フォト

わたしのいきつけ

無料ブログはココログ

2023/01/20

『The Beatles REVOLVER SUPER EDITION を聞く・第四回 ORIGINAL MONO MASTER を聞いてみた』

20230120_beatles_photo_data_001

前回から間が空きましたが、ビートルズの「リボルバー スーパー・エディション」を聞いてみる企画、続行いたします。あと二枚(#^.^#)
今回は、「オリジナル・モノ・マスター」を一曲ずつ聞いて行きます。


1.TAXMAN

ポールのベースが際立ってよく聞こえます。
ボーカル、コーラスが混然一体となってミックスされ、迫力があります。
ポールの強烈な間奏リード・ギターも鋭く歪み、けっこう過激な印象、“攻めた”ミックスだけど聞きやすい感じがまたいい。


2.ELEANOR RIGBY

モノラルだから当然、オリジナル・ステレオで聞ける冒頭のポールのボーカルの妙な「パン・移動」がありません。
なので、ポールのボーカルもじっくりと聞き始めることができます。
あまりボーカル、コーラスともに“いじって”いないように感じました。
この曲も聞きやすいです。


3.I'M ONLY SLEEPING 

うしろに聞こえるアースティック・ギターの音がよく聞こえます。
ギターの逆回転音もあまりエフェクトが掛かっておらず、“ザリザリ”した感じだと記憶していたこの曲が実に“滑らか”な音質に聞こえ、意外な感じがしました。


4.LOVE YOU TO

冒頭のシタールの音が聞きやすい感じで自然に入っている。
ジョージのボーカルも、ステレオ版よりも余計なエフェクトがないように思われ、これまた聞きやすい。
インドの打楽器の音についても残響音を大げさに付けていない分、楽曲全体を見渡して聞くことが容易だと感じました。


5.HERE,THERE AND EVERYWHERE

ほとんど生音のギターの音もあまりリヴァーブが掛かっていないように感じる。
運指の際の弦の音もわかります。
ボーカルも実に自然でとても心地よいです。


6.YELLOW SUBMARINE

今回、このモノラル盤を聞いてきて、どの曲もエフェクトがあまり掛かっていないミックスだと感じます。
この曲に関してもステレオ盤よりもずっと聞きやすいと感じました。
リンゴのボーカルもより“のどか”に聞こえます。
ステレオだとカンカンいっていたスネア・ドラムの音も実に自然です。


7.SHE SAID SHE SAID

どちらかというと歪みが効いているギターの音が目立つこの曲ですが、やはり耳に刺さるような音にはなっていません。
ジョンのボーカルもやや“丸み”を感じるくらいの音でミックスされています。
私には、オリジナル・ステレオよりもこちらの方が好みです。


8.GOOD DAY SUNSHINE

レコード盤だとB面一曲目の曲に突入。
冒頭歌いだしの音も尖ったところがなく、とても耳に心地よく入ってきました。
ピアノの音もステレオ盤がやや歪み気味に感じたが、こちらモノラル盤は音の輪郭もわかり、またしても聞きやすいです。


9.AND YOUR BIRD CAN SING

印象的なツインリード・ギターの音も、こちらモノラル盤は、艶やかで丸みのある音で入っています。
リンゴの軽快なハイハットとスネアの音も“あたり”が柔らかく、いい音です。


10.FOR NO ONE

この曲に関してはステレオ盤に近い感じで、楽器の音もボーカルの音もミックスされているように感じます。
ホルンの音の強調具合も今までの9曲とは異なり、“攻めて”いる感じがしました。


11.DOCTOR ROBERT

この曲のギターも独特な音なのですが、ステレオ盤よりも聞き取りやすく、輪郭がはっきりとしてエフェクトの強調が適度なところで納められている気がします。
うしろのポールの“ハモり”もよく聞こえています。


12.I WANT TO TELL YOU

ジョージのボーカルも、うしろのコーラスもよく聞き取れます。
ピアノの音も過剰なエフェクトが控えられ、フレーズもよくわかります。
リンゴのスネアはステレオ盤とあまり変わらないくらい強調されています。


13.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE

ブラスセクションが入ったこの曲、これは割とステレオ盤に近い各楽器のミックスとなっていると感じました。
インパクトは“ばっちり”です!
ポールのダブルトラック・ボーカルについてもステレオ盤に近いような感じです。
この曲の弾けるような感じを生かしたミックスだと思いました。


14.TOMORROW NEVER KNOWS

テープループによるサンプリングだと言われているリンゴのドラムは、ステレオ盤よりもスネア、タム、バスドラともに大げさなエフェクトがなく、小気味よい印象。
ジョンのボーカルは元々かなりのエフェクトが掛かっているわけですが、過剰なエコーのようなものは控えられ、歌詞もステレオよりはよく聞き取れると感じました。
バックのビィ~ンといっているような音もステレオよりはよく聞き取れて、私にはこのミックスの方がいいなぁと感じました。


「The Beatles REVOLVER SUPER EDITION」、4枚聞いてきましたが、次回は、この企画盤の最後になります。
「リボルバーEP」を取り上げます。ラストも頑張ります(#^.^#)

 

2023/01/03

『The Beatles REVOLVER SUPER EDITION を聞く・第三回 SESSIONS TWO を聞いてみた』

20230103_beatles_photo_data_001

昨年から行っていたビートルズの「リボルバー スーパー・エディション」を聞いてみる企画、年が明けて再開することにいたしました。
今回は「CD3」の「セッションズ・2」を聞いてみます。
例によって、事前に情報を仕入れたりはしていません。
初めて聞く状態で、その場で文を打っていく状態でライブ的に感想を書いていきます。
ではスタート!


1.AND YOUR BIRD CAN SING (Second Version)-Take5

ジョンのトークから始まり、かなり初期状態の録音です。
リンゴのドラムもまだいろいろと試行錯誤段階です。でも、フィル・インはけっこうカッコいい!
ツイン・リード・ギターのフレーズも三分の一くらいは出来上がっています。
コーラスは、まだまだ手探り状態のようです。
でも、この曲って、どの段階でもカッコよく聞こえます。


2.TAXMAN Take11

かなり“練れて”いる段階のテイクだと感じました。
ジョージのボーカルもほとんど完成バージョンと変わりありません。
ギターは、まだ余計なフレーズを弾いたりもしています。
ドラムは本番状態とほぼ同じ。
あっ、間奏のポールのリード・ギターはもうバッチリ決まっています。
コーラスはアンソロジーで聞けたようなオリジナルには無いものがちらほら散見されます。
いい状態まで持ってきた感じがします。


3.I'M ONLY SLEEPING (Rehearsal Fragment)

これもアンソロジーで聞けたビブラフォンでしょうか、その音を中心にバックの音を作っている様子が録られています。


4.I'M ONLY SLEEPING Take2

ジョンのだるいボーカルでいろいろ試している感じのテイク。
ギターはまだ、ただコードをちょっと弾いているような印象。
ジョンがいろいろと感想や指示などをしている様子がうかがえます。


5.I'M ONLY SLEEPING Take5

こちらはテンポアップしたテイク。
コードストロークも軽い感じで流している。
ドラムもアップテンポに合わせてストロークも軽くスネアを叩いています。
ボーカルは入っていなく、インストゥルメンタルです。
エンディングは本番と同じような感じを探っています。


6.I'M ONLY SLEEPING Mono Mix RM1

オリジナルにほとんど近い感じのモノラルミックスです。
リンゴのフィルにオリジナルと異なる部分がありました。
テープ逆回転のギターの音も入りどころが異なっているようです。エコーの掛け方も異なっています。
最後の仕上げとチェックに入っているのを感じます。


7.ELEANOR RIGBY Speech Before Take2

弦楽器の音が少し聞こえ、皆でいろいろ話している様子がわかります。
ジョージ・マーティンの声やジョージ・ハリスンの声もはっきり聞き分けできます。
メンバーの四人以外の声も聞こえます。笑い声も。


8.ELEANOR RIGBY Take2

カウントのあとに弦楽器の演奏が始まります。
まだエコーなどを深く掛けていないものと思われます。
本番とちょっと異なる弦楽器のフレーズもあるように感じます。


9.FOR NO ONE Take10-Backing Track

会話のあとに耳慣れたこの曲のバックの演奏が録られています。
こんなにきれいな音だったんだな、と感じました。オリジナル曲のバックはここからもっとコンプレッサーを掛けたようなコモったような音に変化していったと思います。


10.YELLOW SUBMARINE Songwriting Work Tape-Part1

この曲の原型を聞いた感じ。
まだ楽しく愉快な曲調になっていません。
ジョンがアコースティックギターを爪弾き、作曲している段階です。


11.YELLOW SUBMARINE Songwriting Work Tape-Part2

ジョンとポールの声が聞こえます。
ここでもジョンがギターでメロディーや、歌詞も含めて整えている段階です。
オリジナルとはかなり異なる曲調です。海の男の大人の童謡、みたいな雰囲気。
ここからはサウンド・エフェクトふんだんなオリジナル曲の想像はできません。
私、勘違いしていたのですが、この曲はまるでポールの曲だと思っておりましたが、完全にジョン主導なんですね。
ちょっと能天気なオリジナルの雰囲気からすっかりポールの曲だと思っていました。


12.YELLOW SUBMARINE Take4 Before Sound Effects

こちらはリンゴのボーカルがほとんど“生状態”の音で入っているもので、とても新鮮。
コーラスはオリジナルとほとんど同じだと思います。
サウンド・エフェクトも入っておらず、聞いたことのないテイクです。
ドラムも深いエコーなどとは無縁のプレーンな音です。軽いっ!
テンポも速い。


13.YELLOW SUBMARINE Highlighted Sound Effects

アンソロジーで聞けた行進する音とリンゴの語りから始まっています。
サウンド・エフェクトも過剰なくらいキラキラとした音で入っています。波の音やエンジンの音もこれでもかと入っています。
人々のざわめきも過剰なくらいの音量で入っています。
リンゴのスネアもバスドラもかなり強調されています。
ジョンの語りというか、叫びにも近い声もよく聞こえます。
ブラスバンドの大太鼓みたいな音も、ヘッドが震えるような音まで収録されていました。


14.I WANT TO TELL YOU Speech and Take4

スタジオでのトーク音が入っています。
イントロのギターの音もくっきりと録音されています。
リンゴのスネアとバスドラの音がズシン・ズシンと強調されています。


15.HERE, THERE AND EVERYWHERE Take6

かなり“生音”のままのポールのボーカルとギター。
ドラムも叩いた音そのものという感じで録音されています。ストロークも軽い。
これはかなりいいと思いました。このくらい削ぎ落した感じの録音がこの曲のよさを引き立てます。


16.SHE SAID SHE SAID John's Demo

ジョンの声から始まり、アコースティックギターでこの曲がどんな感じか皆に伝えるような録音です。
後の、この曲の変化を考えるとけっこう驚きます。


17.SHE SAID SHE SAID Take15-Backing Track Rehearsal

オリジナルのバッキング・トラックとほぼ変わらないくらいの段階と思われます。
リンゴのカッコいいフィル・インもスタタカ・タンと気まっています。
この曲はリンゴのドラムがリードしていたからこそ、見事な曲調が出来上がったんじゃないかと思わせます。
そしてギターの音色も当時としては出色だったんじゃないかと思います。

 

2022/12/17

『The Beatles REVOLVER SUPER EDITION を聞く・第二回 SESSIONS ONE を聞いてみた』

20221216_beatles_photo_data_001

いろいろあって少し時間があいてしまいましたが、ビートルズの「リボルバー スーパー・エディション」を聞いてみる企画、今回は「CD2」の「セッションズ・ワン」です。
前回もそうでしたが、事前に情報は入れておりません。初めて聞くことになるテイクについてそのまま感想を書いていきます。


1.TOMMOROW NEVER KNOWS Take1

アンソロジーで聞いたことのある、水中で聞いているかのような「ボワワ~ン」というか、バネがびよんびよん伸びたり縮んだりしているような妙なサウンドのテイクです。
リズムはオリジナルバージョンからはかなりゆっくりとした感じで、リンゴのドラムもゆる~く特にスネアがダラッと叩かれています。
ジョンはこの曲の感じをどう出そうか試行錯誤しているかのようなボーカルを聞かせてくれます。
何かお経のような呪文のようなものを唱えている感じがします。


2.TOMMOROW NEVER KNOWS Mono mix RM11

こちらはオリジナルバージョンと同じスピードで、疾走していく感じのテイク。
モノラルですが、音はとてもクリアな印象。
私には、オリジナルよりも“尖った”感じ、“攻めた”テイクだと思います。
テープの逆回転音もシャープだし、日本公演前にこのような録音をしていたことに今さらながら驚きます。
エンディングもオリジナルよりも長く、しかもあまり音量を下げずクリアに聞こえています。


3.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE (First version)-Take5

キーボードの音やスタジオでの会話から始まりました。
キーボードとリンゴのドラム、そしてポールのボーカル、さらにジョージ、ジョンのコーラスが加わっていきます。
まだまだ始まったばかりの“手探り”状態ですが、コーラスは早くもきれいな感じで歌われています。
リズムはオリジナルと同じようなテンポで進んでいます。
オリジナルにはない遊びのようなボーカルも入っていて、私には初めて聞くものでした。


4.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE (Second version)-Unnumbered mix

こちらはギターが入ってきました。さらにベースもグイグイ入ってきます。
ギターの音色は、オリジナルとは異なり、ちょっとエフェクトがかかり過ぎというか、エグい感じの音。
リンゴのドラムは、スネアとタムのフィルインが早くもオリジナルと同じようなものになっています。


5.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE (Second version)-Take8

このテイクでは、ブラスが入ってきて、ベースもドラムもオリジナルと同じ感じです。
ボーカルはまだ入ってこない。
ギターの音色もオリジナルと同じくなっているので、いわゆるカラオケ的な録音段階まできている感じです。
特にベースの音がたまらなく良い。


6.LOVE YOU TO Take1

ギターの生音での演奏と、ジョージのボーカルが入っています。
まだメロディが完全にきまっていない状態です。歌い方も“ベタ”な感じ。
インド楽器のフレーズがオリジナルで入っている部分は生ギターのコード・ストロークが入っています。


7.LOVE YOU TO Unnumbered rehearsal

シタールから入ってきて、インド楽器のフレーズをきめようとしているようです。
もうオリジナルの“インドな感じ”が出ています。


8.LOVE YOU TO Take7

ここでは、オリジナルに近くなってきていて、打楽器も入っています。
ポールがどうやってコーラスを入れようかと試行している様子もわかります。
インド楽器隊の方はほとんど完成形に近い状態です。
ジョージのボーカルのメロディも、もうほとんどオリジナルと同じです。
エンディングのインド楽器がだんだん速くなっていくところもオリジナルと同じ。


9.PAPERBACK WRITER Take1 and 2-Backing track

印象的なギターフレーズはもうこの状態で現れています。
会話が聞こえて、いろいろと話し合っています。
リンゴのカッコいいドラムはもう完成されている感じ。タカタカタン・ドコドコドンというフィル・インももうここで使われている。
この曲のロックらしいカッコいい部分はイメージできているようです。


10.RAIN Take5-Actual speed

本来のスピードでの演奏でしょうか。
音程も高い。


11.RAIN Take5-Slowed down for master tape

こちらはオリジナルと同じくらいテープスピードを落としているものです。
ジョンのけだるいような歌い方はもうここで決定バージョンになっています。
ポールのベースも、もうオリジナルと同じ感じになっている。“生き物”のよう。


12.DOCTOR ROBERT Take7

ギターの音はオリジナルよりもやや控え目。
ジョンのボーカルはほぼ生音。
演奏自体は割と軽い感じで行われている。
コーラスはオリジナルと同じくらいに磨かれている。
全体のサウンドはオリジナルよりもやさしくソフトな印象です。


13.AND YOUR BIRD CAN SING (First version)-Take2

リンゴの軽快なドラムが印象的。
アンソロジーに入っていたものと同じテイクか。でも、笑い声が入っていないな・・。
ギターの音色は“ごきげん”です(#^.^#)
ツインギターの部分の音色もとても美しい。
オリジナルにはない、ブレイクのあとのドラムがスタタカ入ってくるところもカッコいい。


14.AND YOUR BIRD CAN SING (First version)-Take2(giggling)

ああ、こっちがアンソロジーに入っていたポールが笑い出して皆がつられて笑い出すバージョンです。
なんか、“仲いいなぁ”(*^^*)
でも、アンソロジーに入っていたものと間奏のギターが異なります。
あれもいろいろミックスされていたのかもしれません。
楽しそうに演奏するビートルズにうれしい気持ちになります。
あらら、口笛まで吹いちゃってる(*^-^*)

 

2022/12/01

『The Beatles REVOLVER SUPER EDITION を聞く・第一回 NEW STEREO MIX を聞いてみた』

20221201_beatles_photo_data_001

ビートルズのアルバムには、今までにも「サージェント・ペパー・・」や、「ホワイト・アルバム」、「アビー・ロード」に「レット・イット・ビー」などスペシャル・エディションやアニバーサリー・エディションが企画されてきましたが、ついにその企画はアルバム「リボルバー」に到達いたしました。

高額なため、やっと手に入れることとなりまして、このブログ上に聞いてみた感想を書くという運びとなりました。
なるべく事前に情報を入れないようにしてフレッシュな気持ちで聞こうとしておりますので、関連書籍などは読んでおりません。

ただ、情報として入っているのは、「リボルバー」は4チャンネル録音時代のもので、各トラックには複数の楽器の音が重なって入っていて、ミックスをやり直そうにもハードルが高く、これまでなかなか出来なかった理由がそういうことだった・・が、今回は映画「ゲット・バック」のリミックス時にAIを使用して楽器ごとの音を分離することが可能となって来たということで、いよいよ作業に突入することが出来て、今回のリミックス発表となったということです。これは楽しみ!

では、「ニュー・ステレオ・ミックス」一曲ずつ聞いて行きます。

1.TAXMAN

最初の咳払いから人の声がする部分がいきなりクリアー。
ポールのベースが“着ぶくれ”していない。カチッとした音です。
バックのコーラスもかなりはっきりと聞こえます。
さらに、印象的なギターのリフもかなりくっきりとしています。
リンゴのスネアの音もパシパシと決まっています。


2.ELEANOR RIGBY

ポールのボーカルが奇妙な“パン”を経て始まる部分は当然ながら修正されています。
ボーカルの音声はかなりはっきりと発音まで聞こえます。
バックのクラッシック弦楽器もギュッギュッとキレ良く入っています。


3.I'M ONLY SLEEPING 

もともと色々な音が重なってはっきりしない印象のサウンドですが、ややそれは改善というか、解消されています。
ただ、曲調ですから、ジョンのもっさりとしたボーカルの印象はのこしてあります。
ギターの逆回転の音はクリア側に“振って”いるのがわかります。
ジョンダブルトラックのボーカルのバックの方はややクリアになっていると感じました。


4.LOVE YOU TO

シタールをはじめとするインド楽器の音はそれほど極端にいじっていないように思います。
ジョージのボーカルは生音に近づけた自然な音になったと感じました。
またジョージのボーカルがシタールの音と共に途中、右から左に移動したりしているのも発見しました。


5.HERE,THERE AND EVERYWHERE

もともと歪のない音で録られていたギターの音ですが、よく整理して余分な余韻成分のようなものをカットしているように感じます。
ポールのボーカルもダブルトラックになっているのですが、よく分離された感じで聞こえ、“ハモり”の部分もよく聞こえます。ボーカル自体の音声は生音に近い感じ。


6.YELLOW SUBMARINE

バックの波などのエフェクト音と、リンゴのバスドラムの音がきちんと分離して聞こえるのが従来との違いだと感じました。
またリンゴのスネアの音はオリジナルでは“カンカン”いってましたけど、このミックスでは普通の落ち着いた音になっています。
途中のジョンらしい掛け声のような声も分離が効いているように思いました。


7.SHE SAID SHE SAID

ギターの音のややグワグワいってた部分は整理されて聞きやすくなった気がします。
ジョンのボーカルもうまく余分な響きを削って聞きやすくなったと思います。
ただ上記の処理をすることによって、やや“毒気”が抜かれた気がしないでもない(^_^;)


8.GOOD DAY SUNSHINE

最初のリンゴのスネアが大人しい・・。
ポールのボーカルがボワボワいってたのもすっきりと整理されている。
ピアノのゴワンゴワンいっていたのは、露骨な整理はされておらず、この曲の持ち味であるピアノの音までは余計なところまで手をつけなかったようです。
エンディングの分離の仕方が不自然・・。


9.AND YOUR BIRD CAN SING

オリジナルのシャープでキレの良いギターの音がやや丸みを帯びていて、ちょっと全体に引っ込んでしまった感じがする。
オリジナルの方がよかったかも・・。
ポールのベースも躍動感が引っ込んでしまったかなぁ・・。
リンゴのドラムも“張り切っていた”感じがちょっと冷めてしまっている。


10.FOR NO ONE

どこでどの楽器が鳴っているかが、オリジナルよりもよくわかるようになった。
ホルンの音もオリジナルよりフレーズがよくわかるくらいになっていた。
ただ劇的にここが良くなった、という部分はあまり感じられない。


11.DOCTOR ROBERT

イントロのギターがくっきり!
ジョンのボーカルに掛かっていたエフェクトはかなり抑えめになった。
それはバックのコーラスも同様の処理。
オリジナルよりもふわふわとやわらかいサウンドになった気がする。
これもやや“毒気”が抜けちゃった感じです。


12.I WANT TO TELL YOU

イントロ時のリンゴのスネアが響き線の音もこちらの耳で拾えるくらいよく聞こえる。
ギターの音をはじめ、全体のサウンドが濁りのないように整理されたと感じる。
ポールのベースも弾いているフレーズがよくわかります。
ただ、グルーヴ感という点ではやや物足りないかもしれません。


13.GOT TO GET YOU INTO MY LIFE

この曲も、ブラス・セクションとボーカルの音がよく整理されていて、こんな感じにきちんと前に進んでいくような曲だったんだ(^_^)とあらためて感じた。
この曲に関しては、音の整理が効果を生んでいるような気がします。聞いていたら欲が出てさらにブラスを加えたい気持ちになってしまいました。


14.TOMORROW NEVER KNOWS

オリジナルはジョンの独特のエフェクトが掛かったボーカルが良かったのですが、あえてそれはかなり引っ込めている感じです。
ギターの逆回転の音もやや抑えめ。
鳥の鳴き声のように聞こえる音やその他の効果音的なサウンドもすっきりと整理された気がする。

このCDに同梱されていた印刷物にポールの言葉が載っていたのですが、この曲についてドラムがテープリールによる、言ってみればアナログ・サンプリング・サウンドになっている旨の発言がありました。
すでにデジタルリマスター時にコンピューターを使って研究している人から「驚くべきことにこのドラムはサンプリングだ」という発言がされていて、半信半疑だったのですが、やはり事実だったのですね。

当時の1960年代半ばに、ドラムのリズムトラックを一曲叩けばそれでいいのに、わざわざサンプリングしてテープリールを作って、あの独特の不思議な感じが出るという効果をねらったというのは、ビートルズはやはりすごい人たちのバンドだったのだとあらためて感じることになりました。

次回からは、セッションズや、モノ・マスター、リボルバーEPなど、順次取り上げて行きます。頑張ります(#^.^#)

 

2022/08/21

「365日ビートルズ」を読みました。

20220821_365days_beatles_001

『365日ビートルズ/藤本国彦著(扶桑社)』という本を読みました。
この本は、一年365日の「その日にビートルズに、あるいはビートルズ・メンバーに、またはビートルズに関連すること、さらに解散後のビートルズ・メンバーに何が起こっていたのか」ということを、365日分書き綴ったものです。

だから、時系列的にはバラバラで、ある日はメジャー・デビュー前のビートルズに関することが書かれていて、その翌日のところには解散間近のビートルズの出来事が書かれている・・というような具合です。

最初は、“あれれ”という感じになってしまいましたが、途中から慣れました(^_^)
むしろ時代がランダムなので、飽きることなく読めました。

私、ビートルズの楽曲を聞くことに関しては、すでにこのブログのビートルズ研究室のカテゴリーでご存知の方も多いと思いますがとても熱心にしています。
でも、細々としたビートルズ関連の出来事については、あまり関知していませんで、時々マニアの方から「あのとき、ジョンがこんなこと言ったじゃないの」なんて、見て来たように言う人には「へえ、そうだったんですか」と気の抜けるような返事をするばかりでした。

で、今回この本を読んで、「へえ、そうだったんですか」ばっかりでした…σ(^_^;)

1974年12月19日にビートルズ解散の法的合意書のサインがニューヨークのプラザホテルで行なわれ、すでにリンゴは署名済みのため、他の三人が署名するはずだったのに、ジョンが来なかった・・という話も初耳です・・お前はビートルズファンか?!と言われても、「だって知らなかったんだもん」とお答えするしかありませんが(^_^;)

それにしても、1974年だったというのも驚きです。実質上は1970年には解散していたわけですから。

怒ったジョージがジョンに電話して「クソったれなサングラスを外してこっちへ来い!」と怒鳴りつけたと書かれていました。
けっこう、こういうこと知らないと「そんなことも知らないの」とマニアに言われそうです(>_<)

ジョンはわけのわからない言い訳をして、その日に約束していたジョージのコンサート“飛び入り”という約束もなくなってしまったとのこと。

ようするに、このようなことがいっぱい書いてあるわけです、365日分。
まったく今までの私には気にも留めなかったことなのですが、知ってみれば、それはそれで面白いものだと考え直し、全部読みましたよd(^_^o)

今まであまり気にしていなかった「ジェーン・アッシャー」(※ビートルズ最盛期にポールの婚約者だった女性)も度々登場しています。
ジェーン・アッシャーの家の地下室でポールとジョンが膝突合わせて曲を書いている場面なども書かれていました。
今まで知らなかったこと、知ろうとしていなかったことも多数有り、とても興味深く読みました。

これからは、こういう事実も拾ってみた方が、楽曲を聞いたときの味わい、感覚なども変わるかな?とも思いましたので、今後は楽曲の解説・解析本以外にも、いろいろとビートルズ関連の本、読んでみようと思いました。

 

2022/06/18

映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」を見て来ました。

20220617_elizabeth_001

映画『エリザベス 女王陛下の微笑み/2021年 イギリス 監督:ロジャー・ミッシェル 出演:エリザベス二世他』という映画を見ました。

英国君主エリザベス2世の在位70周年の祝福の年に公開されるべく製作されたドキュメンタリー映画でした。

内容は、1930年代からこの2020年代までのアーカイブ映像を、パッチワークのようにつなぐことによって作られている「大全」的な映像作品で、女王が若くて美しい時代ももちろん、現在に至るまでの映像は、私も見たことの無いものがたくさんあって、「皇室アルバム」的な見方をすれば、ある程度楽しめるんじゃないかと思いました。

舞台裏的な映像もありましたので、ふだんのエリザベス女王の人間的な魅力なども随所に感じることができました。

ただ、英国王室にとって苦難、試練の時期が何度も在位期間にあったと思うのですが、その部分についての掘り下げ方というか、ほとんど掘り下げていないという印象でした。

たとえばダイアナ妃とチャールズ皇太子のご成婚時の国民の歓喜の様子なども、時間としては、ほんとうに“通りすがる”程度の取り上げ方だったし、ダイアナ妃が亡くなったときの国民の前に姿を現わす女王陛下の様子なども、かなり時間が絞られていて、突っ込んでその部分にふれているということはありませんでした。

なので、90分という、近年では割と短い上映時間でしたが、それでもニュース映像をずっと見ているような感じで、ちょっと退屈してしまいました、私は。

 

 

20220617_elizabeth_002

あと、私個人が“おっ”と思ったのは、ビートルズがMBE勲章を授かった当時の映像と、ポールマッカートニーが若い頃に感じた女王陛下の印象、さらに最後の最後に流れたビートルズというか、ポールマッカートニーが歌う「ハー・マジェスティ」です。

この曲はビートルズが最後に製作したアルバム(※最後に販売したのが「レット・イット・ビー」です、因みに)「アビー・ロード」のラストに入っているものです。

当時、レコーディング・スタッフがポールから「とりあえず録音したものは、クズでもとっておけ」と言われて、アルバムのテープ最後部に残しておいた、ポールがちょっと“おふざけ”で作った曲で、だからいきなり前の曲のエンディング音が残っていたり、お尻は録音が切れていたりのものでした。
プレイバックしたときにそれを聞いたポールが「おもしろいからそのままにしてリリースしよう」となった不思議な曲ですが・・。

で、話を元に戻して、映画のラストで流れる「ハー・マジェスティ」は“完全版”でした。
近年発売された「アニバサリー・エディション」に入っていたテイクに、さらに冒頭、ビートルズ達の会話や、イントロのやり直しなども入っていました。

・・この映画の趣旨とは離れるけど、ビートルズ・ファンにしたら、絶対に聞いておいた方がいい!というパージョンでしたd( ̄  ̄)

以上、ちょっと横道にそれましたが、映画「エリザベス 女王陛下の微笑み」の感想でした。

 

2022/03/27

ビートルズ・メンバーそれぞれのリアルタイムでのニュー・アルバム体験

20220327_paul_001

私、今でもビートルズの音楽、あるいはメンバーがソロになってからの楽曲を聞かない日はありません。
私の人生はビートルズの音楽と共にあると、2022年の今でも日々感じています。

で、きょう、メンバーのソロになってからの楽曲が USEN でかかっていた時に、メンバーそれぞれのアルバムが新譜として出たのをリアルタイムで経験したのは、どのアルバムだったっけ、と、ふと思ったのです。

ポール・マッカートニーは、「レッド・ローズ・スピードウェイ」でした。

最初のソロ・アルバム「マッカートニー」や「ラム」は、けっこうプライベートな雰囲気のアルバムだな、と思っていました。
それからウイングスを結成しての「ワイルド・ライフ」は、まだ牧歌的というか、のんびりしているというか、ラフで家族的な感じが残っていました。

そして、当時の「音楽専科」や「ミュージック・ライフ」などの音楽誌に華々しくニュー・アルバムの記事が出たのを見て、「初めてポールの新譜を経験する」と思い、興奮しました。

そして、サウンドも艶やかで、派手な感じ、大音量で聞けば益々興奮するというか、“バンドっぽい”アルバムに私は驚き、いっぺんで好きになり、何度も聞いたものでした。

アルバム全体が「ショー構成」みたいになっていて、今でも私が一番好きなポールのアルバムです。音は割と緻密だけど、ちょっとワイルドで“ヤクザ”な感じもあり(*^^*)大学に出向き、突然ゲリラ的にライブをしていた雰囲気も少し感じました。

そして、ビートルズとはまったく異なる音楽でした。

 

 

20220327_john_001

続いてジョン・レノン。ジョンは「マインド・ゲームス」がリアルタイム経験のニュー・アルバムでした。

これも、それまでの「ジョンの魂」の孤独と叫びみたいな感じや、「イマジン」のリリカルだが、まだちょっと寂しいジョンの心が垣間見える感じ、さらに「サムタイム・イン・ニューヨークシティ」のジャーナリスティックな印象など、私はジョンの動向が捉えきれずにおりました。

で、このマインド・ゲームスは、「音楽しているな」というのが一番の印象でした。
アルバムタイトルとタイトル同名曲は、“主張”のようなものを感じますが、でも全体的にはジョンが自由に音楽を作り、歌っているという印象で、これもリアルタイムということも手伝って、何度も聞く好きなアルバムになりました。

こちらもビートルズ時代のジョンを感じさせる楽曲はありませんでした。

 

 

20220327_george_001

次は、ジョージ・ハリスン。ジョージのリアルタイム経験ニュー・アルバムは、「リビング・イン・ザ・マテリアル・ワールド」でした。

アルバムからのヒット曲、「ギブ・ミー・ラブ」は、学校から帰ってFMラジオをつけるといつもかかっていました。
陽射しのあたたかい庭で、人生を見つめながら音楽を紡ぎ出すジョージが連想され、その人間的な部分にはとても共感するものがありました。
このアルバムも大好きです。
そしてまた、このアルバムからもビートルズの印象はまったく感じられませんでした。

 

 

20220327_ringo_001

最後は私が大好きなリンゴ・スター。

リンゴのリアルタイム経験のニュー・アルバムは、「リンゴ」でした。
「想い出のフォトグラフ」はヒットしましたねぇヽ(=´▽`=)ノさらに何曲もヒット曲がこのアルバムからリリースされ、ほんとうにうれしかった。

それまでのスタンダード曲を歌うアルバムや、カントリー・アルバムなどとは異なり、まさに「リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」を地で行った、仲間達が皆、楽しく協力して作り上げられた“リンゴの楽園”的な、楽しくて、ゴージャスで、スケールの大きなアルバムでした。
これも大好きっ!

ビートルズの再結成はとうとう無かったわけですが、このアルバムではジョン、ポール、ジョージが楽曲と演奏で参加していました。三人のどの曲も素晴らしかった。

アルバムのラストで、リンゴがこのアルバムに協力してくれた人達の名前を呼び、感謝の言葉を述べますが、ジョン、ジョージ、ポールの名前も当然呼ばれて(T_T)・・「リンゴ、さすがっ!」って誇らしい気持ちになったものでした。

でも、ここでもビートルズっぽい楽曲はありませんでした。
ビートルズはもう四人の中では過去のことだったのだと、当時の私も気づいたのでした。

毎日ビートルズや解散後のメンバーの楽曲を聞いていますが、時にはこんなことを思い出す・・ということで書いてみました。

 

2022/01/15

「ジョンたま」って聞いて・・自分には使えないと思った。

20220115_john_lennon_001

表題の「ジョンたま」というのは、ジョン・レノンのビートルズ解散後の正式なソロ・アルバム、邦題『ジョンの魂』(JOHN LENNON / PLASTIC ONO BAND)のことです。

ラジオでジョンのこのアルバムをこう呼んでいる人がいて、耳にとまりました。
何か、本でもこう呼称している人がいたと思います。

「マザー」という曲では、

「母さん、僕はあなたのものだったけど、あなたは僕のものじゃなかった」「父さん、あなたは僕を捨てたけれど、僕はあなたから離れなかった、僕はあなたを必要としたけど、あなたは僕を必要としなかった」

などと、歌詞を聞いているだけで、つらいものがありました。

「ゴッド」という曲では、

自分達が世界の人気者となり、名声・栄誉・富などを得ることとなった自らのグループを「僕はビートルズを信じない」と低い声で歌っています。
ディランも、エルビスも、ケネディも、イエスも信じない・・と。

その他「アイソレーション」なども歌詞を読んでいると、孤独な気持ちを悲痛なまでに歌っています。
しかも、ピアノ、ギター、ベース、ドラムというシンプルなバンド構成で、毛筆で真っ白い紙に“墨痕鮮やか”に書いているような感じです。静謐な印象。

でもって、それをいくら何度も聞いてきたからといって、ジョンに親しみをこめたからといって『ジョンたま』はないだろうと思ったのです。

“ニラ玉”でも“のりたま”でも“忍たま乱太郎”でもないのだ!
ジョンの魂の叫びを聞いて、日本の担当者も邦題を「ジョンの魂」としたのだと思う。
それをあんた、「ジョンたま」だよ・・。

というわけで、「オレは何十年もジョンを聞いてきたから“ジョンたま”と言える立場なのだ」というお方もいらっしゃるとは思いますが、ただ私は“いやな感じ”と思ったので書いてみました。

ほかにも自分が好きなものに対して「蔑称」とも言える呼び方をしている人がいて、例えば自転車のことを「チャリンコ」または「チャリ」と言う人がいる。

語源についてはいろいろ説もあるが、あまりいいことは書かれていない。
なんといっても、私が感じるところ、この言葉を使っている人で自転車を本当に好きな人はいなさそうです。
タレントのなぎらけんいちさんも、「自転車は大好きでよく乗るが、“チャリンコ”“チャリ”というのは自転車の“蔑称”なので自転車好きとしては使うことなんて出来ない」とおっしゃっていました。

あと、気になったのが、オーディオ関連のSNSなどで、中国製のアンプのことを「中華アンプ」と呼称している人が多数なのに気付きました。
やはり、“親しみを込めているんだ”と言われるかと思いますが、でもなんだか印象的には、“小バカ”にしている、あるいは上から見ているようなものを感じます。

自分の好きなことや、ものについて、もっと口から発せられた言葉としての印象が相手方にどう伝わるかを考えた方がいいんじゃないかと思ったのです。

ちょっと、ふざけているというか、安易過ぎると感じたのです。

たいした話じゃないな、と思う人もいるかもしれませんが、ここは私の思ったことを書く場所なので、書いてみました。


【Now Playing】 Mindfulness / CYGN ( Lo-fi Hip Hop )

 

2021/12/28

ビートルズ「Let It Be」のスーパー・デラックス・エディション、最後五回目の試聴は、 Disc 5『Let It Be EP』です。

20211207_let_it_be_005

①Across The Universe(Unreleased Glyn Johns 1970 mix)

グリン・ジョンズによる未発表の1970年ミックスです。
冒頭に少し会話が入っています。
あの、“鳥のはばたき”が入っているものの方のテイクかと思います。
かなりナチュラルな仕上がりです。
アコースティックギターには、シュワシュワというエフェクトが掛かっていて、それもあの“はばたき”バージョン同様です。
もともとテープの回転を落として録音しているようなので、それを正常回転させて再生しているので、ちょっとジョンの声は高めに聞こえます。
思ったほどインパクトある新鮮さは無かった感じです。


②I Me Mine(Unreleased Glyn Johns 1970)

これも、グリン・ジョンズによる未発表の1970年ミックスです。
フィル・スペクターのバージョンに馴れてしまっているので、ちょっとサウンドが寂しい感じに聞こえてしまいます。
でも、サビのところはけっこう盛り上がる!
リンゴのドラムも、どのように叩いているのかよく聞こえる。
で、オリジナルのプロデューサーであったフィル・スペクターのバージョンでは、テープを繰り返して追加し、曲の体をなんとか保ったわけですが、こちらは本来の録音された長さで曲は終了するので、とても短く、あっけない (・_・;のでした。


③Don't Let Me Down(New Mix Of Original Single Version)

これは、オリジナル・シングル・ヴァージョンのニュー・ミックスです。
こちらでも、演奏前の会話が収録されています。
オリジナルではちょっと歪みがちだったギターやベースの音は制御され、聞きやすくなっていますが、ではそれがこの曲に合うのかというと、そうでもないかも・・。
リンゴのドラムも特にシンバルの音が制御されているように思います。クラッシュ・シンバルの破壊力が控え目になっている。ただ、どういうふうにリンゴが叩いているのかはっきりとわかるようになったので、逆にリンゴのドラムの上手さが引き立っています。


④Let It Be(New Mix Of Original Single Version)

これも、オリジナル・シングル・ヴァージョンのニュー・ミックスです。
聞いた感じはそれほどオリジナル・シングルとは変わっていないように感じる。
女性コーラスがけっこう際立って聞こえるな、という感じはしました。
また、間奏のジョージのギターがやはり際立ってよく聞こえます。エコー控え目。
全体にポールのボーカルもクリアで艶やかに聞こえます。
ラストの盛り上がりのリンゴのドラムは迫力が増しました。
最後のオルガンのハウっているような余韻は意識して消されたように思います。

 

2021/12/25

ビートルズ「Let It Be」のスーパー・デラックス・エディション、四回目の試聴は、 Disc 4『GET BACK LP-1969 GLYN JOHNS MIX-』です。

20211207_let_it_be_004

このグリン・ジョンズ・ミックスという盤は、当初「ゲット・バック」というタイトルで、ジャケットはあの後に発売されたベスト盤「青盤」のジャケット・・(つまりビートルズのデビュー盤ジャケットと同じ場所で同じ位置で四人のメンバーが写真に収まっているという)・・で、世に出る予定でしたが、結局この2021年まで正式には世に出なかった幻のLPレコードをCD化したものです。

でも、このグリン・ジョンズの作ったアルバムは、アメリカのFMラジオで、“次期アルバム”というふれこみで放送されたと聞きました。
それが録音され、海賊盤が世界中に出回ったわけです。そして、それを私も所有し、だから内容についてはすでに知っているビートルズ・ファンはかなり多い。
海賊盤のジャケットも予定されていたものにした“凝った”ものも出ていました。

というわけで、あらためて正式にCD化されたアルバム「ゲット・バック」、聞いてみます。そして聞きながら感想を書いてみます。

①One After 909

ポールとジョンが右と左のスピカーにくっきりと分かれてミックスされています。
なんだか逆に不自然な感じ。
リンゴのハイハットのリズムが真ん中で、“音デカ過ぎ”!
ジョージのギターも右側で浮いた感じに聞こえる。これまた不自然。
オリジナルでは、LPの最後に入っていた会話がここで登場している。これもたぶんあとからくっつけたもので、本来の収録場所ではないと思われる。


②I'm Ready(aka Rocker)/Save The Last Dance For Me/Don't Let Me Down

ジャムっぽい演奏から入るが、テープのキュッという音がしたりして“海賊盤”ぽい感じがする。
「ラストダンスは私に」を歌い出すが、なんだか酔っ払っているみたいな歌い方だし、こんなの入れる必要があったのだろうか、ましてや正式盤にしようというのにこれはないと思う。
「ドント・レット・ミー・ダウン」に入ろうとするが失敗するシーンも収録されています。


③Don't Let Me Down

かなりスローな感じで曲が始まる。まだバンドは温まっていない感じがします。
なんていうか“冷え冷え”とした演奏に私には聞こえる。
リンゴのドラムも重たい。
ジョンのボーカルもイマイチ冴えが出ていないと思う。
ジョンもポールも遊びでいろいろ掛け声的なものを入れていて、まだまだ仕上がっていない印象です。
終わりはリンゴのドシンドシンというドラムで突然終わらせてしまいます。


④Dig A Pony

最初のイントロの失敗まで入れているけど、これはいらないと思いました。
ジョージのギターは、まだまだ未完成な感じで、弾くフレーズも探っている様子がうかがえる。
もうひとつ勢いが足りず、ジョンのボーカルもちょっと喉が“いがらっぽい”感じが残っている。
テンポも遅めで、曲がもたついているし、ジョンは途中で笑い出したりしていて、これもアルバムに入れようとしていたわけだから、ちょっと私には理解できない。
エンディングのおふざけも海賊盤的でいただけない。


⑤I've Got A Feeling

こういう曲にしようというのは、バンドとしてもう出来ている感じがする。
でも、個々の演奏はまだ詰めが甘い部分がそのまま収録されています。
ジョンとポールの掛け合いもまだ“これだ”というところまで来ていません。
最後の尻切れトンボの終わり方も海賊盤みたいです。


⑥Get Back

これはシングル盤と同じテイクだと思います。
リンゴのドラムのキレは抜群!
ポールのシャウトしそうでしない、甘い声のボーカルもカッコイイ(゚ー゚*)。oO
ビリーのオルガンも、もちろんバッチリの決まり具合です。
ジョンもジョージも素晴らしいギター・プレイを聞かせてくれますd(^_^o)
録音もとてもいい。


⑦For You Blue

イントロのジョージのギター失敗部分まで入っている。
そしてジョージのギターのつま弾き、ストロークがかなりはっきりわかる形で録音されている。
ジョンのスライドもよく聞こえる。
オリジナルLPよりも“ノリ”がいいみたい(*^_^*)
ジョージのボーカルもリアルな感じが出ている。


⑧Teddy Boy

ポールのソロ・アルバム「マッカートニー」にも収録されていた曲です。
アンソロジーにも入っていたが、あの強烈なハウリングは取り除かれているようです。
で、しつこいくらいに繰り返しこの曲を歌うポールですが、いやもう何度歌ってもこの曲はこれ以上良くなりませんよ(^_^;)
ジョンも付き合って、いろいろ後ろで語り口調でやってくれてますけど、何をしても無駄だと思いました (・_・;
やればやるほど聞いているこちらは「もういいよ」となってくるのでした…σ(^_^;)


⑨Two Of Us

今まで他の曲でも書いてきましたが、このアルバムに入れるにあたって、ほとんどの曲がまだ完成されていない感じで、演奏もかなり“ダレ”ている印象があります。そういうコンセプトだったのかと思いますが、今にして思えば、これを当時出さなくてよかったと思います。
ビートルズにがっかりする人はかなりいたんじゃないかと思います。こういう演奏を聞かされては。
この曲も、“ゆるう~い”感じは否めません。


⑩Maggie Mae

オリジナルと同じテイクだと思いますが、こちらの方が音は分離されてよく聞こえるように思う。でも、フェイド・アウト(^_^;)


⑪Dig It

この曲の本体の演奏部分(映画でもそのシーンは収録されていた)が収録されたものです。
オリジナルLPでは、最後の“シッポ”の部分だけですが。
でも、この曲自体がそんなに素晴らしい曲でもなく、「テディ・ボーイ」みたいに、いくら長くやってもそんなに良くならない曲だと思いました(*^_^*)
やはり途中で“ダレ”てくる。


⑫Let It Be

曲前の会話などが聞こえる。
テイクとしてはシングル盤と同じものかと思えるが、いろいろな“後付け”されたものは排除されている。
「ウー」っていうコーラスもそのままよく聞こえる。
ポールのボーカルは、エコーがかなりかかっているように感じる。
間奏後にポールのピアノが不協和音みたいに弾かれる部分はそのままだった。
リンゴのドラムはプレイも音も満点です(^-^)/☆


⑬The Long And Winding Road

本来のオーケストラが入っていないバージョンで、アンソロジーでも聞くことが出来ましたが、このアルバムの海賊盤が出回っていた頃は、まさにこのアルバムのこの曲のこのバージョンが聞きたいがために必死で手に入れたものでした。
そのときの“新鮮”さは、今聞いても失われていません。とても“みずみずしい”'(*゚▽゚*)'聞いたことのない人はぜひ聞いた方がいいバージョンです。


⑭Get Back(Reprise)

これは映画の最後に流れていた「ゲット・バック」あのリプライズ部分です。
映画の「これで終わりだな」・・という感じを思い起こさせてくれました。


以上がグリン・ジョンズ版「ゲット・バック」を聞いての感想です。
聞きながら書いたので、いろいろとまだ気づいていないことがあるかと思いますが、今後何度も聞いて、また再発見をしたいと思います。

 

より以前の記事一覧

2023年1月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

最近のトラックバック