「カイシャデイズ/山本幸久」を読んだ

『カイシャデイズ/山本幸久著(文春文庫)』を読みました。
都内の小さな内装会社の様子を社員それぞれの視線で、次から次へと書いている物語でした。
特別なことは起こりません。大事件はもちろん発生しませんが、それぞれの登場人物本人にとっては「悩み」となっていること、また、自分の仕事とはこういうものだという仕事をしている様子そのものが本人の気持ちに成り代わって書かれているのです。
ここには、私も感心してしまったのですが、日常働いていて感じていること、たいしたことではないが記憶に残っていること、普通の人が日々働く中で周囲の人に抱いている気持ちなどが、それこそ“見てきたように”描かれています。
毎日毎日、働いていると色々なことが起こり、様々な人々と関わり合いになります。
そんなこと一々覚えておこうとは思いませんが、でも記憶に残る過去とはそんな日々のことです。
驚いたことに、この小説には、それらが生き生きと描かれているのです。
初めて読むタイプの小説でしたが、もう次を読まずにはいられない・・普通の展開・・これが病みつきにさせるのです。
この物語の舞台となっているのは、内装屋で、私が10年以上前に関わっていた仕事のときに、建築屋、電気屋、機械設備屋、そして設計、施工管理、下請けなどと繰り広げた現場生活、交渉ごとの生活などを鮮明によみがえらせてくれました。
「ああ、このエピソードはあのときのあれにそっくりだ!」などと思わず声に出しそうになりながら読みましたが、“働く”っていうのはこういうものだ、というのが非常にわかりやすい舞台設定というか状況設定の物語で、仕事をしている人には、“共感”だらけの読書になること間違いありません。
それから、「仕事って、どんな感じのものなんだろう」などと、これから仕事に就く人にも、ものすごく参考になってしまう本だと思いました。
「期待するほどでもなく、期待しないほどではない」・・わかりにくいけど、仕事ってそんなものだよ、と言っているようです。
またまたまた、おすすめしちゃいたい本になってしまいました(*^^*)
【NowPlaying】 天気予報 / NHK ( AMラジオ )
« ミュージカル『ヴァレンチノ』見てきました | トップページ | 「Phantom・ファントム」長女と観劇しました »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
「仕事で生き生き」カテゴリの記事
- 「考えないヒント アイデアはこうして生まれる/小山薫堂」を読みました。(2026.10.11)
- 俳句を詠んでみる_0916【 所長さん ラフランス剥き やって来た 】(2026.09.27)
- 俳句を詠んでみる_0899【 秋の日に あの娘の 小さき笑顔あり 】(2026.09.10)
- 俳句を詠んでみる_0895【 秋の夜に 自販機のうどん 啜る人 】(2026.09.06)
- 俳句を詠んでみる_0869【 網戸張る ラジオのノイズ聞きながら 】(2026.08.11)
« ミュージカル『ヴァレンチノ』見てきました | トップページ | 「Phantom・ファントム」長女と観劇しました »


コメント