『蕎麦湯が来ない/せきしろ・又吉直樹(マガジンハウス)』を古本で見つけ、読んでみました。
二人の著者共演による『自由律俳句集』です。
2020年第一刷発行となっていました。
以前にもこのお二人の自由律俳句の本についてご紹介したことがありましたが、“性懲りもなく”二冊目の読後感です(^_^;)
“自由律”ということなので、五七五で詠まれているわけではなく、もちろん季語も原則として入ってはおらず、私が今詠んでいる「有季定型」とは対極のところにある句なのです。
じゃあ嫌いなのか、というとそんなことはなく、独特の間が存在し、ドキッとするようなことを何気なくつぶやいている・・お二人の句は“癖になる”ような魅力があるのです。
「鬼才と奇才」と、本の帯に謳われていましたが、どちらが鬼才で、どちらが奇才なのかはわかりませんが(^-^; 絶妙のコンビネーションを見せて、とても良い句集となっておりました。
また、自由律俳句だけでなく、お二人のエッセイというか、雑感というか、そんな文章がどんどん句と句の間に登場して、これもまた見どころになっています。
又吉さんとせきしろさんの出会いのきっかけについても終盤にふれられていました。
偶然が偶然を生み、お二人の共著が出来上がったのだと、感慨深いものがありました。
ATMに先輩が並んでいる 又吉直樹
リュックを降ろさずに呑む人といる 又吉直樹
新幹線で宿題をする子 せきしろ
バイキングで誰もテーブルにいない時間 せきしろ
・・・私は“いいと思う”!!^_^;
とにかく一度読んでみないとわからない、そんな自由律俳句集でした。
『愚の力/大谷光真著(文春新書)』を古本で見つけ、読んでみました。
著者、大谷光真氏は浄土真宗本願寺派第24代門主、著書も多数あるようです。
2009年に第一刷発行されたものでした。
浄土真宗の信徒でなくとも親鸞聖人の教えがわかるように、やさしく書かれていました。
後半、宗教的に深いところまで入っていくと、理解が届かないこともありましたが、それでも人が生きていくうえで基本的な考え方については「そうかもしれないな」と思うことがたくさんありました。
特に今や世界的な世相がそうなっていますが、人間が中心となった物事の考え方が地球全体をおかしくしているというような部分には同感するところ多かったのです。
人間がリード(管理)して世界を地球を運営していくことなど、“思い上がり”も甚だしいと、日々ニュースなどを見ていて思います。
また、現代において「豊かさ」とか「成功」は、自分の視野をせばめる(都合の悪いものは見ないで満足したふりをする)ことでかろうじて成立している・・という話にも共感しました。
視野の狭さが社会全体に行き渡っている、という言葉には胸を痛くする人もいるかと思いますが、その意味さえわからない人も多いような社会になっていると私も感じます。
スピリチュアルなことや、癒しブームなどは、割り切れないことを割り切ったことにして思考停止する危うさがある、という考え方にも「そうだと思う」と思わずつぶやいてしまいました。
「あなたに霊がとりついている」などと、悪者を仕立て上げて責任を全部押しつけるようなことにも十分注意しなければならないと感じました。
また安易な癒しを救いとするようなすぐに解答が得られるものにも注意が必要です。
私もそうですが、今や「不安の時代」に人は生きていると思います。
不安であっても、それを安易に簡単に解消しようとはせずに、不安に耐えることが必要であると書かれていましたが、やはりそうだと思いました。
そこで浄土教の教えの「凡夫」や「愚者」の自覚が一助になるのだと書かれていました。
浄土教にふれることなどほとんど無い人でも読んでみれば「なるほどね」と思うことの多い、しかも自分の考え方について勉強になる本でした。
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