酒場詩人・吉田類さんの「酒場歳時記」を読んだ

『酒場歳時記/吉田類著(生活人新書)』を読みました。
吉田類さんといえば、“酒場と旅”。私はテレビをほとんど見ないので、YouTubeなどで吉田さんが酒場を訪ね歩く番組をよく深夜に見て楽しんでいます。
このブログでもよくその著書にふれているもうひとりの達人・太田和彦さんとはまた異なる酒場での風情を感じます。
この本では、下町の酒場を詠み込んだ「酒場八十八句集」などという沁みてくる酒場の詩句も載せられています。
〇舌鼓打たば新酒の神の舞ふ
〇酒瓶に秋の夕日の沈みけり
〇立ち飲みてビルの狭(はざま)の雨月かな
・・どうですか、特に facebook を通じてこのブログをご覧になっている全国にいる私の知り合いの呑兵衛の皆さん(^^;)・・なんかぐっと沁みてくるんじゃありませんか。
私が東京勤務時代に行った有楽町ガード下、東京駅寄りにある「鳥藤」のミルクワンタンの句も見つけました。色っぽいですよ(*^_^*)
〇ワンタン喰ふ春や乳房の舌触り
・・・エロス的な躍動感には春がふさわしく、他の季節ではイメージが湧かないと吉田さん、おっしゃっています。あのミルクワンタンで乳房を感じるとは・・さすが達人でございます、恐れ入りました<(_ _)>
上記のような風流な面が強調されている一方、体調が悪かったり、どうすすめていいかわからぬまま酒場を探訪する番組の収録をする苦しみのようなものも書かれていたり、訪ねていく酒場のあり方や主の様子などが割と距離を保った形で書かれているとも感じました。
太田和彦さんが店主や、その店で働く次の世代の人達と心通わせるような交流、その中で美味しいと感じた肴の数々をうれしそうに語るのとはまた違った腰を落とした視線を感じる文でした。
まさに吉田さんも酒場の達人。
こういう本を読んでいると、また私が師と仰ぐ“遊びの達人”や永遠の酒友・ヅカ友の“お酒の女神”達に会いたくなってくるのでした(*^_^*)・・さそっちゃおうかな・・。
【Now Playing】 Autumn Leaves / Wynton Marsalis ( Jazz )
« 映画「マイ・ファニー・レディ」を見た | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0082: 幸せの黄色いリボン(Tie Yellow Ribbon Round The Ole Oak Tree)・ノックは3回(Knock Three Times) / トニー・オーランドとドーン(Tony Orland and Dawn) ( Single )】 »
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 古本の頁を繰っていて見つけるもの(2022.01.23)
- 中学生時代から今に至るまで、「レコード盤を貸してくれ」「CDを貸してくれ」「本を貸してくれ」と言われる話。(2021.12.21)
- 「日本人も知らなかったニッポン/桐谷エリザベス」を読みました。(2021.10.03)
- 「小林信彦 萩本欽一 ふたりの笑タイム -名喜劇人たちの横顔・素顔・舞台裏-」を読みました。(2021.09.28)
- 坪内祐三の「最後の人声天語」を読んだ。(2021.09.25)
「お酒」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0595【 秋寒に あの駅で降り あの店へ 】(2025.10.26)
- 「80歳、不良老人です。/太田和彦」を読みました。(2025.09.14)
- 俳句を詠んでみる_0544【 泡盛に浮かべた記憶 流し込む 】(2025.09.02)
- 「関西で飲もう -京都、大阪、そして神戸-/太田和彦」を読みました。(2025.08.24)
- 俳句を詠んでみる_0494【 夏の夕 冷えた麦酒に キーマカレー 】(2025.07.12)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0594【 やしろ 池に映え 秋惜しむ 散策 】(2025.10.25)
- 俳句を詠んでみる_0591【 秋雨 津波の記憶残る漁港 】(2025.10.23)
- 俳句を詠んでみる_0589【 秋の声 寂しくも それは良いのだと 】(2025.10.20)
- 俳句を詠んでみる_0588【 運命が 育ててくれた 秋の空 】(2025.10.19)
- 俳句を詠んでみる_0580【 秋の空 一時(いっとき) 世の不穏忘れ 】(2025.10.10)
« 映画「マイ・ファニー・レディ」を見た | トップページ | 【はっPのアナログ探訪_0082: 幸せの黄色いリボン(Tie Yellow Ribbon Round The Ole Oak Tree)・ノックは3回(Knock Three Times) / トニー・オーランドとドーン(Tony Orland and Dawn) ( Single )】 »


コメント