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2014/11/30

川端康成の奇怪な物語

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『眠れる美女/川端康成著(新潮文庫)』を読みました。
「眠れる美女」「片腕」「散りぬるを」の三編の小説で編まれています。

以前、お笑いのピース・又吉さんが、「川端康成の書いたもので、男に一夜だけ自分の腕を貸す女の話がある」とラジオで紹介されたことがあって、本屋に入る度にそれを探していたのですが、遂に見つけましたd(^_^o)
二編目の「片腕」がそれでした。

で、一編目の「眠れる美女」から読み始めたのですが、これも奇怪なお話でした。
波音高い海辺の宿に、“すでに男ではなくなった”老人を逸楽の世界にいざなう宿がある・・、そこには一晩目覚めない若い裸形の女が添い寝している・・という不思議な物語。
主人公の老人は、“まだ男である”らしいのですが、そうでないと想定されてこの宿を紹介されます。
あとはもう、若い女が隣で寝ている状態で部屋の鍵を掛け、朝まで過す様子を川端の息を潜めたような精緻な文が紡がれて行くのです。

デカダンス文学の名作と言われた作品らしいのですが、もう最初から読んでいるこちらは、この状況を把握するのに困惑し、我が事のようにうろたえてしまいました。

結局、主人公は三度その館に出向くのですが、それぞれの夜に異なる女が寝ていました。最後には添い寝する若い女は二人になっていました。

となりに若い裸の女が全く目覚めること無く寝入っていて、その様子が書かれているだけなのに、五感が研ぎ澄まされるような川端の文は冴え渡り、最後まで不思議な感覚と、興奮に包み込まれました。
初っ端の作品から驚き入りました。

そして、「片腕」。
又吉さんが言っていたように娘が男に一晩自分の腕を外して貸す!?わけです。
大事にコートの下に隠して自宅に持ち帰った男が、その腕と会話し、眺め、挙げ句に自分の右腕と交換してみる・・という、文学でなければ出来ないような作品。
映像にしてしまうと、個々の読者が想像するたぶん全く異なる世界が損なわれてしまうような気がして、文学ならではの醍醐味を脳内で味わう、そんな物語でした。それにしても、いやはや奇想天外な世界でした。

ラスト、「散りぬるを」は、ひょっとして川端自身が登場してくる主人公の作家かと思われるようなお話。
家を出て、とある作家のところに身を寄せた女性二人。
娘一人のときには同居させ、面倒をみていたが、二人となり、作家は家を借り、二人を生活させていた。
そこに今まで娘達とちょっとした知り合いなっていた男がいたが、どこで働いても面倒を起こし失職、荷物を持ってあちこちふらふらとしていたが、たまたま娘達を驚かそうと夜に侵入。
あとはその男のあやふやな記憶と警察の調書、裁判の予審終結決定書などから男が二人の女性を殺害するに及ぶ経過を主人公の作家が小説にしていく・・という、これまた奇妙なお話。
蚊帳を吊って寝ていた娘二人を包丁で刺し、そして絞殺した陰惨な話で、おどろおどろした文になるのかと思うと、主人公の作家は、娘らの家族が到着する前にあっさりと骨にしてしまったり、カラカラ、さらさらと物語は進んで行きます。
その作家の心の中にある事件の風景と、自身の心の風景がスライド写真のように流れていく様子はこれまた摩訶不思議。
三作とも風合いの異なる川端文学の世界、暗い部屋でひっそりと味わいました。


【Now Playing】 サンデーヒットパラダイス / 三宅裕司 ( ニッポン放送 )

2014/11/26

ミュージカルとショー、「 PUCK / CRYSTAL TAKARAZUKA 」見て来ました【2/2】

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前回の続き、宝塚歌劇・月組東京公演「 ミュージカル・PUCK / ショー・CRYSTAL TAKARAZUKA 」のショーについてのご報告です。
東京宝塚劇場は、クリスマスツリーも飾られて、すっかりクリスマス気分、皆さんツリーの前で記念写真を撮られていました(^-^)

「クリスタル・タカラヅカ」と銘打った月組のショーは、プロローグからスピーディーに飛ばします。
舞台から客席にまで広がったフォーメーションは、私が見ていた二階席にまで広がり、舞台に夢中になっていて、気付いたら目の前に月組の若手の皆さんが上がってきていて踊りまくっていました'(*゚▽゚*)'イヤーッ素敵ぃ~っ!!と思わずウキウキ気分に(*^_^*)
ハイタッチを交わす人達もいて、二階席も含め“大盛り上がり”、一気に月組のペースに乗りました。

第二章では、シンデレラの逆というか、美弥るりか(みや・るりか)さんが、男版シンデレラ、凪七瑠海(なぎな・るうみ)さんが舞踏会に連れて行く魔法使いとなり、まさに“逆シンデレラ”の展開を見せてくれ、客席も「ははぁ~、なるほど」みたいな感じd(^_^o)

第三章のドール・オペラでは、愛希れいか(まなき・れいか)さんを中心とした“自動人形”にされてしまった人達の世界を表現。
人形にされかかっている愛希さんを龍真咲(りゅう・まさき)さんが救い出す、というようなストーリーなのですが、トップお二人のクールでキュートなダンスは他の組には無いカッコよさが横溢(^-^)。
ここまでの展開は月組得意のスピード感溢れる、キレの良い、シャープでキラキラした舞台運びです。

また、月組若手男役7人が白のスーツに、それぞれ紫や赤、オレンジ、グリーン、などをあしらった衣装でキザに歌い踊るクリスタルズのシーンもとても良かった(*´▽`)・・女性ファンは悶絶もののカッコよさです。
そして、ここにはもう珠城りょう(たまき・りょう)さん、宇月颯(うづき・はやて)さん、紫門ゆりや(しもん・ゆりや)さんなどの“イキのいい”若手陣に混じって、超若手の暁千星(あかつき・ちせい)さんも加わっていました。
期待の新星ですねぇ(^-^)/☆


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このショーでも、凪七さんと美弥さんは、“完全平等&均等割り付け”がなされていて、二人は同列に並んでいるのだ、ということがわかりましたが、本人達もどうしてよいのか迷いが生じるような気がいたします。どちらかを何らかの機会に他組に再度配属するっていうのはいかがでしょう?!

龍、愛希トップコンビで特に良かったと感じたのは、スパニッシュな衣装でキレのあるダンスを見せてくれ、銀橋までやってきた中詰のシーンでした。
この衣装は、月組のお二人が他組の誰よりもお似合いではないかと思いました。
ほんとうに素敵でした。

ブルーを基調にした衣装の第六章しずくの結晶は、それまでとは雰囲気を変えて、組全体のアンサンブルの妙を感じさせる流麗なダンスに変化し、これもまた見応えのあるものでした。

フィニッシュが近づくとまずは娘役のロングドレスでの優雅なダンス、そして、男役の黒燕尾での“キメキメ”のキレの良いダンス、さらに宝塚の各組の中でも特に見栄えのするお二人のデュエットダンス。
ステージの流れはとても綺麗で、月組らしい爽やかさが場内を漂いました。

そして目出度くフィナーレの大階段d(^_^o)
・・ここでも、凪七さんと美弥さんは並んで二人で歌いながら降りてきました(^_^;)どこまでも平等です (・_・;

全体としては、月組らしいフレッシュでキラキラで、スピーディーなショーでした。終演後客席を離れるときにも「いやあ、よかった、きて良かったよホント」などという会話が聞こえて私もちょっとうれしくなりました。
月組のこの公演はもう一度見るチャンスがありますので、再度その進化具合をご報告できるかもしれません。


【Now Playing】 Check In / Louis Hayes ( Jazz )

2014/11/25

ミュージカルとショー、「 PUCK / CRYSTAL TAKARAZUKA 」見て来ました【1/2】

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宝塚歌劇団・月組東京公演『ミュージカル「PUCK」/ショー・ファンタジー「CRYSTAL TAKARAZUKA」』を既に観劇しておりましたので、そのご報告を二回に分けてお伝えしようと思います。

まずはミュージカルの「PUCK」から。

「PUCK」は、1992年に同じ月組が涼風真世(すずかぜ・まよ)さんのトップスター時代に公演して以来の再演だそうです。
当時も評判を呼んでいたようですが、私は見ていなかったので、初めてこの演目を観劇しました。

シェイクスピアの「真夏の夜の夢」をモチーフにした作品とのことでしたが、妖精パック「役:龍真咲(りゅう・まさき)」が不思議な力を使って人間の世界に入り込み、その愚かさや人びとの面白おかしい部分を感じて“いたずら”する、・・みたいな部分はある程度似ているものの、ストーリー自体は宝塚独特のオリジナル、という印象でした。

主演の龍真咲さんは、宝塚に入る前からこの演目が好きで、CDで、このミュージカルの挿入歌を覚え、歌っていたとのこと。
ということもあって、主役の妖精パックをすっかり“自分のもの”にして、自由自在!に演じていました。
肩の力も抜けてとても自然な感じ。好きなだけあって、龍さんの代表作にもなるのではないかと思いました。
途中から罰として“人間化”し、人びとの間で働き、人間の機微について知りつつある、そんな様子もたいへんうまく演じていました。
声の調子も違和感なく、妖精っぽい・・というか、成りきっていましたねd(^_^o)
素晴らしい出来でした。


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相手娘役・ハーミアを演じた愛希れいか(まなき・れいか)さんは、幼い頃からお年頃までの様子を無理なく演じて、そしてパックとのやり取りも歯車が噛み合っているように実にしっくりときていました。

月組二番手コンビ、凪七瑠海(なぎな・るうみ)さんと、美弥るりか(みや・るりか)さんは、相変わらずの完全平等的な配役で、ハーミアを狙って互いに牽制し合う、という役どころ。
どちらも強烈なキャラクターでもなく、舞台上の出番は多いものの演技力などを存分に発揮できるようなストーリー展開にもならず、個性を発揮するのには苦労したと思います。
美弥さんは、権力にものを言わせてハーミアを騙して結婚にまで持ち込もうとするところが見せ場だと思いますが、今ひとつ台本的にも強く書かれていないと思われますが、“不発”。
凪七さんは、自己中なハーミアの従姉妹ヘレン:沙央くらま(さお・くらま)との意外な展開を見せるラスト近くの場面が見せ場でしたが、それも観客をぐっと引きつけるまでには及びませんでした。

珠城りょう(たまき・りょう)さんは、ちょっとお調子者だが、真っ直ぐな性格が素敵な青年を愉快に、ワイルドに演じて観客を沸かせ、舞台上の動きや発声、表情、滑舌、役の解釈、なども良く、いい場面ももらって大活躍していました。

ハーミアの従姉妹・ヘレンを演じた本当は男役の沙央くらまさん。
沙央さんの実力をもってすれば、当然の良い出来だと思いましたが、もっと他に役はなかったのかな、とも思いました。
しかも月組に来たのかと思ったら、この公演後は専科に異動が決定していて、沙央さん、便利に使われているような気がして、ちょっとお気の毒・・。

オベロン:星条海斗(せいじょう・かいと)さんとタイテーニア:瞳花ゆりの(とうか・ゆりの)さんは、もちろん堂々の演技を見せてくれて、舞台を引き締めてくれました。頼りになります、このお二人!

全体にこの演目は、シェイクスピアのストーリーから離れて、主役龍さんのパックが妖精から人としての心を持ち始める、その過程に重きが置かれていて、ちょっとしんみりするようなシーンも有り、やはり宝塚独自の完全主役中心なものでした。それはそれで、龍さんの実力が発揮されたとは思いますが、組としては、他の役どころがあまり強かったり、重かったりするわけではなく、その点がちょっと物足りなく感じました。

もっと妖精が人間の“面白くてやがて哀しい”ような様子を掴んで魔法のような力を使ってそれを浮き立たせたり、様々な役どころの人達の人生に調味料を振りかけるような部分があったりすると、シェイクスピアっぽくてさらに良かったのではないかと感じました。
でも、今回は再演ということで、脚本をいじるわけではないのですから、“無い物ねだり”ですね(^_^;)

次回はショーの「 CRYSTAL TAKARAZUKA 」についてご報告いたします。
よろしかったら、またご覧ください(*^_^*)


【Now Playing】 荻上チキ・Session-22 / 南部広美他 ( TBSラジオ )

2014/11/22

「ビートルズ解体新書」を読んだ

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『ビートルズ解体新書/中山康樹著(廣済堂新書)』を読みました。
2012年8月刊行のものです。

著者・中山康樹氏は、元スイングジャーナルの編集長で、jazzのトランペッター、マイルス・デイビスの研究、心酔ぶりについてはこの人の右に出る者はいないでしょう。そして、その触手はロックのビートルズ、ストーンズ、ディラン、ロック一般に関しても広く深く拡がっていて著書多数です。

ビートルズに関する著書もかなり多いと思いますが、今回は「解体新書」と称して、ポールとジョンばかりがクローズアップされるビートルズの、残り二人、ジョージとリンゴの重要性について触れながら、CDで出ている「アンソロジー」シリーズの3組のアルバムに収められている曲について解説し、ビートルズの楽曲、曲作り、サウンドなどについて“解体”していく、という趣向です。

まずはジョージとリンゴについてですが、ジョージのコーラスが無ければビートルズのあのコーラスグループとしても一流であるハーモニーは出てこない、リンゴのドラムについても、あのドラムサウンド無かりせばビートルズは成り立たない、という展開の進め方で書かれていました。
その通りだと思いましたが、でも新書版ということでスペースが無いということもあるのでしょうが、もうひとつ掘り下げてもらいたかった、曲ごとの実例を示してほしかった、という印象でした。

続いて「アンソロジー」シリーズに収録されている曲について一曲ずつふれながらビートルズを“解体”していくわけですが、文中にも時々書かれているのですが、アンソロジーに収められている曲については、残っていたビートルズの様々な録音段階のテイクをそのまま紹介しているわけではなくて、いくつかあるテイクをリミックスして一曲にまとめたりしているものも多くあるので、“解体”された音をそのまま私達ファンが聞けるわけではないのです。

なので、著者の意図に反して“解体”という作業にはなかなか結びつかず、著者も歯がゆい思いをしたかもしれませんが、事前に期待していたこちらもちょっと中途半端で消化不良な思いをしました。

ただ、私もアンソロジーについては、「きょうはちょっと真剣に探究心を燃やして聞いてみよう」などと思っても、CD6枚に渡るあの長い海賊盤的な楽曲には忍耐が持たず、結局はBGMとして、ながら聞きしてしまうということになってしまいます。

それを丹念に一曲?(ジョンやポールの喋りも含めて)ずつ研究心旺盛に聞き、その裏にある四人の考えや、プレイ、ビートルズの曲作りの飽くなき探求心などに目を向けているのは、やはり好きでなければ出来ないことです。

ただ、やはり“解体新書”的にこの「アンソロジー」を聞いていくのは、前述した通り無理があったと思います。

メンバー個々の心情についてだとか、アルバムごとに共通したサウンドがいかにして作られていったのか、とか、テーマをギュッと絞っていった方が良かったのかもしれません。

ビートルズファン(ちょっとマニアックな)としては、それなりに楽しめましたが、何か新たな発見みたいなものは正直ありませんでした。
それとビートルズ初心者にはちょっと内容的に厳しいものがあるかもしれませんので、それなりにビートルズのアルバムは聞き尽くした人向けの本かもしれません。
よろしかったら、書店でちょっと手に取ってご覧いただければと思います(*^_^*)


【Now Playing】 Chains / The Beatles ( Rock )

2014/11/18

高倉健さんが亡くなった

高倉健さんが11月10日に亡くなったとの報道に驚きました。
ご病気だったのですね。
しかもさらに驚いたのは、森繁久彌さん、森光子さんの命日も11月10日と聞きました。
名優が名優を安らかな世界に呼んでくれたのかもしれません。

突然のことでしたが、仕事からの帰り、車中でラジオを聞いていると、ニッポン放送のアナウンサーが健さんと関わった時のエピソードを話していて、健さんが一アナウンサーに対しても、ひとつひとつのお仕事に礼状を送ってくれたり、健さんの声をオンエアしたときのテープを送ると、健さんから礼状が届き、そこには健さんがそのテープを聴いている様子の写真まで添えられていた・・そんな話。

さらに中華料理屋でそのアナウンサーが仕事絡みで食事をしていると、どうやら健さんもその店に来ているらしいと伝わってきて、ご挨拶しようか、プライベートを大切にされているかも知れず、どうしよう・・と思っていたところ、扉がガラッと開いて、健さんがその場に居た方々に「高倉健です。俳優をやっています。こちらに〇〇さん(アナウンサーのこと)がいらっしゃると聞いてご挨拶に参りました。」と深々と頭を下げられたとのこと。
頭を下げられた一同は、どうしていいやら、ドギマギしてしまった・・。
などというお話が披露されていました。

とにかく、健さんがお元気なときから、健さんと仕事をされたり、ロケ地で健さんに会った方、そのほか健さんと関わりを持たれた方々は、皆が皆、全く別の心温まるエピソードを持っていて、健さんの悪口を言う人など一人もいない、ということに、そのお人柄がいかに素晴らしい方だったのかが、わかりました。

あらためて、健さんの映画についてももう一度DVDなどを借りてきて見てみようかと、今、思っているところです。

男っぽくて、心優しく、ちょっとふざけたりするときに照れたような表情をする健さん、安らかに・・・。


【Now Playing】 いつになったら愛されるのかしら / リンダ・ロン・シュタット ( Pops )

2014/11/16

『宝塚夜話・第二十一夜 < 「エリザベート」の深さにあらためて驚く >』

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今回の宝塚歌劇・花組の「エリザベート」を見てあれこれ想い、歌劇団がYouTubeにアップしているダイジェスト版のプロモーション画像などを見ていたら、画面横のおすすめ画像に過去の宝塚版エリザベートがいくつも出てきました。

1996年初演の雪組・一路真輝(いちろ・まき)さん主演によるエリザベートの様々なシーンがアップされていたので、見てみました。
※丁度この頃は私が宝塚から離れていた時期です。エリザベートのうわさは風の便りに聞いていた程度です。

私が実際の舞台でエリザベートを観たのは、雪組・水夏希(みず・なつき)さん主演のものと、月組・瀬奈じゅん(せな・じゅん)さん主演のもの、そして今回の花組・明日海りお(あすみ・りお)さん主演のもので、まだ三公演しか実体験しておりませんでした。
あとは宝塚ではありませんが、帝劇の朝海ひかる(あさみ・ひかる)さんがエリザベートを演じたものを観ています。結局、朝海ひかるさんはじめ、杜けあき(もり・けあき)さん、春風ひとみ(はるかぜ・ひとみ)さんら、宝塚OGが三人も出演していたのですが・・。

いきなり見た初演エリザベートの「闇が広がる」のトート・一路さんとルドルフ・香寿たつき(こうじゅ・たつき)さんのシーンにはほんとうに驚きました。
二人の迫力ある演技と歌唱は、筆舌に尽くしがたいものがありました。
YouTubeの小さな画面でもグイグイと引き込まれ、息を呑みました。

エリザベート・花總まり(はなふさ・まり)さんと一路・トートの「最後のダンス」のシーンも想像を絶する迫力と歌唱、しかも一路さんの“目”の使い方は誰も真似できるものではないと思いました。

他のシーンも、一路さんの身のこなし、表情、歌、全身からあふれる気高く狂気さえも感じる雰囲気など、あまりの素晴らしさに言葉を失いました。
この作品が宝塚にとって大切な演目となり、今回の花組公演中に公演回数800回を越え、観客動員数も200万人を超したわけですが、やはりこの雪組の初演の素晴らしさあってのものだと深く感じました。

それに、現歌劇団理事で、専科で今も活躍されている轟悠(とどろき・ゆう)さんがルキーニを演じていて、これも凄かった!!

次回エリザベート公演がいつになるかはわかりませんが、私もそれまでに過去の公演をDVDなどを入手して味わっておこうと思っています。
そう言えば、東京「エリザベート」公演は今日16日(日)が千秋楽ですね。
明日海りお・トート、新たなトート像を見せてくれました。そして、本日で宝塚を卒業する、エリザベートを演じた蘭乃はな(らんの・はな)さん、たくさんの作品でファンを楽しませてくれました。
ほんとうにありがとうございました。
最後に花組の皆さん、素敵なエリザベート公演ありがとうございました。


【Now Playing】 きらクラ! / ふかわりょう・遠藤真理 ( NHK-FM )

2014/11/15

続いて読んだ「赤瀬川原平」さん関係の本

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前回のブログ掲載に続いて、今度は『路上観察学入門/赤瀬川原平・藤森照信・南伸坊編(ちくま文庫)』を読みましたので、その読後感を。

赤瀬川さんが前回ご紹介した「超芸術トマソン」に関わっていた頃、建築物やマンホール、貼り紙、建物のカケラなどについて町を歩いて探し回っている人達がいる・・というのは薄々わかっていました。

それらいわゆる“路上観察”的な活動についてこの本ではまとめられています。

考現学の定義から始まり、「路上観察」とは何か、“路上の正しい歩き方”(^_^;)、今まさに取り壊されようという貴重な建築物のカケラをどうやって拾う(いただく)か、街にトマソンを追って出掛けると実際はこうなる・・。

さらに、トマソン発見当初の功労者(功労町?(^^;))、麻布谷町の観察日記、女子高生制服ウォッチング(文中にあるが、これは痴漢と勘違いされることもあり、とても観察が難しそうだった)、建築探偵団の活動、はては博物学までお話は拡大します。

実際に観察した時の様子が書かれていて、認知度も低い学問・芸術であるがゆえに、その苦労はかなりのものであったことがわかりました。
当時はデジカメも無いので、ケチらず何枚も撮る必要があると文中でアドバイスが入っていましたが、それについても大変だったと思います。
今であれば、観察したその場でスマートフォンを使って報告、なんてこともあったのであろうと思いますが、でもそれだと・・やはり当時のような盛り上がりはなかっただろうな、と思いました。

特にトマソンに関してはなぜかアナログチックな手法と論法がふさわしい、などと私は勝手に思っています。
竹で囲われた“純粋階段”など、トマソンにはある種の“風情”が感じられた方が超芸術にふさわしいなどと思うのです。
実際に本の中でもそういう部分にふれられている部分もありました。

単純に無用の長物が大切にされている“トマソン”を発見して喜ぶばかりでなく、その物体周辺の雰囲気や、たたずまいなどがよりいっそうトマソンを風雅なものにしてくれるように思います(*^_^*)

路上観察という不思議な世界に足を踏み入れた藤森照信さん、南伸坊さん、林丈二さん、一木努さん、飯村昭彦さん、森伸之さん、荒俣宏さん、杉浦日向子さんらの興味深くて面白いお話やイラスト、・・好きな人には楽しめる本です。
トマソンの写真も数多く紹介されています。
千葉市美術館に『赤瀬川原平の芸術論展』を見に行かれる前に、その街に繰り出しての赤瀬川さん達の活動の模様などを知っておいても楽しく鑑賞できそうです。


【Now Playing】 Help ! / Howie Day ( Soundtrack from “I am Sam” )

2014/11/12

超芸術トマソンの時代に戻ってみた

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千葉市美術館で開催されている『赤瀬川原平の芸術論展』。
10月28日の開催直前に、その赤瀬川さんが亡くなりました。
11月頭に久しぶりに赤瀬川さんの作品や人柄にふれてみたくなり、美術館に出掛けたのですが、私の知っている「超芸術トマソン」の時代の赤瀬川さん以外にも、さまざまな活動、作品を世に出している(問うている?)ことを知ることになりました。

訥々(とつとつ)と語る赤瀬川さんの、なぜかそばにいる人を安心させる人柄というか雰囲気は他の人には見られないものでした。

書店では亡くなられた赤瀬川さんの“振り返り”効果を狙ってか、氏の本が台車に乗ってこれから平台にでも置かれようとしているところでその書店に入った私は、台車から直接この『超芸術トマソン/赤瀬川原平著(ちくま文庫)』と『路上観察学入門』を手に取りました。

トマソンというのは、もともとプロ野球のジャイアンツに入団したゲーリー・トマソンがその由来となっています。
メジャーリーグから鳴り物入りで来日したトマソン選手は来る日も来る日も空振り三振ばかり、・・それをまた巨人軍は大事に大事に最終的には万年ベンチになってしまうのですが、バットにボールが当たらない選手を高給で雇っていたのです。
超芸術トマソンは、町にある役に立たないのに、きちんと保管されているもので(例:階段があって上り下りもできるのに、のぼったところには何らかの理由でドアなどが埋め殺されるなどして役に立たない、でも壊れると大事に補修されていたり管理されているようなもの、それを超芸術“トマソン”と名付けたわけです(^_^;))、最初に発見されたものは、「純粋階段」だの、四谷で見つかったので「四谷階段」…(^_^;)などと呼ばれ、いよいよトマソンの観察が始まります。

その頃、私はこのムーブメントを大いに面白がり、楽しみました。
何冊かトマソン関係の本も、当時買い求めたり、自分でも探してみたりしました。

今回のこの本は、当時私が読んだものに、さらにいろいろと追加されていて、あの頃の気持ちがよみがえってきました。

読んでいて感じたのは、読み進むうちにどんどんと、またトマソンに興味が湧いてきてしまった、ということでした。
最初は数人で、「これが果たして芸術?」と、半信半疑で少人数だったところから大きな動きになっていって、文中にもテレビなどでトマソンを紹介すると、もうすっかり周囲に超芸術トマソンが定着しているといったエピソードが語られていました。

意外と超マイナーな出来事ではなかったのかもしれません。
本屋さんにも当時トマソン関連本が並んでいたような気もしてきました。

人って、こんなトマソンのような怪しくて、いかがわしい“超芸術”にも夢中で楽しんでしまう余裕があるんだな、と当時を思い出しつつ読みました。

とにかく、次から次へとトマソン発見報告、新タイプのトマソンを見いだした報告が赤瀬川さんのもとに集まり、びっくりしたり笑ったり、感動したりの楽しい本でした。

千葉市美術館の展示も途中で展示替えがあるようなので、もう一冊の「路上観察学入門」も読んだうえで、もう一度美術館を訪ねようかと思っています。

それに、超芸術以外の赤瀬川さんの活動、作品も再度見たいと思っています。

千葉市美術館は、近年その企画展の良さで話題を呼んでいます、興味を持たれた方は、どうぞ足をお運びください。


【Now Playing】 橋幸夫の地球楽団 / 林直樹(歯科技工士) ( TBSラジオ )

2014/11/11

見いつけた!(*^_^*)

このブログで土曜日に大東文化大の「活字文化公開講座」に東武練馬まで出掛けたお話をご紹介いたしました。
いつもながら、初めての地に行くということで、ちょっとばかり先乗りし、駅周辺の面白そうな食べ物屋さんはないか、とウロウロしてみました(*^^*)


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で、ちょっとくねった路地(こういうところは見逃せない)に入ると、三角州のような場所に「明治百年記念・正観世音菩薩」と銘打たれた小さなお堂があり、その前に・・見つけましたよ、何やらレトロな喫茶店!
しかも、そのとなりの「飲んで歌って楽しい店・カラオケ広場どうぶつ宴」や、
「飲んで歌って食べて・スナック・チャンス」なんて看板も出ています(^_^;)素晴らしい路地を見つけました、まさにストライク!!d(^_^o)


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「喫茶ボタン」、ネーミングもいいっ'(*゚▽゚*)'


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入り口には、おすすめランチセットなども写真付きで掲示されています。
それを見ただけで“超レトロ”。
気分が盛り上がります。


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店内はもう、昭和40年代真っ盛り(^-^)
正しい喫茶店です。なんとかマキアートなんちゅう変な珈琲は無いっ!(^^;)

私は、ハンバーグセットを頼みました、ホット珈琲で。

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出て来た珈琲は、ああ・・昔懐かしい苦み走ったあの味、なんだか鍋で煮だしたような( ̄O ̄;)、濃い、そして深いようで深くない・・(^_^;)絶妙のレトロ珈琲です。


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ハンバーグセットも、もちろん味噌汁付き、ライスには福神漬けまで付いています。ハンバーグには目玉焼き(半熟ではない)も乗り、おおっスパゲティ・ナポリタンまで添えられている正当派昭和のハンバーグです。キャベツの千切りもおざなりではなく、ふわっとしていて泣かせます。そしてナイフとフォークではなく、「おてもと」が・・・。

お味は、やはり懐かしい昭和の味。涙ぐみつつ完食いたしました(*´▽`)

それに、お気づきですか、テーブルはあのゲーム機ですよ。
それも現役稼働中(^-^)/☆
いやはや昭和を堪能いたしました。
お店の方も、全くレトロなど意識していないふうなのがさらに素晴らしい(*^_^*)

東武練馬駅近くの「喫茶ボタン」、ただ者ではありませんでした。
ナイスな喫茶店&ランチ、感服いたしました<(_ _)>


【Now Playing】 こんな顔 / 十一代・桂文治 ( 落語 )

2014/11/10

木の葉も染まって

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日々寒さもましてきました。
そして木の葉も秋色に・・・。


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なぜ秋はもの悲しいのか、と小さい頃から思っていました。


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それでも庭の草花はまだ様々な色を見せてくれています。


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うちの庭は猫のくつろぎ場となっていて、我が家の庭でくつろいではまたどこかへ戻っていくのですが、ここ数日は寒かったり、雨だったりして見かけませんでした。

私の楽しみはその猫達と庭の草花の様子を見ながら音楽を聞き、ゆっくりと時間の流れを楽しむことです。
ささやかだけど、“極上”の時間(゚ー゚*)。oO


【Now Playing】 日曜日のそれ / 笑福亭鶴瓶 ( ニッポン放送 )

2014/11/09

大東文化大の活字文化公開講座に行ってきました

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昨日は、抽選に当たり、大東文化大学・活字文化公開講座「本との出会い 読書の楽しみ」と題した講座に出かけました。東武東上線・東武練馬駅までの遠距離ですが、楽しそうなので“わくわく”して向かいました。


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第一部は、基調講演として「本を書く楽しみ 読む楽しみ」というテーマで中江有里さん(女優・作家・脚本家)のお話を聞きました。
私はほとんどテレビを見ないので、中江さんがNHKの「週刊ブックレビュー」で長年司会を務めたり、現在はNHK「ひるまえほっと」でブックレビューをしていたり、教育テレビで「国語表現」のMCをされているなど活躍されていることを、今年書店で見つけた中江さんの著書「ホンのひととき」を読むまで存知上げませんでした。

中江さんの真摯で丁寧な読書の楽しみのお話、素晴らしいものでした。
中でも、読書には主に三つの読み方があって、娯楽として(悲しい話で泣いたりすることも含めて)のもの、勉強(専門書などで新たな知識を得ることなど)としてのもの、そして「なぐさめ」としてのものがあるとおっしゃっていました。
この「なぐさめ」という視点に私もグッとくるものがありました。

いろいろな本と出会い、様々な経験をするかの如く、身体に何かが染みてくる・・そんなことが苦境に陥っている自分に対して「なぐさめ」になる、・・そうだよなぁ、そうだったなぁ・・と過去を思い返しつつお話を聞きました。

中江さんにとっても、アイドルデビューしながらも、何か脚本などを書いてみたいという夢がずっとあって、読書が常に自分の支えになってきたということをお聞きして、本と自分との密接な生活がいかに人にとって大事か、そんなことが中江さんの実体験と共によく伝わってくる講演でした。

第二部は、大東文化大の学長太田政男さんがコーディネーターとなり、中江さんに作家の石田衣良さんが加わっての“トークセッション”となりましたが、これが一時間“フル”に大盛り上がりの楽しい時間となりました。

石田さんの“くだけ”つつ、硬軟入り交じったスピーディーなトークがいきなり全開となり、中江さんとカラオケに行って、アイドル時代の歌を聞いた話なども披露、太田学長のたぶん石田衣良ファンであろう見事なコーディネートもあり、読書の楽しさがあふれるような話の花が満開に咲きました。

ふと石田さんが漏らした「日本人っていいな」と外国の人が言ってくれるような日本人になるっていうのが、これからの日本人にとって大切なんじゃないか、それにはたくさんの本を読むってことが大事なんだ・・というくだりがたいへん印象に残りました。

中江さんもトークセッションで、パッと灯りがともるようにキラキラとした表情になり、もともと美人ですが、さらに美しさがいっそう増したように思いました。ほんとうに読書が好きなんですね、会場にも熱気が加わったのがよくわかりました。

太田学長の、最近は学生の活字離れが加速しているので、さらに朝食も摂らずに学校に来る学生がいるので、200円で朝食を提供し、「モーニングセット」として新聞付きで出してみたら、けっこう盛況である・・'(*゚▽゚*)'というお話も飛び出しました。いいアイデアですよねd(^_^o)

この場にお笑いのピース・又吉さん(たいへんな読書家)が加わったら、読書黄金トークショーになったかも、(^-^)/☆なんて思いました。


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会場では、素敵なバッグとタオルまでいただいて、ほっこりとして帰路につきました。こんな楽しい公開講座は初めて!!(*^_^*)
感謝の気持ちでいっぱいの素晴らしい一日になりました。

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【Now Playing】 談志!化けて出てこい / 三遊亭圓歌・桂文枝他 ( NHK-FM )

2014/11/06

「お茶会」初体験!!(*^_^*)

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実は先日・・私・・宝塚歌劇団の生徒さん個人の「お茶会」というものを初めて経験いたしました。
普段から何かとこのブログなどに書き込んでいる割には、そういう内部的な世界には入って行きませんでした。
入ってしまうと、中立的な見方が出来なくなるおそれもあるし、舞台を見て単純に喜んでいる視点から逸脱して生徒さん個人との関係からの影響を受けてブログ等を書いてしまいそうな気がして、二の足を踏んでいたのです。

でも、ついに・・お誘いもいただいたので・・出席しました。

前日は不安でなかなか寝付かれず、当日、会場付近に到着してからも、「今からなら、まだ“逃走”できる・・」(^_^;)などと、ものすごく弱気になりました。

で、会場に入ってみると「おおっ、やはりほとんど女子ばかりではないの・・」

ここで、その生徒さんのお名前はあえて控えておきますが、その男役の生徒さんが、舞台を終え、会場に入ってくる姿は・・あまりに輝いていて、溌剌として、そして清楚な印象で、「やはりタカラジェンヌはちがう!」と思いました。

宝塚を見始めた頃に、お茶会などには参加せずに、個人的に応援し、お話したりした方も過去何人かいらっしゃいましたが、どの方も上記のように、素敵な印象の方ばかりでした。

よくテレビなどに出ている芸能人に会ってみると、意外にオーラがなく、「あれれ」と思うことがありますが、ジェンヌさんは、会ってみると「もっとすごいっ!」っていうことになるのです。
今回もそんな感じでした。

ファンの皆さんの質問などに丁寧に答え、そしてアドリブであるにもかかわらず、ちゃんと楽しい“オチ”のついた面白い話にしてくれるその機転の良さには、まだまだ若手なのに驚くばかりでした。

60~70人以上いたでしょうか、ファンの皆さんお一人ずつ、記念写真を撮ってくれ、その後にはゲームコーナーもあって、彼女の愉快な一面も見られ、プレゼントの抽選では、私、なんと一等賞までいただいてしまい・・想い出深く、そして感激のひとときになりました。

さあ、これから彼女のことをブログに書くときには色々と雑念を祓わねばなりません。
もう一度心を新にして、今までどおり新鮮な気持ちで正直に観劇記などを書いて行こうと決意を、今、新にしております(゚ー゚*)。oO

ほんとうはあまりにも素敵な彼女のことを直接書きたいのですが、「お茶会」はファンとタカラジェンヌの密接な関係を築き上げる場でもあると思いますので、お名前などは明かさずに本日のブログを終了いたします。

最後に、「タカラジェンヌ」は舞台で見ても、実際に会ってみても、夢をこわさない素晴らしい女性であるということをもう一度付け加えておこうと思います。
・・やっぱりいいなぁ・・宝塚(*^_^*)


【Now Playing】 湖畔の二人 / 西村由紀江 ( Instrumental Music )

2014/11/05

宝塚歌劇ステージ衣装展・・お裾分け

先だって東京宝塚劇場に行ったときに、劇場向かいの日比谷シャンテで行われていた『宝塚ステージ衣装展』をチラッとのぞいてきました。
そのうちの一部ですがブログをご覧の皆様にちょっとお裾分けいたします(*^^*)


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この衣装は花組のショーで使われたものです。
細部に至るまで実に丁寧につくられています。


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で、これを着用した明日海りお(あすみ・りお)さん・・こんなカッコイイ男は見たことがないです。素晴らしい'(*゚▽゚*)'


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続いてこの白とブルーが基調の衣装は、・・そうそう明日海さんが月組でロミオを演じた時のフィナーレの衣装でした。


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で、これがまた着用したお姿!
文句ないです、超カッコイイです。みりおファンはうっとりしたまま30分フリーズすることでしょう(^_^;)


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おっ、これは「麗しのサブリナ」の衣装です。


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着用シーンはこちら。蘭乃はな(らんの・はな)さんがトップ娘役披露公演のときに着た素晴らしい衣装です。蘭ちゃんとても初々しかったなぁ、こちらも素敵でした。


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このブルーの衣装は、ベルばらのマリーアントワネットでしたっけ。中日劇場での公演だったか・・・。私は残念ながら観劇していませんが。


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そしてまた着用すると、こりゃまた素晴らしい。
娘役って、女子の夢を“かなえまくり”で、とても幸せでしょうね。


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これは・・そうだっ、戦国バサラの衣装。
明日海さんが花組に来て初めての渋谷・ひかりえ・シアター・オーブでの公演でした。


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このカッコ良さに男である私もうっとりしました。
たまりません。


【Now Playing】 ニュース / NHK ( AM )

2014/11/03

「最後の日本人」を読みました

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『最後の日本人/斎藤明美著(新潮文庫)』を読みました。
最後の日本人としてこの本に登場するのは、高峰秀子さん、緒形拳さん、永六輔さん、山田太一さんら誇り高く生きる人達25人です。

「言ってわかる人には言わないでもわかる。言わなきゃわからない人には言ってもわからない」という高峰秀子さんの言葉。自己顕示、虚飾、見栄、など女優にとっても必要悪と言える要素を唾棄していた高峰さんの厳しい言葉に心打たれました。

漫画家の水木しげるさんの幸福の七箇条もおもしろかった。

一、成功や栄誉や勝ち負けを目的に、ことを行ってはいけない。
二、しないではいられないことをし続けなさい。
三、他人との比較ではない、あくまで自分の楽しさを追求すべき。
四、好きの力を信じる。
五、才能と収入は別、努力は人を裏切ると心得よ。
六、怠け者になりなさい。
七、目に見えないものを信じる。

・・最近の私はかなり近い状態になってきた…σ(^_^;)

伊東四郎さんの

「本物の芸人も役者もほとんどいなくなった。テレビが地に落ちたことが大きな原因だと私は思う。誰もが“素”で出ている。素のままで喋ることを“演技”と称し、“バラエティ”という意味不明な造語の中で与太話をして金を取る。安手な番組が横行している現状では不可抗力と言えなくもないが、ものには限度がある。楽して儲けようとする志の低い芸能人が多すぎて見ていて浅ましい。」

・・これも100%同意いたしました (・_・;

天野祐吉さんの「なぜ日本はこんな腐り果てた国になったんだと思いますか」の質問に対する回答が

「原因は“暇”。暇がなさすぎるんですよ」

・・その心は、「江戸時代は生存のために追われなくていい時間がたっぷりあった。その暇を何かに使おうということで、みんなが面白いことを生み出した。それが文化ですよね」とおっしゃっています。
「暇つぶしというのが、悪いことと思われるようになったのは明治以降のことですよ」と、続けていて・・これも今の私は深く同意するのでした。

天野さん、もうひとつ原因をあげていて、

「少子化。どんどん減った方がいいと思う。日本の人口は」とおっしゃっています。
「国が若い働き手を増やそうと躍起になっているのは、労働力を確保する。言い換えれば年金の払い手を確保してるんですよ」
さらに
「働く時間がどんどん減っていくと必然的に金がなくなり、今よりずっと貧乏になる。でも貧乏していても面白く生きてるほうが面白い」
「金があってもつまんなく生きてるヤツの人生はつまんないということを、いくら理屈で言ってもダメです。サンプルを見せなきゃいけない。僕はそのサンプルの一つになる生き方をしたいの。それは隠居なんです」
長かったが、あの「杉浦日向子」さんが言っていた、やっていたことと同じことだと思いました。

私も、人として生きている中でのちょっとした余裕で自分の楽しみをやって生きている人っていうのが幸せなんじゃないかと、特に最近思っています。

この斎藤明美さんの書かれた(多くのインタビューを経て)本の、ほんの一部についてご紹介しましたが、登場する25人の日本人の語りはたいへん面白く、興味深いものでした。
本屋さんで見つけたら、ちょっと手に取ってパラパラとページを捲ってみてください。吸い込まれるように見入ってしまいますよ。


【Now Playing】 ジセダイの逸材「ジセダイのための資本主義論 / 柴山桂太、飯田泰之 ( NHK-AM )

2014/11/02

「グレース・オブ・モナコ」を見た

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映画「グレース・オブ・モナコ -公妃の切り札-(2014/仏・米・伊・白合作)」を見ました。今回は妻と一緒に。

米国の女優でモナコ公国大公と“世紀の結婚式”を挙げたグレース・ケリーをニコール・キッドマンが演じ、王室でのしきたりやその他に馴染めずにいるところにグレースとかつて映画を作ってきたヒッチコックが新作映画に出ないかとやって来るところから物語りは始まりました。

映画出演のアプローチに心傾くグレースですが、肝心のモナコ公国がドゴール政権下の隣国フランスからモナコ移転で納税を免れる企業から徴税せよと圧力をかけられ、国自体の緊張感が頂点に達しているという状況に悩みます。

グレースの結婚に一役買い、グレースの相談を受けていたタッカー神父から「モナコのために一世一代の演技を・・」と諭され・・窮地モナコを救うためグレースが立ち上がります。

これがどこまで実話として存在していたものかはわかりませんが、この映画の一番肝心な部分、グレース自身が結婚後の悩みから脱却し、本来の自分を取り戻して前向きにチャレンジしていく姿が描き出されているというものでした。

映画出演のオファーに揺れる心情、夫である大公との夫婦間のすれ違い、身近にいたスパイの発覚など、エピソードとしては短い上映時間の中でいくつもあって、ストーリー的には“ひと波乱”も“ふた波乱”もあって見ているこちらは、その展開に期待が増すのですが、どのエピソードもあっさりとまとめられていて、かなりの期待外れ・・。

中途半端な気持ちで見ていると、「えっ」と思う、いきなりのエンドロール。
物足りないことこの上ないのでした。

主演・ニコール・キッドマンのグレース・ケリーに成り切った美しい姿、きらびやかな衣装、カルティエが提供した装飾品、随所に現われるモナコの美しい海などの風景、ノスタルジックに撮影されたちょっとレトロな画像なども見どころであり、その点については良かったと思いましたが、肝心の中身が淡泊で物足りないという・・中途半端な印象でした。
期待が大きかっただけにちょっと不満が残った作品でした。


【Now Playing】 ラストシーン / 西城秀樹 ( 歌謡曲 )

2014/11/01

花組・エリザベート2回目の観劇

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宝塚歌劇・花組東京公演「エリザベート -愛と死の輪舞(ロンド)-」、幸運にも2回目の観劇が実現しました。

前回の観劇から一週間とちょっとですが、花組の皆さん、舞台をどんどん良くしていました。

冒頭の望海風斗(のぞみ・ふうと)さん演ずるルイジ・ルキーニの裁判所でのやり取りから、エリザベートと同時代を生きた人達の霊魂を蘇らせ、ちょっと怖ろしいダンスで始まるこの物語、きょうも望海さん、抜群のセンスで観客を魅了してくれました。
台詞もいい、身のこなしもいい、ダンスもいい、もちろん歌も素晴らしいっ!'(*゚▽゚*)'
前回も良かったが、さらに磨きが掛かった印象でした。文句なしの満点ルキーニでした。
あの、二幕の銀橋で写真撮影するアドリブを利かせるシーン、この日は元娘役トップスターの紺野まひるさんが観劇していて、紺野さんを撮影し会場を沸かせました。

トップ娘役、エリザベートを演じる蘭乃はな(らんの・はな)さんも前回からさらに深みが出て来ました。
それぞれのシーンでの表情が前回よりも様々な場面で絶妙になり、演技しているときの観客からの見え方にも工夫されている様子がうかがえました。
また、歌唱も非常に落ち着いて、堂々と歌い、観客の視線を十分に感じつつ自らのエネルギーに替えているかのようでした。
ご本人も充実感を持ちながら最後の舞台を力の限り演じている姿にこちらも心動かされました(゚ー゚*)

主役トートを演じる新トップスターの明日海りお(あすみ・りお)さんについても明日海・トートの完成形にほぼ近づいたのではないか、と感じました。
その美しさと、華麗さ、かつクールなトートという役を、この世の物とは思えない存在感を出し、堂々と演じ、明日海さんもまた、一週間とちょっとで、想像を超えた進化を遂げていました。
全体に“骨太”になった印象で、個々の歌についても強弱が有り、前回のブログでも書きましたか、一幕最後の銀橋での歌唱は観客の心を根こそぎ持って行った感がありました。
カーテンが降り、舞台が暗転する中、銀橋をゆっくりと渡って行く明日海さんに観客は息を呑んで一瞬静かになったあと、潮が満ちてくるように拍手がワァッと広がりました、いい瞬間でした。素晴らし過ぎるっ!*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

花組の、この日の舞台は、明らかに前回見たときよりも、スケール感が増しました。
また、組の結束というか、組全体で作り上げているという印象も強くなりました。
明日海さんもそれを感じ、組を自らのスケールアップした演技で引っ張っているようでした。早くもトップスターらしい何かがあふれ出て来たのかもしれません。

フランツ・ヨーゼフ役の専科から出演している北翔海莉(ほくしょう・かいり)さんも、母であり、皇太后であるゾフィーに口応えできない様子や、特にラスト近辺のエリザベートとの関係についてもきめ細かい演技を見せてくれ、その僅かだがぐっと効果を増す修正にさすがだと思いました。それに引っ張られ、エリザベートの蘭乃さんも重心の低い、深みある演技をしていて、相乗効果を発揮し、二人のシーンでも、さらに進化を見せていました。

そして、上記の皇太后・ゾフィーを演ずる桜一花(さくら・いちか)さんも、前回からギュッと、表情も身のこなしも“締めた”ような感じで、しかも怖ろしさ30%増量し、(^^;)こちらもゾフィーの完成形に限りなく近づいた印象でした。

エリザベートが病院を慰問した際に、自分こそエリザベートだと思っている患者を演じた仙名彩世(せんな・あやせ)さんの、狂気を含んだ蘭乃さんとのやり取りも、より大きなエピソード・シーンになってきたと思います。
ここでもそれに引っ張られた蘭乃さんの演技が微妙に繊細さを出していて・・よかった・・d(^_^o)

マダム・ヴォルフを演じた大河凜(たいが・りん)さんも、歌も良く、ステージ上の存在感もさらに魅力的になっていて、この人も良かったなぁ(*^^*)、またほめてばっかりのブログになってきたぞ…σ(^_^;)

ルドルフ・芹香斗亜(せりか・とあ)さんと、トートの明日海さんの銀橋での「闇が広がる」はさらに迫力が増し、あまりに素晴らしく、もう釘付けになりました。周囲の観客の様子も息を呑んでいる感じ。
芹香さんは、以前にも増して舞台上の輝きが素晴らしく、オーラのようなものさえ感じられました。

リヒテンシュタイン伯爵夫人の芽吹幸奈(めぶき・ゆきな)さんの演技も歌も観客を魅了しました。
この人の歌のシーンも見どころになってたよなぁ・・いいシーンばかりです'(*゚▽゚*)'

それからふと気付いたのは、生演奏のオーケストラも舞台の迫力に引っ張られて、特にドラムが譜面どおりに淡々と叩かれるのでなく、生の舞台を煽るくらいに派手に強くプレイされる部分があって、それにも心躍りました。
譜面には、「迫力をアップ」などという記号は無いと思いますが、宝塚のオーケストラって、けっこう“乗って”くると勢いがついてくることがあって、そこも魅力のひとつではないかと思ったのです。

もう一つ、千葉市出身(市立朝日ヶ丘中学)の男役・綺城ひか理(あやき・ひかり)さんも気になってステージ上の姿を追いかけましたが、やはり高身長で美しい顔立ちの綺城さん、目立っていましたよ。
2011年初舞台の、まだまだ若手ですが、“華”のあるいい男役になるのではないでしょうか。
プログラムや「宝塚おとめ(歌劇団員全員を紹介してる年一回発行の冊子)」でお顔をご確認のうえ、どうか探してみてください。美形で高身長なので、割とすぐに判ると思います。どうぞ、よろしく<(_ _)>

長くなりましたが、これで2回目のエリザベート観劇記を終わりにします。
トップ娘役、蘭乃はなさんについてもこれで見納めになりましたが、今回のラストの舞台でも著しく進化するところを見せてくれた蘭乃さん、たくさんの作品で様々な役を見せていただきました。
ありがとうございました。


【Now Playing】 永六輔その新世界 / はぶ三太郎他 ( TBSラジオ )

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