開高健の知的?痴的?教養講座を読んだ
『知的な痴的な教養講座/開高健著(集英社文庫)』を読みました。
“知的&痴的”な教養ということで、くだけた内容の本、というか、かなりくだけた方に針が振れているものでした。
酒、食、色、人などについて書かれていたのですが、けっこう「色」に重きが置かれ、しかもこう言ってはなんですが、かなり“お下劣”な話が多く、途中で一回イヤになって読むのをやめようかと思いました。
そのあまりに“お下劣”な中身をここで例示できないのがもどかしい・・とても書ける内容ではない・・。
本書は、1992年に第1刷、その後2011年の私が手に入れたものは、版を重ね、第25刷となっています。それだけ人気があるわけで、著者・開高健さんの人気と、この豪快かつ遠慮のない文体に魅力があったのだと思います。
ただし、私にはこの豪快というか、傲慢とも言える書きっぷりにはかなりの違和感を感じました。
女性をまるで欲望の捌け口としてしか見ていないような部分があったり、逆に崇拝しているようなところもあるのですが、そこに書かれている例がとにかく口に出せないような実例を示していたりして・・今のこの時代には読むに堪えないものでした。
かつてテレビなどでもお見かけしましたが、“良い時代”の、ある意味遺物的な方の遺物的文章が今のこの時代に遺されている、という印象の本でした。
私の友人にも開高健ファンはいるし、「これぞ男」みたいに読んでいたので、本書を読んで当時の友人の気持ちもわからないでもないとは感じましたが・・。
でも、ちょっと今の時代には受け容れ難いものというのが私の結論です。
ファンの人、申し訳ない。
でも、五十章まである文の中には共感できる部分もいくつかありました。
昔の男らしい男とはこんなイメージか、などと頁を繰るのも一興かもしれません。
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