これが水さんのサヨナラ公演・・・
昨晩、仕事を終えて、夜に東京宝塚劇場に同僚の女子と向かいました。
雪組・トップ男役・「水夏希」さんとトップ娘役の「愛原実花」さんの同時退団公演となります。
ものすごく期待して劇場に入りました。もちろん、同僚の女子も。
今までこのブログでの私の宝塚歌劇への書きっぷりをご覧になっていた方は、「いつもほめてばっかりなヤツだな」とお思いだったかと・・・。
しかし、今回ばかりは・・・。
ミュージカルの「ロジェ」では、水さんが自分の親・妹を殺した男を24年も追いかけて復讐を果たそうとする物語なのですが、殺されたシーンは影絵のようにちょっとだけ見せて・・どんな親だったのか、妹だったのか、どんな家族でどういう暮らしをしていたのかもわからず・・。
じゃ、その後の24年というのを主人公の水さんがどう過ごしてきたのかという回想等も全く無し。
つまり、主人公に共感できないのです。
しかも、水さん演じる主人公の人物像がよくわからない。ずいぶん怒ってる・・愛原さんにもすぐ怒る。
登場人物も、音月さんも、愛原さんも、未沙さんも、早霧さんも、沙央さんも・・いずれも奥行きも陰影も感じられないつくり方。
始まって10分で、「これは面白くないかも」と感じ、30分で「もうこれ以上よくなる可能性はない」と思い、実際そのとおりになりました。緒月さんが台本の薄さをカバーすべく迫真の演技をするも・・殺した理由が「お腹がすいていた」じゃ・・(-_-;) ・・もう、何もかも台無しなミュージカルでした。
愛原さんは、とうとう“娘役らしい”娘役を演じることなく退団です(T_T)
いつも「鋼鉄の女」みたいなのばっかし・・・。せっかく立ち姿も美しく、可愛いのに、つくづく残念です。
このひどさは、16年前の星組「白夜伝説」以来の私の記憶に残る「ワースト作品」となりました。
もう、普通の精神状態じゃないまま、休憩時間も過ぎ、そのままショーに突入。
ロックっていうか、ファンクっていうか、“電気”な感じで開幕。
これはこれでいいでしょう。でも、水さんの最後の舞台には似つかわしくない。
どのシーンも今までにちよっと無い感じ。
でも、これはいくつかの公演を経ていく過程でやってほしかった。
黒燕尾で“電気”でH.ハンコックみたいな“ファンクサウンド”はラストの公演では、いらないと思いました。
それに・・・(きょうは書き過ぎ?)、どの曲も印象に残らない。
ショーが終わって外に出たら、普通、テーマ曲が頭から離れなくなるでしょう!?
それが全くなし!
前半のミュージカルの悪印象を引きずっていたことも否めませんが、それを差し引いても、“スカッ”とくるものがありませんでした。
目を引くような場面もありました。愛原さんの衣装が舞台上で青から赤っぽくかわり、水さんとの素晴らしいダンスが印象的な「オペラ座の幻想」などは、“おっ”と思いましたが、とうとう点火せずに公演が終わってしまいました。
歌についても、美穂圭子さんに頼りっ放しな部分も感じましたが、組全体のまとまりが・・申し訳ないが、あまり感じられませんでした。
前回の宙組が、冷静に考えると、そんなにたいしたミュージカルでもショーでもないのに、両方とも観客をうねるように興奮させて、組全体の力で怒濤のごとく押し切るように演じていたのとは対照的です。
昨日の晩から落ち込んでいて、まだ気分がふさいでいる私です。
【NowPlaying】 Nica's Dream / Vivian Buczek & Claes Crona Trio ( Jazz Vocals )
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