「ハヤブサ」の話
きょうは、仕事絡みで、ある研究所の発表講演会に出かけました。
その研究発表については、また書くことがあるかもしれませんが、話題はその発表講演の最後に「特別講演」と銘打って「宇宙航空研究開発機構 月・惑星探査プログラムグループ」の教授、川口淳一郎さんが登壇されたことです。
そう、あの小惑星「イトカワ」への奇跡の往復旅行を果たした、あのハヤブサの帰還に関わった中心人物です。
氏の惑星探査とサンプル持ち帰りへの強い探求心と、ご本人も講演の中でおっしゃっていた“根性”には、あのときもテレビ等で色々なエピソードを聞きましたが、あらためて感服いたしました。
それに、最後に帰還しようとしたときに「イオンエンジン」が動かず、実験もしていなかったイオンエンジンの連動機能を使うための「中和機」が最後まで動いてくれることを願って島根県の「中和神社」というところまで飛行機に乗って、しかも宮司さんに普段は開いていない早朝に神社をあけてもらって、願掛けに(^^;)行ったときの話にも、笑いと爽やかな驚きを感じました。なんたって、ただの“ゴロ合わせ”ですけど、最後には“神頼み”ってことだったのだと思います。
おまけに、そこの宮司さんは「ハヤブサ」のことを知っていたとのこと。それにも驚きましたが・・(^-^;
きっとこのブログをお読みの皆さんも、ハヤブサの度重なる困難を乗り越えたエピソードはご存知でしょうが、それにしてもいったんは、まったく通信が途絶えたのに、太陽電池へ光があたり、通信が出来そうな時をしつこく待って、しかも15秒開いては、また15秒閉じてしまうような通信状況の中で、ロボットとしての機能を持つハヤブサに「しつけ」をして、その反応を見ながら、ハヤブサの状況を探り出すくだりにはドキドキしてしまいました。
さらには、ヒーターが壊れていて、温度によって周波数を変えるハヤブサに対し、あらゆる周波数でアクセスしていくところには、もう頭が下がりっぱなし・・<(_ _)>
あの感動をもう一度、当事者本人から聞けたことは、ほんとうに良い経験でした。
何とか地球までカプセルを持ち帰ったハヤブサが、カプセルとの“へその緒”ともいうべき通信ケーブルを切ったあとの話も感動的でした。
もう、ハヤブサは役目を果たし、あとは燃え尽きるだけになったときに、カメラのスイッチを入れてやり、「ふるさと」である地球の姿を最後にハヤブサに見てもらおうということになり、スタッフ皆が同意したとのこと。
スイッチを入れると地球が映り、その写真が今も残っているのですね。
そして、NASAが撮ったハヤブサが燃え尽きていく姿は、太陽電池その他の部品が、あまりにも美しく輝きながら燃えていて・・(;´Д⊂
いい話を聞けて、きょうはちょっと幸せな気分でした。
帰り道も心がほっこりとしながら地下鉄に向かいました。
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みいさん、こんばんは!
私、きょうは体調をくずして仕事をお休みしました。
一日じっとしていました。
おかげさまで、今はだいぶ楽になってきたところです。
ハヤブサの話を、直接当事者から聞くことが出来たのは、ほんとうに良い経験でした。
科学者であっても、誰でも、気持ちの中というものは、色々な情緒的なものが錯綜しているのだということもよくわかりました。
話さなければ人の心の中にあるものは、なかなかわからないものです。
私も、一人で心の中にあまり閉じ込めてしまうものを増やさないようにしようと思いました。
それによって、様々な人から自分に対して何かアクションがあるような気がしてきました。
投稿: はっP | 2010/12/03 19:49
ハヤブサの帰還は、わたしも興味深く、そして感動しました。ニュースで知る限りだったのですが。
はっPさん、ホント、いいお話が聴けましたね。羨ましいです。
わたしもこの記事で又感動です。
投稿: みい | 2010/12/03 11:30