『雪景色』
宝塚歌劇団・雪組の次代を担う期待の二人「早霧せいな」「沙央くらま」の二人が中心となった日本青年館での公演『雪景色』を見たのですが、ちょっと遅れての書き込みです。
これは、とても珍しい一公演“三作”のオムニバスで、しかも三作を役替わりで日々公演するという、演じる側には“過酷”とも言えるものです。
ABCDの4パターンで役替わりがあるという、「そんな無茶な!」という役者にとっても見る側にとっても驚きの公演です。
私が見たのは、Bパターン。「愛ふたつ」では、主役くの小四郎を「沙央くらま」、「花かんざし」では伊佐治を「早霧せいな」吉蔵を「沙央くらま」、「夢のなごり」では、伊予三郎忠嗣を「早霧せいな」、伊予四郎信嗣を「沙央くらま」というパターンでした。
もちろん、全て“和もの”の演目で、最初の「愛ふたつ」などは、私がUSENで聞いている上方落語の小佐田定雄先生の作品「幽霊(ゆうれん)の辻」で、その番組でもすっかりおなじみのお話で、とても楽しめました。お客さんも爆笑(^o^)
汝鳥怜さんの名演技も手伝って素晴らしい仕上がりでした。
私が落語の“語り”だけで想像していた世界が、まるでパノラマのように目の前に立ち上がり、色彩豊かに繰り広げられる舞台は、夢を見ているような最高のものでした。
舞羽美海さん、大月さゆさん、大凪真生さんの好演も光りました。
そして、もちろん役替わりで主役を務める「早霧せいな」さん「沙央くらま」さんは、全力投球の様子がこちらに伝わってきました。
終演後の挨拶で、「今日が“この役”の千秋楽、明日が“この役”の千秋楽と、役ごとの千秋楽を迎えています。」
とおっしゃっていましたが、何パターンもある役替わりは、さぞかし大変なことであったと思います。
でも、私が見た回も、お二人とも見事にそれぞれの役柄を表現されていました。
見ていて、「雪組に“隙”は無いな」と思いました。
トップの水さんは全国ツアーに、音月さんはディナーショーにと、三つの部隊に分かれての公演にもかかわらず、非常に完成された公演であったと思いました。
ただ、残念なのは、私が見た回は、一階後方の席にかなりの空席が目立ったこと。8列くらい全て空席でした・・・。
ちょっと驚きましたが、“和もの”三本の変則公演が原因だったのか(とても良かったのに・・)、二人の集客力にまだ勢いが無いのか、たまたまだったのか、いずれにしてもちょっと残念なことでした。内容はとても良い公演だったのに。
でも、今回主役の二人は期待に違わず素晴らしい出来でした。
そして、雪組の層の厚さはかなりなものであるとも感じました。
来年は月組の龍真咲さんが「ハムレット」を日本青年館で演じるとのことですが、こうした本公演以外のものも、現在の宝塚は充実していますね。
来年もファンはけっこう大忙し(^^)ですよ。
【NowPlaying】 ラジカントロプス2.0 / 佐々木俊尚 ( ラジオ日本 )
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