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2014/09/30

『宝塚夜話・第二十夜 < 朝夏まなとさんに宙組トップスターが決定!! >』

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発表が待たれた宝塚歌劇・宙組次期トップスター決定の発表がありました。
大方の予想どおり朝夏まなと(あさか・まなと)さんに決定。
確たる“二番手男役”という立場の経験はなかったかもしれませんが、現在の宙組・男役陣の中から、となると順当な結果だと感じました。

そして、現行のトップ娘役の実咲凜音(みさき・りおん)さんについては退団などの報は現時点でありませんので、全国ツアーでの“まあ+みりおん”のコンビはほぼ決定のようですね。

全国ツアーでも、それ以前からも感じていましたが、朝夏さん、実咲さんのコンビは非常に舞台で映えます。
美しく、しかもキレのある二人のデュエット・ダンスも過去見せてもらっていますし、お二人とも“優雅”な雰囲気を持っていて、お似合いではないでしょうか。


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また、実咲さんはトップ就任後は、大作は多かったのですが、今までの演目ではなかなか娘役トップとして演技の実力を発揮できるような役が少なく、まだまだ未知の“力”を備えているように思いますので、ぜひとも本人の代表作となるような作品にめぐり会っていただけると、私達ファンも嬉しいのです。

今夜は、次期・宙組トップスターに「朝夏まなと」さん決定!に、お祝い申し上げます(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 ラジオ深夜便 / 宇崎竜童他 ( NHK-AM )

2014/09/29

土日に寝込んでしまいました・・・

金曜の夜は、このブログに何度も登場する“遊びの達人”と、そして“ミュージカルの達人”と、そのお友達の“音感?”の達人とで楽しい飲み会をいたしました。

それぞれの達人が揃うと、私の出る幕はあまりありません(^^;)が、みな楽しい話題ばかりでした。

いちばん驚いたのは、ミュージカルの達人は、100本のミュージカルを観劇する年もある!!という、話題でした。

これにはうなりました。
きっと私が見ている世界とは違う世界が見えているのではないかと思いましたし、一回の観劇で強いインパクトを受け、毎回涙ぐんでいる私のような観劇の仕方では身が持たないでしょうし・・…σ(^_^;)、会員になっているとたまたま無料や、優待されるものにもお出掛けになっているということで、きっと“強弱”付けて、心にゆとりをもって観劇しているのだろうな、と思いました。

私はといえば、あくまで“宝塚中心”の観劇なので見方も異なり、他のミュージカルなどを見ると、やはり最後のフィナーレ、パレードが無いのが寂しくて、物足りなく感じてしまいます(^^;)
これは仕方ないですね、もう身体に“宝塚”が染み込んでおりますので・・。

そんなこんなで楽しい一夜はあっという間に過ぎて行き・・・・・。

そして、何故か土曜日の朝、起きてみると熱っぽく、喉が痛い (・_・;
何も悪いことしてないのに・・と、思いつつ仕方なくほとんど土日の二日間は寝込んでしまいました。
ブログに面白い話題でも書いたり、読書したりもしたかったのですが、体調不良でそれもかないませんでした。

本日、月曜日はふらふらの状態で職場に行きましたが、仕事しているうちに何とか回復の兆しが見えてきて、夜になり、やっと元どおりに近づいてまいりました。

明日から本調子に戻れそうです(^-^)
本日は、軽くジャブのような話題でした。


【Now Playing】 ニュース / NHK ( NHK-AM )

2014/09/25

「無名の人生」という考え方

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『無名の人生/渡辺京二著(文春新書)』を読みました。
このあいだ、船橋に出掛けたときに「ときわ書房」本店で見つけた本です。

読んでみようと思ったのは、この「腰巻き」のコピーです。

『「成功」「出世」「自己実現」などくだらない ・・「生きるのがしんどい人々にエールを送りたい」』
この本があった棚には、上記のコピーの正反対の内容の本ばかり、(^^;)
そりゃそうだ、たいていは成功や自己実現などについてどうすればよいのか、そんな本でなきゃ書店にわざわざ出向いて本を選ぼうなんて人には“用無し”だと思ってしまいます。
でも、とても惹かれるものがありました。

最初の方では、昔は「死ぬ」こと自体たいした問題ではなかった、ということが書かれていて、人生わずか50年の時代には、現在とは異なる「死生観」があったのではないか、という著者の調べた事例を含めた考え方が示されていました。

確かに「死」の意識の仕方によっては、著者が言う「無名の人生」は現実味を帯びてきます。

「幸せだった江戸の人びと」という章では、幕末・明治期に日本を訪れた外国人の記録を例に、日本人の幸せそうな様子が描かれていました。

今の若い人が嫌なことがあればすぐ辞めることについても、「行きたくて行っている人間などいません。それを克服するにはけっこう努力を要し、職場に行けない人にシンパシーを持たないわけではないが、みんなそれを我慢して、努力もしている、なぜ努力するかというと、そうしないと自分と家族を食べさせられないからです。」
とまとめています。

うなずいちゃうんだよなぁ( ̄O ̄;)

生きたいという強い意欲を持たなければ、厳しい現実のなかでは生きていけない、とも書かれていました。

人生、生きて行くためには、他人と関わり、トラブルや葛藤が生じる。
男女関係、親子関係、友人関係、仕事関係、なにひとつ簡単に済むものなどない。
苦しみ、悲しみ、ひがみ、憎しみ、などマイナス感情が湧くだろうが、そこで見苦しい自分に出会うことになる。

・・しょっちょう出会っています (・_・;

大事なのは、どんな方法、手段を使ってもそれに耐えろ、と言っています。
それが「生きる」ことだと。

この本の一番肝心なところについては、営業妨害になるので、どうやって自分の心や姿勢を保っていくのか、という部分は詳しく書きませんが、結局、「人間の在り方としては、無名のままに死んでゆくのがいい」と、ラストに向かって書かれていました。

この本を読んでいる最中も、「ここはわかる」という部分もあるのですが、まだまだ私には「そこまで達観できていない」という部分も多くありました。
しかし、特に今から老後にかけての自分の生き方にヒントとなることが書かれているのは間違いありません。

なかには立派なことをやり遂げて死んでゆく人もいるが、私にはできそうもない。「せいぜい世の中のためになるよう最低限のことはして、あとは、この世に生きている楽しみを享受したい。」と書かれていて、「そうかもしれない」とも思いました。

「毎年、毎年、咲いてくれる花を見て楽しむのもいいし、心の通い合う女の人と出会うのもいい。もうそれだけでほかに言うことはありません。」・・とも。

30パーセント~40パーセントは理解できましたが、これからさらに年齢を重ねるにつれ、理解が深まり、共感できるような本であると感じました。

「無名の人生」、うまく生きていけるでしょうか。


【Now Playing】 So Yesterday / Hilary Duff ( Pops )

2014/09/24

9/21(SUN)ビートルズ私設資料館を訪ねて・3回目です

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前回の訪問記は、資料館館長の野口さんに facebook でシェアしていただいたおかげで、このブログ・アクセス数も“うなぎ登り”でした。
やはり、あのジョンが造ろうとしていた茶室の話題は私のようにそのエピソードを知らなかったファンにとって、そしてその噂を知っていた人にとっても嬉しいような、ちょっと胸がドキドキするような出来事でした。

そして、そういった資料を展示する、というのが大変意味あることだなと、あらためて感じました。

訪問記の3回目は、後半・資料館二階に上がってのリスニングについてです。
予定どおり、ジョンのアルバム「 Walls And Bridges 」について、三種類のアナログ盤を聞かせていただき、当日参加者の多数決でその中のどれを片面全部続けて聞くかを決めましたd(^_^o)

私が手を挙げたドイツ盤の非常にクールな感じのものは否決(^^;)されました。
なぜ聞きたかったかというと、今まで聞いたことがないほどの差異を感じたので、他の曲を聞いたらどうなっているのか、という興味からでした。
でも、音圧が高いレコードを聞くというのは刺激になりますね、普段聞いているCDや、 iPod での音とは、脳を刺激する部分が異なっている・・と、いつも感じます。


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そして、皆からのリクエストも掛けていただいたのですが、最もショッキングだったのは、この金属製のボックスに大事に保管されていたジョンのアセテート盤に収められた「 Mother 」のレコードです。

※「アセテート盤」って、よくビートルズの資料本などを読んでいると出くわす言葉ですが、まだレコード生産する前の段階で参照用に作られた、金属板に樹脂のようなものを吹き付けているのでしょうか、そこにアナログで記録された通常のビニール盤に外見は似ているものでした。
これもまたビートルズ資料館で、私は初めて拝見したのです。

野口さんがプレイヤーに掛けるときも、難儀していましたが、溝の位置などがわかりずらいのでしょうね。


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そして掛かった「マザー」・・・驚愕の別バージョンは、ギター中心のサウンドで、私も初めて聞くものでした。
「すごい・・・」言葉も出ないくらいの衝撃を受けました。
リスニングが終わってからもご一緒した方と二人で「素晴らしかった」と頷き合ったのでした( ̄O ̄;)

曲のラストのジョンの叫びも、レコード化されたものとは異なり、鋭く、突っ込んでくるような過激なもので、・・こっちの方がいいな・・と思いました。
この日のハイライトでした。感服いたしました。

また、ジョンの死後に発売されたアナログ盤シングルの「 Love 」についても3種類聞かせていただきました。イントロのピアノはフェイド・インしないものでした。
このパターンも初めて聞きましたし、やはり盤によってその音はかなり異なるのです。“カッティング”っていうものが、どれほどレコード盤に入っている音に大きく影響するのかということを知ったのも、この資料館を訪れてあらためて感じたことです。


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最後にこの写真は、すでに絶版になっているとのことですが、世界のビートルズ・レコードの写真を収録している貴重な資料でした。
日本盤の部分では、様々な“帯”が掛かっているレコード盤の写真を見て、一同「おおっ!!」って声が上がりました'(*゚▽゚*)'

今回も来てよかった「ビートルズ資料館」、野口さん、ありがとうございました(゚ー゚*)。oO
そして今回参加者の皆さん、「よかったですよねぇ~」(*゚▽゚)ノ


【Now Playing】 Yellow Submarine / The Beatles ( Rock )

2014/09/23

9/21(SUN)ビートルズ私設資料館を訪ねて・2回目です

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ビートルズ資料館で日本家屋の版画?と思われるかもしれませんが、これもジョンに因んだものです。
当日、最初に目にとまり、館長の野口さんに「これは?」と尋ねたのですが、皆さんが集まってからのお楽しみ、ということで野口さんからあとで説明がありました。

ジョンは日本に来たときに、掛け軸などをかなりの量で買い込んでいたとのことで、しかも大事そうに抱えていたそうです。
そしてその骨董店主に「海外に大事なものを持ち出すことになるが安心してほしい」旨、言ったとのこと。
「自分は茶室などを作りそこに飾って大切に扱うつもりだ」と伝え、実際に世界的な建築家、磯崎新さんに設計を依頼していたのだそうです。

磯崎さんは、依頼を受け、構想を版画にしたのが今回写真を掲載したものです。
結局、その後にジョンが亡くなり、茶室の建築は幻に終わってしまったとのこと。

安藤広重の「東海道五十三次」を想わせるような、雨がサッと線で描かれているところなど、芸術性を感じさせます。

さすが野口さんのビートルズ資料館、こんな分野にまで手を拡げられているのには驚きました。
また、この版画は鑑賞にたえる、良い作品でもあると感じました。


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この茶室は、屋根などの外観は防火上藁葺き屋根が使えないなどの法的規制もあり、異なる形状であるものの、内部は、ほぼこの構想と同様のものが東京に実際に建築されているそうです。
一度見てみたいと思っています。


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次の写真は、1974年、ジョンがエルトン・ジョンの客演を得てシングルカットした曲「真夜中を突っ走れ」が1位になったら、という約束でエルトンのマディソン・スマエア・ガーデンでのコンサートに飛び入りした時の模様が展示されていたものです。
もちろん、レコードも。

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これは資料館二階での、リスニング時にも良い音で聞かせていただきました。
迫力ある音でした。そして、あの頃のロックのライブサウンドがパワフルで、勢いがあって、懐かしく、うれしくなりました。よかったぁ~!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

コンサート後の楽屋には、ヨーコと距離をおいて別居中だったジョンのために、ヨーコを楽屋に呼んでくれたエルトン。
二人の和解のきっかけを作ってくれました。
当時、エルトンはジョンと深い友情を築いていたのではないでしょうか。
そして、野口さんによると、ポールも一枚噛んでいたのではないか、というお話もありました。あり得る話です。

当時の貴重な資料と共に、その時の興奮そのままに音源も聞かせていただいて、もう大満足でした。


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この最後の写真は、もちろんジョンの遺作となってしまった「ダブルファンタジー」です。
ガラスケースに大事に入っていましたが、これは貴重な「東芝」盤だそうです。
この写真を見ると、テレビなどで何度も報道されたときに使われていたので、あの日の衝撃的な事件を思い出してしまいます・・・。
もし、ジョンが生きていて、音楽活動を続けていたら、どんなアルバム、楽曲を世に出していたのか、とか、ポールと組んでもう一度ステージに上がることがあったのかも・・などと考えてしまい、ちょっとしんみりしました。


今回も長文になってしまったので、もう一回くらい今回のビートルズ資料館訪問について書いてみたいと思っています。

では、また次回d(^_^o)


【Now Playing】 ただひとつの空 / カーリー・サイモン ( Pops )

2014/09/22

ビートルズ私設資料館三度目の訪問・・何回かに分けて書くかも・・

このあいだの日曜日に船橋にあるビートルズ私設資料館に三度目のお邪魔をさせていただきました。
文京福祉センターで行われた「ビートルズ・リスニングパーティー」も含めると館長の野口さんにお会いするのは四度目です。

今回はジョンの誕生日も間近になってきて、ジョン・レノンに因んだ展示となっていました。
後半のリスニングもジョンのアルバム「 Walls And Bridges 」が中心になるということで、船橋までの道中、 iPod でそのアルバムを聴きながら向かいました。もう、向かう途中でもウキウキになってしまいます(^-^)
ビートルズ資料館は、ファンにとっては日曜日の楽園です!!

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資料館一階の展示も「ジョン特集」で、写真のように各国のアルバム「イマジン」のジャケットが並べられていました。野口さんもおっしゃっていましたが、もうみんな色まで異なるのです。こうなってくるとマニアは集めたくなってしまい・・ますよねぇ・・(^^;)


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二番目の写真は、そのイマジンのレコード真ん中のラベル部分ですが、その他の国では一応その当時のジョンらしき写真なのですが、このアルゼンチン?盤では、これは・・ビートルズ時代のジョン( Let It Be の頃か )です。けっこうアバウトです( ̄O ̄;)

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そして、三番目の写真はジョンの「出生証明書」です。
こういうのが取れるんですね。英国にいるお知り合いに取ってもらったらしいのですが、思わず「ほぉ~っ」とガラスケースの中に展示されているこの書類に見入ってしまいました。


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さらに四番目以降は、ジョンの出したアルバムジャケットの数々です。
ジョンが亡くなってから、もう三十数年が経っているのに、私にとっては、そのアルバムの数々はまだまだ現在進行形というか、日常的に聞いているので“古い”とか“懐かしい”とか、そんな感覚は無いのです。
見ているだけでウキウキしてきます(^o^)

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最後の写真はシングル盤の展示ですが、一番右上の「 Mother 」に使われている写真は、ヨーコの幼少期のもののようです。どこの国のシングル盤か聞きそびれましたが、ジョンにとってヨーコは妻であり、“母”でもあるのでしょうか。
・・案外そうかもしれない・・(^^;)と思いました。

まずはビートルズ資料館訪問のご報告、軽くジャブから入ってみました。
次回は、貴重な版画の展示などもありましたので、そこらあたりをご紹介したいと思います。
ビートルズファンはちょっと待っててくださいねd(^_^o)


【Now Playing】 Sexy Sadie / The Beatles ( Rock )

【3/3】「The Lost Glory / パッショネイト宝塚 ! 星組・東京公演」見ました

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星組・東京公演、いよいよ3回目で後半のショーのご紹介をしておこうと思います。いや、ここまで長かった(^^;)、自分でも力を込めて書いてまいりました。

ラテン・グルーヴと銘打ったショー、「パッショネイト宝塚!」は星組がいかにも得意そうなラテン・ショーでした。もちろん、全員“黒塗り”(^o^)で、時には誰が誰だかわかりませんでした(^^;)すいません。

こちらのショーでは専科の轟悠(とどろき・ゆう)さんは出演しておりませんで、柚希礼音(ゆずき・れおん)さんと、夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんのトップコンビを中心に“グルーヴ”しまくっておりました。

オープニングは明るいブルーと茶を基調とした衣装で星組皆が早くもヒートアップ!躍動感、力強さ、スピード感、どれも星組のショーの特徴と言えるのではないでしょうか。

ラテンらしく、ど派手な衣装でのシーンが多く、十輝いりす(とき・いりす)さんの衣装などは今までにもなかなか見ないショッキングな色合いでびっくりしましたが、ラテンショーなんですからこれくらいやってくれれば観客として私も本望ですd(^_^o)

紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんが中心となったジャングルのシーンでは、この日の公演がCOOP(生協)さんの貸し切り公演ということもあって、「コープさん、ジャングルまでラーメンの配達やってもらえますか?」などとアドリブも入り、かなりウケておりました。紅さんはこういうの得意ですからね(^-^)

このショーでも私の記憶がたしかなら、綺咲愛里(きさき・あいり)さんが柚希さんと絡むシーンがあっと思います。綺咲さん、前半のミュージカルとこのショーの合わせ技で、トップ娘役一歩リードか?!

ガンガンと飛ばしまくるラテンショーなので、“しっとり”とした場面はありませんでした。ワンシーンでもいいから、ゆっくりと男女のいいシーンなどが盛り込まれているとさらにひとつ素敵なショーになったかもしれません。

また、今回はスポーツとダンスの中間に位置するような「カポエラ」を取り入れたダンスシーンがあって、柚希さん、相当体力を消耗するであろうに、この場面を乗り切ったあとも疲れなど一切見せずに豪快に踊り切りました。

星組のショーを見ていたら、あの「ノバ・ボサ・ノバ」を思い出しました。
あの運動量がただ事でないショーを宝塚、東京、福岡、名古屋と乗り切ってきた星組です、最後まで息つく間もなく“元気いっぱい”に踊りまくりました。
たいしたものです。

星組のショーは、舞台から客席に圧倒して迫ってくるような印象をいつも感じます。今回もそんな特徴が前面に出ていました。
どうか、これからご覧になる方、手拍子する場面も多いので頑張って応援&観劇してください。

・・今回で星組・東京公演の観劇記は一応終了とさせていただきます。
また、次回(チケットがなかなか手に入らないのでどの公演になるか・・)の観劇記で宝塚ファンの皆さまとお会いしましょう!ではまた(*゚▽゚)ノ


【Now Playing】 Do You WantTo Know A Secret / The Beatles ( ラジオ日本 )

2014/09/21

【2/3】「The Lost Glory / パッショネイト宝塚 ! 星組・東京公演」見ました

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前回はミュージカル「ロスト・グローリー」の中盤辺りまでの全体的な印象を書きました。
今回は個々の演者についてふれてみます。

柚希礼音(ゆずき・れおん)さんは、ストーリー・テラー的な部分も含め、この物語を中心になって引っ張って行かなければならない、しかも柚希さんの演技が実はこの物語を成立させるための最重要部分を担っていて、今の柚希さんでなければ“やりこなせない”貴重な役どころを見事に最後まで演じ切っていたと思います。

それは実に感動的なまでのもので、主演ではないものの、星組・柚希礼音さんの屈指の名作、代表作と言えるものになったのではないかと感じました。

主演の轟悠(とどろき・ゆう)さんは、人間の弱い部分、特に“嫉妬”などが、人生の中でどう蠢(うごめ)いていくのか、また強い信念などを併せ持っている役柄とそれらがどう相互作用していくのか・・という難しい役を実に丁寧に、そして柚希さんへの役としての思いと、個人的な期待を含めた思いを込めて演じられていたと思います。生意気言ってすいません<(_ _)>

さらに夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんは、役どころは轟さんの妻ですが、シェイクスピアの原作よりも踏み込んだ役柄が植田先生から盛り込まれていたところをうまく感じ取り、幸せの頂点から不幸のどん底に落ちて行く様子を描くだけでなく、自分自身が今までどう生きてきたか、これからどうして生きていくのか・・そういう一人の女性の人生模様までも演じ、しかもちょっと“引き加減”の穏やかな演技が女優としての磨きが掛かってきたと感じ取られ、好演でした。

紅ゆずる(くれない・ゆずる)さんは、二番手としては、柚希さんに騙され、人生を狂わされ、自暴自棄になる弱い人間の役どころで、ちょっと本人的には不満も残るかもしれませんが、最初のしょぼくれたところから、夢咲さんと会い、夢咲さんにも夫の轟さんにも強気に出るところ、さらにクライマックスの全てを棄てた狂気に近い様子など、演じ分けも良く、苦労されたとは思いますが、紅さんの良い部分が発揮されていたと思います。

真風涼帆(まかぜ・すずほ)さんは、こちらが本当は紅さんが演ずるべき役かと思いましたが、柚希さんの復讐の核となるきっかけを作る男として、そしてビジネスでは辣腕を発揮するものの、ある意味女にだらしない部分も同居している役をだらしなくはならずに、スマートに演じて実力どおりのものが出ていたと思いました。

その真風さんと恋のすれ違い的な役で登場する綺咲愛里(きさき・あいり)さんは、次期トップ娘役が決まっていない現状で一歩踏み出したのか・・という存在感を示していました。
あまりの小顔で、その美しさが舞台上では映えないような気もしてもったいないと思いましたが、落ち着いた演技で及第点であったと思います。

ウォール街の全てを掌握する伝説の靴磨き少年を演じた礼真琴(れい・まこと)さんは、登場するだけでパッとあたりが明るくなる持ち前の輝きを見せ、歌唱も見事、存在感を十分に示しました。

気になったのは、轟さんの秘書的な役割を演じた、専科の美城れん(みしろ・れん)さん。
ネタばれしすぎるのでお楽しみに内容は書きませんが、最後の最後にこの物語の仕上げのバルサミコ・一滴的なじわっとくる演技を見せて、さらに感動的なものにしてくれました。こういう人が貴重な存在なのだとあらためて思いました。

最大のクライマックス部分、全てが明らかになり、柚希さんは自分の思いの丈を吐きだし、それぞれの役者が魂を込めて作り上げていた舞台はあまりにも感動的で、これから見に行かれる人は楽しみにしていてください。
私もこみ上げてきて大変でした…σ(^_^;)

今回の植田景子先生の作品、シェイクスピアのオセローでは、主要な登場人物が皆死んでしまい、そこには何も残らなかった・・という人生の哀感ばかりが残るものですが、さすが先生、クライマックスで轟さんの思いやりが明からになったり、静かにもう一度この悲劇をそれぞれが振り返り、噛みしめながら、再度人生を歩み直して行くところまで描いて、悲劇からの一筋の光明も見えて、「それでも人生捨てたものではない」という、心は痛むが、少しだけ温かいものが見えたラストに、またしみじみと感動しました。

・・また、長くなっちゃった(^^;)

次はラテン・ショーの「パッショネイト宝塚!」について書きたいと思います。
すいません、お時間ください(^_^)


【Now Playing】 サンデーヒットパラダイス / 三宅裕司他 ( ニッポン放送 )

2014/09/20

【1/3】「The Lost Glory / パッショネイト宝塚 ! 星組・東京公演」見ました

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柚希礼音(ゆずき・れおん)さん、夢咲ねね(ゆめさき・ねね)さんのトップコンビお二人が来年の退団を発表された宝塚歌劇星組の東京公演『The Lost Glory(Musical) / パッショネイト宝塚 !(ラテン・グルーヴ)』の二本立てを観劇してまいりましたので、その感想を。
いろいろと感じたところがあるので、一応3回に分けて(・・ひょっとして回数は変わるかも・・)観劇記として書いてみます。

まずはミュージカル「The Lost Glory -美しき幻影- 」から。

これは、私の大好きな植田景子先生が作・演出ということで、“期待大”でした。
先生が手掛ける作品はテーマ性が強く、いつもそのテーマに感心するのですが、今回もシェイクスピアの「オセロー」を原作に、現代の人間社会に重いテーマが投げ掛けられた、と感じました。
そして、それだけでなく一筋の光明も・・。

6年間もトップスターに君臨してきた柚希さんが主役ではなく、専科の轟悠(とどろき・ゆう)さんが主役ということで、お二人の役どころの関係性がどんなふうになっているのか気になりましたが、植田先生はシェイクスピアの悲劇「オセロー」をモチーフに、轟さん扮するオットー・ゴールドスタインが「オセロー」、柚希さん扮するイヴァーノ・リッチが「イアーゴー」、轟さんの妻役ディアナ・キャンベル(夢咲ねねさん)が「デズデモーナ」という配役にしていました。

舞台はシェイクスピアの時代からぐっと現代に近づいて1929年のアメリカ・ニューヨークでした。

そして実際に観劇してみると、物語の主人公としては、たしかにオセローにあたる轟さんでしたが、でも光を当てているのは柚希さん演ずるイヴァーノ・リッチであり、イヴァーノの行動、運命に今回のテーマが乗せられていました。

前半から中盤のストーリーはまさに悲劇「オセロー」で、幸せの頂点にいた轟さんと夢咲さんの愛し合う二人がまぶしいほどに輝いていました。
しかし、轟さんのビジネス上の成功は自分あってのものだと思っていたのに、出世したのは自分ではなかったと柚希さんは轟さんを恨み、憎み、復讐しようとして、まずは轟さんの愛する新妻・夢咲さんが真風涼帆(まかぜ・すずほ)さん演ずるカーティス・ダンフォード(・・柚希さんを飛び越して出世した、そしてオセローでいえば「キャシオー」にあたる役どころ・・)と密通しているかのように轟さんに巧みに吹き込みます。

あらゆる悪辣な手段を使って、轟さんどころか、真風さんも罠にはめる柚希さん。
さらに、夢咲さんのかつての恋人(・・紅ゆずる/くれない・ゆずる・・さん演ずるロナルド・マーティン)も見つけ出し、そそのかし、騙して、自分の目障りな人物を苦悩と疑惑と嫉妬の世界に誘います。
本家シェイクスピアのオセローでは、それこそ坂道を転げ落ちるように不幸にまっしぐらですが、植田演出のこの物語は単に人は些細な綻び(ほころび)から大変な事件や運命に巻き込まれてしまうということだけでなく、騙す側の柚希さんの人間的な背景にまでスポットを当てていて、ここが柚希さんの演技の見せどころとなっているという寸法です。

今まで、柚希さんは人気も有り、押しも押されもせぬ大トップであって、大作に取り組むこと数度、どれも前に前にグングンと進んでいくような印象でしたが、ここでは轟さんという主役が逆に柚希さんの役どころに光を当てて、それに応えて“いぶし銀”のような素晴らしい演技を柚希さんが見せてくれるのでした。
専科から轟さんが来なければ、轟さんのような役割を担える人はちょっと今の星組では考えられません。

柚希さんがトップスターになる前の「スカーレット・ピンパーネル」では、主演の安蘭けい(あらん・けい)さんの秘めたるものを静かに燃やしている悠々たる演技があったからこその柚希・ショーヴランの悪役がありました。あの輝きを思い起こさせてくれました。

とにかくラストまで柚希さん、観客を自らの演技と、巧みなストーリーを味方に、グイグイと引っ張っていました。さすがです!!
観客はあまりの出来事の連続に拍手もおろそかになるほどのめり込んでいたと、私には見えましたよ(゚ー゚*)。oO

デズデモーナにあたる夢咲さんは、シェイクスピアバージョンでは、可哀想なのと、あまりの無慈悲な仕打ちが目を覆いたくなるのですが、こちらでは、しっかりとした自らの意思を見せる女性としても演じていて、悲しみにくれるだけでなく、主演娘役として凜とした人物像を描き出していました。
これも高得点!d(^_^o)しかも、歌も良かった。

中盤から終盤のシーンについては次回に譲りますが、今回は舞台セットに珍しい透き通ったようなタワー状のものが色々な使われ方をしていたのですが、よく見るとペッポトルをタワーにしているのですね、非常にうまい使い方で、ニューヨークの各シーンにとても馴染んでいました。
さらに、今回は振付としてニューヨークからグスタヴォ・ザジャック氏を招聘しているとのことで、洗練された身のこなしも良く出来た各シーンをさらにしっかりとしたものにしていたように感じられました。

書いていくといくらでも頭にいろいろなことが浮かんでしまうので…σ(^_^;)次回は少し簡潔に書き進めたいと思います。
すいません、本日はここまで、また明日?!(#^.^#)


【Now Playing】 Dream On / Aerosmith ( Rock )

2014/09/19

村松友視さんが書いた「帝国ホテルの不思議」

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『帝国ホテルの不思議/村松友視著(文春文庫)』を読みました。
村松さんの著書には、すでに京都の老舗旅館「俵屋」をテーマにした『俵屋の不思議』があるとのことですが、たまたま酒場で知り合うことになった、当時の帝国ホテルの宿泊部長さんと懇意になり、そしてその宿泊部長さんが百二十周年を迎える時期に代表取締役社長に!

「俵屋の不思議」の存在を知っていたその社長に「帝国ホテルの不思議」を書き下ろしてほしいという依頼を受けることになります。

著者の村松さんは、帝国ホテル内のバーなどには時折立ち寄っていたようですが、九百以上の客室と、レストラン、パーが十以上、宴会場が三十近くあるという世界で類を見ない規模のホテルについて様々な領域、部署の方達にインタビューしながら、今までバーくらいしか知らなかった帝国ホテルの奥深いところまで覗くことになり、その“不思議な世界”に遭遇するというものでした。

「客室課」のマネージャーからは、部屋のセッティング時には「バスタブに体を横たえると、トイレの内側の汚れが見える」・・などというお客様が実際にその部屋にいるときに感じる視点から部屋を見ていることなどに驚きます。

1,000人ものゲストの顔、クルマを記憶しているドアマンや、そしてそのドアマンと連携してお客様を案内するベルマン、フロント、さらに何でもやるロビーマネージャー、スターターと呼ばれるエレベーターを最適な人数と、お客様によってはプライバシー等を感じ取って個別にエレベーターに乗せていく担当者、あらゆる出来事、アクシデントに責任を持って対応するデューティーマネージャーなど、それぞれの人にインタビューしていくと、その人のホテルマンとしての生き方が素敵で、しかも時には失敗もする人間味も含めて、とても魅力的な“人”の紹介にもなっていました。
その人の紹介がまた、今度は逆に、帝国ホテルの魅力につながっているように思いました。

巨大ホテルでのルームサービス四十四名の戦争のような緊迫感漂う職場の様子も読んでいてこちらがドキドキしてしまいました(^^;)
お客様が「7時15分に朝食を持ってきて」と言ったら、それは7時にしようか、でもそれではいろいろと支度に時間が掛かるし、ギリギリピンポイントでその時間を決めているので、まさに要望のあった7時15分ジャストの時刻にドアをノックするようにしている・・などと( ̄O ̄;)・・その仕事への取り組み姿勢にはただ驚くばかり。

老舗であり、外国人宿泊客が創業当初から多い帝国ホテル、初期にはフランスパンもうまく焼けず、今回インタビューを受けている方の苦労話などを読んでいるだけで、その歴史あるパンづくりにも感心しました。

ブッチャーという担当部署の肉の検品の様子なども厳しく、納入業者も必死!、だから美味しい肉が食べられるのだと思いましたし、ジビエ料理などについては、本場での熟成加減よりも、日本人向けにクセの出ないくらいのところにしているなどというエピソードもありました。

ホテルでの結婚式も帝国ホテルが元祖。結婚式の出前をやって流行をつくった本人を呼んで、その出前をホテルで実現させたりもしていますし、神主が足らなくて、その出前の業者の方が、大学に通い、自ら神主になってしまうというくだりもありました(#^.^#)

結婚式の打ち合わせから当日までのそれぞれの担当者の苦労話も面白い。
また、シューシャインという靴磨きの人までもホテル内に呼んで地下にスペースがあり、その方のお話も靴の皮の状態のことをうれしそうに語られて、これがまた知識豊富で楽しい!d(^_^o)

電話オペレーター、百年の伝統を誇るランドリーの染み抜き技術も含めた素晴らしさ、・・宴会時に洋服を汚してしまった方がお帰りになるときには何事も無かったように洋服を渡している情景などにも心なごみました。

そして、ラスト、施設・情報システム担当の方の常人ではないような天才ぶりには舌を巻きました。
ここはクライマックスなのであまり紹介してしまうとこの本に対して営業妨害になるためちょっとだけご紹介しますが、とにかく電話交換機やほとんどの施設・備品などを自前で作り、それらが日本で最初のものになり、ああ、あれも帝国ホテルが最初なのか、などと驚くのでありました。

ホテルでの結婚式というものが帝国ホテルが先駆けだと書きましたが、バイキングも最初、もちろんネーミングも帝国ホテルが付けたものですし、“柿の種”をバーで提供し、それが全国に流布したというのもこの本で初めて知りました。

ここに書いたことは、この本の中身の氷山の一角です。
とにかく、エピソードと、担当の方の幾多のホテルマン人生の話題が詰まったこの本、楽しく読めました(゚ー゚*)。oO

日頃、このホテルのご近所の劇場(^^;)にはよく足を運ぶのですが、ホテル内にはなかなか足を踏み入れておりませんでした。
今度は、この本を読んだ目であらためて見てみようと思います。


【Now Playing】 軽やかなステップ / 奏者不明 ( Instrumental Music )

2014/09/13

父の一周忌でした

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昨年の9月11日に父を亡くし、きょうは一周忌法要でした。
昨年に続き、今年の5月には母が亡くなり、いろいろと精神的にもきついことがありましたし、さらに様々なことも起こり、慌ただしい一年間でした。

きょうは9月も半ば、猛暑のようなものは過ぎ去り、比較的過しやすい天候でした。
そして無事法要も終えました。

皆で食事をした寿司屋をあとにし、家までの道のりは歩いて帰ったのですが、そのときだけちょっと“ぽつりぽつり”と小粒の雨が降り、ふと寂しい気持ちもわき上がってきたのですが、しみじみとしてほっとしたような気持ちの方がまさりました。

何か時の流れが一区切りついたような気がします。

今の自分の年齢のときの親のことなども思い出しつつ自分なりに静かに生きていたいと、ふと思いました。


【Now Playing】 瞳がほほえむから / ティム・ハーデン・トリオ ( Jazz )

2014/09/12

こちらブログでも庭の草花の様子を

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facebookでは、ときおり庭の草花の写真を載せて、ほっとひと息するようなことをしていたのですが、ブログのみご覧いただいている方が圧倒的多数ですので、本日は目にやさしい庭に咲いた花などの様子を載せてみます。


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せっかくなのでfacebookには使用していない写真で・・。


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ここ数日は大雨が降ったりと、天候不順でしたが、久しぶりに晴れてみると夕方などは涼しい風が吹き渡るようになりました。
そんな中気ままに撮ったものです。

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このあいだまでは、蜂が蜜を集めに毎日やって来てせっせと仕事をして(^-^)いましたが、きょうはいなかったですね。


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少しはブレイクタイムになりましたか?(#^.^#)


【Now Playing】 夏色 / ニュー・ロマン・トリオ ( Jazz )

2014/09/11

「バタをひとさじ、玉子を3コ」石井好子さんのエッセイを読んだ

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『バタをひとさじ、玉子を3コ/石井好子著(河出文庫)』を読みました。
著者、石井好子さんは1922年東京生まれ、米国留学を経てフランスに渡り、シャンソン歌手としてデビューされ、世界各国で舞台に上がり、帰国後は歌手のほかエッセイストとしても活躍。
2010年に亡くなられています。

私にはテレビ番組「料理の鉄人」で審査員をされていた姿が印象に残っています。

この石井さんの著書は、2011年に単行本として刊行されたものですが、それまで未収録であったものを集めて一冊にまとめられたもののようです。

石井さんと言えば「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる」というエッセイが有名だと思いますが、この本の冒頭でも「オムレツとかつお節」というタイトルのエッセイがあり、これがまた名文!
義父と数日過ごされた石井さんが「朝食の玉子は何にしましょう?」と尋ねると「かつお節入りのオムレツを作ってほしい」とのリクエストがあったお話でした。

かつお節を玉子にまぜ、塩・こしょうではなくて、薄口醤油で味をつけて焼いたものだそうです。
これが炊きたての白いごはんにとてもよくあう、と書かれていて、もう始まったばかりなのによだれが出てきそう(#^.^#)・・先が楽しみになりました。

また、音楽会で歌い、帰宅するとお腹がすいている石井さん。
ひとり台所に入り、夜食をつくるくだりもありました。
ベルミッセル(細いパスタか?)がわりにそうめんを茹で、油またはバターでいためながらパセリをパラパラと混ぜ込む・・(゚ー゚*)。oOすでにおいしそう!
塩、こしょうで味をつけてチーズの粉をかければ「バジリコ・ベルミッセル」の日本版である・・と軽快な文体で書かれていました。
まさに流れるような文章で、私も見習いたい(^-^)

ここでは、「クロックムッシュ」の作り方についてもふれていて、食パンにチーズとハムをはさんで、フライパンでたっぷりバタ(石井さんはバターとは書かない)を溶かして両面きつね色にこんがりと焼く・・などと書いてあって、私も夜食が食べたくなりました(#^.^#)

とにかく、どのページを見てもちょっとした“コツ”で、簡単につくったものが素敵に美味しいものになってしまう魔法のようなレシピが軽妙・軽快な文体で綴られているのです。

後半などは、どんどんとレシピの洪水のように、“目からウロコ”のメニューが並びます。

そして、フランス生活が長かった石井さん、「好みのチーズを皿にたっぷりとって、外側がかりっと固く、中は柔らかいフランスパンを食べながら赤いワインを飲む。これこそが最高の味である。」という一文もありました。

そうですね、それが庶民の「幸せのひとつの形」かもしれません。

読んでいると、どんどん腹ぺこになる石井好子さんのエッセイ集「バタをひとさじ、玉子を3コ」のご紹介でした。


【Now Playing】 そのスピードで / ジ・アンディー・エズリン・トリオ ( Jazz )

2014/09/10

【3/3】宝塚歌劇・宙組全国ツアー・市川市文化会館公演「ベルサイユのばら -フェルゼンとマリー・アントワネット編-」を見ました・・よかった(゚ー゚*)。oO

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いよいよ宙組全国ツアー・市川市編観劇記も3回目。今回で最後といたします。

<第9場:パリ市街>ここでは、バスティーユが陥落し、国王一家が幽閉されても、市民の暮らしは変わらず、革命は失敗だったと感じたベルナール・星吹彩翔(ほしぶき・あやと)さんが、王妃の国外逃亡を計画していると衝撃発言をロザリー・瀬音リサ(せおと・りさ)さんに告げます。
そしてフェルゼン伯爵の力を借りようと考えていることも・・・。
このいい役をもらった星吹さん、瀬音さんも渾身の演技でした。特に星吹さんの舞台での立ち回りは、男役としての鮮やかさを感じさせました。

<第12場:牢獄>いよいよ、舞台はクライマックスへ向かいます。
先ずは、死を覚悟した実咲凜音(みさき・りおん)マリー・アントワネットに面会が・・、メルシー伯爵・英真なおき(えま・なおき)さんでした。
アントワネットが嫁いでフランスに着いたときに、「きょうから妃となるのだ、子供ではないのだ」と無理矢理取り上げた人形を返しに来たのです。
王妃として、そして母として立派に死のうとする実咲アントワネットのスカートに取りすがるようにする英真メルシー伯爵の迫真の演技に客席もざわめきました。波立つようでした。さすが幾多の舞台を経験してきたベテランの名演でした。

さらに追い打ちを掛けるように朝夏まなと(あさか・まなと)フェルゼンが現われ、夢にまで見た再会に実咲アントワネットは心乱れるのですが、それでも、フェルゼンがお膳立てした国外逃亡を“きっぱり”と断ります。
フランスの王妃として誇り高い死を遂げることが残された使命であると、自らの覚悟を、これもまた実咲さん震えるような感動の演技で観客を釘付けに!

<第13場:断頭台>ここは実咲アントワネット、一世一代の見せどころであり、フェルゼンへの深い愛を胸に、誇り高く断頭台に静かに昇ります。
舞台前方センターには朝夏フェルゼンが、そして舞台奥の高い断頭台への階段には実咲アントワネット、最大のクライマックスを迎え、客席には流れるくらいの涙・涙で頬を濡らす観客が・・いっぱいいたなぁ・・(T_T)、不覚にも、「ベルばら」で私も泣いてしまった・・…σ(^_^;)
宙組・全国ツアーメンバー、朝夏さん、実咲さんを中心として素晴らしい舞台を繰り広げてくれました。良かった。

そして、感動のラストの次には宝塚には付き物の“オマケのショー”が!
さっきまでの哀しいシーンを吹き飛ばすように朝夏さんはじめ、宙組のメンバーがダンスを見せてくれましたが、朝夏さんの掛け声が「イチカワッ!!」だったのに気付いた観客はさきぼとの涙を拭きながら、クスクスと笑顔で大拍手(#^.^#)

全国ツアーならではの、終演後の挨拶では、ご当地出身者として、プロヴァンス伯爵をベテランらしく、巧く演じた風羽玲亜(かざはね・れいあ)さんが紹介されました。千葉県松戸市出身の彼女は、会場に投げキッスをして、その場を盛り上げてくれました(*゚▽゚)ノ

今回の全国ツアー「ベルサイユのばら フェルゼンとマリー・アントワネット編」は宙組らしく、進化しながら今後も全国を回って行くことでしょう。
どうか今後の会場に見に行く方はお楽しみに!いいですよっ(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 This Masquerade / Carpenters ( Pops )

2014/09/09

【2/3】宝塚歌劇・宙組全国ツアー・市川市文化会館公演「ベルサイユのばら -フェルゼンとマリー・アントワネット編-」を見ました・・よかった(゚ー゚*)。oO

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宙組全ツ・At 市川 観劇記第二回目です(^-^)

さて、第一幕が終わり、幕間のロビーなどでは、今回カーテン前の演技が多く、その裏で「トンテンカン・トンテンカン・・・」と、大道具さんがセットの組み立てをしている音がうるさい、とお怒りの方がけっこういらっしゃいました。
以前は、こういうのは当たり前でした。
カーテン前で演技している間に、もの凄いスピードで次のシーンのセットを組み上げているのです。
その音を聞きながら演技を見ているときの、「間に合うのか」というハラハラ・ドキドキは(^^;)けっこうスリリングで、私はいかにも舞台を見ているような雰囲気がして逆に好きなのですが、・・最近はあまり無くなりましたからねぇ、お怒りもごもっとも?(※今回のベルばらのセットが大掛かりな上に場面転換が多いのも影響していたのかもしれません)

第2幕、幕開けは私が個人的に贔屓にしている、和希そら(かずき・そら)さんの小公子の歌で始まりました。時代が緊迫し、風雲急を告げていると歌います。
歌声もいいぞっ、そらさん。

<第4場:橋>では、七海ひろき(ななみ・ひろき)オスカルが市民と共に戦う決意をし、銃弾が蒼羽りく(そらはね・りく)アンドレの胸を射貫きます。
最も激しい場面です。
七海・オスカルは、ちょっと“荒い”感じの独自さを感じました。
彼女らしく、いろいろと研究したあとが見られたと思いました。やや“男っぽさ度”の上がったオスカルもなかなか良かったと思います。まだ研究途上かもしれませんが。

蒼羽・アンドレは、もうひとつグッと迫ってくるような迫力が欲しいと思いました。今回がフェルゼンとアントワネット編で、登場の仕方も難しかったと思いますので、ちょっと酷かもしれませんが、・・まだまだきっと良くなってくると思います。いつも陰ながら応援しています。

澄輝さやと(すみき・さやと)ジェローデルがフェルゼン邸を訪れ、フェルゼンの助けを請うシーンでは、フェルゼンの妹ソフィアを演じた綾瀬あきな(あやせ・あきな)さんが、美しく、優しい様子の上品な演技を見せてくれ、一服の清涼剤となりました。「風と共に去りぬ」でプリシーの役を懸命にやっていたのを拝見しただけに、良い配役でこちらもうれしくなりました。
ラスト、オマケのショーでも、ダンサー・綾瀬あきなたるところを見せ、娘役でも群を抜くダンスを披露してくれました。

<第7場:チュイルリー宮>では、国王一家が幽閉され、実咲凜音(みさき・りおん)マリー・アントワネットは、初めて家族で過ごす日々にうれしさも感じていたのですが、革命委員からルイ16世への呼び出しが掛かり、さらには二人の子供(男の子・ルイ・シャルルは、我らが和希そらさん)とも引き裂かれ、しかも、もう王妃とは呼ばれず「カペー未亡人」と呼ばれ、打ち打擲され、何度もばったりと倒れ、罵倒され、それでも王妃としての威厳、母としての尊厳を失うまいとして、凜として立ち上がり、渾身の台詞で観客の心をぐいぐいと引き寄せてくれました。
私が見ていて、まだまだ実咲さんはこの場面にいろいろ引き出しを持っていて、観客がどう反応してくれるのか舞台上で感じ取っているように思いました。
ですから、これから公演の回が重ねられるに連れ、どんどん実咲さんの女優としての輝きが増していくに違いないと思ったのです。
これは、主演の朝夏まなと(あさか・まなと)さんについても同様な印象を持ちました。
お客様の様子を注意深く感じながら演技しているように思いました。

今回はここまで(#^.^#)
次回は、牢獄のシーンと断頭台のクライマックスの部分について観劇記を書きたいと思います。
それでは、また明日?(^^;)あさって?


【Now Playing】 Cheek To Cheek / Jula De Palma ( Jazz Vocals )

2014/09/08

【1/3】宝塚歌劇・宙組全国ツアー・市川市文化会館公演「ベルサイユのばら -フェルゼンとマリー・アントワネット編-」を見ました・・よかった(゚ー゚*)。oO

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上記タイトルの全国ツアー観劇記、色々書けそうなので、3回に分けて書こうと思います。
今日は第1回目。

今回の宙組全国ツアーは、トップスター・凰稀かなめ(おうき・かなめ)さんが別ステージに立つため、朝夏まなと(あさか・まなと)さん主演で、相手役は娘役トップスターの実咲凜音(みさき・りおん)さんとなりました。
これは朝夏さん次期トップスター、そして相手役は現在のトップ娘役・実咲凜音さん続行、というトップコンビ誕生の布石?!

「ベルばら」が苦手な私ですが…σ(^_^;)東京での本公演(凰稀さん主演)では、今までにない感じの「ベルばら」を見ることができ、ある意味うれしい驚きでした。
さあ、主役が朝夏さんに変わってどうなるのか、と思いつつ会場に足を運びました。

で、今回も良かったです(^-^)・・全体としての仕上がりは、かなり荒削りな印象でしたが、見どころ満載というか、今回は“芝居”の“見せどころ”がいくつかあり、どのシーンも素晴らしいものでした。

まずは第1幕<第9場:フェルゼンの屋敷>で、専科の英真なおき(えま・なおき)さん扮するメルシー伯爵が朝夏フェルゼンに王妃マリー・アントワネットのために、道ならぬ恋を捨て、身を引けと懇願するシーンでした。
英真メルシー、朝夏フェルゼンの一歩も引かぬやり取りに客席も息を呑みました。
芝居巧者の英真さん、本領発揮です。それに朝夏さんも一歩も引かず、名シーンとなりました。

続いて<第12場:王宮の庭園>では、愛する王妃のため、身を引くことを決心した朝夏フェルゼンと実咲アントワネットの別れのシーン、朝夏さんと実咲さんの揺れ動く心模様の表現が実に良かった。
娘役トップの実咲凜音さんは、凰稀さんとのコンビではなかなかこうした大役に恵まれず、“良いひと”“人の模範となる人”“大人しくて、内に秘めたものを隠している女性”のような役が多く、元々芝居の上手い実咲さんには今回の舞台は本領を発揮できる大きな機会になったと思います。

<第15場:宮殿の大広間>での、朝夏フェルゼンが帰国の挨拶のため、ルイ16世(寿つかさ/ことぶき・つかさ)さんのもとへ伺候する場面では、ルイ16世・寿さんから、婚約者が出来たなどという偽りの理由ではなく、本当のことを、と朝夏さんに迫ります。
ここで、愛する人のため・・朝夏フェルゼン、渾身の演技を見せました。
ここも素晴らしかった。朝夏さんらしい、真摯だが、若さ故の勢い余った言動をするのですが、朝夏さんを小馬鹿にするように罵倒した者達を向こうに回しての大きな見栄の切り方に見ているこちらも心臓がドキドキしました。

そして、幕が降りたあと、カーテン前に一人残った朝夏フェルゼン、そのまま客席を通って退場し、一幕が終わりました。
このときの朝夏さんからは、もの凄いオーラが出ていて、観客も感動して・・普通だったらファンらしくミーハーな気持ちで握手でも求めるものを誰一人として動けず、声も出せず、すさまじい迫力を感じました。

ここで第一幕が終わったのですが、私が個人的に応援している若手・和希そら(かずき・そら)さんは、冒頭、小公子となってステージ・センターで「ごらんなさい」を歌い、その後貴族や、近衛隊士としても活躍していました。
目立っていたぞ!(゚ー゚*)。oOがんばれ、そらさん!!

と、1幕が降りたところで、次回第2回目の観劇記に続きます。
また、明日・・あさって??(^^;)気になる人はまた見てね(#^.^#)

追伸:写真は当日会場入り口で配られた、主演お二人のメッセージが載せられたカードを開いたところです。


【Now Playing】 Waltz For Debbie / キャバレー・ノアール ( Jazz )

2014/09/06

川上弘美さんの小説「古道具中野商店」を読んだ

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『古道具中野商店/川上弘美著(新潮文庫)』を読みました。
例によって、ブックオフで108円。
この作品は平成17年に刊行されたものです。

主人公は、中野さん営む古道具屋のアルバイト店員の女性。
それを取り巻く登場人物のひとり、中野商店店主・・儲かっているのか、つぶれそうなのかはっきりとわからない店を営み、「銀行に行ってくる」と言ったときは、ほぼ日中から愛人とラブホテルにしけ込むので、主人公のヒトミは、その愛人のことを「銀行」と呼んでいる・・(^^;)

ヒトミと同じくアルバイトのタケオは、飄々として不思議な男、主人公と食事をしたり、酒を飲んだり、互いにそれとなく気になっていて、ある日あっという間のきっかけで結ばれ・・でも、ふとした主人公の言葉で関係が崩壊・・。

店主中野さんの姉や、その姉の愛人、古道具屋にやって来る不思議な人達によって物語は大きな波乱らしきものも無く、進行します。

ヒトミは、それらの登場人物の人となりや人生模様を眺めつつ、生きていきます。
ヒトミは30前後で、タケオとのよりを戻すことを考えたり、時には諦め気分になり寂しくなったりを繰り返しますが、そのちょっと寂しいような、淡々としているような様子の描き方は、著者・川上さんならではのものです。

そんなシチュエーションに、古道具屋という舞台は丁度“ひなびていて”マッチしていました。

小説で上記のような女性を描くと、たいていは、劇的な出来事などを起こして、その人生を急流に呑み込ませ、ストーリー展開させることが多いのかもしれませんが、川上さんのしみじみと“枯れた”世界はとても読者としても“居心地”のよいものです。

私の大好きな川上さんの作品「センセイの鞄」も“枯れ”まくっていましたが、どこかあきらめているような人生の過ごし方にいつも共感してしまいます。

ラストでは、中野商店がいったん閉められ、ヒトミもタケオも職を失い、再就職(再々就職)の場でばったり行き会い、互いが割とイキイキしている姿に感心し、アンティークショップとして再開した中野商店あらため、「なかの」で、懐かしい登場人物が集まり、人と人の“いいつながり”を感じさせてくれ、主人公ヒトミとタケオのこれからがちょっと開けてきたところで物語りは終わります。

しみじみとして味わいがあり、時の流れをうまく描いた作品でした。
相変わらず、川上弘美さんの作品は私の心に染み入ります。


【Now Playing】 永六輔その新世界 / 毒蝮三太夫他 ( TBSラジオ )

2014/09/05

秋を感じると・・妙に懐かしくなって

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まだまだ暑い日もありますが、夕暮れ時や、涼しい風がスッと吹き抜けたりするときに秋を感じるここ数日です。

このブログで直近4回に渡って、「タカラジェンヌの別れの言葉」という本を読んでの感想と、自分が感じた宝塚を卒業されたタカラジェンヌへの想いを書きましたが、著者の阿部彩子様からコメントをいただくなど、とてもうれしい出来事がありました。

これも、宝塚歌劇への特別な想いがあってこその出来事だと思います。
今まで、その“想い”から、いろいろな出会いや、感動の瞬間がありました。
宝塚歌劇には、いつもありがたいという気持ちを抱いています。

さて、今年も「宝塚歌劇100周年」ということで、お目出度いイベントや演目なども繰り広げられましたが、その最中、退団されるトップスターや、素晴らしい演技・ダンス・歌唱を見せてくださった方達が何人も退団されました。
それを思うと、またそれぞれの方達の名演などが思い出されて、とても懐かしくなったりして秋風と共にキュンとなります。

今、このブログを書いている机のすぐ近くの書棚に花組全国ツアー(2011年10月)市川公演のプログラムがあり、手にとってみると、ついこのあいだのような気がしていたのに、蘭寿さん(蘭寿とむ/らんじゅ・とむ)が退団された今、もう一度見ると・・懐かしい・・(゚ー゚*)。oO
「小さな花がひらいた」と「ル・ポアゾン」の演目でした。

なぜか、東京宝塚劇場での本公演よりも、全国ツアーでの各地様々な会場での演目が不思議と思い出されます。

小さな・・で、“茂次”を演じた蘭寿さんのトップとしての貫禄も出始めたあの頃の姿。
相手娘役・蘭乃はな(らんの・はな)さんの“おりつ”は、健気でひたむきな女性でした。
もう二度と見られないカップリングと演目、というのが全国ツアーへの特別な思いの要因になっているのかもしれません。
それに、東京、埼玉、神奈川、千葉などの色々な会場を訪ねたときの真夏の暑さや、秋の気配、会場の雰囲気、街の様子などが昨日のことのように思い出されます。体にその時のことが刻みこまれているような感じがします。

私は幸い、千葉に住み、東京での本公演や、首都圏での全国ツアー観劇なども距離的には観劇可能(金銭的には・・やや不可能・・(^^;))なので、その面でもたいへんありがたいのですが、やはり本公演とは異なる雰囲気の全国ツアーは魅力あるものですし、記憶に残ります。

元花組トップスターの真飛聖(まとぶ・せい)さんがインタビューでお話しになっていたのですが、「特に全国ツアーで年に一回しか行けないようなところでは、何人ものお客様が涙を流しながら見ていてくださる」と、その年に一回の宝塚観劇の嬉しさ、そしてスターさん達を間近に見られる嬉しさは何ものにも替え難いものです。

今月は宙組の全国ツアーが千葉の市川市にやって来るので、また楽しみですし、きっと素敵な想い出と共に記憶に残るものとなるでしょう。

きょうは秋風と共に感じる宝塚歌劇全国ツアーのお話でした(#^.^#)


【Now Playing】 After Hours / Rickie Lee Jones ( Pops Vovals )

2014/09/01

「タカラジェンヌの別れの言葉」を読んで【4/4】

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『タカラジェンヌ別れの言葉~退団挨拶から振り返る宝塚人生~/阿部彩子著(東京堂出版)』から受けた印象と共に私の退団されたタカラジェンヌへの想いを綴る第四弾、今回で一応最後にしたいと思います(^-^)

今回は宙組トップコンビで同時退団された、大空祐飛(おおぞら・ゆうひ)さんと、野々すみ花(のの・すみか)さんのお二人です。

二人はトップコンビとして、花組から“落下傘”的に宙組にやって来ました。
この本にも書いてあるのですが、“超”遅咲きの18年目にしてトップスターになった大空さんについてきた相手娘役・野々さんは、宙組の組長・寿つかさ(ことぶき・つかさ)さんによると、「お兄ちゃんについてきた、弟か妹みたいだった」と、あまりにも頼りない様子に驚き、演出家の植田景子先生も「この子、大丈夫?!」と、たいそう心配したようです。

しかし、著者も書かれているように、野々さんは舞台を降りた時やオフでは、“フニャフニャ”ですが、いったん舞台に立ったとたんに役が乗り移ったように顔つきが変わる“憑依系”の娘役でした。

“憑依”した野々さんの演技は誰もが舌を巻き、観客の心を鷲づかみにして、魂を揺すぶられるほどの見事な演技を見せます。

月組から花組に移動し、下級生トップのもとで二番手スターになり、「もうトップの目は無いだろう」と誰もが思っていた大空さんは、野々さんとコンビを組んだ「銀ちゃんの恋」で一気に“開花”します。
この本にも書かれていますが、野々さんの憑依系の芝居にリードされるが如くになった大空さん、初めて役をリアルに存在させられる不思議な感覚を得たようなのです。

「この子となら面白いことができる」と感じた大空さんは、野々さんを連れてトップコンビとして宙組にやって来て、・・その後の大空さんのトップスターとしての舞台、演目は、皆さんすでにご存知のとおり退団するまでの作品全てが名作・代表作となる、素晴らしい活躍を見せてくれました。

おまけに、花組で大成功した「銀ちゃんの恋」をもう一度宙組で再現してくれ、私もそれを見たのですが、銀ちゃんが大空さんなのか、大空さんが銀ちゃんなのか錯覚してしまうくらいの役作りに、ただ・ただ感動しました。
もちろん、それには野々さんの“女優”としての素晴らしさがあってのことでした。

大空さんは、演出家やスタッフ、そして組子の皆から深く愛されていることが見ているこちらにもはっきりと感じられ、精緻な舞台を自らプロデュースしている希有なトップスターでした。

そして、寸分の隙もない完成されたステージを繰り広げる中、野々さんとは“ラブラブ”で、観客のこちらが恥ずかしくなるくらいの“相思相愛”を見せつけ、舞台を降りても二人は互いを信頼し切っていました。

「誰がために鐘はなる」では、二人でディスカッションを重ね、野々さんは、ファシストに髪を切られたマリアを演じるために、娘役で一番たいせつな髪をバッサリと短く切って現われました。
絶対の信頼関係をもつ二人は互いを信じ、ステージ上では大先輩の大空さんも、野々さんのひらめきによる演技を尊重して、大空さんがそれに乗るような場面も多々あったようです。ようするに野々さんがリードする場面もあったということです。

オフでは、野々さんは二歩も三歩も下がって大空さんのあとをついていくという、見事なコンビネーションでした。

私が一番好きだった「クラシコイタリアーノ」のラストでは、二人が静かな海辺で腰掛けている場面で、ちょっと距離をおいて座っていたのですが、野々さんが、“こぶし一つ分”のちょっとだけ大空さんに近づいて幸せそうな仕草をするという演出がありました。
そこまでのストーリーでは、まだ二人は恋をする、というところまではいっていなかったのですが、これまでの演目での燃え上がるような恋愛模様でなく、これから二人が恋をするのかも・・という“ニクい”演技に逆にやられてしまいました。
あんな温かくて、キュンとする恋のシーン、見たことがありませんでした。

長いこと宝塚を見て来ましたが、こんなに素敵なトップコンビは、なかなかいなかったと思います。

この本では、著者が「大空さんが宝塚歌劇随一の遅咲きだったのは、実は13期も遅れて入団してくる野々すみ花という最高の娘役を待つためだったのだ」(T_T)と結んでいました。・・異議なしっ!!です(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 スウィート・キャロライン / ニール・ダイアモンド ( Pops )

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