音の随筆集がおもしろかった
河出書房新社の文芸別冊「ビートルズ新時代・その音楽遺産を極める」を読みました。
この本は、従来の熱狂的にビートルズを語ったり、研究したりというタイプのものではなく、2014年の今、ビートルズを冷静に評価し、ビートルズの良かったところ、そしてこれからの時代に遺しておきたいもの、などが丁寧に書かれているように思いました。
特に「ビートルズ音草子」と称した、ビートルズの数々の名曲に触発された音の随筆集(木屋もとみ・著)が、とても新鮮でした。
自分がビートルズの楽曲を聞いて、そのときの自分に降り注いだ音と、そのときの自分が感じた感覚を素直に、そして著者は女性ですが、男の私には欠落している女性独特の感性で感じたことなどが書かれていました。
これには、ほんとうに感心しました。
今までにあまり見なかった視点での文でした。
たとえば I Feel Fine だと、最初のフィードバック音が密林の中にひとすじの光が射した・・と感じたり、あのイントロのギター・リフで森の小動物が動き出し、二度目のリフですべての獣たちが起き上がり、麝香(じやこう)の香り立つジョンのボーカルに合わせて動物達が体を揺らし、のどを鳴らす・・(^-^)
この感覚と表現力に“目からウロコ”でした。
この本に掲載された16曲分の「音草子」、どれも全く別の視点で捉えていて、私のホームページ「ビートルズ研究レポート」にも、ビートルズを聞いてあの時感じた貴重で新鮮な感覚を取り入れてみようと思ったところです。
ビートルズ関係の本を読んで、久しぶりにワクワクするような感覚になりました。
【Now Playing】浜美枝のいつかあなたと / 柴崎友香他 ( 文化放送 )
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