仏映画「エール」を見ました
千葉市の「千葉劇場」で『エール(La Famille Belier)/2014年仏 監督:エリック・ラルティゴ 主演:ルアンヌ・エメラ』を見ました。素敵な映画でした。
美しい風景のフランスの田舎で畜産とチーズづくりで生計を立てる父・母・姉・弟の四人家族の生活の様子から物語りは始まります。
でも、高校生の長女・主演ポーラ役のルアンヌ・エメラ以外の家族三人は耳が聞こえないのです。
長女が家族三人の“耳がわり”となり、家業での様々なやり取りや、日常生活を支えます。
家族は頑固で、でもやさしい父親や、ちょっと可愛くて“おっちょこちょい”な母親、そして“ませた”弟、主役のポーラでのケンカやよくある家族の風景、田舎で家族を支えながら一生を終えるのかという悩みなども含みながら“良い家族”の様子が展開されるのです・・が。
高校でカッコイイ男子がコーラスのクラスを選択したのを見てポーラもコーラスを選択。
それまで大きな声で歌うこともなかったポーラがお腹の底から声を出し、歌うことの喜びを先生役のエリック・エリモスニーノが気づかせ、そしてシンガーとして成長させます。
この先生は、厳しく、優しく、そして主役のポーラを元気づけ、背中を押してパリで声楽の勉強をさせるためのオーディションを受けることを勧め・・家族は反対する中、苦悩の末にポーラはオーディションに向かいます。
そこまでのポーラの悩みや、挫折、家族との気まずい関係などが描かれて行く中で、見ているこちらはハラハラするわけです。
でも、その中で得る家族の本当の愛情が心を打ちました。
高校のコーラス・クラスの発表会での感動的なスタンディング・オベーション、そしてケンカしてしまったデュオを組んだカッコイイ男子との恋愛模様、ラスト、パリでのオーディションの家族が見守り、大切な先生がピアノ演奏をしてくれながらのあまりにもストレートで家族への手話混じりの歌唱が一気に私の涙のダムを崩壊させました(T_T)
こんな“うれしい涙”なんて流すことはあまりないことです。
劇的な展開や、衝撃的なシーンなどで目を引くこともなく、素直で穏やかな映像と演技でコーティングしたからこその感動でした。
素敵な家族と心温まる周囲の人々を描いた美しい映画でした。
出会えてよかった・・。
今の日本の若い人にもぜひ見てほしいと思いました。
【Now Playing】 1ami9 / 菊地亜美 ( ラジオ日本 )
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