凸凹デイズを読みました
『凸凹デイズ/山本幸久著(文春文庫)』を読みました。
たった三人のデザイン事務所「凹組(ぼこぐみ)」で働く主人公とそれを取り巻く仕事仲間の現実的だけど、ストーリー展開そのものはちょっとデフォルメされた非現実的な面白さも加わった作品です。
以前同じ著者の「カイシャデイズ」という作品をこのブログでご紹介したことがありました。
そちらでは、人が仕事をしている日常の姿が淡々と、しかし面白く描かれていて、とても面白い作品でした。
こちらの「凸凹デイズ」では、登場人物がちょっと“ぶっ飛んだ”人ばかりで、コミックでも見ているかのようなシーンが続きます。
読者である私は勝手に、登場人物を頭の中で想像して、その突飛なキャラクター達を頭の中で“妄想込み”で動かしながら読んだのでした。
読んでいると、なぜ人は人とつながりたがるのか・・とか、仕事とはある意味人とつながりたいという気持ちが支えているのではないか・・などという思いがわいてきました。
若い人達が主役のこの本は、私にとっては遠い昔のことのようですが、でも上記のような気持ちは今でも残っているように思います。
この本には、特に若い人が今の自分の位置を感じることができるような、そんなことが書かれていたように思います。
逆に、私にとっては、今の自分は何をやっているのかと、・・しみじみ感じてしまうものでした。
この作者の独特な世界観と、書きっぷりは新鮮です。
ちょっと不思議な、仕事と日常の中にいる人々を描いた作品でした。
【NowPlaying】 永六輔その新世界 / 松島トモ子他 ( TBSラジオ )
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