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2022/07/01

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Selflessness / 1963,1965》 John Coltrane

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十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ジョン・コルトレーンのアルバム、「セルフレスネス」です。
再度聞き直して、追記も行いました。


John Coltrane/ss,ts
McCoy Tyner/p
Jimmy Garrison/b
Roy Haynes/ds
----------------------
John Coltrane/ts
Pharoah Sanders/ts
Donald Garrett/bcl,b
Elvin Jones/ds
Frank Butler/ds,perc
Juno Lewis/perc

①My Favorite Things
②I Want To Talk About You
③Selflessness

アルバムタイトルは“セルフレスネス”です。これを早口で3回言ってみると「セルフれふれふ」になってしまうという冗談はさておき、コルトレーンは一曲目の“マイ・フェイバリット・シングス”をレコーディングされたものだけでも10回以上はやっていて、初期のゆっくりとした、確かめながら吹くようなものから、このアルバムのようにどこまでも自由にプロウしまくるものまで、変遷に変遷を重ねています。

ここでは、マイ・フェイバリット・・・は最高の状態で聞くことができます。肉体も魂もすべて音楽に投入しているかのような捨て身のソプラノ・サックスは、命さえも投げ打ってしまったようです。
まさに音楽という大海に身を投げてしまったと言えるかもしれません。
片足をあの世に突っ込んだまま吹ききるコルトレーンのこのアルバムをBGMとして聞いたり、お酒を飲みながら聞くなんてことはできません。命がけの演奏をするコルトレーンに失礼な気がして、今でもいい加減な気持ちでこのアルバムをかけることはできません。

このマイ・フェイバリット・・・はドラムがレギュラーのエルビンではなくて、ロイ・ヘインズですが、徹底してコルトレーンを煽り続けるかのようなドラムはエルビンとはまた異なるもので、このアルバムに関しては大成功ではないかと思います。
3曲目ではエルビンのドラムを聞くことができますが、粘るようなうねるようなエルビンのドラムはまた別の魅力を引き出しています。両者互角の戦いと言っていいかもしれません。

その中間にある2曲目は1曲目と同じメンバーですが、ここでは少し心を休めることができるような演奏です。
コルトレーンのバラードを聞くことができます。
途中からフリーキーなソロが入ったりもしますが。

それにしてもこのアルバムは身を切り裂かれる思いでいつも聞くのですが、確かに名演であり、名作であると言えます。
コルトレーンの初期を聞いて馴れてきたら、このアルバムに突入するとよいかと思います。
魂の音楽が眼前に拡がります。


〈追記〉2022/07/01

上記文は、十数年前にホームページ上に書いたものですが、あらためて聞いてみました。

このアルバムのメインは「マイ・フェイバリット・シングス」の17分半に及ぶ熱の入った演奏です。
エルビン・ジョーンズではなく、ロイ・ヘインズがドラムを叩いているのですが、スネアの音が乾ききっていて、それが絶え間なく鳴っていて、この曲の無限の世界に“いざなわれる”ようです。永久に演奏が終わらないんじゃないか・・そんな気になります。

もともとは「サウンド・オブ・ミュージック」というミュージカルで歌われていたこの曲の不思議で怪しいような部分に気づいたコルトレーンの感性はあらためてすごいものだと感じます。

「そうだ、京都へ行こう」のCMに使われている曲の雰囲気は、コルトレーンが感じ取ったものに近いと思います。
コルトレーンに、皆、気づかされた、そんな曲だと思います。

2曲目もあらためて聞いてみました。
バラードですが、でも今聞いてみると、コルトレーンはメロディアスに吹きながら、何か「どう料理してやろうか」と探りながら演奏しているようにも感じます。
なので途中から、この曲調からは逸脱していないものの、自由でどんどん派生していくようなアドリブ・ソロを吹いています。バックもそれに心地よくついていく感じ。
最後は、コルトレーンひとりになって、孤高の境地みたいな演奏になっていく・・。

3曲目も再度聞き直してみました。
ジャム・セッション風に曲が始まるのですが、この曲はドラムがエルビン・ジョーンズで、こういう、とことんそれぞれのミュージシャンが“駆け引き”をしながら音の渦をつくるように演奏するような曲の場合、エルビン独特のリズムがものを言います。

どうやって叩いているのかわからないくらい複雑なリズムパターンのうねりに、全員が突入していくような感じ。
マッコイ・タイナーのピアノも冴えにさえています。

1曲目もいい演奏ですが、こちらもエネルギッシュな演奏で、初めてこのアルバムを聞いたときの「すごい熱量だな」と思ったときの感覚がよみがえりました。

コルトレーンのアルバムでは、私が一番好きなアルバムだな、とあらためて感じました。

 

2022/06/13

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《Blue's Moods / 1960 》Blue Mitchell

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十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、ブルー・ミッチェルのアルバム、「ブルーズ・ムード」です。
再度聞き直して、追記も行いました。


Blue's Moods / 1960
Blue Mitchell

Blue Mitchell/tp
Wynton Kelly/p
Sam Jones/b
Roy Brooks/ds

①I'll Close My Eyes
②Avars
③Scrapple From The Apple
④Kinda Vague
⑤Sir John
⑥When I Fall In Love
⑦Sweet Pumpkin
⑧I Wish I Knew

ジャズ好きの人に大好きなアルバムは、というと、たいてい見栄を張って難解なアルバム、例えばコルトレーンの“至上の愛”とかそこいら辺をあげたりしますが、実のところ一番プレイヤーにかけたことの多いアルバムを正直に答えよ、と言った場合には全然違うアルバムがでてくるのではないでしょうか。例えば“ハンク・モブレー”とかね。

私の場合、一番聞いたのは間違いなくこのアルバムです。
どこに行くにも持ち歩き、“遠出の共”となっています。
自分の気持ちに正直に、一番聞きたいアルバムはこれです。

一曲目から、何気ない雰囲気のピアノで始まり、気分は最高に落ち着いたものになります。しかも、ちょっとだけ哀愁が漂い、このうえないジャズ・タイムにいざなってくれます。
ブルー・ミッチェルはトランペットを張るでもなく、くぐもるでもなく、素直に吹いていて、全くの自然体、淡々としたサム・ジョーンズのベースも最高です。なにしろトランペットが“美しい”です。
何十年も前の話ですが、ラジオのジャズ番組に出た日本人トランペッターの草分け、日野皓正(ひの・てるまさ)さんが、リクエストは?と聞かれ、この曲を選んでいました。
「ジャズ喫茶でよく聞いていた」なんてお話しされていました。
私もリクエストは?と、聞かれたらこの曲を真っ先に思いつくんじゃないかと思います。

二曲目は、さぐるようなトランペットで始まり、軽い早足で進むようなテンポで展開するスインギーな曲です。
ピアノとベースの掛け合いのようなフレーズも、とても格好いい!

三曲目は、チャリー・パーカーの曲で、アップテンポな力強さを感じます。ミッチェルもドラムの活躍に負けず、吹きまくる感じです。
チャーリー・パーカーの曲らしく、フレーズが速い!それをどこまでもストレートに吹きまくるブルー・ミッチェルのトランペットは、とても爽やかで潔く聞こえます。

四曲目は、ブルース。サム・ジョーンズのゆっくりとしたリズムで始まり、ミッチェルとウィントンが抜群のコンビネーションで曲を下から持ち上げるような感じでブルージーに演奏する、オトナな曲です。じっくりジャズを堪能できます。

五曲目は、一転して軽快なミディアムテンポのリズムで、ミッチェルの輝くような音色のトランペットが最高。私の大好きなピアニスト、ウィントン・ケリーが粋なソロを聞かせてくれます。

六曲目は、美しいバラードです。ビクター・ヤングの曲です。
ロマンティックで美しいミッチェルのトランペットにうっとりできます。アルバムを通して聴いていると、ここいらへんで、極上の気分になりつつあるところです。ウィントンのピアノの美しさも負けず劣らずです。

七曲目は、くつろいだ雰囲気のゆったりとした曲ですが、なぜかちょっとセンチになるようなメロディーで、ミッチェルの趣味のよいトランペットソロを聞くことができます。ここで、一曲目を聞いたときのような新鮮さがまたよみがえるので、まだまだ聞きたいという気分にいつもなります。

最後は、スタンダードナンバーをミッチェルのイメージで繰り広げる余裕の曲です。
ウィントンもミッチェルが作り出すこの曲のイメージをこわさずに、見事にサポートしています。
 
今でも、このアルバムは“遠出のお供”ナンバーワンです。

〈追記〉2022/06/13

この掲載の元となるホームページを書いていた頃は、まだCDをクルマに持ち込んで聞いていたのだと思います。
“遠出のお供”なんて書いていますが、今では何千曲も iPhone に入れて Bluetooth で聞いたりだとか、音楽アプリから車内に流したりしているわけで、「きょうはこのアルバムを持って行こう」なんてことは日常から無くなってしまいました。それもなんだか寂しい(-_-)

それにしても1960年のアルバムなのに、今聞いても音はとてもいいです。
薄気味悪い深~いエコーなども掛かっておらず、ドラムの音も太鼓やシンバルごとにマイクをあてて、それぞれにディープな残響を掛けたりすることもなく、ベースも実に自然な音に録られています。
このアルバムが好みだと冒頭から書いていますが、このアルバムのサウンドも自分の好みなんだと、あらためて感じました。

 

2022/02/18

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《 A.T.'s Delight / 1960 》Art Taylor

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十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
取り上げているのは、アート・テイラーのアルバム、「A.T.'s デライト」です。
再度聞き直して、追記も行いました。

A.T.'s Delight / 1960
Art Taylor

Art Taylor/ds
Dave Burns/tp
Stanley Turrentine/ts
Wynton Kelly/p
Paul Chambers/b
`Potato' Valdez/conga

①Syeeda's Song Flute
②Epistrophy
③Move
④High Seas
⑤Cookoo & Fungi
⑥Blue Interlude

いきなりコルトレーンの曲で、ぐぐっと盛り上がっていきます。ハイハットとピアノで始まり管がからんできていっきにジャズの世界に連れ込まれます。このアルバムを象徴するような名曲です。
私は、このアルバムというと、まずはこの曲のイントロが思い浮かびます。
すっごく“カッコイイ”(*^^*)
デイブ・バーンズのトランペットも次から次へと、“いいフレーズ”を吹きます。
そこへ下から持ち上げるようなスタンリー・タレンタインのテナーが曲を引き締め、さらにウィントン・ケリーのピアノがバンド全体を引っ張っていく感じですd(^_^o)
そして、テーマに戻ってくると、全員の息がぴったりと合っているという・・素晴らしい一曲目なのでした。

二曲目は“モンク”の曲です。独特のぎくしゃく感のあるイントロのあとタレンタインのテナーのソロで雰囲気十分な世界にいざなってくれます。
この独特な雰囲気をずっと維持していってくれるのは、ポール・チェンバースのベースのおかげだと思います。
左右スピカーの中心から聞こえてくるチェンバースのベースがこの曲を“骨太”な印象にしているのだと思います。“ポテト”バルデスのコンガがこれまた“いい味”出しているのでした。

三曲目は、最初はコンガとトランペットのせめぎ合いからテナーとコンガの勝負に移ります。めまぐるしいバトルに気を取られているとピアノが殴り込みをかけます。気づけばドラムも正面からやってきて真っ向勝負の様相。コンガも負けていません、楽しい一曲です。


四曲目は趣を変えて、ぐっとオトナの雰囲気に突入します。全員の落ち着いた渋いプレイに酔うのが正しい聴き方でしょう。
なんか、ジャズ喫茶で一杯のコーヒーと水で何時間も“粘っている”ような気がしてくる曲です。雰囲気十分!

五曲目はテーラーのオリジナル曲で、パーカッシブな一曲です。タレンタインのソロが曲を引っ張っていきます。
リズムに体をまかせると横に揺れる感じです。テーラーのでしゃばらないドラムソロも本人の人柄が感じられます。

最後はちょっと軽快なイントロからやはりタレンタインの“オトナ”のソロに突入、バーンズもじっくりとソロを聞かせてくれます。アダルトな雰囲気で締めくくってくれました。

 

2021/11/08

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《 Time Out / 1959 》The Dave Brubeck Quartet

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十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
今回取り上げるのは、デイブ・ブルーベック・カルテットの有名盤「タイム・アウト」です。

Time Out / 1959
The Dave Brubeck Quartet

Dave Brubeck/p
Paul Desmond/as
Gene Wright/b
Joe Morello/ds

①Blue Rondo A La Turk
②Strange Meadow Lark
③Take Five
④Three To Get Ready
⑤Kathy's Waltz
⑥Everybody's Jumpin'
⑦Pick Up Sticks

デイブ・ブルーベックといえば、「テイク・ファイブ」ということになるのですが(タイトルは知らなくても、曲を聞けば誰もが知っている曲です)、実は一曲目の「トルコ風ブルーロンド」が、このアルバムの一番の“聞き物”だと思います。
『超変拍子』の、この曲は、最初聞いた時には、プログレッシブ・ロックのEL&P(エマーソン・レイク&パーマー)が、ムーグ・シンセサイザーの代わりにピアノで演奏しているのかと思いました。
まさにサーカスのようなアグレッシブなピアノです。ただ、ただその素晴らしさに圧倒されてしまいます。

2曲目は、ちょっとピアノが落ち着いた感じになり、聞かせるジャズに変わりますが、白人っぽくて、インテリジェンスを感じさせてくれるような気がします。
当時、大学生に人気があっという話しを聞いたことがありますが、さもありなんと思いました。

3曲目は、このアルバムを買った人がお待ちかねの「テイク・ファイブ」です。CMなどにもよく使われているので、聞けば知らない人はいないでしょう。
5拍子のこの曲で、当時の学生たちはジルバのように踊ったとか・・・。
この曲はブルーベックではなくて、アルトのポール・デズモンドの曲ですが、ブルーベックの代名詞のようになっています。デズモンドの気持ちやいかに!
意外とベースがこの曲のグルーヴ感を出すのに貢献していることにも気づきました。
また、途中のドラム・ソロがこの曲独特の世界観をよく表わしていて、洗練されたものだということにもあらためて気づくことになりました。

4曲目は、またトリッキーなリズムのピアノで始まり、1曲目同様油断できない展開です。そのアカデミックな演奏は、インテリの人たちの自尊心をくすぐるような感じです。

5曲目は、静かなピアノ曲で、ちょっと洒落た感じです。
デズモンドが入ってきたところから、自由な感じで曲が展開します。一番ジャズっぽいナンバーかもしれません。

6曲目はデズモンドとブルーベックの掛け合いのようなところが、とても都会的に感じます。
当時の“いかした”ナンバーだと思います。
デズモンドのアルトに掛かっているほどよいエコーも、とてもいい感じ。

7曲目、ラストは、ブルージーなブルーベックのピアノが際立っています。
デズモンドのアルトもそれにも増してブルージーで、最後まで大満足のアルバムだと思います。
バスドラムのキックの音のふるえるような深さもけっこう“聞き処”です。
人気盤だからと言って、あなどれない、聞きどころ満載のアルバムではないか、というのが、私の感想です。

〈追記〉2021/11/08

今回この記事をアップするにあたって再度CDを聞き直してみましたが、1950年代にこれだけ精緻で、かつダイナミックな演奏、楽曲が繰り広げられていたことに、あらためて驚きました。
録音もいいと思います。わざとらしい音の“上げ下げ”などなく、とても自然な感じで録られています。“品格”さえ感じるのです。
ジャズという音楽に、当時の優秀なミュージシャンやコンポーザーが集中していたのだろうな、と思いました。もちろん録音技師などのエンジニアについても。

1960年代後半から1970年代にかけて、その優秀な人材がロックや電化されたジャズ、フュージョンなどに雪崩をうつように移動していったのではないかと、今にしてみれば思えるわけですが・・。

 

2021/11/01

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《 True Blue / 1960 》 Tina Brooks

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十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”のブログ版復刻です。
今回取り上げるのは、ティナ・ブルックス(テナー・サックス)のアルバム「トゥルー・ブルー」です。

True Blue / 1960
Tina Brooks

Tina Brooks/ts
Freddie Hubbard/tp
Duke Jordan/p
Sam Jones/b
Art Taylor/ds

①Good Old Soul
②Up Tight's Creek
③Theme For Doris
④True Blue
⑤Miss Hazel
⑥Nothing Ever Changes My Love For You

ティナ・ブルックスのアルバムは、けっこう昔は“幻”と呼ばれているものが多かったのだそうです。このアルバムは当時きちんと発売されたようですが、他の何枚かはブルーノートに録音は残されていたものの発売されず、しかもブルーノートのカタログには掲載されていて、ファンは発売されているものと思い、レコード店を奔走したとか。

そのようなエピソードをさておいても、ティナ・ブルックスの作品は非常に良い出来だと思います。

四曲目のタイトル曲「トゥルー・ブルー」の変則的なピアノとベースのリズムに乗って繰り広げられる怪しい世界はあまりに魅力的です。
ティナのテナーも艶やかで、蠱惑的です。1960年の録音当時にこの曲を聞いた人々はさぞかし耳で、そして全身でこの曲の魅力を感じ取っていたことでしょう。今聞いても“ぞくぞく”するのですから。

一曲目もテーマが非常に魅力的だし、演奏も全員が非常に“ノッて”います。アート・テイラーのドラムがじりじりと曲を引きずっていくようにメンバー全員を誘います。それに応えるティナのテナーソロは味わい深く、音色も多彩です。

二曲目は弾むように軽快なリズムでこれ、スピード感がいいですね。
ティナのソロでのテナーの音色はとても魅力的、そしてフレーズも独特のムードあるものです。
ハバードと二人で吹くテーマも勢いがあって、いい感じです。

三曲目の一転してマイナーな「ドリスのテーマ」はティナのテナーを堪能できる一曲です。まさに“オトナ”のジャズの世界です。ジャズを聞くときの喜びって、こういう曲を聞いたときに感じるものだと思います。
アート・テイラーのシンバルに特徴のあるラテンぽいリズムも、この曲をよりいっそう魅力的にしています。
そして通常のフォー・ビートに戻るときのリズムの変化も、そこで急に静かな大人の世界に入っていく感じがとてもいい。

五曲目は、ドラムのアート・テイラーにころころころがされるようにしてジャズの流れにのみこまれていく感じがあります。バンド全体がそんな感じでひとつの流れになって曲を展開していきます。聞いているこちらもその流れに身をまかせて楽しんでしまうという・・そんな曲です。

唯一ティナのオリジナルでない曲がラスト六曲目です。
とてもオーソドックスな曲ですが、テイラーのドラムがドラマチックな展開にもっていって、そのおかげでハバードとティナの絡みも非常に劇的で美しいものになっています。

ジャズを緊張とリラックスの中で存分に楽しめる、そんなアルバムです。

※2021/10/31に一部追記を施しています。

 

2021/10/28

【復刻版】Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』⇒《 Whistle Stop / 1961 》 Kenny Dorham

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十数年前に作っていたホームページ“Modern Jazz喫茶『 頑 固 堂 』”をこのブログ内に復活させることにいたしました。

かつてのホームページに書かれていた「謳い文句」は・・

昔ながらの“ジャズ喫茶”のマスターにあこがれる店主がついにWeb上に開店したバーチャルジャズ喫茶です。
当然「私語禁止」などのルールを踏襲する“頑固”な雰囲気を大切にしています。
冬の暖房は石油の臭いがぷんとする“石油ストーブ”です。
ドアを開けると「カラン・カラン」というカウベルの音がするのもお約束です。
さあ、ジャズ喫茶に入る自分を空想しながらご来店ください。
「いらっしゃいませ、ご注文は?」「おっと大きな声を出さないでください、他のお客さまにご迷惑となります」「そうそう口の動かし方でわかります、“こおひい”ですね、少々お待ちください」

などと(^^;)楽しくやっておりました。
それでは復活して扉を開きます。まずはトランペットのケニー・ドーハムのアルバム「ホイッスル・ストップ」から掛けたいと思います。
過去の原稿に追記しながら書いていこうと思います。

Whistle Stop / 1961
Kenny Dorham

Kenny Dorham/tp
Hank Mobley/ts
Kenny Drew/p
Paul Chambers/b
Philly Joe Jones/ds

①'Philly' Twist
②Buffalo
③Sunset
④Whistle Stop
⑤Sunrise In Mexico
⑥Windmill
⑦Dorham's Epitaph

アルバムタイトルの「ホイッスル・ストップ」は、急行列車が停車しない小さな駅のことだそうです。
ドーハムの生まれ故郷テキサスの小駅をモチーフにした風景がイメージされるような演奏が展開されるアルバムです。
「バッファロー」という曲などは、ゆったりとした南西部風味付けファンクといった面持ちです。
ドーハムのソロもちょっと“くぐもった”音色が非常に効果的に聞こえます。全体にシンプルでさりげない情感があふれるものになっていると思います。

「サンセット」という曲は、日が沈み、夜の冷たさが忍び寄ってくる雰囲気が良く出ています。
ドーハムのミュートを効かせたトランペットの音色も、この曲の雰囲気にピッタリです。

タイトル曲の「ホイッスル・ストップ」もリズムチェンジを繰り返したり、ドラムが機関車を思わせるようなサウンドを出したりして鉄道の雰囲気が出ているように思います。
フィリー・ジョーのドラムは流石と言わざるを得ない見事なリズムです。色々なバリエーションが無類の豊富さで飛び出します。最後の方では、機関車の迫力が満点の表現で叩き出されています。

「サンライズ・イン・メキシコ」では、ベースが重要な役目を果たしていて、昇っていく太陽を表しているかのようです。
それにトランペットとテナーが、やや暗い感じで絡んできます。ちょっとダーティーな雰囲気が“メキシコ”ということなのでしょうか。

「ウインドミル」もドーハムとモブレーのトランペットとテナーの絡みが繰り広げられる中、フィリー・ジョーが風車が回る様子を巧みに表現しています。チェンバースの弓弾きベースを聞くこともできます。

全体に表現力が素晴らしく、メンバー各々の個人的な力量が遺憾なく発揮されている、聴き所満載のアルバムです。

〈追記〉2021/10/28

上記、過去の原稿には一曲目の「フィリー・トゥイスト」に関する記述がありませんでした。今、あらためてこの曲を聞いています。
タイトルにある「フィリー」はもちろんドラムのフィリー・ジョーのことですが、そのフィリー、相変わらずかっこいいリズムを独特の“シンバルさばき”で聞かせてくれます。

もう一曲、最後の曲についても過去の原稿がふれていませんでした。
短い曲なのですが、憂いのある詩的なものになっていて、ドーハム自身が自分の墓碑銘として書いたという・・ことなんだそうで、クリフォード・ブラウンやリー・モーガンなど、早死にするトランペッターが多いせいか(^_^;)へんなこと考えてしまったのかもしれません。

 

2021/10/26

またこのブログに新しいカテゴリーをつくって「ジャズ・アルバム」についてあれこれ書きます。

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このブログで復活させた「ビートルズ研究室」は、かつて Yahoo の無料ホームページのスペースを使って作っていたホームページでしたが、 Yahoo から連絡があり、無料スペースを廃止するとのことで、残念ながら廃止に至りました。
で、もったいないなぁという思いをずっと抱いていて、やはり復刻して、追記しながらブログで再度楽しみつつ焼き直ししようということで現在に至っています。

で、その廃止になったホームページには、いろいろなページが連立しておりました。
ジャズ喫茶を気取った形でジャズ・アルバムを聞いていくというものもありました。
その他にも、「チャレンジ・ドリンカー」というページもありまして、次から次へと“変な飲物”を飲んで“のたうち回る”という(^^;)ものもありましたが・・。

いろいろ復活させたいと思っているのですが、今回はジャズ・アルバムを聞いていくというものを、このブログで再度やってみようと思っています。
※掲載している写真はかつてのホームページのものです。

ただし、すでに「アナログ探訪」というコーナーがあり、156枚ものレコード盤を聞いて感想を書いてきているので、その中にはジャズのアナログ盤も入っていました。
なので、今回再構築するものについては「CD」でジャズを聞いて感想を次々と書いて(過去のホームページの原稿も復刻しつつ)いこうと考えております。

とにかくねぇ、もうジャズを聞く人が少なくて、たまに聞いている人を見つけると老人ばかり、私だって“いい歳”だが、それでも年齢的に私が最後の砦なんじゃないかと思いつつ書いてみようと思い立ったわけですd(^_^o)

というわけで、近日公開いたします。
今、過去の原稿なども使えるか確認中です。

それではまた後日。

 

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