「今日もごちそうさまでした」を読んだ

『今日もごちそうさまでした/角田光代著(新潮文庫)』を読みました。
これは肉好きで編集者などにも知られた著者・角田さんがある時(三十歳くらい)を境に、それまで食べられなかった野菜、きのこ、青魚、珍味類を食べるようになり、それらとの人生二度目の出会い的なお話、そして角田さん自らいろいろな料理をつくっていくところを書いたものです。
要するに角田さん、子供の頃から三十歳くらいまでかなりの偏食だったんですね。
角田さん、上記のように「きのこ」も三十一歳まで(^^;)口にしていなかったとのこと。
大学のときにピラフやオムライスからどんな小さなマッシュルームなども抜き出して食べていたようで、友達からも「見苦しい」「みっともない」「気分が悪くなる」などと批判を浴びていました。
それが秋田の田沢湖のほとり、一日雪の中での取材を終え、夜きりたんぽ鍋に入っていた舞茸を食べたあとから・・「やだおいしいじゃん」のひと言で(^_^;)変ってしまったのです。
そして次々としめじ、エリンギ、マッシュルーム、椎茸などにもチャレンジし、その美味しさを知るのです。
特に椎茸には、「今まですまなかった」と心の底から反省し詫びるのでした。
なんだかその気持ち、わからないでもない。
角田さんは、こうしてきのこだけでなく今の今まで嫌っていた食べものの本来のおいしさに目覚めつつ、自宅でもその素材を使った料理をつくり、そのようすがこの本に書かれているのです。
私も小さい頃から偏食が目立つ子供でしたが、大人になり、そしておじさんになり、食べられるものが増えましたね。そしてその食材の味わい方が色々とあって、それぞれにおいしさを引き立てるやり方があって、それを“楽しむ”ってことが“食べる”ことなんだ、と今になって、すっかりおじさんになって気付いたのでした。
だから、角田さんのこの本を読んでいて、「大人げないなあ」とは思いつつ、「そうか、そうだったのか、それでいいんだよ」などと共感する部分が多々あったのでした。
角田さんたら、豆腐も嫌いだったそうで、あるとき小鍋をもらってしまい、仕方なく湯豆腐などをつくって食べたくだりでは、居酒屋にある冷や奴などを頼むヤツは持病を持っているようなヤツに違いないなどと小馬鹿にしていたのに、昆布をしいて沸騰しないように豆腐を煮て、豆腐がゆらりゆらりし始めたら火を止めてポン酢で食し・・衝撃が角田さんの全身を走り、宙を見つめたまま箸を取り落としそうになるのでありました。
こういうのが可笑しくて最後まで楽しく読ませてもらいました(^o^)
色々な食材や料理に衝撃を受けつつ、大人になってから目覚めていく角田さんの様子。逆に読んでいるこちらは、あらためてその食材や料理本来の良さに気付かされたのでした。
面白い本でした。(^-^)/☆
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