エッセイ「猫の散歩道」を読んだ
『猫の散歩道/保坂和志著(中公文庫)』というエッセイ集を読みました。
著者が猫派になった日からの著者の飼い猫を中心とした猫の話、季節の話、子供の頃住んでいた鎌倉での友達との話、などが88編収録されています。
“小説のエッセンスが詰まったエッセイ”とうたわれていましたが、たしかに小説のネタになりそうな話題のエッセンスを感じることはできました。
できましたが、特に心動かされるような話題もなく、えっ?ああそうなの・・・(´・_・`)
という、“落ち”のない話が最後まで続いていて、最初はふんふん、そんなこともあるかな、などと落ち着きつつ読んでいましたが、終盤に入ると「もういいや、また起伏のない話で終わるんでしょ」となってしまい・・、息切れしたというか、疲れました。
著者はカフカが好きで傾倒していて、時間があれば読み返されているようですが、「意味を見いだすな、カフカはただそこに書いてあることをそのまま読め、それでいいのだ」と、妙に力強く書かれていて、そんな読み方出来ないよ、意味なくただ書かれている文字をそのまま読むなんて、今までそういう読み方などしたことがありません。
著者自身も「あとがき」で、「私は小説を書けば事件が何も起きず退屈だと言われ、エッセイを書けばまわりくどくて難しくてわからないと言われる」と書いていましたが、この本は短くて読みやすいものにした・・とされていました、・・いましたが、私には何も起伏のない、味のついていない寒天を食べているような気持ちになりました。ごめんなさい。
もう少し体調が良ければどうにかなったのか、体調なんて関係なくそういうものだったのか、考えるのも面倒なので、それについてはもうふれずにこの感想を終えます。
変な疲れの残った本でした。
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