売れるクルマはあるのか!?
この大不況でクルマは全く売れず、工場から出荷しても置く場所がない、港の出荷待ちの駐車場などは満杯、ということで、生産も停止せざるをえない状況なのだそうです。
あの“大トヨタ”にしてからが、そんな状況なので他社は推して知るべしです。
私が特にトヨタ車に対して感じていたのは、クルマを購入者別にカテゴリー分けして、「あんたらはこのくらいしか払えないんだから、この程度にしときなさい」と言われているようなクルマばかりだと、そんな感じがなんとなくわかるということでした。
他社についてもそういう雰囲気が無いわけではなく、ホンダにしても、かつての初代シティや、ワンダー・シビック、さらにリトラクタブル・ライトだった頃のアコードを出していた、あの頃の雰囲気は皆無です。
オデッセイなどのモデルチェンジをみていても、ちっともワクワクするような雰囲気がありません。
どちらかというとトヨタ的なイメージがここ何年か見受けられます。
きょうのタイトル、「売れるクルマはあるのか?」。
あるんじゃないでしょうか。
今までの「モデルチェンジが4年毎、それまでに買い換えた方がいいよ」的な考え方はもう通用しないと思います。
というか、そんな考えで今まで造っていたのが間違いだったのではないかと思います。
まず一つ目、『安くて長持ちするクルマ』がいいんじゃないでしょうか。エコだなんだといいますが、長く使えればまずそれが一番だと思います。それじゃ儲からないと言われるかもしれませんが、これからは“バブリー”にしょっちゅう買い換えなんて人はいなくなるのです、きっと。
二つ目は、『コンパクトで使い勝手の良いクルマ』。
やたらと7人乗りなんて、ミニバンぽい、しかも横幅は180センチメートルもあるような日本の道路事情、車庫事情にそぐわないようなでかいクルマはもうやめた方がいい。でかいだけ燃費も悪い、しかもそんなクルマに乗るとマナーまで悪くなる。クルマの大きさと同じくらい態度も悪くなるのです。
三つ目は『安くてもしっかりと内装まで目の行き届いたクルマ』。
特に大メーカーは、安かろう悪かろうという作りが目立ちました。内装などは乗り込んで見回しただけでがっかりするようなものでした。
でも、軽自動車で頑張っているスズキの内装などを見ると心憎いところまで気をつかっていたりします。
一度クルマ屋さんに行ったら見てみるといいですよ。なんでここにこんなザラザラがあるんだろうとか、こんな角度をつけてあるのだろうと思うところは、すべて実際の使い勝手に合わせているのです。
CDなどの取り出しの際に、すっと取り出せるようにきちっと入れても微妙な隙間が自然に出来たりするのです。
そのきめ細かさには驚くのですが、それを表には出していません。
女性向けのラパンなどには、内緒の写真立てが隠されていたりします。クルマに乗るのが楽しみになりますよね。
安くてもそんなちょっと気分が良くなるアイデアの生かされたものがほしいです。
四つ目は、『基本性能と何かひとつ特色のあるクルマ』。
走る、曲がる、止まるはクルマの基本性能。それをしっかりさせるのはもちろんのことです。
街中でも、高速道路でもしっかりと真面目に走ってくれるクルマ、これで十分です。
それに、もうひとつ、何かプラスアルファ!
燃費が良いクルマ、排出ガスがクリーンなクルマ、次世代のクリーンディーゼルを載せたクルマ、トラクションコントロールを生かしてドライバーをサポートしてくれるクルマ、四輪にそれぞれトルクスプリットをかけて安定した走行ができるクルマ、などなど。何かひとつ特色があると購入意欲をそそります。
富士重工は、レオーネからの独自の四駆技術や、頑ななまでの水平対向エンジンへのこだわりを生かしてクルマづくりをしていますが、もうひとつサイズの小さいクルマで熟成された技術を生かしたものを出してほしいと思います。
マツダは独特の“走り”に対する追求と、ロータリーやミラーサイクルなど、新しいエンジンなどへの取り組み姿勢はきっと将来に生かされるのではないかと思います。
その他各メーカーが独自色を出して、これから購入する人(クルマは古くなるのですから、買い控えしていてもいずれは買い換え時期がやってくるのです)に、「これを買いたい」と思わせてもらいたいものです。
クルマが好きなだけに“ちから”が入ってしまいました。
きょうのブログは、ただ苦言を呈しているわけではないのです、各メーカーを応援しているのです。
すばらしく、楽しいクルマ、見せてください。
【NowPlaying】 Tears / 宮本 笑里 ( Instrumental Music )
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