことが頭から離れず、思わず手に取ってしまった・・というわけです。恥ずかしい話、“うろたえて”いたのです、みっともない・・。

でも、この本で言っていることも一部参考に、自分が思っていることを正直に丁寧にLineの返信をしたら、私が思っていたような深刻なものではもともと無かったようで、結果としては良かったと思える顛末となりました。
・・・よかった。

さて、せっかくのこの本のご紹介なので、少しだけ私が気になった部分について書いてみます。

『私たちは解決のめどが立たない愚問を自分に向かって発している。たとえば、「私はどうしてこんな目にあうのだろう?」とか「なぜもっといい仕事(恋人)が見つからないのだろう?」といった具合。自分に向かってこういう愚問を発することで、幸福を阻害する。』

という部分でした。

答えを見つけようとしても心の中で堂々めぐりを繰り返し、質問の答えが見つからないというわけです。

「それを実現するために自分の取るべき行動は何だ?」という考え方をしなければいけないんですね。
私も今まで“堂々めぐり”的な自問をしていたことが多かった・・と思います。

ついでにもうひとつ。

マーク・トウェインの言葉を「人との関わりを築く」という章の最初に取り上げていたのが心に残りました。

『自分を元気づける一番いい方法は、誰か他の人を元気づけてあげることだ。』

という言葉です。

これは、わかるような気がします。
人を元気づけているうちに、自分自身も元気づけている・・というようなことはあると思います。

たまたま見つけて、あわてて買った本ですが、少し役立てることができました。
ああ、よかった。

 

2023/04/27

諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知りました。

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Facebook友達の記事の中で諸橋昭夫先生が亡くなられたことを知り、先生の優しい表情を思い出しました。
その方の記事にも書かれていましたが、まさに『自治体の電子化において官民を繋いできた』方でした。

私は“素人”なのに情報関係の部署に異動し、職員8800人の情報系システム(メールやグルーブウエア、スケジュール管理、社内SNSなど)の構築と、さらに基幹系システム(事業活動を行うための業務システムと言えばいいのか)で使われているネットワークを情報系と統合しようという仕事をすることになり、勉強の日々でこれから先を考えると目の前が真っ暗になっているときに先生との出会いがありました。2007年のことでした。

仕事を進めるにあたり、学識経験者の意見を伺うことになり、お一人は大学教授、そしてもうひと方が行政情報研究所所長の諸橋先生でした。

川越に先生を訪ねることになったのですが、指定され、待ち合わせた意見聴取の場は、レトロで素敵な喫茶店でした。
やさしく、やわらかな物腰の先生らしい場所でした。
部下数人共々そこで美味しい珈琲をいただきながら先生の貴重で、しかも想像とは異なる現実の業務の進め方について指摘をいただきました。
厳しい意見もいただきましたが、私にはとても参考になりました。

 

 

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意見聴取が終わると、「川越の街をご案内しましょう」という意外な展開にちょっと驚きましたが、小江戸川越の街並みを案内していただき、菓子屋横丁などにも寄り、さらに古い神社仏閣などもご案内いただきました。

お寺の境内に入ったときに突然の雨に見舞われると、先生は境内にある茶店に雨宿りしようと皆を呼んでくれ、そこで「ところてん」などを食べつつ雨宿りするという風流なことになったあの風景も思い出しました。

その後も先生にお聞きすることがあると、「東京駅で待ち合せましょう」と、駅構内の喫茶店などでお話させていただいたこともありました。そのときもとても親身になって相談に乗ってくださいました。

無事にネットワーク統合と情報系システム構築の仕事を終え、私は東京事務所に異動となりました。
もう情報関係、IT関係には関わりが無くなったものの、先生は私が東京で始めた地元を紹介するFacebookPageを日々見ていただいていたようで、ある日私が省庁回りで不在にしているときに事務所を訪ねて来られたそうです(そのときの上司から聞いた)。

そして、私のことを上司二人に話してくださったとのこと。
「あなた達上司は、〇〇さんの書かれているものを読んでいるのですか。読んでおられるならあの文章力に対して何も感じないのですか。よく人を見なさい。」と、言って去って行ったとのこと。

名刺をもらったのに、上司は「あの人は誰なんだ」などと私が帰社したら言ってきて、片方の上司はかつて情報部門にいたのだから先生のお名前くらいは知っていなければならないのに・・困った人達でした。

その後もさいたま市さんが企画した官民の交流会などで顔を合わせることもありましたし、私の個人のブログなどにも目を通していただいてコメントも何度もいただきました。
今でも先生独特の人と人を結びつけるあの“たたずまい”、やさしい表情、物腰が目に浮かびます。
諸橋先生、ありがとうございました。
仕事でも大変お世話になりましたが、そのほかでも教えていただいたことが多々ありました。
先生のことは忘れません。

 

2023/04/08

「島耕作も、楽じゃない。」を読みました。

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『島耕作も、楽じゃない。/弘兼憲史著(光文社新書)』という本を読みました。
これもブックオフで見つけたものです。2016年初版発行となっていました。

著者、弘兼さんは言わずと知れた、「漫画 課長・島耕作(※やがて会長・島耕作にまで出世)」の作者です。
私もそのコミックスをお医者さんの待合室や、その他いろいろなところで読んだし、時にはブックオフで何冊か買ってきて読んだこともあります。

いわゆる会社員の“出世物語”ですが、けっこう“お色気路線”的な部分もあり(※この本を読んだら、元々は出版社側の要望でそういうものを描けということだったらしい)、また周囲の人達の人生模様も描かれ、さらにこの漫画には必須というか、悪い人が悪だくみするシーンも満載です。

そんな漫画の主人公「島耕作」の生き方を中心に『仕事・人生・経営論』という展開で書かれた本になっていました。

弘兼さんは会社員人生というか、組織での人の動き方や、内部の状況を細部に渡って描かれていて、この知識というか、経験的なものはどこから?といつも疑問に感じておりました。

読んでみたら、弘兼さん、大学卒業後に松下電器に就職され、三年間の日々を過ごされていたとのこと。わずか三年間で様々なことまで、しかも“機微にふれるところ”まで体得していたようです。もちろん、これも書かれていましたが、様々な人達への調査、インタビューなどもかなりされてきたわけですが。

この本は、弘兼さんが思う『仕事を通じた人生』を俯瞰するような形で書かれたもので、成功する人でも「実力半分、運半分」だとあらかじめ思っていた方がいいのだということも書かれていました。

後半には、世間でもよく知られている成功者と言われている人達へのインタビューも掲載されていました。
ファーストリテイリングの柳井氏や、九州旅客鉄道の唐池氏などのお話は、まさに島耕作の“リアル版”みたいでしたが、私のような人間には、その考えが遠い世界のことのようで、ただ呆然として読み進むしかありませんでした。
ようするに、私の人生には“関係ない”ことなのでした。

読んで面白い本でしたが、仕事に生きるって大変だよな、それだけで生きていたらつらいよな、と、この歳になって日々感じていることをあらためて感じさせてくれるものでした。

 

2023/03/22

糸井重里さんへのインタビューを中心にした「すいません、ほぼ日の経営。」を読みました。

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『すいません、ほぼ日の経営。/川島蓉子・聞き手 糸井重里・語り手 (日経BP社)』を読みました。ブックオフで見つけた5年ほど前の本です。

この本は、日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つジャーナリスト、川島蓉子さんが、社名を「有限会社東京糸井重里事務所」から「ほぼ日刊イトイ新聞」に変更し、2002年に株式会社化、さらに2017年には東京証券取引所ジャスダックに会社を上場した糸井重里さんにインタビューする形でまとめられたものです。

私が存じ上げているのは、糸井さんがインターネットが一般的になり始めた頃に、「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトを立ち上げ、“ほぼ日刊”どころか毎日書き始めた頃からの「ほぼ日」の活動です。

そして、一番印象に残っているのが「ほぼ日手帳」というヒット作を生み出したこと。
今や、手帳というと、「ほぼ日手帳」というひとつのジャンルみたいなものにまでなっていて、たぶん売り上げもかなりのものだろうな、と想像できるまでのところです。

会社名を「ほぼ日」にしたところまでは、そんなこともあるだろうと思いましたが、まさか株式会社化して東証上場なんて「ほぼ日」には“似合わない”と思ったのですが、この本の中でも多くの人がそう思っていたことが糸井さんへのインタビューの中でわかりました。

でも、そんな組織化をしてもなお、「誰かがこんなものが欲しいな」と思うものを見出して提供するような姿勢、さらに強くはあるがやさしい姿勢、企画書もなく、「こんなのどうでしょう」「いいね、じゃやってみようか」みたいな動き方、人事はピラミッド型でなく、人体模型図型?!、予算も組まない、部署ごとに部屋があるわけでもなく、席替えを度々して経理関係の隣に実働部隊がいたり、総務関係がいたりで、互いの仕事がどういうものかわかっている、さらに専門分野で人が固まるわけではなく、“お手伝い”として部署を飛び越えて仕事をする、・・・などなど、およそ会社組織という観念からは逸脱した形態をしている「ほぼ日」という会社のあり方に驚くのでした。

読んでいて、一般の組織が真似してもいいんじゃないかと思うこともありました。
創業者がトップの会社などによくある“トップダウン型”の命令系統が会社そのものを硬直化させている状況には、もっと“緩くて”下からもアイデアが遠慮なく飛び出すような形へのヒントが「ほぼ日」にはありました。

目標値達成のためには、無理にも無理を重ね、「一日100件、営業回って来い」的な話もよく聞きますが、それって効果があるのかな、と糸井さんも語っていました。

また人事評価のために、困難というか、果たして実際はそれがいいものなのか、会社のためになるのか、という難易度の高い目標を敢えて掲げて、部下にも無理強いしてそれを達成させる人(こういう人が“できる人”と勘違いされ、皆が結局言うことを聞くようになる)を私も自分がいた組織で何人も見ましたが、最終的には人を疲弊させ、組織も硬直化し、何より、達成した新たなシステムが使いずらく、仕事の足枷になっているという事態を生み出していました。

この本を読んでいると、近未来の日本の会社のあり方のヒントになるようなものが少しエッセンスのようにふりまかれていたように感じました。
経営者や、管理職の人が読んだらいいなぁと思いましたが、絶対に読まないだろうな、とも思いました。
以上です。

 

2023/03/02

「悩むが花/伊集院静」を読みました。

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『悩むが花/伊集院静著(文芸春秋)』という本を読みました。
伊集院さんの本は、このブログでもけっこうご紹介していますが、またブックオフで見つけちゃいました(^^;)
「人生相談本」です。

相談内容は、相変わらずというか・・新入社員が上司からの理不尽な要求に悩んだり、上司は上司で部下が言うことをきかない、そして私をバカにしているんじゃないか、などというもの、さらに女性の会社員から「自分の周囲は仕事も出来ない、頭が悪く、考え方に“キレ”がない、こんなやつらばかりじゃ結婚する相手もいない」などというもの、ギャンブルに勝つにはどうすりゃいいんだ、とか、美人にモテる方法を教えてくれ・・(^_^;)などなど、伊集院さんもあきれたり、どやしつけたり、丁寧に諭したりです。

この伊集院さんの回答ぶりが、もう『芸』の域に達しているというか(^-^;読んでいて実に面白い!
なのでまた買ってきて読んでしまう、ということになるのでした。いつものことです。

叱ることが多い伊集院さんですが、時には必死に生きる人、困難に立ち向かう若者などには実に力強いエールを送ります。
こういうエール、私も若い頃に欲しかった・・と思いました。

伊集院さんが回答の中でおっしゃっていたことで、そうだよ、そうだよ、と思ったことがありました。

「頭が切れる男と評判の奴くらいつまらない男はいないから。“頭が切れる”とか“カミソリみたいな頭”と言われている男は自分以外の男を皆クズだと思ってるんだから。そんな傲慢な奴がいかに鼻持ちならないかは少し社会で人間を見た者なら誰でも知ってるよ。」

という言葉です。
長いこと生きてきて、仕事をしてきた中で、私もそう思っていました。
実物を何人も何人も見てきました。
あんなヤツの言うことなんかまともに聞く必要はなかったと、今にして思っているのでした。そのときはわからないんだよねぇ(^_^;)

あっという間に読み終えた「悩むが花」、まだまだ伊集院さんの“相談もの”の本、持っていますので、また読んだらご紹介しますね。

 

2023/01/10

「プロフェッショナル100人の流儀(珠玉の名言集)」を読みました。

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『プロフェッショナル100人の流儀 -珠玉の名言集-/藤尾秀昭監修(致知出版社)』という本を読みました。
いつもどおりのブックオフで購入。

監修されている藤尾秀昭氏は、月間『致知』編集長で、≪人間学≫をテーマに一貫した編集方針を貫いてきた方とのこと。

この本に登場する100人の著名人の方々は、それはもう立派な人ばかりで、そのお言葉は参考にするには私のような凡人にとって厳しいものばかりでした。

いくつか私が気になったものをあげてみると・・

「地球上で最も必死に考えている人のところにアイデアの神様は降りてくる/森岡毅(ユー・エス・ジェイCMO)」
・・・何度も壁に直面し、その都度、歯を食いしばって、執念でアイデアを振り絞ってきた、泥臭い積み重ねです。と書かれていました。
たぶんこういう人は何百万人にひとりなのかもしれない。凄すぎて私には想像もつかない世界です。

「嫉妬しているうちは本当の福は回ってこない/小出義雄(女子マラソン指導者)」
・・・これはなんだか私にもわかります。自分のことで思い返してみても、“嫉妬”したときというのは、その後ろくなことになりません。素直に「よかったね」と思うと、なぜか物事が好転することがありました。

「信用は使ってはならない、使わなければどんどん増えていく/黒田暲之助(コクヨ会長)」
・・・先方の言葉に甘えて信用を使い出すと、長い年月をかけて血のにじむような努力によって蓄積したきた信用が取り崩されてしまう。お金は減ったらわかるけど、信用は目に見えないだけに減っていることがわからない。信用は使わなければどんどん増えていく。そんなことが書かれていて、「なるほど」と思いました。
溜まっていた信用を使い出した途端に一気に人としての信用を失った人・・何人か見たことがあります。

上記のようなお言葉が100人分、・・読んでいるだけで“疲れ気味”です(^-^;

 

2023/01/02

「静かに 健やかに 遠くまで/城山三郎」という本を読みました。

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『静かに 健やかに 遠くまで/城山三郎著(新潮文庫)』を読みました。
これもブックオフで110円で見つけたものです。
暮れから読み始めたのですが、新年となりタイトルも新年らしくていいな、と思いつつ本日読了。

城山さんの小説や随筆、インタビューなどの著書から、これはという文を抜き出して集められたものです。
けっこう響く言葉がたくさんありましたし、教訓になるものや、これから心がけねばならないと思うこともありました。

少し私が気になったところをピックアップしてみます。

「塩野七生さんのベネチアの話を読むと、ベネチアは商人国家だが、政治家になって権力を持った人は、そのポストについていた期間、次には休まなくちゃいけないと定められていたそうです。これなんかは、一つのチェックシステムだと思うんです。こうしたチェック機能があったから、商人国家が続いた。日本の社長は、自分の任期を自分で延ばしちゃう人もいますから。けじめをつけない社長は、何かあったら、ほかの役員以上に重いペナルティーをかけてもいいですね。」

という一文です。
どこかの国の指導者などは、自分が偉くなると自分の任期を延ばしたりしているし、どこかの国の首相になった人が辞めたあとも、まるで“院政”のごときふるまいで現行の首相を操っているようにも感じます。
辞めたらもう政治の世界からいなくなってほしい人が多々いらっしゃいますし、「辞めたら後がない」覚悟でその任期に命を賭けてほしいと思う昨今です。

次の気になった一文。

「将軍には将軍の使命があり、参謀には参謀の仕事があり、そして兵には兵の・・・。しかし、真の将軍というものは、兵士以上に兵士のことを知り、まず兵士のために憂える人でなくてはならぬ。兵士に先んじて憂え、その楽しみは兵士より後にすべきである。」

そのおとりです。
最低の将軍は「絶対安全」の場所に閉じこもり、高みの見物に終始する。そして、兵士より先んじて楽しみ、危うしと見れば、兵士より早く遁走する・・。
今や、こんな人ばかりです。
軍事費を倍増し、軍備を拡大し、危うい状況をつくり、いざとなったら自分はどこかで高みの見物を決め込むのでしょう。

長文になりついでに、もうひとつ。

「通勤苦ひとつとってみても、組織の中で生きるとは、たいへんなことである。ときには、やりたくない仕事をやらされ、好きな仕事には就けぬ。顔も見たくない上司に仕え、蹴と飛ばしたい思いのする部下にも耐えねばならぬ。」

なんだか私の人生を振り返ってもらったような気になりました(^_^;)

上記のような文が満載のこの本、とても勉強になり、ぐっと私の心に入り込みました。
良い本でした。

 

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