杉浦日向子さんの「一日江戸人」読みました
『一日江戸人/杉浦日向子《文・絵》(新潮文庫)』を読みました。
現代に生きていた“江戸人”と言える杉浦さんの江戸紹介本、楽しい本でした。
杉浦さんは2005年に亡くなられています。ほんとうに惜しい人をなくしたものです。
江戸風俗を語らせ、描かせたらこの人ほど愉快に、そしてご本人も楽しく案内してくれる人はいないでしょう。
大奥の構成や実態、また将軍の一日はけっこうハードなこともわかりました。
そして何よりも私が一番興味を持っている「長屋の生活」などの庶民の様子。
杉浦さんは、江戸の粋な庶民のひとりとして、わかりやすく語ってくれます。
江戸っ子の風呂好きな様子を絵と共に語ってくれた部分では、基本的には混浴で、何度かお上が混浴を禁じるのにもかかわらず、また元に戻ってしまうという話もありました。
それに、実際の銭湯内部の様子や、若い娘が混浴風呂に入ってきたときにはどうするのか、とか、これまた愉快に書かれています。
とにかく、江戸はおおらかです。
また、江戸の人々の道楽や、動物好き、縁起担ぎ、そして「江戸めぐり」のコースや土産物のおすすめなど、今でも“江戸”を楽しめる“とっておき”を紹介してくれるのです。
江戸の人々は休みを取るときにもゆったりとしていて、なんだか「一億総活躍社会」なんていって、国民全員を老若男女こき使い、搾り取るどこかの国の未来とは異なる良い社会です。
あの人も一回こういう本を読んだ方がいいと思うけど、・・ま、読まないね(^^;)、国民にとって重大な“〇PP”ってのを強引に取りまとめ、それについて説明もせず、国会も開かず、質問もさせず、国外に行っちゃうような人だから・・。
というわけで、私の大好きな江戸の庶民の暮らしについて書かれたこの本、いこいのひとときを提供してくれました。
杉浦さんのイラストを含め、とてもよい本でした。
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