江戸川柳から「破礼句(ばれく)」と呼ばれるものを楽しむ本を読んだ
『男と女の江戸川柳/小栗清吾著(平凡社新書)』を読みました。
この本は、江戸川柳の中でも『破礼句』と呼ばれる“みだらな内容”の“下がかり”な川柳を集めたものです。
ちょっと立ち読みしただけでも可笑しいと感じたのですが、男と女が関わるときっていうのは、本能にしたがって無防備になり、そこで人間の可笑しさ、可愛らしさ、さらに人間の業(ごう)が露わになり、単に卑猥だとか、みだらだとかいうことではない、人間というものの“可笑しみ”が感じられて、とても面白い本でした。
恋の駆け引きから、婚礼、初夜、新婚夫婦の破礼句は、恥ずかしいやら、滑稽やらで、どんどんその卑猥さや、さらに頬笑ましさまで感じさせてくれて(*^_^*)ちょっと赤くなってしまいましたが、でも楽しい!
さらに、新婚期間も経たのちの夫婦の営み、熟練の楽しみ、夫婦喧嘩、円満和合(*≧∀≦*)など、川柳の話題も尽きません。
そしてさらに、亭主の浮気とそれをまた上回る亭主に秘密の間男の話。
ここまでくると、人間っていうのは、その行為に飽くなき探求心というか、冒険心をもって果敢に挑んでいくのだな・・(^^;)と、ちょっと興奮気味にはなりましたが、でもまた吹くように笑ってしまいました…σ(^_^;)
続いて奥女中のお話では、男性不在の中での性欲の処理方法などにも破礼句は及んで、江戸時代の日本人というのは、けっこう自由で奔放で、“ゆるく”て、読んでいるうちに、この時期が日本人の生き方としては一番似合っていたんじゃないのか、と確信に近いものを感じたのでした。
落語にちょくちょく出てくるちょっとお尻の軽い後家さんなども、噺を聞いていて、いつも面白いなぁ・・などと思っていましたが、ああいう世界は、ある意味日本人の本能としての理想郷であるぞ、と、ふと思ったりもしたのでした。
とにかく、“生真面目”な明治以降の“頑固一徹公務員”みたいな人には向かない本でしたよ。だから、これを読んでいるだけでちょっとイラついているアナタは読んじゃだめd(^_^o)
というわけで、私は楽しませてもらいました。
江戸の町人的なアナタにはおすすめですよ(#^.^#)
そんじゃまた。
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