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2021/02/05

太田和彦さんの「ふらり旅 新・居酒屋百選 名酒放浪編」を読みました。

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『太田和彦のふらり旅 新・居酒屋百選 名酒放浪編/太田和彦著(光文社新書)』を読みました。
病院での治療・療養中は、まったく“お酒”が絡んでくるような書物は読めないというか、読みたくない気分でしたが、やっと自宅療養に入り、少しずつ体力が回復してきて、読めそうに感じたので、すでに購入しておいた上記・太田さんの著書に手を出してみました。

頁を開いてみましたが、大丈夫そうです…σ(^_^;)

私は基本的にテレビを見ないので、太田さんが「BS11」でやっている番組を見たことがないのですが、この本はそれを新書化したものだそうです。

この本にも書かれていますが、ある調査では中高年になってしたいことの第1位は国内旅行なんだそうです。
私もこの本を読んでそんな気持ちになりました。

この本は太田さんが今回旅をした、札幌から五島列島まで全国19箇所について、訪ねた名所旧跡や、夜に寄った居酒屋などと、そこですっかり打ち解けた店主やその家族、お酒と料理の写真がカラーでたっぷりと載っていて、ほんとうに私も行きたくなってしまいました。

この感染症騒ぎが収まり、私の体力も回復してきたらぜひ行ってみたいと思いました。

いつも太田さんの本を読んでいて思うのですが、どの地方に行っても太田さんは「ただいま」という感じでお店に入っていきます。
すると、「おっ!太田さんいらっしゃい、久しぶり」っていう感じであっという間に和やかな雰囲気となり、お店の人も家族を呼び、太田さんが来る前に生まれた赤ちゃんも連れてきて太田さんが抱っこしたりで、一気に幸せなムードがあふれてくるのです。

これが、太田さんの全国居酒屋めぐりの一番“いいところ”で、他の人にはない特徴であると思います。

そして、そんな雰囲気の中、店主が腕によりをかけてつくる料理の美味しそうなこと(※カラー写真付きなのでよりいっそう)と、私が今まで見たことのない、地酒の数々!
ああ、行ってみたい(#^.^#)

というわけで、この本、あっと言う間に読み終えました。
自宅静養中の現在、すこし旅の気分も味わうことができました。

 

2020/11/13

太田和彦さんの「ニッポンぶらり旅 可愛いあの娘は島育ち」を読みました。

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『ニッポンぶらり旅 可愛いあの娘は島育ち/太田和彦著(集英社文庫)』を読みました。
太田さんの一連のこのシリーズ、今回は豊橋、八丈島、酒田、福井、釧路、名古屋、木曽福島へのひとり旅・酔いどれ紀行でした。

太田さんの“ぶらり旅”、いつも読んでいて感じるのは、ふつうの人ならこんなにいろいろなものを見つけたり、出会いを楽しんだり、ふと立ち寄った居酒屋で、地の肴を好んで頼み、地酒を深く味わい、愉しむことなど、なかなか出来ないだろうということです。

つまり、私のようなふつうの人間は、どこかに出かけるとなると、いろいろと下調べをして、巡るコースもきっちり決めて、スケジュール通りのコースを、予定通りの店を訪ね、時間も“押せ押せ”の中で動くだろうと思うのです。

でも、太田さんは偶然見つけたものに興味を持ち、いろいろ地元の人に尋ねてみたり、地元の人に紹介された人や、店に出かけて思わぬ人や店、建物、風景に出会うのです。
こういうのを旅の達人というのでしょう。

それに、太田さんは「お酒」という最大の愉しみを深い知識と共に持っています。
それぞれの出会ったお酒に対する感想も、実に多彩な表現を用いて著わし、お酒、居酒屋の達人でもあります。

華やかな味わいを楽しめる一品
「清泉川(きよいずみがわ)/特別純米生原酒」

幻の酒米白玉を仕様した純米吟醸
「限定・上喜元(じょうきげん)」

秋あがり「俵雪」ひと夏を越した味わいを楽しみたい
「限定・羽前白梅(うぜんしらうめ)」

待ちに待った酒が来た
「限定純米大吟醸・三十六人衆」ひやおろし

酒田、百四十六年続いた「久村の酒場」の暖簾をくぐり、出会ったお酒が上記のラインナップでした。

で、太田さんはこれを選びました。

上等なお酒で、旨みもあり、スッキリしたキレの良い味わい
「東北泉・雄町純米吟醸 瑠璃色の海」

どれもこれも飲んだことがない…σ(^_^;)

いつの日か、これらのお酒と出会うことを夢見つつ、読了したのでした。

 

2020/10/24

太田和彦さんの「居酒屋道楽」を読んだ。

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『居酒屋道楽/太田和彦著(河出文庫)』を読みました。

太田さんの1990年代の「東京人」や「旅」、1990年代後半から2000年代に入ってからの「小説新潮」などに掲載された文、また、その後の新潮文庫「居酒屋道楽」をまとめたものになっています。

文庫にまとめられたこの本は、内容充実、特に『隅田川に沿って、東京の居酒屋を歩く』のところは、太田さんの“得意エリア”でもあり、文章が“冴え”ます。
また、風景や建物のたたずまい、お店の主や、女将さんなどの様子も見事に描かれていて、名調子が心地良く流れていくようです。

「銀座百点」に掲載された『銀座、ビアホールの街』なども、あのビアホールの風景が眼前に蘇ってくるようでした。
たまたま隣席となった老人のビールの飲み方、そのつまみの選び方を参考にした話なども“いい話”として私の心にも残りました。

また、女性に弱い太田さんの面目躍如!眼鏡の美人秘書と居酒屋などを巡る話では、太田さん、年甲斐もなく、わくわく、どきどきしたり、照れたり、シュンとしたり(^_^;)、・・男はみんなそうなんだよな、と思いましたよ。

帯にも「幻の傑作、復刊!」と書かれていましたが、酒好きにはとても楽しめる本でした。
おすすめ本です。

 

2020/10/05

「ひとりメシの極意/東海林さだお」を読んだ。

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『ひとりメシの極意/東海林さだお著(朝日新書)』を読みました。

この本での一番のハイライトは、居酒屋の達人「太田和彦」さんとの対談が二度にわたって掲載されている部分です。
でも、実際にその対談を読んでみると、やはり“噛み合っていない”。

太田さんがひとり居酒屋に居る、そこで好みの酒を飲み、肴を選び、“ひとり居酒屋”の極意と居心地のよさを語るが、東海林さんは一人でいると何か人から寂しいヤツ、友達のいないヤツと見られるのがイヤだ。
だから泰然自若としている“フリ”をすることに話が終始する。
「楽しみゃいいじゃん、それがいやなら“ひとり居酒屋”やめりゃいい。」と私は思うのだが、そこが東海林さんのいつものパターンだからしょうがない。

実験的な食べ方も東海林さん、試しているが、肉まんの具と、カレーパンの具をそれぞれに穴を開けて取り出し、交換する・・。
開腹手術だ、などとおっしゃっているが、もうそこで私は興味を失った。
「そんなことしない方がいいよ」って思っちゃうから (・_・;

オムライスにケチャップをかけるときのかけ方、それから真ん中からスプーンをいれて、中味を掘り出して食べ始めたらどうだ、という話題もあったが、自分がおいしく食べればなんでもいいんじゃない・・と思いました。

全身を怒りに震わせながら書いている・・という書き出しの「カレージルが足りないっ」という話題も、ようするにどのお店でカレーを食べても“ルウ”が圧倒的に足りないとお怒りなのですが、私はあまりそう思ったことはない。

カツカレーの正しい食べ方編では、ライスとカレールウとカツの配置について8種類も例を挙げ、どれが正解か問うていますが、お店でのそれらの配置がどうでも、自分の好きなように並べ直して好きなように食べればいいんじゃないのかな、と思いました。

海鮮丼の食べ方についても、まずはイカを箸で引きずりだしたが、醤油をつけてご飯と一緒に食べようとした矢先、他の具がずり落ちてきてご飯がとりずらい・・って言ってるんだけど、子どもじゃないんだから、どうにでもしてご飯と一緒に食べればいいじゃん。
・・と、またまた思ってしまった。

天丼で真っ先に海老からいってやる!と決意して出掛け、思わずほかの種から食べてしまい、しまった!・・っていう話もあったが、好きなものから自分がおいしく食べればいいのに・・と、またまた思ってしまいました。

どうも批判めいたことばかり書いてしまいました。
「お前がこの本を選んだんだろう!」と叱られそうですが、いつも東海林さんの本は本屋の店頭では面白そうなタイトルの項目が“目白押し”なんだけど、読んでみると「なあんだ」ってことが多いんだよねぇ。

申し訳ないが、途中で我が儘な年寄りの話に付き合っていられなくなりました。

・・でも、またどこかの書店で東海林さんの本を見つけ、目次を見ると、面白そうな項目ばかり・・で、また買っちゃうわけです・・永久運動…σ(^_^;)
つまりは東海林さんの本は面白い・・という結論になるのでした、ああ・・。

 

2020/09/02

「ひとり酒の時間 イイネ!/東海林さだお」を読みました。

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『ひとり酒の時間 イイネ!/東海林さだお著(だいわ文庫)』を読みました。

“ひとり酒”というものは、いい大人になっても意外と難しいものですが、冒頭から「ひとり生ビール」というものをやってみる、という話で始まりました。

神田神保町にあるひとり生ビールを執り行うために、十日にいっぺんくらい出掛けて行く「L」というビアホールを紹介しています。

二階、道路沿いのガラス窓に沿った席にすわり、タン塩とエビフライをとる東海林さん。
大き過ぎず、小さ過ぎず、生ビールにぴったりの大きさのジョッキでビールを飲み、全長22センチ、直径3センチのエビ、堂々二本!マカロニサラダとトマトを従え、湯気をあげて横たわっている・・(*^_^*)

タン塩はいいけど、エビフライはビールに合わないんじゃない?!っていう人、このエビフライを食べてみろっ!みたいないつもの文で心なごみました(#^.^#)

定食屋でビールを飲んだり(東海林さんはこの世でいちばん美味しいものはビールだと言い切る)、あの門前仲町の「魚三」(安くて旨くて、充実していて、門前仲町に魚三ありと居酒屋ファンに名高い)で心ゆくまで飲んだり。

立ち飲みで、どういうものを「つまみ」にして、どう飲むか、なんて話題も出てくる。

また、東海林さんは「そら豆はビールには合わない」という自説もお持ちで、何度もそれについてはこの本の中で書かれています。
・・合うけどなぁ・・。

外国では“ぬるい”ビールを飲むのが当たり前です、みたいなところに行ってしまい、がっかりしたり、怒ったりする場面もありました。
いろいろな飲み方があると思うけど、私もビールは冷えているのが一番だと思う。
この本の後半に椎名誠さんとの対談も掲載されているのですが、椎名さんも別の本で、「ぬるくして飲むのが本場の飲み方です」と店員に言われ、冷やしてもらえなかった話を書いていたことがありますが、もう一度いうけど、東海林さん、椎名さんと同意見、「ビールは冷えたのをグビグビやるのが醍醐味」だと思う。

さらにファミレスで晩酌する話、缶詰で飲む酒場の話など、ひとり酒の話には事欠かない東海林さんの本でした。

コロナの影響で飲み会も少なくなり、どうしたらいいんだろう?!と思っているあなた、この本を参考に「ひとり酒」の楽しい時間を持ってみてはいかかでしょう。
私も・・やってみっか。

 

2020/05/28

太田和彦さんの「BARへ行こう。」を読んだ。

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『BARへ行こう。/太田和彦著(ポプラ新書)』を読みました。

BARというのは私にとってほとんど馴染のないところです。
場所もよく知らないし、一人で入るっていうのはなかなかハードルが高く、踏み入ることに躊躇を感じる所です。

で、その世界を知るための“太田さん頼み”となった。

読み始めると、まずは簡単にBARに入ったときの心構えや、カクテルの大まかな種類などのレクチャーがあり(ほんとうに簡単でわかりやすかった)、さらに太田さんお勧めの全国のBARの紹介がありました。

で、さあ本編!

よく知っているカクテルから、初めて聞く名前のカクテルなどの紹介となるのですが、そのカクテルごとにそれぞれ物語仕立てになっていて、これが面白かった。

カクテルをからませた物語を作ると、自然に男と女のストーリーが多くなり、それがまたちょっとドキドキするような話で、これまた愉しく読みました(゚ー゚*)。oO

私がこの本に書かれているような本格的なBARに行ったことがあるのは、二十代の頃でした。
当時、年上の彼女が馴染のBARに連れて行ってくれて、手慣れた感じで自分と私が好きそうなカクテルを頼んでくれました。
バーテンダーの見事な手捌きに驚き、スイッとカウンター上に出来上がったカクテルを出されたときに「カッコイイ~」と素直に思いました。

この本に書かれていた、男が女性をBARに連れて行き、自分の飲み物と女性に合うカクテルをサッと頼む格好良さとは全く逆の私の若い頃の体験でした(^_^;)

あれから幾数十年・・BARにはいまだ行けていません。

コロナの騒ぎが収まってきたら、今度はBARを体験・開拓するのもいいかもしれない、と思いつつ読了。

少し未来に楽しみが出来ました。

 

2020/05/15

「文豪と酒 -酒をめぐる珠玉の作品集-」を読みました。

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『文豪と酒 -酒をめぐる珠玉の作品集-/長山靖生・編(中公文庫)』を読みました。

この本は、漱石、荷風、谷崎、太宰などの作家や詩人、歌人などが書いたウイスキー、ビール、ジン、紹興酒などに思いを託した作品を集めた作品集になっています。

鴎外の作品などは、今の時代の私からみると、かなり“文語調”に感じ、けっこう読むだけでも難儀しました。
「いま着きし汽車にて、ドレスデンより来にければ、茶店のさまの、かしことこことことなるに目を注ぎぬ。」なんて・・わかったようなわからないような・・。

でも、それぞれの文豪らの、酒を巧みに登場させ、演出する文を読んでいると、昨今の小説などに登場する「酒」には、これほどの意味合いや物語への影響は無いな、と思いました。
昔の文豪が書く「酒」は深くて味わいのあるものになっていて、登場人物の気持ちや、時間の経過、小説全体の雰囲気を絶妙に演出しています。

特に印象に残ったのは、岡本かの子の作品に、パリでの食事風景が描かれていて、アペリティフ(食前酒)が語られ、「ペルノーやベルモットなんてポピュラーな食前酒だ」、などと語られていますが、私はたぶん両方とも一度も飲んだことがないかもしれない。

荷風の「夜の汽車」では、女が手にしているのは古風な日本酒でも、汽車内にそぐわない瓶ビールでもなく、やさぐれた焼酎でもない、ウィスキーでした。
懐から取りだして飲むのがウィスキーだからこそしっくりくる、そんなシーンも味わうことが出来ました。

そんなわけで、飲んでもいないのに“ほろ酔い気分”で今回のブログはおしまいです(゚ー゚*)。oO

次は井上荒野さんの小説を読もうかと思っています。

 

2020/05/05

「若山牧水随筆集」を読みました。

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『若山牧水随筆集/若山牧水著(講談社文芸文庫)』を読みました。
牧水の短歌には、過去ふれているようでふれてこなかったのですが、この随筆集の中でも多くの作品が紹介され、私にはとても“ふれてくる”というか、心にひびくものがありました。

そしてこの随筆がまた絶妙な素朴さと、人間の“性”というか、“業”というか、牧水そのものがよく描かれていて、とてもいい本に出会ったと思いました。

また、牧水は草鞋を履いてかなりの遠距離を旅します。
山野をめぐり、さまざまな村たずね、宿坊のようなところにも滞在したり、いろいろな人との出会いや、事件も起こります。
それらが随筆の中で実に自然体な文章で書かれていて、そのうまさには舌を巻きました。
特に自然の表現は卓越したものがあり、明治・大正の頃の風景などが目に浮かぶようでした。

とても気になった部分もありました。

自然に生えたままのとりどりの樹の立ち並んだ姿がありがたい。
理屈ではない、森が断ゆれば自ずと水が涸るるであろう。
水の無い自然、想うだにも耐え難いことだ。

水はまったくの自然の間に流るる血管である。
これあって初めて自然が活きて来る。山に野に魂が動いて来る。
想え、水の無い自然の如何ばかり露骨にして荒涼たるものであるかを。

明治・大正期に自然破壊に対する警告を発しています。
このあいだ、私が今回のウイルス感染拡大の一因は自然を破壊しつつ開発していく人間のせいではないかと書きましたが、上記牧水の文にもそのようなことが一部書かれているのではないかと感じたのです。

それから話題はお酒にうつります。
牧水はうかがい知ってはいたのですが、ものすごい“お酒好き”で、旅の朝にもお酒を朝食と共に所望しています。
酒なくして牧水の人生はありえない、自分でも書いていますが、酒を飲む牧水の風情もなかなかに愉しく面白いものでした。

牧水は、「生」の歓びを感ずる時は、つまり自己を感ずる時だとおもう、と言い。
自己にぴったりと逢着するか、或はしみじみと自己を噛み味っている時かだろうとおもう。
とも言っています。
歌の出来る時がそれに当たる様である。それもうまく出来て呉れる時である。
と・・。

私もこのブログで自己を感じ、書いているときがもっとも「生」を感じているときかもしれない、と思いました。
これからも丁寧に書いていきます。


【Now Playing】 DJ壇密のSM / 壇密、大江裕 ( NHK-AMラジオ )

 

2020/04/28

太田和彦さんの「ニッポン居酒屋放浪記 -立志篇-」を読んだ。

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『ニッポン居酒屋放浪記 -立志編-/太田和彦著(新潮文庫)』を読みました。
太田さんの「居酒屋放浪記」はシリーズもので、この「立志篇」は平成9年1月に新潮社から刊行され、平成12年12月に文庫化されたものです。

だからけっこう古い“放浪”なので、太田さんもものすごく元気に居酒屋を“はしご”しています。

大阪、松本、静岡、松山、房総、新潟、京都、秋田・・・もう日本全国を飲み歩き、太田さんご自身でおっしゃっていますが、「なんか日本酒に“甘く”なってきて、何を飲んでもほめている気がする」(^_^;)というような状況、私も読み取れました。

でも、いいんだよきっと。
ここ十年以上、日本酒はたしかにうまくなったように感じます。
それを全国に出掛けて行って、聞いたこともないような酒に出会い、それがまたうまかったりする。酒好きにとっては実にいい時代になったと思います。

で、今の状況がねぇ・・。
新型ウイルスの感染拡大で、居酒屋に行くことなんてできません。
というか、外出自体を避けねばならない今の緊急事態・・つらいですよねぇ。

太田さんは、全国の居酒屋に出掛け、そこの店主や女将と楽しく、味わいのある話をしています。
そして、ときにはそこにいたお客さんとも話がはずんでいたりして、まさにお酒を“いい飲み方”で飲み、実に豊かな“居酒屋放浪”をされています。

こういう状況が日本に戻ってくるのはいつ頃になるのか。
年内は無理なのか、それとも来年も続くのか。

とりあえず私はこの本を読んで、お酒を飲んだような気分になり、居酒屋の暖簾をくぐったような気分を味わっております…σ(^_^;)

早くあの楽しいお酒のひとときを取り戻したいものです。

 

2020/02/29

吉田類さんの「酒場詩人の流儀」を読んだ。

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『酒場詩人の流儀/吉田類著(中公新書)』を読みました。

吉田さんが酒場を巡り歩く様子はたくさん拝見しておりますが、そんな様子が書かれているのかと思いましたら、内容はけっこう落ち着いた大人の、自然や人や、地域の様子を見ている様子が描かれた読み応えのあるものでした。

また吉田さんの俳人としての作品がそれぞれの項目に綴られている章もあり、作風が力強い男気のあるものであり、私が今まで「酒場放浪記」で感じていた人物像とはかなり異なっていることに新鮮な驚きを感じました。

山にも登る吉田さんの他の登山者への視線も、けっこう“お調子者”には厳しい眼差しを向けていて、ちょっと怖い感じさえするほどの毅然とした人としてのたたずまいを感じ、これにもさらに驚きました。

自分にも厳しい吉田さんは、他の人にも同じくらい厳しく、でも人生の荒波の中を一歩一歩、歩んでいる姿があまりにも泰然としていて、読んでいる途中からこちらも襟を正して読み進むことになりました。

大町桂月、種田山頭火、若山牧水らを“酒飲み詩人”の先達と仰ぐ吉田さん。
日本中を旅し、巡り、出会う人達との「酒縁」、今まで私が知らなかった独特の感性での紀行文などが綴られたこの本、表紙の写真からは感じられない“渋さ”と“重さ”を感じる著書でした。

 

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