オトナも小学生も聞いていた
きょう、何かのラジオ番組で言っていたのですが、昭和の時代、特に昭和40年代から50年代にかけて「歌謡曲」というジャンルが存在していて、それはオトナも子供もみんな共有するように聞いていたという話をしていたのです。
写真は、「西郷輝彦」。郷ひろみらの前の歌謡曲男性御三家の一人です。
まさに歌謡曲全盛時代のシングルレコードですが、40代後半以降の人でなければ知らないでしょう。
あの頃の歌謡曲には、けっこう“きわどい”歌詞などが多く、当時の小学生はそれを聞いて、しかも平気で歌っていました。
「あなたが噛んだ小指が痛い」とか、「夕べのことはもう言わないで」とか、「別れの朝、二人は、冷めた紅茶飲み干し」とか、「横浜、たそがれ、ホテルの小部屋、口づけ、残り香、煙草の煙」とか、「二人でドアを閉めて、二人で名前消して」、「あなただけが生き甲斐なの、忘れられない」とか、さらには「あなたと会ったその日から、恋の奴隷になりました」・・・なんて、当時の小学生は普通に友達と歌っていました。
今、いろいろな曲を思い起こしてみると、歌謡曲の歌詞で歌われている恋愛は、かなり“濃厚”です。
当時の小学生の私の気持ちをもう一度呼び戻してみると、まるで訳が分からなくて歌っていたわけではなかったと思います。
「おとなには、大人の事情があって、それは子供にはわからないけど、そうとう子供には言えない、何かいやらしい事情があるのだな、きっと・・・」(^^;)という感じだったと思います。
大人は大人で、「変な歌、平気で歌いやがって、でもまあ、そんじょそこいらで流れてるし、ま、いっか!」というようなことだったんでしょうね。
だから歌謡曲って面白かったんだよな。
今のヒット曲で歌われる恋愛って、ほとんど「自分の周囲数メートルのこと」あるいは、「自分勝手な思い込みの世界」、または「妙に美しい、恋愛」だったりして、かつての歌謡曲とは世界観がまるで違います。
どっちがいいかとか、そんなことは言わないけど、歌われる世界は確実に“狭く”なったと言わざるをえません。
USEN放送には、歌謡曲を流す番組や、「昭和ちゃんねる」などというかつての昭和の時代を再現するような番組があって、それを聞いていると、さらに上記のような感想を持つのです。
これからのポピュラーミュージックって米国の曲も含め、どうなっていくのでしょうか。
楽しみだというような期待感もありますが、つまらないものになってしまうのか、という不安もあります。
ところで今年を代表する曲ってなんだろう?
今や、そんな曲もなさそうですね。
【NowPlaying】 天使のスキャット / 由紀さおり ( 歌謡曲 )
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