「死の向こうへ/横尾忠則」を読みました。
『死の向こうへ/横尾忠則著(PHP研究所)』という本を読みました。
ブックオフで見つけました。わずか200円。この横尾さんの“摩訶不思議”な体験などが綴られた本がわずか200円・・。
1998年発行のものでした。横尾忠則さん62歳の頃。
もう、次から次へと横尾さんの「霊体験」が書かれているのですが、それはさかのぼって2歳の頃母親に背負われていた頃から死を意識していたと書かれている。
父や母の死を二人が元気な頃から意識し、自分の死についても幼い頃から意識していたことがわかりました。
三島由紀夫との死の三日前のやり取り、谷内六郎、柴田錬三郎との別れなども書かれていて、横尾さんはその都度、さまざまな不思議体験をしています。
一番強烈だったのは、瀬戸内寂聴さんが平家のことを書くことになり、源平の合戦のあった屋島に登ろうと、妻と共に寂聴さんに付いて行く横尾さんの話。
事前に寂聴さんのお姉さんの営む仏壇屋に寄ると、寂聴さんからそこにあった般若心経の経本をポケットに入れてもらう。
横尾さんがその夜ホテルに泊まると、階上からもの凄い数の馬と人間が何やら時の声を上げながら頭上をけたたましく駆けて行く・・。
あわてて、寂聴さんからもらった経本を手に取り般若心経を唱える。
奥さんがホテルの人に聞くと、このホテルの場所は源平の合戦のあった一の谷であったとのこと。
さらに、帰京するとレコード会社から仕事が来て、アルバムジャケットのデザインをしてくれとのことであったが、そのアルバムのテーマが偶然にも「平家物語」であったという・・。
さらにさらに、そのディレクターが持ってきたデモ・テープには平家の鎮魂歌が入っていたのだが、終曲には横尾さんが一の谷のホテルで聞いたあの合戦シーンの音声が挿入されていて、横尾さん唖然っ!!
さらにエンディングには、“般若心経”が逆回しになって収められていたのだそうです。
瀬戸内さんとの屋島の取材、般若心経をもらったこと、ホテルでの夜の合戦の音、ホテルの場所が合戦の場であったこと、アルバムデザインの仕事が平家物語であったこと、レコードには合戦シーンと般若心経の音声が収められていたこと。
・・すべてがシンクロしていて、私もこの部分で一番驚いたのでした。
横尾さんは、死を待ち遠しく思ったり、逆に恐れたり、自分の作品の中で死を表現したりと、「死」というものがいつも頭の中に渦巻いているようでした。
上記エピソード以外にも、不思議な出来事がたくさん書かれていました。
このところ不思議・恐怖体験が続いている私には共感することだらけの本でした。
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