佐野洋子さんの痛快ぶっ飛ばしエッセイを読んだ
腰巻き(帯)には、【追悼】と書かれた『覚えていない/佐野洋子著(新潮文庫)』を読みました。
佐野さんの五十代の頃のエッセイを集めたもので、本人はこの企画を提案され、あらためてそれを読んでみると、恥ずかしくてたまらなかったようですが、結局出版されたものです。
「結婚はカン違いのたまもの」であると言い、子育てについては、「他人様から見れば可愛くもなんともない子を親は可愛がり、子は得体の知れないものであり、しかもちょっとでかくなってくると親を悲しませ、ひどいことをする」・・などということが書かれていたと思います。
宝石やブランドものなどには目もくれず、男と女の悲哀もガシガシと踏み越えていく佐野さん。
男が、生まれた子を自分の子であると信じ、ひどい目に遭いながらやっと得たお金を惜しげもなく、妻と子に与えるのを見て、「私が男だったら絶対にそんなことしない」とおっしゃる(´Д`)
読んでいるうちに、私も“男”をやめたくなったが、ラストの方で「本の雑誌」の関係で知り合った作家の椎名誠さんのことを最初はけなしているのかと思ったら、褒めあげる!
あんな感じの、たき火が似合い、海とビールが似合い、「よしよし」「うぐうぐ」といいながらビールを飲み干すような、あんな感じの男が理想だったのかも・・とも思いました。
どんな事象も“ナタ包丁”でドスッと切るような、切り口がざっとくりとあざやかな・・そんなエッセイ集です。
女の人は・・読まないかもなぁ・・そして男は・・恐れをなして読まないだろう・・って、これじゃ誰も読まないみたいだけど、花も嵐も踏み越えて人生を必死に一歩ずつ進んでいるようなお父さん、お母さんにはよいテキストかもしれない・・・。
以上です。まとまりませんでした。
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