フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

2022/11/17

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Undercurrent / 1960》 Kenny Drew

20221117_kenny_drew_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ケニー・ドリューのアルバム、「アンダーカレント」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。

Kenny Drew/p
Freddie Hubbard/tp
Hank Mobley/ts
Sam Jones/b
Louis Hayes/ds

①Undercurrent
②Funk-Cosity
③Lion's Den
④The Pot's On
⑤Groovin' The Blues
⑥Ballade

この1960年のアルバムには、新しい“風”を感じさせる勢いと溌剌さがあります。
ブルーノートのレコーディングは、ピアノ奏者のリーダーアルバムについて、トリオ編成でなく、管楽器を含むものが多いように感じますが、それは逆にリーダたるピアノ奏者の作曲・編曲能力が試されることになります。
まさに、その能力を発揮したアルバムと言えると思います。

“勢い”だけでなく、知的でセンスあふれるフレーズも随所でみられ、なかなかの作品に仕上がっています。

さらに、このアルバムの作品6曲は、すべてドリューの作曲からなっています。彼の作曲能力も非凡で、そして清新なものがあります。

このアルバムにダイナミックな心地良さを加えているのが、ハバードのトランペットとルイ・ヘイズのアクセントが効いたドラムです。
この両者の演奏も聴きどころだと思います。

全体に軽快感と、センスあふれる快作になっていると思います。


〈追記〉2022/11/17

このケニー・ドリューのアルバムについてブログでホームページを復刻するにあたり、再度聞き直しました。
上記、当初掲載の記事にあるように軽快感もあるし、とても“カッコいい”作品ばかりです。
そして管楽器が入ってくるタイミングも抜群だし、それぞれのフレーズも心地よいものがありました。
まさに「ジャズを聞いている」って感じがします。
いいアルバムでした。

 

2022/11/08

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Joni Sings / ※1950年代》 Joni James

20221108_joni_james_001
十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ジョニ・ジェイムスのアルバム、「ジョニ・シングス」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。

Joni James/vo

①My Foolish Heart
②I Don't Stand A Ghost Of A Chance With You
③Stella By Starlight
④A Hundred Years From Today
⑤Song Of Surrender
⑥Everything I Do
⑦If I Were A Bell
⑧My Darling,My Darling
⑨On A Slow Boat To China
⑩I'll Know
⑪Spring Will Be A Little Late This Year
⑫Anywhere I Wander

ジョニ・ジェイムスは、1930年代シカゴ生まれのシンガーです。1950年代に二十歳そこそこの彼女は200万枚以上のセールスを記録するヒットなどを立て続けに飛ばしていたようです。

このアルバムは、ビクター・ヤングとフランク・フレッサーという当時のポピュラー・ミュージックきってのメロディ・メーカーの作品を歌ったものです。いや、実に美しい歌声です。私が生まれる前の、このシンガーに恋してしまうほどの美しく、慎ましやかで、清楚な、そして艶っぽい歌唱です。

 

 

20221108_joni_james_002

決して原曲の良さをこわさない、ストレートに歌っているにもかかわらず、個性的で魅力的な、究極の歌い方ではないかと持ち上げてしまいます。

有名な「マイ・フーリッシュ・ハート」や「星影のステラ」「ソング・オブ・サレンダー」などなど、どの名曲も丁寧に、美しく、のびやかに歌い上げています。

1950年代に胸をときめかせて聴いていた野郎ども・・いや、殿方はいまや70代の老人となっているわけですが(※ホームページ作成時)、今現在の私でも胸ときめかせてしまうのです。

 

 

20221108_joni_james_003

何年か前にラジオ日本の番組「オトナのJazz Time」で、このジョニ・ジェイムスの歌が掛かり、ジョニのエピソードを当時の司会、島崎保彦さん(故人)が話していたのを思い出します。

ジョニと結婚した男性は、事業家でお金持ちだったらしく、旅先などでもレコード店に寄り、ジョニのレコードがあったら全部買ってしまったんだそうです。
店はジョニのレコードが品不足になり、ジョニの自宅には同じレコードがいっぱい!!

ようするに、だんなさんは奥さんの「ジョニの美しい歌声をほかの男に聞かせてなるものか」と嫉妬して次から次へとお店で見つけた奥さんのレコードを買い占めていたんだそう・・(^-^;・・ものすごい“やきもち焼き”だったんでしょうね。

それほどジョニ・ジェイムスは美人で歌声も美しく、素敵な人だったのでしょう。

今回このブログでホームページを復刻するにあたり聞き直してみたのですが、どこまでも“澄んだ”歌声に私もうっとりいたしました。
ジャズのボーカルというと、どこか“ひとくせ”ある歌い方をするのが魅力だったりするのですが、それとは対極にあるものです。

たまにはこういう“裏の無い”純粋で真っすぐな曲と歌声というものも良いものです。

 

2022/10/28

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Off To The Races / 1958》 Donald Byrd

20221028_donald_byrd_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ドナルド・バードのアルバム、「オフ・トゥ・ザ・レイシズ」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。


Donald Byrd/tp
Jackie Mclean/as
Pepper Adams/bs
Wynton Kelly/p
Sam Jones/b
Art Taylor/ds

①Love Come Back To Me
②When Your Lover Has Gone
③Sudwest Funk
④Paul's Pal
⑤Off To The Races
⑥Down Tempo

一曲目から軽快に飛ばします。快速状態で飛ばすドナルド・パードに続いて、バリトン・サックスのペッパー・アダムスが“バリバリ”と割り込んで、もうジャケット写真のクルマにでも乗っているかのように爽快感満点です。
テーマのメロディーもいいっ!

いつも思うのですが、この1950年代後半くらいのレコーディングされた音は素晴らしい。プレイヤーの勢いがこちらまで伝わってきます。
アルト・サックスのジャッキー・マクリーンも余裕の吹きっぷりです。

二曲目は打って変わってスローな曲調。
バードはこうしたスロー・ナンバーも哀調豊かに奏でるのです。好きになっちゃうよなぁ。
トランペットの音色も素晴らしい。

次はウィントン・ケリーのピアノから入り、印象的なテーマが始まるカッコイイ曲。
こうして高らかに鳴るトランペットがバードのいいところです。マイルスのくぐもったような演奏とは好対照ですが、ジャズの魅力はさまざまですからね。
サム・ジョーンズのベースもこの曲にぴったりなフレーズを弾き、曲の展開をぐいぐいと引っ張っている感じがします。

四曲目はソニー・ロリンズの曲。つま先立ちで入ってくるような不思議な入り方のこの曲、テーマに移るときにグッとくるメロディー展開が聞きものです。その後のジャッキーのアルトが大人のジャズを浪々と聞かせてくれます。
この曲もいいです。

五曲目はアルバムタイトルと同名曲。
参加メンバー全員が代わる代わる“いいところ”を聞かせてくれるサービス曲的な感じ。
ウィントン・ケリーのファンである私にはウィントンの冷静だけど“グイグイ”進んでくる感じが好きなのです。
アート・テイラーのドラムで最後は締めてくれます。

ラストは、ダウン・テンポという曲ですが、テンポは快調(^_^;)
トランペットとサックスが二重に奏でるテーマが小粋な小曲です。
ベースのサム・ジョーンズのソロも有り、なんかジャズ喫茶にいるような雰囲気。
バリトン・サックスの艶やかさもこの曲をいっそう魅力的に仕立てています。
ラストまでいい曲ばっかり!(^_^)

[当時のホームページ更新日:2011_06_11  今回追記日:2022_10_28]

 

2022/10/07

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《New Soil / 1959》 Jackie Mclean

20221007_jackie_mclean_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ジャッキー・マクリーンのアルバム、「ニュー・ソイル」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。


Jackie Mclean/as
Donald Byrd/tp
Walter Davis Jr./p
Paul Chambers/b
Pete La Roca/ds

①Hip Strut
②Minor Apprehension
③Greasy
④Sweet Cakes
⑤Davis Cup

いきなり、一曲目から緊張感満点で始まります。
ジャッキーのアルトの音色に私はいつもしびれます。

サックス奏者の中村誠一さんが割と最近ラジオでおっしゃっていたのですが、私も感じていたこと。ジャッキー・マクリーンのアルト・サックスの音は他のアルト・サックス奏者とはまったく異なるものです。
似たような音色で演奏するミュージシャンには出会ったことがありません。
この独特な音色がジャッキーの魅力のひとつでもあると思います。

時間をかけてリハーサルをさせてくれたブルーノートの扱いにたいへん満足していたジャッキーは心ゆくまで自分の音楽を追究し、この一曲目からかっこよさ爆発です。
ドナルド・バードのトランペットも次から次へとかっこいいフレーズを紡ぎ出します。
ピート・ラ・ロカのドラムも実にクール。リズムを刻むシンバルの音もピーンと張り詰めたような音で身が引き締まります。

二曲目も最初から飛ばしまくります。
トランペットとアルト・サックスで始まるこの曲は、いきなりガツンとくるようなテーマで、聞いているこちらも目を覚まして( ̄O ̄;)身を乗り出すように聞く事になります。
大人のジャズ・タイムです!二人の息もぴったりです。
Pete La Roca のリムショット叩きまくりの不思議なドラム・ソロも光ります。ちょっと和太鼓のソロみたいな雰囲気もある。

三・四・五曲目とピアノに起用した Walter Davis Jr. の曲が続きます。
R&Bとモダンジャズがミックスされたような Greasy,ジャッキーは作曲家としてのウォルターDavis Jr.をかっていたようです。
しかも人間としても気に入っていたようで、感じがよくてユーモラスな人間と評しているようです。そして、その人柄のような曲だとも発言しています。

四曲目はこのアルバムで私が一番好きな曲 Sweet Cakes ,ジャッキーとドナルド・バードの印象的な導入部と、とてもいい音で録音されているライド・シンバルにのって吹きまくるジャッキーのアルトは最高です。

最後の五曲目は全員が一体となってラストに突っ走る感じです。
一流どころが集まったこのアルバム、さすがの演奏です。文句の付けようがない疾走感あるプレイに気持ち良くなりました。

このアルバムは私の大のお気に入りで、ドライブにはよくこのCDを持って出かけます。(※ホームページ作成時はCDを持ち出しましたが、今は iPhone に入れてBluetoothで聞いています。時は流れた)
ジャッキーの音を聞いているだけで幸せになれる一枚です。

 

2022/09/25

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Us Three / 1960》 Horace Parlan

20220925_horace_parlan_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ホレス・パーランのアルバム、「アス・スリー」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。


Horace Parlan/p
George Tucker/b
Al Harewood/ds

①Us Three
②I Want To Be Loved
③Come Rain Or Come Shine
④Wadin'
⑤The Lady Is A Tramp
⑥Walkin'
⑦Return Engagement

幼い頃に小児麻痺を患ったせいで、右手の薬指と小指が全く動かなくなってしまったホレス・パーランの有名な作品です。彼のプレイはその事実を知る前から私の心をとらえて離しませんでした。同じフレーズが延々と続き、どこがそのループの始めかわからなくなる、幼い頃一人でくるくる回って目が回ったような感覚が呼び覚まされました。

一曲目のドラム(アル・ヘアウッド)のブラシから息をもつかせぬ展開で、ベース(ジョージ・タッカー)のかっこよすぎる絡みが入って来て、パーランのピアノ独特の“くるくる”もいきなり爆発します。
この曲は、パーランのオリジナルなんですね、なのでパーランの世界がこの一曲目からぐいぐいと展開されていきます。

二曲目はしっとりとした味わいのあるピアノです。訥々としたパーランのつぶやきのような曲です。
パーランは、前曲のようなぐいぐい走るような曲もいいのですが、叙情的な曲もとてもよいのです。
うったえかけ、ささやきかけてくるのです。

三曲目はスタンダード曲ですが、バラードとしてのメロディを大切にしつつ、ちょっと黒っぽい、しかも土の香りがするようなリラックスしたプレイを聞かせてくれます。
最後まで続く三人の渋いプレーがとても味わい深い。

四曲目はパーランのオリジナル曲。ベースで始まり、シンバルが入り、ピアノがあたりをうかがうように侵入してきます。いやはやかっこいいこと。
このブルースにパーラン自身がどんどんのめり込んでいきます。
その一挙手一投足に神経を張り巡らすように聴くとこたえられない味わいがあります。
この曲でも途中パーランの“くるくる”目がまわるようなプレイを聞くことができます。

五曲目はパーランが空白の生かし方をいろいろ試せると言っていた曲で、たしかに簡潔なメロディで空間を埋めていくような感じです。
ベースの明快で、豊かなサウンドも聴き所です。

六曲目もスタンダード曲です。パーランはこの曲を何百回も弾いているらしく、一番うまくできると自信を持っているようです。
それ故、堂々としたプレイで、次第にテンションも上がっていきます。曲の中に入り込み、突き詰めていく感じがあります。パーランの“つっかかった”ようなフレーズが独特。
ヘアウッドの乾いたドラムの“粋な”ソロ・プレイも聞けます。

ラストはブルーノートのアルフレッド・ライオンと2枚のトリオ・アルバムを作る約束をしたことに因んだタイトルです。
テーマのメロディが魅力的ですが、インプロビゼイションに持ってこいの曲調で、パーランのオリジナル、思う存分自分のプレイを展開します。
パワー感も伝わってくるなかなか“力”のある曲です。

 

2022/09/14

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Full House / 1962》 Wes Montgomery

20220914_wes_montgomery_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ウエス・モンゴメリーのアルバム、「フル・ハウス 」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。

Wes Montgomery/g
Johnny Griffin/ts
Wynton Kelly/p
Paul Chambers/b
Jimmy Cobb/ds

①Full House
②I've Grown Accustomed To Her Face
③Blue 'N' Boogie
④Cariba
⑤Come Rain Or Come Shine(take2)
⑥S.O.S.(take3)
⑦Come Rain Or Come Shine(take1)※
⑧S.O.S(take2)※
⑨Born To Be Blue※

※Additional tracks not on original LP

このアルバムはライブ録音。
収録されたライブでは7曲が演奏されたとのこと。
⑦~⑨の3テイクは、オリジナルのLPには入っていないものです。
⑦と⑧はオリジナルLPに入っている曲の別テイクなのですが、⑨の「Born To Be Blue」は、当時6曲でLPのサイズを満たすことができたので、カットされたようです。

一曲目の「Full House」から“ノリ”の良い曲です。オクターブ奏法と呼ばれる“ウエス”のギターが気持ちよくリズムに乗っかっていきます。
クルマの中などでよく聞いていたのですが、あらためて自室の再生装置で聞くと、とても躍動感があります。
ウエスのギターの音質も手に取るように、そこにいるかのようによくわかります。ジミー・コブのリズムを刻むシンバルの音もライブ会場にいるかのように生き生きと聞こえます。いきなりいいライブ盤なのだ、という予感!

以前、「ジャズ喫茶と言えば“ベイシー”」と言われる、全国ジャズ・ファンが俗に言う『ベイシー詣で』をする岩手県一関市のジャズ聖地に行ったことがありますが・・・。
朝から開店を待ち、満を持して入って行ったそこで、最初にかかったのがこのアルバムでした。

気合い入りまくりで席に着いたのがマスターに通じたのか、かけてくれたこのアルバムの音には驚愕しました。
自宅で聞く音とは全く次元の違うアナログ・サウンドが私に「ほらほら、坊や、これが“ほんまもん”の音だぜ」とでも言うように私に正面切って挑んできたのです。

ウエスのギター・アンプの“箱”が共鳴している「ムーン」という音まで聞こえてきたのです。自分の再生装置では、全く一度も耳にしなかった音でした。
ただ、ただ、驚くばかり。音だけでノックアウトされました。
楽曲の良さや、演奏の良し悪し以前にサウンドでぶちのめされました。ギターのサウンドがこんな音で録音されているのだな、というのがわかって、もう一度家に帰って聞くと、あらためて楽曲や、演奏の良さがさらにわかってきたのでした。音なんかどうでもいい、曲が良ければというのは、ある一面では正解かもしれませんが、良い音で聞いたことによって、その曲や演奏の理解度はさらに深まるものだと実感しました。

二曲目は、「I've Grown Accustomed To Her Face」。静かに始まります。
ミュージカル「マイ。フェア・レディ」の挿入歌だそうです。
ほとんどがウエスのギターで演奏されていて、単音で弾かれる優しい曲調と美しさがとても良い。

三曲目は、「Blue 'N' Boogie」。
ウエスのギターもテンポよく、ライブを盛り上げます。いわゆる“オクターブ奏法”の技も見せてくれます。
テナーのジョニー・グリフィンもけっこう強烈に吹きまくります。
ドラムもピアノも全員で盛り上げ、お客さんも大喜び(*゚▽゚)ノ

四曲目は、「Cariba」。
これもウエスのギターがかっこいいフレーズを決めて素晴らしい曲です。ウエスのオリジナル曲です。
お客さんの堪能している様子が伝わってきます。
ピアノのウィントン・ケリーもラテン調な曲に合わせたソロを聞かせ、曲を引っ張ります。
それにつられてグリフィンのテナーも実に軽快に加わってきます。
そして、ウエスがまたオクターブ奏法のギターでシメる!いい曲です。
ラスト部が近づいてくると、お客さんがワァ~っと拍手します。

五曲目は、「Come Rain Or Come Shine(take2)」。
これはミュージカル「セント・ルイス・ウーマン」のために書かれた曲とのことですが、ジャズではすっかりスタンダードとなっている曲です。
けっこうオーソドックスな演奏が展開されます。
ウエスは、さまざまな奏法でギターを弾き、ジャズ・ギターの魅力横溢といった感じ。

六曲目は、「S.O.S.(take3)」。
テーマが印象的な曲で、ウエスのオリジナルらしくギターが冴えます。
グリフィンもいきなりかっこよく吹きまくり、アップテンポなこの曲が勢いを増します。

七曲目は、「Come Rain Or Come Shine(take1)」。五曲目に入っていた同曲の別テイクです。
五曲目に入っていたテイクよりもテンポは遅めで、演奏自体もやや大人しい感じがします。
ちょっと“手探り”しながらの演奏という雰囲気がただよっています。

八曲目は、「S.O.S(take2)」。これも六曲目に入っていた同曲の別テイクです。
こちらは、六曲目に入っていたテイクよりもややテンポが早いか・・。
それにそれぞれの楽器のインパクトがいまいち“軽い”感じがします。オリジナルLPテイクに入っていた方がやはりいい!

九曲目は、「Born To Be Blue」。オリジナルのLPではオミットされましたが、たぶんクインテット全員の演奏ではなかったからでしょう。
ライブの中で聞いたら、やや“箸休め”的な曲に感じると思います。
ちょっとゆったりしてギターの“音色”に酔いしれる・・そんな感じの曲です。

で、このアルバムは、どっぷりとジャズの“演奏”を、身も心も音の洪水の中にゆだねて堪能するものであると言えます。できれば大音量で聞くのが望ましいでしょう。
ジョニー・グリフィンのサックスもいいグルーブしてますよ。そして、ウィントン・ケリーの粋なピアノがジャズ魂をゆさぶってくれます。

 

2022/08/31

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Quiet Kenny / 1959》 Kenny Dorham

20220831_kenny_dorham_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ケニー・ドーハムのアルバム、「クワイエット・ケニー 」です。
今回、再度聴き直して一部文言等を追加・修正いたしました。

Kenny Dorham/tp
Tommy Flanagan/p
Paul Chambers/b
Art Taylor/ds

①Lotus Blossom
②My Ideal
③Blue Friday
④Alone Together
⑤Blue Spring Shuffle
⑥I Had The Craziest Dream
⑦Old Folks
⑧Mack The Knife

実際にリアルタイムでジャズ喫茶に行き、このアルバムをリクエストした方は、『静かなるケニー』と、このアルバムを呼んでいたことと思います。
邦題からしてはやくも名盤の風格があります。

最初の『蓮の花』という曲はソニー・ロリンズの演奏でも有名です。
ロリンズは“Asiatic Raes”というタイトルにしています。導入部分が東洋的な雰囲気を彷彿とさせます。
このアルバムと言えば、この“蓮の花”と“マック・ザ・ナイフ”ですが、その他の曲もいかにもモダン・ジャズといった曲ばかりで堪能できます。

My Ideal は訥々と始まるケニーのトランペットでいきなりジーンとさせます。語りかけるようなケニーのペットを聞くだけで満足度が急上昇です。
ちょっと“くぐもった”ようなケニーのトランペットの音がリリカルな曲調をより詩情豊かにしていると感じました。

Blue Friday が始まると、いかにも当時のジャズの雰囲気が伝わってくる感じがします。
ケニーのトランペットのさまざまな音色や、テクニックが次から次へと展開されて、ケニー・ドーハムのジャズを堪能出来ます。

Alone Together もトランペットのフレーズに身をまかせて静かに聞きたい良い曲です。

Blue Spring Shuffle は、ポール・チェンバースのベースで始まり、アート・テイラーのリズムが曲を引っ張り、ケニーのトランペットが歌い出す感じの冒頭が格好良く、あとは実に自然な流れで曲が展開されていきます。スネア・ドラムの音なんか最高!
ジャズ喫茶で聞いているような気分になります。

I Had The Craziest Dream は、ちょっと“こもった”ようなケニーのトランペットの音が物語性を感じさせ、何かストーリーを語っているような雰囲気の曲です。

Old Folks は美しい曲で、当時のお客さんはケニーにこの曲を必ずリクエストしていたようです。得意なこの曲を十分の間合いを取ってたっぷりと聞かせてくれます。
曲の世界観が聞いている者の心の中に広がっていく感じがします。

さて、ハイライトの『蓮の花』は先に書いたように東洋的な雰囲気の名曲です。アドリブの部分に入っていっても詩情的なケニーの演奏を聞くことができます。そして、テクニカルなプレイも随所に登場して、最後まで飽きさせません。フラナガンのピアノもリリカルな演奏に“華”を添えます。
聴き直してみると、意外やポール・チェンバースのベースが素晴らしい音色と共に生き生きと活躍しています。
そして、アート・テイラーのドラムも、これまた意外やアグレッシブで、この曲の良さをさらに見直すことになりました。

もうひとつのハイライト『マック・ザ・ナイフ』は、これもロリンズが“モリタート”という別名で録音していて、それも有名です。ロリンズのものも良いですが、静かなるケニーのシンプルでソフトなこの録音も捨てがたい良さがあります。

 

2022/08/18

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Workout / 1961》 Hank Mobley

20220818_hank_mobley_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ハンク・モブレーのアルバム、「ワーク・アウト 」です。
再度聞き直して、追記も行いました。


Hank Mobley/ts
Grant Green/g
Wynton Kelly/p
Paul Chambers/b
Philly Joe Jones/ds

①Workout
②Uh Huh
③Smikin'
④The Best Things In Life Are Free
⑤Greasin' Easy

私の“大好物”とも言える「ハンク・モブレー」のアルバムです。代表作には、あの「リカルド・ボサノバ」の入っている『ディッピン』というアルバムもありますが、このアルバムも私のお気に入りです。

よく、“B級テナー”とか“B級アルバム”の特集などに登場するモブレーですが、いやいやどうして、ほんとはお前らも好きなんだろう?と言ってやりたい気になります。
なぜかモブレーが好きというには、はばかられる風潮というか、わかりやすくて、かっこよくて、男らしくて、いけてるジャズに対しては、はすっぱに構えてしまうのが、ええかっこしいのジャズ・ファンなのかもしれません。
レモン・スカッシュよりもクリーム・ソーダ好き、または、天丼よりもカツ丼好きな感じが出てしまうのが気恥ずかしいような感じによく似ています(なんかよくわからない比喩かもしれないけど)。

でも、このアルバムはメンバーも錚々たるもので、ウイントン・ケリーやフィリー・ジョーも参加していて、文句のつけようのない演奏が続きます。

2曲目の「UH HUH」なんかぞくぞくしますよ。モブレーのテナーとグラント・グリーンのギターがみごとなユニゾンで入り込んでくると背中がぞくぞくして、きたきたキタ━━━━━━(≧∀≦)ノ━━━━━━ !!!!! って感じです。そして“掛け合い”!!
いやぁ、生きててよかったって思います。

4曲目の「The Best Things In Life Are Free」も肩の力が抜けてて、ジャズ本来の、マインドを自由にして、音楽そのものを楽しむような、そんな曲です。人生のひとときを、この曲を聞きながら過ごしている幸せを感じます。

ラストの「Greasin' Easy」はモブレーのオリジナル曲で、男のキザなところを存分に表現して、サックスを粋に吹いています。
ジャズを心から楽しめるアルバムだと思います。かっこつけずにね。


〈追記〉2022/08/18

過去のホームページでは、一曲目のタイトル曲「ワーク・アウト」を取り上げていませんでしたが、あらためて聞いてみると、モブレーが様々なフレーズや吹き方を駆使して曲を作り上げていく様子がなかなか良いものです。

グラント・グリーンの派手ではないが、きめの細かいギターも玄人っぽくてカッコイイ。

なぜか、ウィントン・ケリーのピアノまであまり派手さを感じないソロになっています(^_^)「ワーク・アウト」という曲のタイトルに引っ張られているのか・・。

フィリー・ジョーのドラム・ソロも“華麗”な感じではなく、けっこう“真面目”なものとなっています。
全員、この曲調に沿った感じの演奏なのだろうと思いました。

続いて、三曲目の「スモーキン」も過去のホームページで取り上げていなかったので、あらためて聞き直してみました。

こちらは、一曲目よりもモブレーのプレイは“アグレッシブ”な印象です。
音色も色々なものが登場しますが、ワイルドな感じのものが多い。

グラント・グリーンのギターも、一曲目より自由な感じで、次々とフレーズが湧き出て来るようなリラックスした雰囲気を感じます。

全体に思い切りの良い演奏が目立つ曲という感想です。

モブレーのアルバムは、他にも何枚も所有しているので、またこのブログでの複刻版で取り上げることができれば、と思っています。

 

2022/08/04

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Volume One / 1955》 Hampton Hawes Trio

20220804_hampton_hawes_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ハンプトン・ホウズのアルバム、「ハンプトン・ホウズ・トリオ・Volume One 」です。
再度聞き直して、追記も行いました。


Hampton Hawes/p
Red Mitchell/b
Chuck Thompson/ds

①I God Rhythm
②What Is This Thing Called Love
③Blues The Most
④So In Love
⑤Feelin' Fine
⑥Hamp's Blues
⑦Easy Living
⑧All The Things You Are
⑨These Foolish Things(Remind Me Of You)
⑩Carioca

ハンプトン・ホウズは進駐軍除隊後に日本に留まり、演奏活動をしていたのだそうです。
なぜか懐かしいような音の演奏に聞こえてしまうのはそのせいなのでしょうか。とても、日本人の心にうったえかけるようなものを感じるのです。
しかも、それなのにあまり湿り気を感じさせない淡々とした演奏の妙味にひかれます。

私だけかもしれませんが、この人のピアノを聞くと日本の山下洋輔氏を思い出します。
ひょっとして、氏はハンプトン・ホウズの影響を受けていたのではないかと内心思っています。
軽い感じで懐に入ってきたなと思うと、もうがっしりこちらの心まで掴んでいるような感じまで良く似ているように思います。

アップテンポの演奏などが特に良く似ていますが、バラードでも、ゆっくり入ってきて、ほらほらこっちにおいで・・というような誘いにかけるタイミングも似ています。
そして、あっさりとしたエンディングなども似ているように感じるのです。

最初は、何とはなしに聞いていても、だんだんと味わいが増してくる、そんな演奏です。
疲れているときなどにはおすすめかも・・。


〈追記〉2022/08/04

あらためて、久しぶりにこのハンプトン・ホウズのアルバムを聞き直しているところです。
偶然に、今朝の新聞に「時代の証言者」という連載があり、ピアニストの山下洋輔さんが1969年にトリオを組んで(中村誠一さん、森山威男さんと共に)フリー・ジャズをやり始めた頃のことが書かれていました。
そこには、山下さんはそれまでハンプトン・ホウズに憧れ、その影響から逃れられなかった、とあり、フリーに飛び込むことによって、そこから脱出したとの記述がありました。。

上記ホームページ複刻文章で、十数年前に私がハンプトン・ホウズのピアノを聞くと山下洋輔さんを思い出すということを書いていましたが、あながち勘違いではなかったと知り、驚きました。
私の“耳”も「捨てたもんじゃない」と…σ(^_^;)少し自信を持ちました。

そして今ホウズのこのアルバムを聞いてみると、意外と“力強い”印象を持ちました。
それにレッド・ミッチェルのベースが非常に“イキイキ”としています。
また、叙情的な曲はワンフレーズごとに余韻あるホウズのピアノが深い味わいを感じさせてくれます。
チャック・トンプソンのドラムも小気味よく、ホウズのピアノ・トリオには“持ってこい”のように感じました。

聞き返してみて、全体に昔聞いたときよりもずっと好印象でした。
今まで様々なジャズを聞いてきて、少しばかりジャズを聞く耳が育ってきたのかも・・と、うぬぼれてしまいました(^^;)

でも、まだまだ聞いていきたいジャズはたくさん、ミュージシャンもたくさんいます。
また、このホームページ複刻版で、いろいろなアルバムとミュージシャンをご紹介したいと思います。

 

2022/07/17

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Comin' On Home / 1971》 Richard Groove Holmes

20220716_richard_groove_holmes_001

十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、リチャード・グルーブ・ホルムズのアルバム「カミン・オン・ホーム」です。


Richard Groove Holmes/org
Weldon Irvine/el-p
Gerald Hubbard/g
Jerry Jemmott/el-b
Ray Armando/conga
Darryh Washington/ds

①Groovin' For Mr.G
②Theme From Love Story
③Mr. Lean
④Down Home Funk
⑤Don't Mess With Me
⑥Wave
⑦This Here

ジャズ・オルガンというと、ジミー・スミスが有名ですが、私は、このリチャード・グルーブ・ホルムズがお気に入りです。
ハモンド・オルガンの音色がウォームというよりは、むしろ高音を聞かせた感じで、ピキピキ・カピカピいってるのがたまらなく良いのです。

ベースもウッド・ベースではなくて、エレクトリック・ベースで、ファンキーな感じです。
一曲目で、それこそノリノリのグルーブ感を出してくれ、二曲目では、「ある愛の歌」なんかを小粋に弾いてくれます。裏返るようなハモンドのサビが泣きに泣きまくります。最高っす!

三曲目は、エレピが前面に出てきて、70年代っぽいサウンドと演奏が展開されます。
そして、エレピとハモンドの掛け合い的な方向に・・、なんだか懐かしい感じです。私が中学生くらいの頃の雰囲気です。
四曲目は、重厚なベースのグルーブするリズムに嵩にかかるようにオルガンとドラムがかんらんできます。
エレピとエレキ・ギターもファンキーにからみまくります。いいねぇ、こりゃ聞かないと損だよ。

五曲目は、ホルムズのオリジナルで、あのルー・ドナルドソンのアリゲーター・ブーガルーを彷彿とさせます。
掛け声も入り、めちゃファンキーでゴキゲン(死語)なサウンドです。

六曲目は、このアルバム最大の呼び物と言っても良いのではないでしょうか、あのアントニオ・カルロス・ジョビンの曲、「ウェイブ」です。
これはすごいですよ。これを最初に聞いたときは興奮して何度も何度も聞いてしまいました。
オルガンというと、ウォームという感じが先入観でありますが、非常にクールなオルガン・サウンドに仕上がっています。もう、“病みつき&虜”です。
途中のギター・ソロも最高に“オトナ”なメローなフレーズです。
ドラムのシンバル・レガートとリムショットもカツカツ・チンチンと歯切れ良くこれも究極の気持ち良いリズムです。
もう、ほめてばっかり(*^_^*)
オルガンのソロは、相変わらずカピカピ・ピキピキサウンドで昇天出来ます、間違いなく!

ラストは、シンバルがまるで雪がふるようにふりそそぐようなリズムで曲を引っ張ります。
そこに、エレクトリック・ベースが、上へ下へと自由自在にからんできます。さらにさらに、エレキ・ギターが割とマイルドに入り込みます。オルガンは、割と気楽に自由に跳ねている感じです。けっこう、この曲は、皆自由に楽しんでいる感じがします。
いずれにしても、この最後の曲もいいですね。
ファンキーでグルービーなジャズを楽しみたい人は、買って損はぜったいにないですよ。

 

2022年11月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      

最近のトラックバック