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2024/08/14

宝塚歌劇を長いこと見てきたという人に会った。

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このところ、このブログ、俳句を詠むばかりになっていて、あとは本の読後感という感じになっている。
けっこう書きたいことも色々あったし、自分が出来る一番のことは文を書くことなので、ちょっとモードを元のブログに戻しつつ、俳句も日々詠みたいと思っているところです。

では、今回の本題に入ります。つい最近経験したことです。

ホントいうと、会いたいとはあまり思わなかったが、以前の職場で一緒だった方から、まだ私と繋がっている人経由で「会いたい」と連絡をもらった。

「ついては、自分の住むマンションの知り合いが宝塚を何十年も見てきた人で、宝塚ファンのあなたとその時に会ってもらいたい」とのことでした。

その何十年来の宝塚ファンの“おば様”は、“断捨離”というか“終活”というか、今まで見てきた公演のパンフレットを処分するとのことで、引き取ってもらえないかとのことでした。

私は大病して家での療養後に、部屋の整理をして既に一万冊の本を処分しているので、「困ったなぁ」と思いつつ、「見せていただいて、欲しいというものがあれば」という形で会うことになりました。

会う前から想像していたとおりだった。

その方は、お嬢様として育ち、中学生の頃から東京で行われた公演はすべて見てきたのだという予備知識を得ておりました。
全ての公演のパンフレットを買ってもらい、たいへんな量を所持し、その処分に困っていたらしい。
私は、自分から苦労してむさぼるように見てきたような人には共感できるが、果たしてこの人は・・などとも思ったりしていました。

顔を合わせて深く辞儀をしたが、いったん目を逸らし、再度頭を下げた私に今気づいたというふうに「あらこんにちは」という感じで“ハス”に構えて目礼をされました。

帰りたくなったが、待ち合わせ場所のファミレスの席に付き、私の宝塚観劇での経験や、今までに感動した公演や、劇中でのハプニングなどの話、歌劇団の方達とのエピソードを話したが、反応は“あまり興味がない”というふうで、時々「それは間違っている ※この反応が一番多かった」と言い、私の「あの公演は誰それのこういう演技がよかった」というような話には、「それ誰?知らない」とつれない返事。

たとえば花組・真飛聖さんトップ時代の「太王四神記」での冒頭、未涼亜希さんの長い物語の説明シーンは話題にもなり、素晴らしかったが、その話をすると「そんなことあった?未涼亜希って名前、初めて聞いた」などと、まるで話は盛り上がらないし、乗ってこない。
そのときの二番手大空祐飛さんのヨン・ホゲ役の素晴らしさを語ったら、「二番手に大空さんがいたの?覚えていない、花組に大空さんがいたっていうの?」とか、長老プルキル役の壮一帆さんの演技の話をしたら「そんな人いた?」・・息を呑みました。

トップスター以外の人はほとんど覚えていない、知らない。
どのトップがどのくらいの栄華を誇ったか、というような話にはお茶会の話などで話をしてくれるが、何か特別面白いエピソードもない。

パンフレットを示しながら「この公演ではこんなことがあった」と私が話し始めると、「私はどの公演も見ているときだけ覚えていて、終わった公演の記憶はない。パンフレットがあるから見たんでしょうねえ。」と言われ、言葉を失いました。

というわけで、“いい時間を過ごした”ということにはなりませんでした。
宝塚関係で、こんなことってほとんど経験したことがない。

がっくりと肩を落としつつ、帰ってきました。
もうお誘いは断るつもりです。

 

2024/06/21

俳句を詠んでみる_0138《宝塚俳句[ミュージカル Me & My Girl に登場した弁護士役 未沙のえる さんの名演に捧げる]》【 お屋敷の弁護士 胸に薔薇ひとつ 】

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宝塚空前の大ヒット作となった「Me & My Girl」の舞台を牽引した 未沙のえるさん大奮闘の名演技を讃えて詠みました。

【 お屋敷の弁護士 胸に薔薇ひとつ 】

《背景》季語:薔薇[初夏]
日本では、宝塚歌劇が初演して大ヒット作となったミュージカル「Me & My Girl」。
月組、剣幸さんと こだま愛さんが、毎回セリフも工夫しながら試行錯誤をくり返して創り上げ、名作となり、今も宝塚の大切な演目となっています。
中でも、八面六臂の大活躍を見せたのがへアフォードのお屋敷付きの弁護士役 未沙のえるさんでした。
プライドは高く、でもドジで愉快な爆笑誘う屈指の名演技でした。
ポイントは、薔薇の花一輪。
これを持って歌い踊りだすと場内の笑いと盛り上がりは最高潮に。
最後には、ステージ上の花瓶に薔薇が刺されていると、もう未沙さんがこのあと出てくるのだとわかり、それだけで場内が笑いでいっぱいに!
最高の演技を残してくれた 未沙のえるさんにこの句を捧げます。

 

2024/06/15

俳句を詠んでみる_0132《宝塚俳句[※個人的な思いで創った句です。宝塚歌劇団、元花組娘役 青柳有紀さんに捧げる]》【 緑さす とどけ ナーヴの ボーイソプラノ 】

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私からの、たった一通の手紙を読んですぐさま宝塚大劇場に呼んでくれてお会いすることができた宝塚の娘役で歌姫の方を思い出して詠みました。

【 緑さす とどけ ナーヴの ボーイソプラノ 】

《背景》季語:緑さす[夏]
季語「緑さす」は、まぶしい日差しとともに、ふりそそぐような色彩感をとらえているが、宝塚歌劇団、元花組の歌姫であった青柳有紀さんの愛称は「みどり」、青柳さんの印象そして当たり役を得た「テンダー・グリーン」も思い起こさせます。
娘役の彼女がナーヴという名の少年となり、物語のキーとなる部分をボーイソプラノで歌うシーンは忘れられません。
それが私の数十年の宝塚ファンとなるきっかけでした。
今もその演目「テンダー・グリーン」のテーマ曲「心の翼」は、宝塚歌劇団が大切にし、震災など困難に人々が立ち向かうようなことが起こると、歌われています。

 

 

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2024/06/09

俳句を詠んでみる_0126《宝塚俳句[ミュージカル、「エリザベート」で宝塚歌劇に新たな一頁を加えた一路真輝さんを詠む]》【 一路真輝 蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん) 黄泉(よみ)の国 】

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何句か既に詠んだ“宝塚俳句”、今回は特定のトップスターについて詠む試みです。

【 一路真輝 蝦蛄葉仙人掌(しゃこばさぼてん) 黄泉(よみ)の国 】

《背景》季語:蝦蛄葉仙人掌[冬]
これは、宝塚の、しかも特定のトップスターに因んでの一句。
一路真輝は宝塚歌劇団・雪組の男役トップスターだった。
退団公演で演じた「エリザベート」の「トート」は死神で、皇妃エリザベートを死にいざなう役。
当時のオールドファンからは、その役柄に対し批判があったが、やがてその役の魅力に観客は虜になる。
遂には宝塚歌劇を代表する演目となる。
季語に選んだ「蝦蛄葉仙人掌」は、12月から1月に開花するもので、その蝦蛄葉仙人掌という名前にしても、棘状の鋭い突起がある特徴にしても、美しい花を咲かせる姿も、黄泉の国の帝王「トート」のように感じました。
今も光り輝く一路真輝さんを讃えて一句詠みました。

 

2024/06/03

俳句を詠んでみる_0120《宝塚俳句》【 大晦日(おおみそか) 幻のアーニーパイル 】

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現在の東京宝塚劇場の前、旧東京宝塚劇場は、「アーニーパイル」と呼ばれていた時期がありました。それを詠んでみました。

《宝塚俳句》【 大晦日(おおみそか) 幻のアーニーパイル 】

《背景》季語:大晦日[冬]
宝塚関連の句が続いたのでもう一句。
戦争に敗れ、GHQ(進駐軍 ※連合国軍最高司令官司令部)は、現在の第一生命ビルを接収し本部に、そして東京宝塚劇場も接収し「アーニーパイル」と銘々された。
この劇場は1997年まで東京の宝塚歌劇公演が行われ、現在は新しい劇場に建て替えられている。
旧劇場では、大晦日に「年末ジャンボ宝くじの抽選会」や「NHK紅白歌合戦」も行われていました。
劇場内部は、左右両壁面から貴賓席様に張り出したSS席や今の劇場には無い三階席もありました。
アーニーパイル、今は幻・・。

2024/06/02

俳句を詠んでみる_0119《宝塚俳句》【 流星の如き ミラーボールの灯り 】

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前回、宝塚歌劇に因んだ句を詠みましたが、続いてもうひとつやってみようと思いました。

《宝塚俳句》【 流星の如き ミラーボールの灯り 】

《背景》季語:流星[秋]
前回の句に続いて宝塚歌劇について詠みました。
宝塚は基本的に、前半はお芝居、ミュージカル、後半はショー、レビューという構成になっています。
後半のショーでは、“中詰め”と言われる最も盛り上がる中盤頃にあるシーンで、ミラーボールが回り出し、大活躍!
まるで流星が一斉に流れ出し、この世のものとは思えぬ煌びやかな世界が劇場全体に広がります。
その興奮を詠みました。

 

2024/06/01

俳句を詠んでみる_0118《宝塚俳句》【 月光に 銀橋を渡る 足音 】

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大好きな宝塚歌劇について何か俳句で詠めないかと考えておりました。
これは第一回目の「宝塚俳句」試作品です。

《宝塚俳句》【 月光に 銀橋を渡る 足音 】

《背景》季語:月光[秋]
今まで詠まなかった、大好きな宝塚歌劇についての句。
月光はトップスターに当てられたピンスポット・ライトになぞらえました。
銀橋とは、舞台からオーケストラピットを越えてせり出した扇型のエプロンステージのことで、限られたスターだけが渡れるのです。
ひとりゆっくりと歌いながら歩みを進めるスター、観客は息を呑んで見つめます。
二千人の観客にその足音が聞こえてきそうです。

 

2024/02/02

宝塚歌劇・雪組東京公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」二度目の観劇が出来ました。

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宝塚歌劇・雪組東京公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル(Happy“NEW”Musical)/FROZEN HOLIDAY(Winter Spectacular)』二度目の観劇をしてまいりました。
男役三番手、和希そら(かずき・そら)さんの退団公演となっているのですが、再度観劇できて幸せです・・。

ミュージカルの方は、前回見たときから比べるとかなり練られていて、それぞれの役回りを演者各々が理解を深めて演じられていると感じました。

英国の雰囲気が感じられ、ファンタジーでもあり、ちょっとミステリアスでもあるストーリー、衣装も凝っているこの演目、どちらかというと月組がやりそうな感じですが、雪組も“オシャレ”に、そして数多く盛り込まれた曲を軽快に歌い、踊り、楽しめる舞台となっていました。

和希そらさんも、主人公のコナン・ドイル[役:彩風咲奈(あやかぜ・さきな)]を発掘して売れっ子作家に育て上げる編集長の役を、今までの宝塚生活で培ってきた実力を存分に発揮して演じ、安心して見ていられました。
それにしてもこの公演で退団というのは実に惜しい。

舞台は“ウケる”ところは客席が揺れるように“ウケて”いい感じに温かい空気が漂い、コロナ禍や昨年の事件などで宝塚からだいぶ離れていた私ですが、やっと以前のような気持ちで観劇することができるようになりました。“観劇リハビリ”ができたかな、と感じました。

 

 

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ショーは、前回書いたように、久しぶりの“客席降り”があったり、雪組には珍しくどんどん押し寄せるように圧倒的な群舞や、主要なメンバーのコーナーも目白押しで新年最初の宝塚観劇には持ってこいの演目となっていました。

こちらでも和希そらさんは大活躍!
そらさんのコーナーでは、より一段と盛り上がっていたと“ひいき目”抜きで感じました。
トップ彩風さんとの珍しい男役同士のデュエット・ダンスも息をのんで見ました。胸にこみあげるものがありました。

そらさんが神父となり、歌い上げるコーナーはまさに“さよなら”を組子やファンに告げているかたちで、思わず涙してしまいました。
そらさん、長い間ありがとうございました。
楽しい宝塚観劇をずっと続けてこられたのも、そらさんがいてからこそです。

この公演が終わると、私は今後宝塚をどう見ていこうか、しばらくは放心状態になってしまうかと思います。
もう一度どういうふうに宝塚歌劇を見ていくか、自分なりに考えてみたいと思います。

 

2024/01/18

宝塚歌劇・雪組東京公演「ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル/FROZEN HOLIDAY」を見て来ました。

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宝塚歌劇・雪組東京公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル(Happy“NEW”Musical)/FROZEN HOLIDAY(Winter Spectacular)』を観劇してまいりました。

宝塚歌劇については、昨年大きな事件があり、このブログでは宝塚歌劇について観劇後の感想を多く書いていますので、何か思うところを書かねばならないと思っていたのですが、ネット上などで、どこまでが事実なのかわからない話が飛び交い、実際のところどうなのか私にはまだわからず、憶測や想像で書くことができない状態です。

ただ、元渦中の宙組生で、その後星組に組替えとなったOG、七海ひろき(ななみ・ひろき)さんが YouTube で真摯におっしゃっていたことが私には一番響きました。
その他OBの方であまり発言されている人はお見かけしませんでした。私が見てきた範囲の中ではありますが。

世の中、社会が大きく変化・変革していく中で、宝塚も今の若い人たちを迎えるにあたり、考え方、指導の仕方、今までの伝統的なものについて変革させていかなくてはならない時を迎えていて、考え直すべきことがあり、実行していかなくてはならないことがあるということ。

そして、七海さん自信は、自分に与えられた役などに、どうしたらよいかわからず、悩み苦しみ、時間はその中で刻々と過ぎて行き、どん底で地獄のような苦しみの中から見出してきたものがあり、克服したり頑張ってこれたことが今の自分をつくり上げ、自信を生み、誇りを持てたということもある。
それは自分の宝でもある。だから、そういう部分が宝塚歌劇の中において大事なところでもある。
上記、変革と共に守るべき大切なものはあるのだ。
ということでした。私も現段階では同じ思いを持っています。
変えねばならぬこともあり、守らねばならぬこともあるということです。

さて、今回の雪組公演に話は移りますが、本場宝塚大劇場でも一度公演が中止になっていたそうです。トップスターの彩風咲奈(あやかぜ・さきな)さんは、劇団へ乗り込み、幹部に自らの意見を述べ、中止にしたと言われています。また上演開始後にも過呼吸発作で倒れたという話も出ています。それほど今回の事件について真剣に考えているのだと思いました。

東京での公演「ボイルド・ドイル・・」は、コナン・ドイルが自らの筆によって生み出した架空の存在であるシャーロックホームズが目の前に現れ、それまで書いていた歴史小説が売れなかったが、一気にシャーロックホームズ・シリーズで売れだす、という話で、ドイルとホームズの会話や、妻ルイーザとの対話などを通してドイル自ら本来の自分はどういう人間だったのだろう・・と自分の過去・未来を思う・・という展開で、ファンタジーとコメディーが混じったような内容。

ドイルを発見した編集者の役を今回の公演で退団する和希そら(かずき・そら)さんが演じました。セリフの声の劇場内の“通り”、間の取り方、演技、どれもさすがだと思いました。
雪組に組替えで来た和希さん、最後まで輝き続けています。

トップお二人のコンビネーションも良く、ホームズ役の朝美絢(あさみ・じゅん)さんも独特のちょっと妖精的なルックスがこの役に合い、ドイルの彩風さん、妻ルイーザの夢白あや(ゆめしろ・あや)さんも絡んで、この不思議なストーリーをうまく演じていました。

ちょっと“ついていけない”ような奇想天外な展開もありましたが、今の雪組はこういうことも出来るのだ、という感じで見ていました。
もう一度見てはっきりとした感想を書きたいのですが・・。

ショーの方「フローズン・ホリデー」は雪組100周年を記念したものでした。
私は、久しぶりに組子の“客席降り(二階にも組子が現れた)”を見て驚きましたし、コロナ禍後、色々あったがこれでよかったと思いました。

盛りだくさんというか、普通最初に盛り上がって、中詰めといって中ほどでもう一度盛り上がり、最後に大団円となるのが宝塚のショーの一般的な形ですが、今回は何回も“中詰め”があるかのように、「どっかん・どっかん」と盛り上げシーンが出てきて、やり過ぎかなとも思いましたが、新年最初の宝塚公演なので、まあいいかも(#^.^#)と思いました。
雪組がこんなにガンガンくるのも珍しいことでした。

 

 

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退団する和希さんのコーナーもあり、和希さんの登場シーンも多く、あらためて和希さんの実力を感じました。周囲の声も聞こえ「すごいよそらちゃん、実力はトップを取ってもいいくらいだよ」と・・、ファンの私としてはとてもうれしい声でした(*^^*)

さらに驚きのトップスターのデュエット・ダンス、ふつうは男役トップと娘役トップがうっとりするようなダンスを披露し、観客を魅了するのですが、なんとトップ彩風さんと三番手和希さんの男役同士のデュエット・ダンスが展開されました。
これはすごいっ!初めて見る光景でした。
だからラストに銀橋(舞台最前列のエプロンステージ)でトップ二人が手を取り合うシーンも彩風さんだけになっていました。実に珍しい。それほど和希さんが雪組の中で大きな存在であったのだな、としみじみ感じました。

和希さん、最後の公演、なんとかもう一度見たいと思っています。
見ることが出来たら、また感想を書こうと思います。涙で書けるかどうかむずかしいけど・・。

 

2023/09/14

宝塚歌劇 日本青年館ホール・雪組公演「双曲線上のカルテ」を観劇してきました。

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宝塚歌劇 日本青年館ホール・雪組公演『ミュージカル・プレイ 双曲線上のカルテ』を観劇してまいりました。
現在実質上、雪組の“三番手男役”となっている「和希そら(かずき・そら)」さんの主演公演です。

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2012年に同じ雪組が「早霧せいな(さぎり・せいな)」さんの主演で公演したものの再演となっています。私は当時のその公演も観劇しています。

当時の公演は、星組から組替えで来た夢乃聖夏(ゆめの・せいか)さん、星乃あんり(ほしの・あんり)さん、大湖せしる(だいご・せしる ※娘役に転向した頃)さん、彩凪翔(あやなぎ・しょう ※まだ若手)さんなどのけっこう豪華なメンバーでした。
舞台展開もたぶん原作の「無影灯/渡辺淳一作」に近いものだったんじゃないかと思います。
自らの死を予感しつつも、医療に力を尽くす様子は、酒と女に溺れながら荒涼とした心の中での苦悩が早霧さんらしく表現されていたと記憶しています。

今回の和希さんの主演では、たしかに上記と同様な苦悩がありつつも、和希さんが持っているやさしさ、心根の良さがより表現されていたと感じました。
病気に苦しむ患者への心配りや、弱者に対する医療への法的・社会的な対応への不満などにも体当たりで取り組む心優しい青年医師の和希さん・・私はもう前半で泣きだし、これは素晴らしい作品になっていると感じました。

幕間でロビーに出ると、和希さんが宙組時代の組長、寿つかさ(ことぶき・つかさ)さん、娘役の瀬音リサ(せおと・りさ)さん、怜美うらら(れいみ・うらら)さん (※いずれも退団されています)らが、和希さんの力演ぶりに関心した様子で前半を振り返っている様子でした。

さあ後半、後半は相手娘役の華純沙那(かすみ・さな)さんの健気ながら天真爛漫な人柄が和希さんの死が近づく中での懸命な生き方と見事に重なって「愛」が育まれ、縣千(あがた・せん)さんの真面目で一直線な同僚医師としての生き方も舞台上で映えてきます。

あとはもう雪組の“芝居力”が和希さんの熱演と共にぐいぐいと観客の心を掴み、一気にエンディングまで進みます。
もうねぇ、いくら泣いても泣いても、これでもかというくらい素晴らしい雪組の皆さんの演技で最高の出来栄えだったと思います。
全員よかった!!(*^^*)

素晴らしい舞台を見せてもらって、帰りも涙が止まらないまま会場を出ました。
和希さん、どんどん成長していて、今の雪組には欠かせない存在になったと思います。
これからも、もっともっと素晴らしい舞台を見せていただきたいです。
歌も芝居もダンスも満点でした!

 

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