椎名誠さんの「ツーカイ・面白話」な本、読んだ。

『すっぽんの首/椎名誠著(文春文庫)』を読みました。
いつも通りの“ジャンル無きおもしろ話”が満載でしたが、実は後半で出てくる椎名さんのサラリーマン時代の経験話がとても面白かったのです。
椎名さんは、「ストアーズ・レポート」というデパート・小売業の業界紙の編集をされていました。
そこで経験した三越創業300周年記念行事の当時の椎名さん編集による記念誌を屋根裏で発見し、椎名さんの記憶が蘇ります。
当時の岡田社長については、その後の事件により世間に知られることとなりましたが、「岡田王国」というか、まさに“王宮”が築かれていたようです。
式典を武道館半分のスペースにステージを設け、三段からなる高さ10メートルのステージを作り、巨大な三越の社旗を二馬力の送風機でたなびかせ、二段目、三段目のステージに東京交響楽団と東京放送管弦楽団ふたつのフルオーケストラを配置、三味線三百丁、踊り手三百人による『元禄花見踊り』を繰り広げたと椎名さんは書いています。
そしてラストに舞い散る紙吹雪は、総重量5トンだったのだそうで・・(^^;)
会場の外では花火も打ち上げられ・・・(T_T)・・・椎名さんの回想は続きます。
さらにその後は数千人を帝国ホテルでのパーティーに連れて行き、有名歌手のショーなどもあったようです。
さらに野望は続き、パリに三越を出店、下請け業者共々数百人でパリに乗り込み、大式典を繰り広げます。
バンドーム広場やホテルリッツで、これまた大式典を繰り広げ、社長は「三越ファッションシスターズ」という7人×二組の、広告用美人軍団まで侍らせていたのでした。
どうして、権力を持つと男は“よろこび組”みたいなものを作るのでしょう・・( ´△`)
その後の社長の末路は皆さんご存じのとおりです。
読んでいて、その悪い夢でも見ているかのような行いに“めまい”がしました。
さらに椎名さんが作家になる前に8ミリや16ミリの映画撮影に凝っていた話も出てきて、当時の「小型映画」という専門誌や、海外の映写機についてのお話も出てきて、当時マニアだった人にはとても懐かしいのではないかと思いました。
「小型映画」という専門誌は、私も手に取ってみたことがあるのですが、ほとんど意味がわからなくても、男の“マニアごころ”を刺激するような本であったと記憶しています。
そんなこんなで、いつもの海外や国内での旅の途中で出会ったおもしろ事件の話だけでなく、興味深く楽しめる内容でした。
力を抜いて、休日の午後のひとときを過ごせました。
さて、次は何を読もうか。
【Now Playing】 百人坊主 / 桂米朝 ( 落語 )
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