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2018/07/15

星組「ANOTHER WORLD / Killer Rouge」を見てきました

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宝塚歌劇・星組東京公演「ANOTHER WORLD(落語ミュージカル) / Killer Rouge(タカラヅカ・ワンダーステージ)」を観劇してまいりました。

ミュージカル、ショーの二本立て。
最初の『ANOTHER WORLD』は、RAKUGO MUSICAL(落語ミュージカル)と銘打ったまさに異世界のミュージカル!!( ̄O ̄;)

死後の世界が出てくる落語「地獄八景亡者戯」「朝友」「死ぬなら、今」などを随所に散りばめ、大元の噺は「崇徳院」という大店の若旦那と菓子屋のお嬢様の“一目惚れ”の落語ですが、元ネタでは二人は死にませんが、この噺では、他の噺もミックスしているので死なせちゃいます(^_^;)

主役二人や様々な人達があの世に行き、そこでまた知り合う貧乏神やその他の人?たちとの落語フレーバーなドタバタが果てしなく可笑しい(^o^)

チラシだけ見たときには、“なんでもあり”的な最近のタカラヅカがまたひとつやっちゃったのか、と思っていたのですが、私の潜在意識にある「メイちゃんの執事」のときの紅さんが今まで私の感覚を邪魔していたのかもしれません、主演、紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんの炸裂する「笑いのセンス」にやっと本格的に気づくことになりました。

これでいいんだね。まさに『紅ワールド』!!
宝塚としては異色も異色の落語ミュージカルを、笑いの渦と、人情の機微でしっかりと作り上げ、星組の組子達は相手娘役の綺咲愛里(きさき・あいり)さん、二番手男役の礼真琴(れい・まこと)さん、専科からの華形ひかる(はながた・ひかる)さんはじめ全員が愉快で軽快で、リズミカルで、人情も愛情もあふれる舞台を力強く演じていました。

関西弁の早口もものすごく、全員がこの話をいいものにしようとする姿がとても良かった。

あの世に出てくる冥途歌劇団のロケットや、冥途の阪急電車のマルーン色そっくりの鉄道なども可笑しかった。「ベルサイユの“蓮”」ってなんやねんヽ(=´▽`=)ノ

最初から最後まで息をもつかせぬ怒濤の舞台に観客席は笑いの渦に包まれました。


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そして、ショー。
こちらも久しぶりに星組の過激なくらいのオーバー・スピードでコーナーに突っ込む感じのショーを堪能しました。
そうそう、星組はこのくらい“やり過ぎ”な感じで“丁度いい”んですd(^_^o)

紅さんの他組トップにない派手なゴージャス感、相手役、綺咲さんのあふれるような可愛さと、ちょっとツンデレっぽい感じ、礼さんの伸びやかで艶やかで辺りがパッと開けていくような明るい歌声、なんだか遠慮がちだけど、“やるときはやる”七海ひろき(ななみ・ひろき)さんなど(^^;)、専科からの華形さん含め、次から次へと“攻め”のショーに胸が熱くなりました。

ロケットも良かったねぇ!(*^_^*)、ステージだけで完結するのかと思っていたら銀橋にまで出て来て、今までにない“振り”で可愛いものでした。わたしゃ、涙がでましたよ。

最後の最後までガンガンくる、これが星組だよねぇ、なんだか久しぶりに溜飲が下がりました'(*゚▽゚*)'

おしまいに特筆的にミュージカルでもショーでも光っていたのが娘役の音波みのり(おとは・みのり)さん。ミュージカルでも舞台をキリッと引き締める演技を見せてくれたし、ショーでは随所に大活躍でした。この人は星組の宝だよ、大切にしないと。

それから、同じく娘役の有沙瞳(ありさ・ひとみ)さんも、また新たな魅力をミュージカルで見せ、ショーでも抜群に光るものがありました。いつも感心させられます。

以上が今回の星組観劇の感想でした。
星組が紅さんの星組になってきたな、と強く感じる公演となりました。


【Now Playing】 Untitled Original 11386 / John Coltrane ( Jazz )

2018/06/20

月組・赤坂ACTシアター公演「雨に唄えば」を観劇

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宝塚歌劇・月組赤坂ACTシアター公演『SINGIN' IN THE RAIN 雨に唄えば(ミュージカル)』を観劇しましたので感想を。

主演ドン・ロックウッド役は、月組トップスターの珠城りょう(たまき・りょう)さん。そして相手娘役にあたるキャシー・セルダンは若手の美園さくら(みその・さくら)さんが演じ、さらに主役級のコズモ・ブラウン役は美弥るりか(みや・るりか)さん。

そして特筆すべきは、“みんなの困ったちゃん”的役割、リナ・ラモントを本来男役の輝月ゆうま(きづき・ゆうま)さんが演じ、見た目は美人、声は面白すぎ(#^.^#)、歌は音痴、という、しかもストーリー全体に笑いと雰囲気を振りまく「超難役」を実に見事にこなされていました。
最後の最後まで、笑いと明るさをこのミュージカル全体に渡って振りまいていました。
間違いなく今回の【MVP】です。

主演珠城さんは、まるでこのミュージカルが“あて書き”されたかのように“ぴったり”“しっくり”とドン・ロックウッドにはまり、歌にダンスに、お芝居に、まさに「水」をえた魚のように生き生きと演じられていました。
特に一幕終了直前、舞台上は本物の“土砂降り”となり(びっくりしました( ̄O ̄;))、珠城さん、ずぶ濡れで大熱演、観客も息を呑みました。すごかった。

珠城さんと丁々発止で物語りを進める美弥さんも、いつもながら歌もダンスもお芝居も群を抜く素晴らしさ!
完全にコズモ・ブラウンになりきっていました。もう、このかっこよくて、お茶目な感じは誰も真似できませんd(^_^o)

そしてチラシ等には大きくクレジットされていませんでしたが、珠城さんの相手娘役となっていた若手の美園さくらさん。
歌はもちろんお見事!そしてトップ珠城さんを相手に回し、お転婆な部分を見せたかと思うと、小さなハートをキュンとさせる乙女にもなり、芝居もうまいっ!!

ゼルダ・サンダースを演じた叶羽時(かのは・とき)さんは、歌もうまく、華やかさも同時に持ち合わせている。

ロスコー・デクスター(監督)を演じた蓮つかさ(れん・つかさ)さんは、すっかりコメディエンヌを身につけ、爆笑の連発銃を放ち、その美しいお顔立ちからかけ離れた存在感に感心しました。

珠城さんと美弥さんにトーキー時代となり、発声方法の先生としてアドリブでコーチしたのは、今回本役休演のため代役だったのですが、朝陽つばさ(あさひ・つばさ)さんが演じ、本人も冷や汗かきつつ、熱演。
珠城さんと美弥さんにいじられながらの楽しいコーナーになっていました。

いつの間にか月組は層が厚くなりましたねヽ(=´▽`=)ノ

洗練され、音楽も素晴らしく、舞台装置も抜群、演じる月組の組子たちも万全な感じ、満点の公演でした。月組、ありがとう!(゚ー゚*)。oO

2018/06/17

月組・月城かなとさんの「ザ・ラスト・パーティー」見てきた

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宝塚歌劇・月組日本青年館公演「Musical THE LAST PARTY」を見てきました。
主演は雪組から組替えで月組配属となり、すっかり月組のスターになってきた月城かなと(つきしろ・かなと)さん。
相手娘役は月組では芝居巧者の海乃美月(うみの・みつき)さん。
お二人とも洋風な“濃い”ルックスなので、今回のフィッツジェラルドのような1920年代のアメリカが舞台のお話にはぴったりだと思いました。

時代は「ジャズエイジ」とも言える1920年代からフィッツジェラルドが亡くなる1940年までのお話で、彼の代表作「華麗なるギャツビー」がアメリカ文学に偉大な足跡を残した栄光と、その後の時代の寵児からの栄光が過去のものとなり、経済的にも社会的にも不遇になっていくところを描いたものでした。

月城さん演じるフィッツジェラルドは、貧しい家庭に育ったというコンプレックスがあり、さらにそこから湧き出た大いなる野心、妻(海乃さん演ずるゼルダ)への愛と、妻が精神的に病んでしまってからの苦悩、友人であるが、フィッツジェラルドの文学作品に厳しい評価と叱咤をあたえるヘミングウェイ(役:暁千星/あかつき・ちせい)との葛藤と確執・・、なかなかに“濃い”物語でした。

過去、宙組の大和悠河(やまと・ゆうが)さん、当時月組の大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さんにより二組連続上演という形で公演された植田景子先生の作品なのだそうです。
過去のお二人を見ても、月城さんが演ることには何か必然のようなものさえ感じます。

で、月城さんと海乃さん、バチーンっとはまってましたよ!ヽ(=´▽`=)ノ
絵に描いたようなオールド・アメリカンな世界の中で、お二人と月組の精鋭部隊がフィッツジェラルドの最期までをたどる「ラスト・パーティー」、ガツンときましたd(^_^o)


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もともと月組はこういうシチュエーションは得意な感じがします。
だからみな、生き生きと演じ、前半は月城さんがうなぎ登りで頂点にたどり着き、海乃さんという妻も得た・・でも、そこには・・何も無かった・・みたいな荒廃した心模様までが描かれ、見ているこちらはちょっと辛い感じだったのです。

で、後半に入り、どん底状態の月城・フィッツジェラルドのもがき苦しむ様子。そして、わずかながら光が射してくる様子、心にジーンと響きました。

後半、お芝居が始まってすぐに、月城さんの秘書となった“なっちゃん”(夏月都/かげつ・みやこ さん)(*^_^*)、この人の芝居力をあなどってはいけない、なっちゃんと月城さんのシーンから、今まで5速100キロで走っていたような舞台が、3速110キロで走り出したクルマのようにガツン・ガツンとシフト・ダウンをかまし、俄然舞台が盛り上がり、急展開となります。

そこに現われたヘミングウェイの暁さんが、一気に2速にさらにシフト・ダウンし、ホイルスピンさせながらの急加速!月城フィッツジェラルドと“魂”のバトルとなり、物語は佳境に入りました。

そこからは、組全体がこのラスト・パーティーという舞台を力強く観客に見せてくれたのでした。
ラストに向けて、フィッツジェラルドの死が近づくにつれ、胸の奥底から何かが湧き上がってきました。
人の一生って、そして妻との愛って、また残された子供のこと、周囲で関わってくれた人たち・・そんなことが頭の中を、胸の中を狂おしく駆けめぐったのでした。

さすが植田景子先生の作品、これまた人生の光と影をうまく描かれていました。

終演後も余韻が残りましたねぇ・・。
力作でした。


【Now Playing】 Real Gone Made In Manifest In The Vortex Of The Eternal Now / YOUTH ( Instrumental )

2018/06/16

二度目の観劇、宙組「天は赤い河のほとり/シトラスの風」。

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宙組・東京公演「天は赤い河のほとり/シトラスの風」、二度目の観劇をしてまいりました。

今回は二階、A席だったので、上から俯瞰する感じで舞台を見ることができました。
席が取れたときに「二階」と知ると、けっこうその場ではがっかりしたりするのですが、実際にはそこで見てみると一階で見ていたものとは異なる光景が見え、感じ方も違ってきます。
だから、ぜいたく言うと、ひとつの公演を一階と二階の二回に分けて見ることができればベストなんですけど・・まあ、そうもいきません(^_^;)

さて、二度目の宙組トップコンビ東京宝塚劇場お披露目公演、ミュージカルの「天は赤い河のとほり」、いきなり始まったところで二階から見るそのスケールの雄大さにあらためて驚きました。突然、ドカンときたので思わず泣きそうになりました。

舞台全体でも、組子それぞれが生き生きと動き出して、前回見たときよりもスケールアップされ、迫力も増したように感じました。
全員がそれぞれの役割を十分に感じている様子が見て取れ、だからストーリーもさらにわかりやすくなっていたと感じました。

前回では、真風涼帆(まかぜ・すずほ)さん、星風まどか(ほしかぜ・まどか)さん、芹香斗亜(せりか・とあ)さん、愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんら主要な人たちの演じ方の深さに差異が出ているように感じ、シーンによっては平面的に感じてしまうようなところがあったのですが、今回は皆が深いところで演技していて、奥行きのある舞台になっていました。
・・宝塚は公演中もどんどん進化するんですよね、それがまた宝塚歌劇の魅力です。

圧倒的で、タイムスリップという設定をうまく感動的に扱った今回のミュージカル、なかなかの仕上がりになっていました。

そして、ショー「シトラスの風」。
こちらも宙組が大事にしている演目、さらに進化していました。

それぞれの場面での組子の動きも、より躍動感が増していたように感じました。
何よりも、トップお二人に、ここまでやってきたという自信がみなぎっていたと思います。
星風さんも若いのにだんだんとトップらしい堂々としたものが見えてきました。

それにともない、宙組らしい独特のスケール感、爽快感もさらにアップしていて、こちらでも組の特徴がよく出る宝塚らしさを感じてうれしくなりました。

新しいトップコンビは、歌えるし、演技もできるので、今後の様々な演目が楽しみになってきました。
東京お披露目はよい結果になったと感じました。


【Now Playing】 ナイツのチャキチャキ大放送 / ナイツ ( TBSラジオ )

2018/06/07

宙組「天は赤い河のほとり/シトラスの風」見てきました。【2/2】

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宝塚歌劇・宙組東京公演「「天は赤い河のほとり/シトラスの風」観劇のご報告第二弾!
今回は、ショー「シトラスの風(ロマンチック・レビュー)」の感想です。

1998年の宙組誕生時に上演された演目がこの「シトラスの風」。宙組誕生20周年となる今年は新トップ・コンビ東京お披露目公演での上演となっております(^-^)/☆

で、この「シトラスの風」ですが、宝塚ファンにはお馴染みなんですよね、なのに私、宙組が初演した頃は“宝塚休止期間”でしたので、まったく存知上げず、さらに近年公演されたものについても観劇することができておりません…σ(^_^;)

なので、初見した感想となってしまうのです、面目ない (・_・;

冒頭から清々しくて、爽やかで、とても上品な作品と感じました。
こういうの、宙組は“得意”ですよね。力感もあるが、細やかな手足のさばき、舞台上の振る舞いなど、宙組ならではのものを感じました。「いいねぇ」(゚ー゚*)。oO

このショーは、宝塚の伝統的な良さをそのままに、さらに初演当時としては“新しい”感覚を取り入れたショーだったのではないかと推察いたしました。

とても新鮮な感じがするんですよね。最初の舞台上のフォーメーションなども、当時かなり斬新だったのではないかと思います。

トップの真風涼帆(まかぜ・すずほ)さん、相手娘役・星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんは、そんな演目にもピタリとはまり、若々しくて麗しいコンビなんだなと皆が納得できるような印象でした。

宙組は現状、二番手男役が組替えで来た芹香斗亜(せりか・とあ)さんと、はっきりしているので、芹香さんもいい感じで、いい頃合いで登場していました。
この人、ほんとうにカッコいいんだよね。

さらに愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんや、桜木みなと(さくらぎ・みなと)さんら、男役は充実しているので、ショーも各コーナー・コーナーで十分な盛り上がりを見せていました。

新場面も加えたとのことですが、初見のためそれはわからず(*^_^*)
でも、バイタリティーあるシーンということでしたので、あのシーンかな、というのはわかりました。
美しく展開していく中で、躍動感あるシーンを挿入していくなんていうのも宙組の得意とするところだと思います。宙組にぴったりとはまるショーでしたね。

私の感覚としては、さらにトップ・コンビの濃厚なデュエット・ダンスや、主要男役と主要娘役の“からみ”が熱く繰り広げられる場面なども盛り込まれていると、なお良かったのではないかと思いましたが、初見でこんなこというと怒られちゃいますね、ごめん。

あとは、時々あることだけど、トップコンビお披露目なのに、エトワールがトップ娘役の星風さん、ていうのはなんかちょっと違和感ありました。
二人が最後に順番で大階段を下りてきた方が盛り上がったんじゃないかなと・・これも老婆心です、ごめんちゃい。

全体的には、近年のショーにはあまりない感覚で、私にはうれしい感じで伝わってきました。

超個人的感覚だけど、ぼくはショーは上品な方が好き!
なので、今回は迫力的にはまだもうひとつ、って感じもあったのですが、良かったです(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 That's The Way It Goes / George Harrison ( Rock )

2018/06/06

宙組「天は赤い河のほとり/シトラスの風」見てきました。【1/2】

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宝塚歌劇・宙組東京公演「天は赤い河のほとり(ミュージカル・オリエント)/シトラスの風(ロマンチック・レビュー)」のミュージカル、ショー二本立て、見てまいりました。
ミュージカルとショー、二回に分けて感想をご報告しようと思います。

この公演はトップ男役・真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんと相手娘役・星風まどか(ほしかぜ・まどか)さんのトップ・コンビ東京宝塚劇場お披露目公演となります。
さあ、新生宙組、どんなでしょうか。

まずはミュージカル、「天は赤い河のほとり」は、少女コミックで連載された篠原千絵さんの漫画が原作。
紀元前14世紀の古代オリエント、ヒッタイト帝国が舞台ですが、そこの第3皇子カイル(真風涼帆)と、現代からタイムスリップさせられ、呪術の形代となってしまいそうになる女子高生ユーリ(星風まどか)の、その時代に生きる二人と周囲の人々の壮大な舞台での物語であり、主演二人の愛の物語でもありました。

現代の女子高生が古代オリエントの世界で活躍するという、まさに“漫画”的展開で、私は原作を存知上げませんが、展開もわかりやすく、楽しく観ることができました。

ただ、舞台進行はやや平坦に感じました。
もうひとつ波乱や、大きな動きがあっても良かったと思うし、星風さんの心の動き(過去で生きることになる決意や、真風さんへの想いの変化など)は、脚本や演出でそこまで書き込まれていないと思うので仕方ありませんが、もっとドラマチックに出来たら良かったのに・・と思いました。
もちろん、真風さんの戦いへの決意や、星風さんへの想いが強くなっていく過程なども、もっと描くことは可能だったんじゃないかと思ったのです。

組全体で見ると、衣裳も時代に合わせたなかなかのものだったし、宙組の大きくて堂々として、しかも爽やかな舞台さばきは他の組では感じられないものだと思いました。
宙組は、こういう歴史的で壮大なシチュエーションを描くのがうまいです、再認識しました。

組替えで来た、芹香斗亜(せりか・とあ)さんは二番手という立ち位置だと思いますが、この人の配役も、もっと書き込んで、星風さんへの想いが変化していくところを深くお芝居させてあげても良かったと思います。

愛月ひかる(あいづき・ひかる)さんは、相変わらずの芝居巧者で、しかもキャラクターづくりがうまく、安定した演技だと感じました。

桜木みなと(さくらぎ・みなと)さんの配役は、上に上記のお二人がいるので苦労したのじゃないかと思いますが、この人も舞台での輝きは持って生まれたものを感じました。
どこにいても目立ちます。天性のトップ向きなものを感じました。

あと、和希そら(かずき・そら)さんには、もっと大きな役を与えてもきっと驚くような結果を出すんじゃないかと思いました。秘めたる実力はウエストサイド・ストーリーなどでも充分感じていたので・・。

真風さんも星風さんも、過去何度か主役、あるいはそれに匹敵する役を演じていて実力も充分なお二人ですが、今回の舞台を見ていると、まだまだポテンシャルが隠されていると感じました。
ちょっとストーリーを紙芝居的になぞるような感じがまだ残っていて、いろいろと工夫できそうな予感がいたしました。たぶんもう一度見ることが出来るのじゃないかと思うので、その際には再報告いたします。


【Now Playing】 Peggy Sue / John Lennon ( Rock )

2018/05/01

月組「カンパニー/BADDY」二度目の観劇

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宝塚歌劇・月組東京公演「カンパニー/BADDY」(ミュージカル、ショー二本立て)二回目の観劇をしてまいりました。

前回、ショーの方については、いろいろ・ぶつぶつ(^_^;)小言のようなことを書きましたが、ミュージカルの感想のあとで、そちらについてもふれてみます。

ミュージカル「カンパニー」は、前回見てから10日ほど経っていますが、とてもよくなっていると感じました。
組子全員がそれぞれの役をよく把握し、自分のものとしていることが舞台の隅々まで行き渡っている・・そんな感じだったのです。

だから、ストーリーは生き物のように進展し、台本に書かれている以上に生き生きと動き出し、実におもしろい!


ここぞっ・・ていう小さなギャグについても自然に出ていて、観客もゆったりとした気持ちで笑う。そんな劇場の空間がとても心地良かったのでした。
こういう気持ちになることってあまりないです、宝塚では。

思い起こしてみると、かつて大和悠河(やまと・ゆうが)さんの宙組が演った「パラダイス・プリンス」に似ているような感覚を感じたことを思い出しました。

当時の宙組とちょっと異なるのは、現在の月組の様子を見ていると、各自がいろいろと考え、試して個々の個性が集合した状態でそれぞれに間を取り、舞台で己が考えたことを実践しているように感じるのです。
月組は個人個人が自分をプロデュースしている印象です。
だから、今回のように“ハマる”と、素晴らしい効果を発揮し、充実した生き生きと輝くような舞台になります。
月組の特徴でしょうね。
それぞれの役に魅力を感じた、なかなかの演目でした。


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さて、ショーの方(^_^)
前回見た公演は、貸切公演でお客さんの多くが拍手のしどころに戸惑い、反応も遅く、それも手伝ったのか、ウケているのか、ウケていないのか客席の様子が微妙だったことも手伝って、かなり好き放題辛口なことを書いてしまいました。

で、今回の客席の様子は、日曜日で公演も終盤に入り、ご常連や宝塚に慣れているかたも多かったようで、もうドッカン・ドッカン、ウケておりました(*^_^*)
それも手伝って組子も“大張り切り”(^-^)/☆前回よりも“ど迫力”のステージになっていました。

客席も「もっとやってぇ~」みたいな感じで(^^;)、手の付けようがない(#^.^#)感じ。

だから、前回「ここは浅草演芸ホールか、虎姫一座か」などと啖呵を切ってしまったのですが、「まあ、いいんじゃないかな」と思い直しました。

以前からこのブログでも書いたことが何度かあるのですが、「宝塚の良さは、“なんでもあり”なこと」って、そう言っている自分がいるわけですから。

“高いところ”に行ってしまうと、そこからは伝統芸能的になってしまうか、孤高の位置にしがみつき、滅びの世界に入ってしまう・・そういうことです。

でも、なんか自分でちょっとひっかかっていたのが、フィナーレのパレードで大階段に現われたトップスターを観客も組子も皆で仰ぎ見るあの場面で、組子がズッコケたりする場面。さらにトップスターがサングラスをしていたり、組子が手に持つ“シャンシャン”が「タバコから煙もくもく」の“張りぼて”みたいなやつだったこと・・。

フィナーレのパレードの時だけは、銀橋を渡ってくるトップスターやその他のスター達を憧れの眼差しで見たい!・・そう思います。
そして、最後トップスターだけが銀橋に残り、客席を悠々と見回して、ゆっくりと舞台センターにもどっていく・・そこだけは、神々しさを残しておいて欲しいな・・と。

ま、そんなわけです'(*゚▽゚*)'

月組公演、風変わりだったが、良かったよ、というところで今回の公演についての感想を終わりにします。

次は宙組東京公演になるかな。


【Now Playing】 今朝の三枚おろし / 武田鉄矢 ( Podcast )

2018/04/21

月組・東京公演「カンパニー/BADDY」を見てきた

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宝塚歌劇・月組東京公演「カンパニー -努力、情熱、そして仲間たち-/BADDY -悪党は月からやって来る-」のミュージカル、ショー二本立てを見てきました。

最初は、石田昌也先生が伊吹有喜先生原作の「カンパニー」をミュージカル・プレイに仕立てたものです。

第一印象は、かつて宙組の大和悠河(やまと・ゆうが)さんがトップの頃にやった「パラダイス・プリンス」を彷彿とさせるな、というものでした。

完全“宛て書き”な感じに見えるトップ・珠城りょう(たまき・りょう)さんの人柄のよさ、真っ直ぐで不器用な様子、でも結局みんなから慕われ、珠城さん中心にこの物語で言えば「カンパニー」が最初はヨロヨロとしていたのに、ぐんぐん突き進んで行く・・そんな様子をコミカルに、そしてときにはグッと感動的に。
最後には幸せ感あふれて、見ているこちらが幸せになる・・みたいな感じ(゚ー゚*)。oO


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愛妻に若くして先立たれ、それでもなんとか会社で頑張っていたが、自らの製薬会社がスポンサーとなっているバレエ団の名目はプロデューサーでの出向は、実は“左遷”だった。
総合プロデューサーなんていって、実は電球取り替えたりの“総合雑用係”だったりして、失意の中から、そのカンパニーと共に素晴らしい作品を作り上げようとしていく様子、まさに珠城さんにピッタリ!

相手娘役の愛希れいか(まなき・れいか)さんは、そのバレエ団でコツコツと努力しているが、生活のためにコンピニで働く娘、そして密かに珠城さんに憧れる・・狙い通りの宝塚的展開です。

美弥るりか(みや・るりか)さんが、外国から凱旋してきた世界的プリンシパルの役をするのですが、こちらはさすがの名演です。ほんとうに世界のプリンシパルに見えてくるし、珠城さんの誠実な様子に心動かされるところの表現もお見事でした。

海乃美月(うみの・みつき)さんもリストラ寸前で出向してきたトレーナー役をジャージ姿で熱演、いつもの巧さでした。この人の“芝居心”は筋金入りです。

そして今回が退団公演となる早乙女わかば(さおとめ・わかば)さんは、トップと同じくらいの場面と台詞を与えられた重要な役どころでした。
こちらも渾身の演技を見せてくれました。巡り合わせでトップにはなれませんでしたが、彼女の美しい娘役としてのたたずまい、演技のうまさは、ここでまたひとつ記憶に残るものになりました。

前半、「カンパニー」はコメディ・タッチのミュージカル・プレイとしては楽しめるもので、宝塚的娯楽作品としては及第点以上のものだったと思いました。

続いて、ショー「BADDY」です。
こちらは・・賛否両論あると思いますが、最終的にはこれは「ナシ」なんじゃないの・・と感じました。

“ハマっている”人には大変な大好評とのことですが、パッディーを追い詰めるグッディーというストーリーは、ショーのワンコーナーで5~6分にしとけばよかったんじゃないかなぁと思いました。

男役の群舞のシーンなどは、月組らしいなかなかのものをお客さんを煽るように見せてくれていて、こういうのをメインに据えておいてのワンコーナー「パッディー」だったらよかったのに・・でも、この私の意見には反対する人も多そうだなぁ・・。

愛希さんが“キレッキレ”のダンスで引っ張ったロケットは、なんだか唸っていて、初めて見るようなちょっと下品な感じのもので(ごめん・・)、あまり感心したものではなかった。

衣裳も“やり過ぎ”感のあるもので、それもやや下品に感じたのです(またまたごめん・・)。瞳花ゆりの(とうか・ゆりの)さんの頭に乗っかってたのはなんだ?!
また、フィナーレで組子が持っていた“シャンシャン”はギャグ漫画みたいなタバコから煙の出ている“張りぼて”だった・・なんじゃそりゃ。

トップが大階段からサングラスで降りてきたときには、ここは浅草演芸場か、虎姫一座かと思いました。

いいシーンもいくつかあったのですが、全体に流れるそのテーマ性にはついに馴染めなかった(ほんとにごめん・・)。

珠城さんがラスト、大階段に現われたときにも、下で待つ組子が演出でドタバタになったりするのも、もうひとつな演出でした。そこまでせんでもいい・・って、正直思いました。

ちょっと今回は歯切れが悪いが、でももう一回見るチャンスがあるので、そのときにもう一度リフレッシュした心持ちで見てみようと思います。
そしたら全然印象が変わって「こりゃいいっ」ってことに・・なるかな・・。
今回は、これにて、また次回同じ月組の感想で!


【Now Playing】 Lilly / Pink Martini ( Latin )

2018/03/08

花組「ポーの一族」を観劇しました。

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宝塚歌劇・花組東京公演『ポーの一族(ゴシック・ロマン)』を既に観劇しておりましたので、その感想を。

1970年代に少女漫画史上の傑作であった萩尾望都さんの「ポーの一族」が宝塚歌劇にて初めて舞台化されました。
歌劇団を代表する座付き作家の小池修一郎氏はこの作品を舞台化したいがために宝塚に入ったと言われ、1985年に初めて萩尾氏に劇化の依頼をしてから、ずっと断わられてきた舞台化が今回ついに了承されました!

永遠に歳を取らずに生きながらえていく“バンパネラ”ポーの一族とその一族に加わったエドガー[明日海りお/あすみ・りお]が、アラン[柚香光/ゆずか・れい]、メリーベル[華優希/はな・ゆうき]を仲間に加え、時空を超えた旅を続ける物語です。
寂しく、怖く、美しい物語でした。

主演の明日海さんはエドガーという永遠の時を生きることになった少年を演じましたが、まるでエドガーそのものという印象でした。
一本芯が通ってはいるが、普通の少年であったエドガーは巡り合わせでバンパネラのポー一族に加わることとなり、苦悩と、その運命に抗いつつも自らの人生として受け容れざるを得ない、そしてこの世のものとは思えない不思議な存在感を丁寧に、そして深く、静かに、あるときは感情を露わに・・見事に演じていました。

またひとつ明日海さんは金字塔のようなものを打ち立てたんだな、と感じました。


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相手娘役の仙名彩世(せんな・あやせ)さんは、シーラ・ポーツネル男爵夫人を演じて、これもこの世のものとは思えない存在感と美しさ、強く生きるが、女の脆さなどもうまく演じて、他組のトップ娘役とはひと味ちがうところを見せつけました。

芹香斗亜(せりか・とあ)さんが宙組に組替えとなり、二番手の位置にきた柚香光さんは、アランを演じ、これまたバンパネラと現世の人々との狭間で苦しむ役どころを見事に演じ切りました。心配だった歌もたいへん良くなっていたと思います。
エドガーとアランの並びは“美し過ぎる”!!

明日海さんの妹・メリーベルを演じた華優希さんも非常に演技巧みで、さらに舞台上の“華”を感じさせました。
アランの従姉妹・マーゴットを演じた城妃美伶(しろき・みれい)さんは、かつての日の出の勢いからみると、かなり“割を食った”役に感じました。華さんと比較してしまうと、ちょっと気の毒にも感じましたが、いやいやまだまだ逆転もあるのかもしれません。

もちろん、医師・ジャン・クリフォードを演じた鳳月杏(ほうづき・あん)さんや二役を演じた水美舞斗(みなみ・まいと)さんも素晴らしい男役としての存在感と演技を見せてくれました。この二人がいること自体が非常に贅沢な感じ(^-^)/☆うっとりしちゃいますよ。

フランク・ポーツネル男爵の瀬戸かずや(せと・かずや)さん、鳳月さんの婚約者・ジェインを演じた桜咲彩花(おうさき・あやか)さん、そして先に書いた仙名彩世さんの三人は、花組の中にあって、この物語をしっかりと方向付けてゆるぎない演目にしていると思いました。
それぞれが実にどっしりと、しかもしっかりと役づくりをしていて、花組を見ているときの“安心感”のようなものはこの三方の存在あってこそのものだと、あらためて感じました。

舞台装置も衣裳も抜群の出来、明日海さん以下花組のレベルはどんどん上昇しているとヒシヒシと感じました。

おまけのショーもすごかった。
男役群舞、トップ二人のデュエットダンス、どれをとってもあまりの格好良さに体中がシビれるような感覚でした。素晴らしいっ!!

満点の花組公演でした。文句なしです。


【Now Playing】 Softly As In A Morning Sunrise / Sonny Clark Trio ( Jazz )

2018/02/25

宝塚版「ドクトル・ジバゴ」を見てきました

20180225_star_troupe01

宝塚による文学史上の名作の舞台化、そして過去映画も制作されているので、宝塚としてどう見せるか、宝塚の“腕の見せどころ”だったと思います。

主演は専科の轟悠(とどろき・ゆう)さん。そして相手役は今回の公演は星組で構成されている中で、娘役として期待の大きい有沙瞳(ありさ・ひとみ)さんでした。

20世紀初頭、革命前後の動乱期のロシアが舞台ですが、その民衆・学生とそれらを鎮圧しようとする勢力の衝突の凄まじさと、その時代に翻弄される人々(主演の轟さん、有沙さんももちろん混乱の渦に巻き込まれる)を描いて、前半はその紛争と人々の様子、舞台上のキャラクター達が時代の波に翻弄されるストーリーが嵐のように展開されます。

そこでもう、けっこう疲れました (・_・;
それに、宝塚でこんな物語を演る必要があるのかな?なんて思ってしまったのです。
ですが・・。

休憩時間を経て、物語はかなり宝塚的な展開に。
あまりにも偶然な轟さんと有沙さんの再会。轟さんには素敵でやさしい奥さんがいて、赤ちゃんもお腹の中にいる・・というのに、雷鳴に打たれたように主演二人は愛を燃え上がらせます。
・・そこが文学作品としての名作となった由縁なのかと思うし、その直後、轟さんに降りかかる怖ろしく過酷な運命(パルチザンに捕らわれ、命の危機と共に同行を余儀なくされる)。

あまりのことに、胸が締め付けられるような気持ちになりました。
小桜ほのか(こざくら・ほのか)さん演じる轟さんのやさしくて可愛い奥さんと、一方でそれをわかっていながらどうしようもない轟さんと有沙さんのならぬ恋・・。迫真の演技にうなりました。

今回、物語のキーとなる悪役を演じた天寿光希(てんじゅ・みつき)さんには感服いたしました。
もう、その役柄そのものにしか見えない。しかも、ただの悪役ではなく、何か奥深いものを秘めている存在。こんなに深く役どころを掘り下げた演技は、かつてこの宝塚でも見たことがないくらい。
素晴らしかった。最高です。

また有沙さんとの恋と、革命の間で大きく揺れ動く役を演じた瀬央ゆりあ(せお・ゆりあ)さんも渾身の演技を見せてくれました。自身もひとつ何かを乗り越えたようなものを掴んだのではないでしょうか。

そして、全体に感じたことですが、轟さんを中心としてまとまったこの星組の公演は、最近ちょっと“緩い”と感じていた組が一変していたように思います。
ピーンと張り詰めた中、それぞれが力のこもったいい演技をしていたと思います。大拍手です。

主演、轟さんはこの難役をベテランらしい経験を生かした厚く深い演技で作り上げ、さすがだと思いました。
有沙さんは、どちらかというと“濃い”女の役が今まで多かったと思いますが、今回は芯の強さはありつつも、薄幸で、ある意味やさしい女性、しかも可愛さも目立ち、演技の懐の深さを感じました。この人は“役者”です。

舞台装置もステージ中心にセットを置き、周囲を映像にしたりする独特なものが(メイちゃんの執事で見たような気がする)効果を出し、宝塚歌劇団としてもアグレッシブな取り組みを感じました。
宝塚は常に“攻め”の姿勢ですね。そこがいい!

行く前には、ちょっと不安だったこの作品。
大きく心動かされる、そしてあらためて宝塚の奥深さ、良さを感じることができた作品でした。よかった。


【Now Playing】 ボヘミアン・ラプソディー / クイーン ( Rock )

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