ちょっと間が空いてしまいましたが、ビートルズのベスト盤、赤盤・青盤の「赤盤」ディスク2枚目について事前情報無しの“ぶっつけ”で聞いてみた感想を書いてみようと思います。
01 HELP !
2023年 ニュー・ミックス。
新しいミックスらしく、ボーカルはセンターにきています。
バランス良く楽器も配置されているように思います。
ただ、Disc1 でも感じた曲があったのですが、少しボーカルが演奏に比べて“浮いて”聞こえるような印象があります。
また、やや高音が抑えられているような感じもしますが、モノラル録音の音の方に“寄せ”ようという意図があるのかもしれません。
2009年のリマスターや Loveバージョンに比べると、ちょっと“もっさり”とした音に感じましたが、これはこれでいいのかも。
02 YOU'VE GOT TO HIDE YOUR LOVE AWAY
2023年 ニュー・ミックス。
ジョンのボーカルが際立つようにミックスされていると思いました。
曲全体のムードが“霧が掛かった”ような感じになり、ボブ・ディラン的な雰囲気が強くなったように思います。
今までとは異なる曲想になったように思います。
03 WE CAN WORK IT OUT
2023年 ニュー・ミックス。
ポールのダブルトラック・ボーカルに違和感はありません。うまくセンターに寄せられています。
また、リンゴのバスドラムの音の強調がなかなかいい味を出しています。
ハイハットの音もリンゴの右腕の“技”がわかるような感じにクリアに聞こえます。
ジョンのバックコーラスもクリアでよく聞こえます。
アコースティックギターの音はもう少しボリュームを上げてもいいかも。
でも、全体的に聞くとこれもいいミックスになったように思いました。
04 DAY TRIPPER
2023年 ニュー・ミックス。
エレクトリック・ギターの左右の広がりがなかなか新しい感じに聞こえました。
ピッキングの様子もよくわかります。
ボーカルもバックコーラスも勢いを感じるようにミックスされています。
リンゴのドラムがセンターでリズムを重厚に刻む様子がこれも新鮮。だが、タムロールなどの音量は控え目にされていて、リズム中心のミックスと感じました。
05 DRIVE MY CAR
2023年 ニュー・ミックス。
ポールのダブルトラック・ボーカルに違和感なし。
ギターはもうちょっと高音をキツイくらいにミックスしてもこの曲らしかったかもしれません。
リンゴのバスドラムの音はもう少しモコモコ感を減らしてもいいかも。シャープさに欠けたように感じました。
06 NORWEGIAN WOOD(THIS BIRD HAS FLOWN)
2023年 ニュー・ミックス。
ジョンのボーカルが真ん中にきているのが新鮮。
シタールとギターが「左」と「右寄りセンター」に別れ、これは効果的に聞こえました。
今まで気づかなかった“サビ”の部分のリンゴの“バスドラムのみ”の音がなかなか良かった。
07 NOWHERE MAN
2023年 ニュー・ミックス。
ギターの音はもっと高音のトーンを効かせた方が良かったかも。
リンゴのドラム、ハイハットとスネアの音はクリアにもっと強調して良かったかも。
ボーカルはクリアに聞こえ、センター位置にあって違和感なしです。
全体にもっと“ザラついた”感じを出してもいいと思いました。
08 MICHELLE
2023年 ニュー・ミックス。
ポールのボーカルがとても自然で、近くで歌っているように感じました。
ギターの音量はもう少し上げてもいいかな・・と感じました。間奏での音量ももう少し。
逆にリンゴのリズムはキレよくミックスされていて、これはこれでいい感じに聞こえました。
ラストにきて、突然ギターの音がクリアになり音量が上がっている・・。
09 IN MY LIFE
2023年 ニュー・ミックス。
センターのジョンのボーカルがとても自然に感じました。
ギターの微妙な爪弾きまで聞こえるようになっていて、少し驚き。
ベースの音にも同様な印象を持ちました。
間奏のジョージ・マーティンのキーボードも良く聞こえました。
新しいミックスなんだな、とすぐに感じるミックスでした。
10 IF I NEEDED SOMEONE
2023年 ニュー・ミックス。そして今回新たにアルバム追加された曲。
今回新たにアルバムに追加された曲ですが、ジョージの代表的な曲のひとつでもあり、日本公演でも演奏され、ジョージが弾いていたリッケンバッカーが印象的な良い曲です。
追加してよかったと思います。
ボーカル、コーラス、ギター、ベース、ドラム全てが一体になって音が飛んでくる印象になりました。
ボーカル、コーラスとも息遣いもわかるようなミックスは今までにない新しさです。
11 GIRL
2023年 ニュー・ミックス。
ジョンのボーカルがより近くに来た感じです。
うったえかけるような歌い方に沿ったミックスになったと思います。
オリジナルにあった雑音含む“ざわざわ感”は無くなり、自然に聞くことができるように思いました。
12 PAPERBACK WRITER
※2022年 ニュー・ミックス。
これは2023年ミックスではなくて、2022年のリボルバーの記念アルバムを作成したときの最新ミックスです。以下19曲目のトゥモロー・ネバー・ノウズまでミックスはそのときのものです。
とても安定したミックスで、音はセンター寄りに集中されています。
曲のブレイク時の残響音も抑えられています。
とても聞きやすい!
ボーカル、コーラスにも不自然感は無く、それぞれの楽器もいいバランスでミックスされていました。
13 ELEANOR RIGBY
※2022年 ニュー・ミックス。
もちろん、冒頭のポールのボーカルが不自然な“パン”で、“ぐにゅっ”とスピーカーを移動する部分は修正されています。
弦楽四重奏の楽器も左右に振り分けられていて、それにも違和感は感じません。
実に安定したミックスとなって、安心して聞いていられました。
14 YELLOW SUBMARINE
※2022年 ニュー・ミックス。
リンゴのボーカルは自然。
リズムをリードするバスドラムも適度な“ドスドス感”でバッチリです。
バックのコーラスも絶妙なバランス、そして効果音もきれいに入っていて良いミックスだと思いました。
間奏時の船員の会話のような部分も話している言葉も聞き取れ、良いと思いました。
15 TAXMAN
※2022年 ニュー・ミックス。そして今回新たにアルバム追加された曲。
この曲はあらたにこのベスト盤に入ったのですが、「そうか、今まで入っていなかったのか」とちょっと不思議に思いました。
でもオリジナル・アルバムで聞いて一曲目がこの曲だという衝撃を味わう方が当時は良いと考えたのかもしれません。
これもジョージのボーカルがクリアによく聞こえ、曲を引っ張るポールのベースも申し分のない音で入っています。
バックのコーラスも実にクリア。
間奏のポールのリードギターもピーキーな部分もよく強調していてとてもいい!
リンゴのスネアもキレがいいっ!
ドライブ感のあるいいミックスでした。
16 GOT TO GET YOU INTO MY LIFE
※2022年 ニュー・ミックス。そして今回新たにアルバム追加された曲。
この曲をアルバムに追加したのは良かったと思います。
ビートルズ解散後もメンバーがコンサートで取り上げられていたこともあるし、ファンにはお馴染みの佳曲です。
ポールのボーカルに過剰なエフェクトはなく、聞きやすいし、耳に心地よい。
ブラス・セクションも程よいバランスで安定したミックスだと思います。
リンゴのバスドラムもスネアもキレよく良い音でした。
17 I'M ONLY SLEEPING
※2022年 ニュー・ミックス。そして今回新たにアルバム追加された曲。
テープの逆回転を使ったり、ジョンのボーカルもちょっといつもと違う歌い方、コーラスのふわふわした感じもいつもと異なる。
そんなこの曲を新たに追加したのですが、ニュー・ミックスを試したくなるような曲だと思います。
アルバム中でとても良い曲とは思いませんが、でもジョンのチャレンジングな曲を入れたのはよかったのかもしれません。
ミックスは比較的安定したもので、テープエフェクト部分も違和感なく聞くことができるし、コーラスもやや温かみを感じるくらいの音になっていて良いと思いました。
リンゴのスネアは、オリジナルでも何か固い板のようなものを叩いているかのような音で入っていますが、過剰な反響音もなく、うまくミックスされていると思います。
ポールのベースはやや丸みというか、温かみも感じる音になっていて、この曲には“合って”いると思いました。
18 HERE,THERE,AND EVERYWHERE
※2022年 ニュー・ミックス。そして今回新たにアルバム追加された曲。
この曲もファンにはお馴染みの良い曲で新たにアルバムに追加されてよかったと思います。
全体にマイルドなサウンドにして、ナチュラルサウンドのギターの音はやや角を取ってオリジナルよりも聞きやすい感じになっています。
リンゴのドラムは割と控え目になっていますが、この曲には合っていると思います。
ダブルトラックのポールのボーカルも甘い感じがよく出ていました。
19 TOMORROW NEVER KNOWS
※2022年 ニュー・ミックス。そして今回新たにアルバム追加された曲。
この曲も過激な曲ですが、このアルバムへの追加は良いと思います。
ビートルズが革新的なサウンドに向かう途についた曲で、この曲からサージェント・ペパーズ・・に流れが変わったように思いますので、ナイス選曲です。
ジョンのボーカルに過剰に掛かっていた感じがしたオリジナルのエフェクトは、このミックスではかなり控え目になっています。
サウンド自体の過激さは抑えめですが、逆にこの曲が落ち着いて聞いてみても革新的で良い曲だったのだとあらためて感じさせるミックスでした。
今や公然の事実となったリンゴのドラムがテープによるサンプリングだという事実ですが、その音も“乱れなく”いい感じで入っています。
ということで、新しいミックスのベスト盤「赤盤」の二枚目のディスクを聞いてみました。
次はいよいよ「青盤」。
青盤の方は、過去に記念盤が出て、近年のそのミックスが多いのですが、あらためてこのベスト盤の曲順で聞いてみるのも面白いかもしれません。
ご期待ください。
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