映画「人生フルーツ」を見てきた

映画『人生フルーツ/2016年・日本 監督:伏原健之 プロデューサー:阿武野勝彦 製作・配給:東海テレビ放送 出演:津端修一さん(90歳)、英子さん(87歳)ご本人 ナレーション:樹木希林』を妻と見てきました。
風が吹けば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
人生、フルーツ。
これが映画冒頭で語られる言葉。
そして、晩年をその言葉どおりに生きたご夫婦のお話です。
『むかし、ある建築家が言いました。家は、暮らしの宝石箱でなくてはいけない。』
・・これも、津端修一さんが大切にしていること。
津端さんは、かつて大きな住宅や団地などの都市計画に携わってきましたが、風の通り道となる雑木林を残し、自然との共生を目指した計画は時代の“経済優先”という流れに抗えず、結局は理想とはほど遠い無機質な大規模団地になってしまいました。
でも、その団地の土地を自ら買い求め、自分の土地、家だけでも理想の形に近づけようとしたのが津端修一さんと奥さんの英子さんご夫婦です。
四季折々、庭でつくられた何十種の野菜、果実が、妻・英子さんの手で美味しいごちそうに変わっていく。
刺繍や編み物から機織りまで、何でもこなす奥さんの英子さん。
たがいを「さん付け」で呼び合う、麗しい夫婦の暮らしは、喜びと尊敬に満ち、その生活は工夫にあふれていました。
映画を見て、こんなに自然な気持ちに、落ち着いた気持ちに、よろこびに充ちた気持ちになった経験はありませんでした。
夫婦として、人として、社会を形成する人の一人として、こんな生き方ができればいいな、と本当に思いました。
今回一緒に見に行った妻も、私も、ある程度人生には失望する部分が多くて、互いに「あまり長生きしたくないね」と、よく話をしていました。
なんでそんなこと言うんだ、とそれが耳に入ったひとからは驚かれたり、呆れられたりしたものですが、でも「人生こんなにつらいんだったら、あるていどのところでさっさとおさらばしたい」というのが・・実は私達夫婦の本音でした。
映画を見終えて、二人で舗道を歩き出したときに、「長生きすることもわるくないって、きょうこの映画を見てはじめて思ったよ」と妻から言われ、私も同感でした。
人のことを考え、人から何かされたときのことばかり考えているから、そんな気持ちになってしまっていたのだな、と、この映画が気づかせくれました。
明日から少しばかり私達夫婦の生き方が変わるかも・・。
【Now Playing】 My Foolish Heart / Bill Evans ( Jazz )
« 土曜日に久しぶり、佐原に行ってきた | トップページ | 磯田道史氏の「歴史の愉しみ方」を読んだ »
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 映画「ヌーヴェル・ヴァーグ(NOUVELLE VAGUE)」を見ました。(2026.07.11)
- 映画「Rhapsody Rhapsody ラプソディー・ラプソディー」を見ました。(2026.05.05)
- 映画「カミング・ホーム(Jules)」を見て来ました。(2026.03.20)
- 映画「落語家の業(ごう)」を見て来ました。(2026.03.04)
- 映画「米寿の伝言」を見て来ました。(2026.01.31)
「自然・四季」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0891【 花糸瓜 迎へてくれた 車寄せ 】(2026.09.02)
- 俳句を詠んでみる_0888【 玄関出でて 早秋のにほひする 】(2026.08.30)
- 俳句を詠んでみる_0852【 境内に 向日葵立ちて 黄の光り 】(2026.07.28)
- 俳句を詠んでみる_0827【 玉葱を 梯子に吊るし 頃を待つ 】(2026.07.03)
- 俳句を詠んでみる_0822【 梅雨出水 報道画像 胸を衝く 】(2026.06.28)
「家族・親子」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0883【 水没車 路上にくの字 今朝の秋 】(2026.08.25)
- 俳句を詠んでみる_0877【 しゃぼん玉 今でも子らは 声をあげ 】(2026.08.20)
- 突然、千葉の豪雨被害に直面して(2026.08.15)
- 俳句を詠んでみる_0865【 祖母から孫へと メロンの誕生日 】(2026.08.09)
- 俳句を詠んでみる_0856【 嬬恋の キャベツのピザを ほくほくと 】(2026.07.31)
「しみじみモード、私の気持ち」カテゴリの記事
- 俳句を詠んでみる_0895【 秋の夜に 自販機のうどん 啜る人 】(2026.09.06)
- 俳句を詠んでみる_0894【 無月にも あの夜の日本 見えてくる 】(2026.09.05)
- 俳句を詠んでみる_0886【 逢ひたいと いひつづけるよ 秋の雲 】(2026.08.28)
- 俳句を詠んでみる_0883【 水没車 路上にくの字 今朝の秋 】(2026.08.25)
- 俳句を詠んでみる_0875【 退いて 我が生き方を 曝書(ばくしょ)せり 】(2026.08.18)


コメント