マイルスを聴け!について書いてみた
「ムーンライトブックストア」・・千葉市中央区松波にある個性派の古書店。書籍だけでなく、音盤やその他、趣味ごころをくすぐる品々がオシャレにディスプレイされているお店です。
そこで手に入れたのが、写真右側の『マイルスを聴け!<増補改訂版Version5>/中山康樹著(双葉社)』(2002年版)です。
そして写真左側が同じ著者の「マイルスを聴け!」第一刷で、径書房版です(1992年版)。
中山康樹さんと言えば、マイルスの権威であることで有名ですが、近年はビートルズ、ストーンズ、ディランなど、どれもこれも聴きまくり、語りまくりといった内容の本ばかりです。
本の背から写真で見ると、その増補改訂版の分厚さに驚くでしょう。
「新CD・新BOX 76枚追加収録」と帯に書かれていて、どこまでもマイルスを探求する著者の心意気が並みのものではないことがわかります。
で、JAZZ好き、マイルス好きな私にとってもたいへん貴重でありがたい本となっております。
単にマイルスの作品を網羅して一般的な視点での研究にとどまることなく、中山さんの独断的な批評や、完全にマイルス信奉者としての“行き過ぎ”たご意見も、むしろ本音で語られていて、「そうか、そういう見方、聞き方があったのか」と深く頷いてしまうのでした。
私にとってのマイルスは、ジャズ界では珍しい“進化形”のミュージシャンであり、コンポーザーです。
自らの過去を葬り去るように、次作では新たな側面を常に見せてくれ、しかも斬新過ぎるのに、ある意味“心地良い”のです。
1960年代後半以降の電化されたマイルスを極端に嫌う向きもありますが、私にとっては「常に前進あるのみのマイルスなのだから、それを認め、追い続けないとマイルスを聴いたことにはならない。」という気持ちがあって、全てのマイルスがOKなのです。
これからでも遅くない、ジャズをせっかく聞いてみようなんて思っている方がいらっしゃるのなら、マイルスのアルバムを何枚も聴いてみることをおすすめします。
思わず居ずまいを正してしまうマイルスの名盤に酔いしれてください。
【NowPlaying】 One O'Clock Jump / Jimmy Smith ( Jazz )
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