太田和彦さんの「みんな酒場で大きくなった」を読んだ
『みんな酒場で大きくなった/太田和彦著(河出文庫)』を読みました。
最近じゃ、“居酒屋”と聞いただけで太田さんの顔が浮かんでくる(*^_^*)のですが、この本は太田さんが親しくしている人と居酒屋に出掛け、その人との「酒談義」に花を咲かせるというものです。おもしろくないはずがない!d(^_^o)
登場するのは角野卓造さん、川上弘美さん、東海林さだおさん、椎名誠さん他、太田さんと渡り合うに十分なお歴々です。
角野卓造さんの地方での居酒屋探訪の仕方も一家言有り、太田さんと東西居酒屋番付をつくろうという話になったときにも互いに譲りません。いきなり冒頭から見どころあったなぁ(゚ー゚*)。oO
また私がものすごく好きな小説「先生の鞄」を書いた川上弘美さん。
あの小説に出てくる居酒屋は、なんというか人生で出会いたい“なんでもないけど、でも心安らぐ居酒屋”で、その作者が太田さんの著書を参考に居酒屋を巡っている話には、そうかそうか、と膝を打ちました。
椎名誠さんとは、太田さんはとても長い付き合いですが、二人の心通い合う“いい話”には、ほんとうにしみじみとしてしまいました。
椎名さんも太田さんも私の“大好物”ですから…(^_^;)
何人かの方が太田さんに尋ねていたのは、「どうやって居酒屋でひとり居ることができるのか」「どういう風情でそこに居ればよいのか」ということでした。
皆さん、常連がいる店に入っていって、“よそ者”扱いされるのがこわい、と口を揃えておっしゃいます。・・私も…σ(^_^;)
でも、常連らしい客が見ているのは入ったときの一瞬だけ、あとは気にもしていないし、お店の人も“ちゃんと勘定払うか”だけが心配なので、そんなに意識することはない、などと太田さんは言うのですが、・・難しいですよねぇ・・居酒屋ひとりデビュー。
椅子の腰掛け方や、盃の持ち方、酒の飲み方、飲んだ後の味わう様子などもレクチャーしちゃう大サービスの太田さんですが、それがまたおもしろく、ここで書いちゃうと本が売れなくなってしまうので、あとは読んでからのお楽しみ(^-^)/☆
こんなに楽しい“酒場本”には滅多にお目にかかれませんよ。
ぶっちぎりのおすすめ本です。
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