すっごいタイトル「殺したい蕎麦屋」を読んだ
『殺したい蕎麦屋/椎名誠著(新潮文庫)』という椎名さんの感情的エッセイ集を読みました。
そもそもこの文庫に収録されていてる一編の「殺したい蕎麦屋」は、以前このブログでもご紹介したジャズ・ピアニスト、山下洋輔さんが選んだ蕎麦に関するエッセイ集にも収録されていて、数々の蕎麦好き達のエッセイをものともせずに、ぶっちぎりの面白さでした(#^.^#)
同じものがここにも収録されているのですが、あらためてちょっとご紹介すると、入ったときから“ひそやかな殺意”のきざしがあったとのこと・・。
店内はしんとしていて、BGMはビバルディ。
いちばん安い「せいろ蕎麦」が1260円。
メニューは手書きで“相田みつを”が入っている。・・・ここらへんで私でも警戒モードに入りますね。
待つことしばし、しずしずと運ばれてきたのは謎楕円せいろの上に“散らばる”蕎麦。
どう考えても二十本くらいしかない・・。
そして五回の箸の上げ下げで食い終わってしまいます。
計算すると、この蕎麦は一本で63円!三本分で駅のソバが一杯食える。
六本で二杯だ!九本で三杯!二十本で七杯はいく・・そんなに食えるかっ!!(^^;)
・・ま、殺したくなりますよねd(^_^o)
椎名さんに降って湧いた災難はまだ続きます。
南青山のイタリアン。
新刊本の装丁の打ち合わせに入った椎名さん。
夏で暑かったので、ちょっとビール飲みながらがいいね、とスパゲティとビールをたのむと・・・生ビールはやっていません・・んなら瓶ビールで、と言うと・・まもなくしゃれたグラスと一緒にビールが。
ヌルい、まったく冷えていない。
お店の人にそう言うと、「当店は本場のイタリアンどこそこの料理を提供していますので、本場の料理の味をそこなわないように本場のと同じようにビールは通年、常温でおだししています。」・・だと!
イタリアのどの地方がその本場なのか知らないが、我々は湿気があって暑い日本のトウキョーにいるんだ。日本のあたりまえに冷えたビールが飲みたいのだっ!・・椎名さん、魂の叫び(^^;)
ほかにも、信州で本格蕎麦とうたっている店に入ってしまい、せいろ蕎麦をたのむと、蕎麦猪口には「つゆ」が入ってなくて、“水”が!!
「当店は自信をもって本格的な信州蕎麦を提供しています。蕎麦の本当のおいしさを十分に味わっていただくためには渓流の水でじっくり蕎麦を召し上がっていただいております。」・・だと!
そんなこんなで、椎名さんの疾風怒濤の感情的エッセイ集でした(*^_^*)
いつもどおり、おもしろかった(゚ー゚*)。oO椎名さんファンは買った方がいい、っていうか、買うよね。
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