ロッキンオンのビートルズ本を読んでみました
『rockin'on BOOKS vol.1 THE BEATLES / (株)ロッキング・オン』を読んでみました。
ビートルズのそれぞれのオリジナル・アルバムについての評価を、複数の方が書いているものです。
読んでいると、特に1966年のアルバム「リボルバー」以降の評価が時代によってずいぶんと変化してきたことと、それに翻弄されてコロコロと意見を変えた人が過去にけっこういたなぁ、とあらためて思いました。
そういうことにふれている本なのです。
特に1960年代には、世紀の傑作と言われた「サージェント・ペパーズ・・」が、70年代からその後にかけて長い間、“偶然の産物”とか、曲として秀でたものが無いとか、ひどい言われ方をした時代が続きました。
それに、「レット・イット・ビー」についても、フィル・スペクターというプロデューサーが駄目なアルバムにしてしまったとか、“散漫”なアルバムだとかそんな評価が横溢。
逆に「リボルバー」については、革新的な傑作アルバム。
「ホワイト・アルバム」についても、玉石混交であるにもかかわらず、“ビートルズのアルバム中最高”の評価が、高まったり。
それぞれのアルバムを時代の流れと一緒に考えてしまうから評価が変化しているのではないかと感じました。
単に、そのアルパムを音楽として評価するのが一番良いのではないでしょうか。
そうすれば、「サージェント・ペパーズ・・」はいつでも新鮮なサウンドと、独特の世界観がいつもそこに存在する名盤であると考えられます。
「レット・イット・ビー」は、「ディグ・イット」と「マギー・メイ」という入れなくてもよい数秒のものを除けば、どれも大名曲のオンパレード!
演奏も名演が続き、バンドプレイの醍醐味も味わえる、これまた名盤です。
「リボルバー」は楽曲的にも演奏的にも録音的にも実験的な曲が多く、卓越したアルバムですが、ビートルズ中の最高傑作と言えるほどのものでもないように感じます。
これを最高傑作というと、ちょっとカッコイイので、そんなこと言う人が一時たくさんいました。
私は、「そうでもない」と正直に思います。
「ホワイト・アルバム」についても、この広大な音楽空間がどこまでも続くような作品群を目前にして、やはりかっこ付けて最高傑作と言いたくなるアルバムだと思います。
確かにいいアルバムだし、私も大好きですが、完成されていない曲も多数で、大傑作というには、未完な印象が残ります。これも正直な印象。
言っておきますが、私は生涯をかけてのビートルズファン。どのアルバムも甲乙付けがたいというのが本当のところなんですよ。
ですが、やはり全体の印象としては上記のような感じもしているのです。
詳しくは、私のホームページ「オトナの研究室」内にある「ビートルズ研究室」をお読みいただければ、私のビートルズへの愛がおわかりいただけると思いますが、時代の風潮によって評価を変えるのは、どうなんだろう、というのが、この本を読みながら感じたことでした。
巻末に2009年のリマスターを手がけたスタッフ二人のインタビューも入っていますが、私もホームページに、リマスター後の追記を少しずつ進めていきたいと思っています。
【NowPlaying】 All You Need Is Love / The Beatles ( Rock )
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